子供と一緒で、犬は突然調子を崩すものです。
昨日まではあんなに元気だったのに・・・とおっしゃっている飼い主様をよくお聞きします。
そんな時に限って病院に行けないということもよくあります。
そのあたりも子供と一緒でタイミングが悪い時に調子を崩すものです。
そういう時に自宅まで来てくれる往診はとても便利ですよね。
今回は、往診という観点から、犬が下痢をした時のご説明させていただきます。
まず便をとっておく
便の色や粘調度などの情報は診察する上ではとても大切な情報です。
往診医によっては検便を行う場合もありますので、できればラップなどに包んで保存しておくといいと思います。
獣医師に伝えるべきことをまとめておく
動物病院のすべての診察において言えることですが、特に往診ではすぐに血液検査やレントゲンなどの検査ができないため、飼い主様からの稟告の情報がとても大切になります。
慌てていると、説明もちぐはぐになっていくので、その分重要な情報が失われてしまう可能性もあります。
いつから、便の回数、食欲のあるなし、下痢以外の症状があるのかなど箇条書きでまとめておくととても便利です。
また飼い主様が思いつくような理由があれば、それも伝えておけるようにしておくといいと思います。
身体検査を行う
往診医が到着後、飼い主様のお話を伺った後、実際に診察を行います。
視診、聴診、触診を行うのですが、まずポイントとしては、対症療法で治療が可能なのかどうなのかを判断します。
下痢というのは、色々な原因がありますから、残念ながら自宅では治療が不可能な場合もあります。
熟練した獣医師であれば、そのあたりの判断は、検査などをせずともかなりの確率で判断できますので、その時の獣医師の指示に従っていただければ構いません。
治療を行う
下痢に対する対症療法とは、整腸剤を主体とする薬剤を投薬するということです。
その場合の投薬方法とは、内服か注射かになります。
状態によっての判断になるのですが、いわゆる静脈点滴はあまりお勧めしません。
静脈からの投薬はダイレクトに薬が効く分、腎臓などに影響を及ぼす可能性があるため、すぐに血液検査などができない状態では、安全確認に疑問が残るからです。
再診を行う
治療の経過を見るためには、できるだけ再診を設けたほうがいいと思います。
忙しいからとついついそのままにしておくと、治りきらずに再発したり、さらに状態が悪くなることもあります。
往診であれば予約のため予定も付きやすいと思うので、ぜひともお願いします。
往診に向かない下痢とは?
異物を飲み込んでしまった、もしくは子宮蓄膿症などの疾患などは、手術が必要なため往診には不向きです。
また、血液検査などがすぐに必要な症例に対しても、残念がら応急手当程度しかできないと思います。
まとめ
動物病院で勤務しているなおさら思うのですが、下痢と言われる治療の90%以上は往診で十分対応が可能だと思います。
動物を連れて行くリスクなどを考えるのであれば、往診という選択肢をもっと活用していただいた方がいいと思います。