当たり前の話なのですが、犬や猫は髭だけでなく全身が毛におおわれています。

そのため、毛があるせいで人間にはない病気がいっぱいあります。

特に、目の周りには多くの毛が生えているので、目やにや涙によって目頭の毛の色がすぐ変わったり、目やにでガビガビとしたり、とても目立った毛のトラブルになります。

犬の体調にあまり影響が出ないものの、特に毛の色が薄い犬はこういった涙やけが非常に目立つようになり、飼い主様にとっては非常に悩ましい限りです。

今回の記事ではこういった困った涙やけの対応法についてご説明したいと思います。

涙やけの原因は?

 

流涙症の原因は瞼にあるマイボーム腺と呼ばれる涙を分泌する腺が詰まることで起こります。

マイボーム腺が詰まることにより角膜を覆う成分の一つである油性の涙が不足し、正常な涙層が角膜表面に維持できなくなります。

涙層は角膜の表面に油の膜が土台を作り、その上に液性の涙が表層を覆います。

マイボーム腺のつまりにより油膜が不足するため、結果として角膜表面に液性の涙液が保持できなくなり、下の瞼に涙液が過剰に貯留したものが流れてしまい流涙症になります。

涙は時に被毛や皮膚に付着し2次的な感染を起こすため、涙やけが起こる形になります。

原因としてはアレルギーや感染、脂質の代謝異常などがあげられていますが、個人的には食べ物が大きくかかわっていると思います。

特にドッグフードに含まれている脂肪分は、時間がたつと酸化され過酸化物質と呼ばれるものに変化するのですが、この過酸化物質は体にとって非常に有害なものです。

過酸化脂質は人よりも体脂肪の多い犬は非常に影響を与えやすいと言われており、特に骨格の小さい小型犬は非常に多くの悪影響が出ると言われています。

過酸化脂質は口の中に入った時に鼻涙管などを伝わり炎症を起こし、涙やけを著しく悪化させます。

涙やけに困ってらっしゃる飼い主様によくお伝えするのですが、本気で涙やけを治すのであれば2カ月手作りで食事を与えてくださいとアドバイスします。

手作りが完全にすべてのものを除去できるわけではないのですが、新鮮な食材を食べるという意味では、ドッグフードよりも非常に質が高い食事になります。

ただ、非常に手間がかかるため、ほとんどの飼い主様が実行することはできません。

ですので下に代替案をのせておきますので、実践してみるといいと思います。

まずは顔の周りの毛を短くする

多くの犬種で、目の周りの被毛が伸びることで、目を刺激し物理的に涙の量が多くなり、かつ毛が長いために涙が被毛に絡まりやすくなることで、涙やけが悪化します。

こうした場合は目周り、特に鼻先から目の下にかけての被毛を定期的に短くすることをお勧めしますが、飼い主様が自宅で切るのは非常に困難だと思います。

顔周りのお手入は耳爪肛門腺のお手入れの一環として同時に行える処置です。

お気軽にお声がけください。

温罨法、目薬を使用してみる

お湯で濡らしたタオルやレンジで濡らしたタオルを犬の眼にあて、数分温めてから眼のふちを軽くマッサージするとマイボーム腺のつまりが緩くなります。

そうした後に点眼薬や眼軟膏を使用します。

点眼自体も自宅では大変といったお声をたまにお聞きすることもあります。

点眼のさし方やマッサージのやり方も少しコツがあるので、わからない方はぜひスタッフに聞いてみてください。

鼻涙管の洗浄を行う

昔からよく言われるのですが、鼻涙管と言って目から鼻につながる涙を吸収する管があるのですが、その管がつまってしまうと涙やけが多くなると言われています。

あくまでも個人的な経験上の話ですが、鼻涙管を洗浄すると1日、2日はいいのですが、またすぐに元の状態に戻ってしまうことが多いと思います。

そのため最近ではあまり洗浄をすすめる獣医師も少なくなりました。

またほとんどの場合、全身麻酔を必要としますので、もしご希望の方がいらっしゃいましたら、歯石除去などと一緒に行うといいと思います。

逆さマツゲを抜いてみる

逆さマツゲとは、目の周りに生えているマツゲのうちで、眼球を刺激する可能性があるマツゲのことを言います。

シーズーなどの犬種の様に目に見えて太いものもあれば、トイ・プードルなど顕微鏡でないと見えないレベルの細いものまで多様にあります。

もともと涙やけの原因というよりは、角膜に傷をつける大きな原因になりますので、過剰な逆さまつげは抜いてあげた方がいいと思います。

こういった逆さマツゲを抜くと、目頭の管理もしやすくなり、涙やけが改善することもありますので、目にかぶっているマツゲが非常に多いようであれば、定期的なお手入れの一環としてお気軽にお申し付けください。

まとめ

涙やけのケアは、基本的には飼い主様の日常のケアが必要となります。

ただ、飼い主様だけで、目の周りを消毒したり、顔周りの毛を短くしたりすることは難しいことだと思います。

ちょっとしたお手入れだけで病院に行っていいものか迷われる飼い主様もいらっしゃいますが、どんな時でもお気軽にセカンドセレクトをご利用ていただければと思います。

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