こんにちは、セカンドセレクト獣医師の斉藤です。

今年も花粉の時期がやってきました。

ぼくは超重度の花粉症なので、本来であれば1年で1番過ごしやすいであろう季節が一番つらい季節です。

飼い主様の中にも花粉症を患っている方も多くいらっしゃると思いますが、鼻がつまるのはただ単に臭いがかげないだけでなく、集中力も低下し、ときには食欲も減退するぐらい割と深刻な症状だと思います。

これはペットも同じようで、極端な鼻炎は著しく状態の低下を招くことがあります。

ペットの鼻炎は犬や猫だけでなくウサギにもあるのですが、原因はさまざまです。

今回はペットに起こる鼻炎をケースバイケースでご説明したいと思います。

透明な鼻汁が垂れてくる場合

よく小型犬で見られるのですが、透明な鼻汁が出てくるのを心配される飼い主様は意外と多いと思います。

犬自身にはその他にみられるような自覚症状はあまりなく、たまに軽めのくしゃみが出る程度です。

アレルギー性のものや寒暖の差で出てくる鼻粘膜の生理的な炎症など、原因としても病的なものを含むことはめったにありません。

点鼻薬程度で治まることがほとんどなので、あまり深刻には悩まなくてもいいと思います。

歯石などが多い犬の場合

歯石を形成している口腔内の雑菌は歯の根に感染することもあり、時に膿瘍を作ることもあります。

特に犬歯の根はかなり深く、鼻道の粘膜の近くまで歯が歯肉に埋まっているため、犬歯の根に感染が起こり発生した排膿は膿性の鼻汁として鼻腔から出てきます。

こういったケースでは可能であれば犬歯を抜歯することが唯一の治療法になるのですが、全身麻酔が必要になるため、年齢やその他の疾患などにより処置が不可能な場合は投薬で様子を見ていくこともあります。

また感染の仕方によっては鼻出血を伴うこともあり、飼い主様のご心配を増長させることになります。

ちなみに鼻出血があった場合も対応法は一緒ですが、とりあえずの処置としては安静にして血が止まるのを待つしかありません。

ミニチュアダックスなどのマズルが長い犬種の場合

ほとんどのケースがミニチュアダックスで見られるのですが、マズルが細長い犬種が起こす鼻炎は難治性のことが多いと思います。

無色透明のものから感染を起こした膿性の鼻汁までさまざまなものが見られるのですが、マズルの長い犬種の鼻炎の場合は副鼻腔が大きく、俗にいう蓄膿症に移行することがよく見られます。

この場合、副鼻腔に貯留した膿を洗い流すことは現実的に困難ため、内服や点鼻などで様子を見ていくしかありません。

特に老犬で多いこの症状は、くしゃみをするたびに膿性の鼻水をまき散らすため、ご自宅での管理がいささか困難になることもあります。

またひどい場合は鼻汁を誤嚥したことが原因と思われる気管支炎や肺炎を起こし、発咳や食欲不振などを引き起こします。

文献によってはある特定の癌などに使用する抗炎症剤が改善させることが書かれていますが、個体差も大きく今のところは決定的な治療法はありません。

フレンチブルドッグなどの短頭種の場合

フレンチブルドッグを代表とする短頭種はもともと鼻道の形がいびつな形をしているため、鼻道が狭窄したような独特の呼吸音がするほか、透明な鼻水もよくたらします。

これらのことは日常的に起こることで特に問題はないのですが、中高齢以上になると鼻道内の腫瘍が発生することがよく見られます。

一般的に鼻道内にできた腫瘍は悪性度も高く、予後は極めて悪いものばかりです。

初期段階では普段と呼吸音は変わらないのですが、鼻汁の量が増えたり、鼻血が頻繁にみられるようになります。

腫瘍の増大に伴って、眼球が押され常に結膜などが腫れている状態になったり、左右で目の大きさが違ってくるようになります。

さらに増大化した腫瘍は脳を圧迫し、痙攣などを含む神経症状が多く出ます。

治療法はMRIを行い、腫瘍の大きさを特定し、可能であれば生検を行い、腫瘍のタイプを調べます。

手術によって多少縮小が望めるのであれば摘出手術を行い、術後に放射線治療を行うのが教科書的な治療法です。

【グリオーマ】犬でよく起こる脳腫瘍。ペットの放射線治療の実際とは?

ただ今のところ効果的な治療とは言えず、予後はあまりよくありません。

猫の場合

猫の場合のほとんどが感染症からくるものです。

たいていの場合、子猫の時にいわゆるネコ風邪を発症し、治りきらずに慢性の鼻炎を引き起こしてしまったことが原因です。

投薬に対する反応もあまりよくないことも多く、ステロイドもしくはインターフェロンを使用して治療します。

冬場には特に悪化する傾向があり、出血もみられることもあります。

【猫ウイルス性鼻気管炎】通称ネコ風邪。冬に症状が強くなる病気。治療はどうする?

ウサギの場合

ウサギの場合はスナッフルと呼ばれる病気が多くみられます。

はっきりとした原因はわかっていませんが、ウサギの鼻道内にいる常在菌が異常繁殖し、水っぽい鼻汁と連続したくしゃみが見られます。

軽症の場合は無治療でもいいとは思いますが、たまに症状が重篤化することもあるので投薬が必要になることもあります。

この場合、抗生剤などを使用するのですが、ウサギに使用可能な抗生剤はかなり限られているので、時に難治性の慢性的な鼻炎になることもあります。

またウサギの梅毒が原因で鼻炎を起こすことがあります。

この場合はチーズのような膿性の鼻汁が鼻の周りに多量に付着します。

特殊な抗生剤により治療が可能ですが、治療経過は長くかかることがほとんどです。

セカンドセレクトではウサギも診察可能ですので、思い当たる症状があるウサギの飼い主様がいらっしゃいましたら、いつでもお気兼ねなくご連絡ください。

まとめ

ぼくにとって鼻炎がつらいということが痛いほどよくわかります。

花粉症もそうですが、この手の病気には根治治療がないのがとても残念でしかありませんが、できる限り症状を緩和させる方法をご提案いたしますので、いつでもお気軽にご来院ください。