往診で動物を診察するというのは、あまりスタンダードな動物病院のあり方ではないと思います。

もちろんそれは獣医師本人にとってもそうかもしれません。

それゆえ、往診だからこそでてくるデメリットもありますので、今回はそれについてご紹介させていただきます。

検査が出来ないこともある

往診はご自宅まで行って診察を行うので、設備という点では通常の動物病院に比べると圧倒的に弱い存在となります。

聴診、視診でも得られる情報はかなり多いので、ほとんどの症例ではそういった基本的な診察で対応は十分だと思います。

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ただし病状によっては、検査が必要な場合もありますので、そういった症例に関してはあまり適していない場合もあります。

具体的に言えば、レントゲン検査、エコー検査などの画像診断は大きな装備が必要なため、往診ではほぼ不可能です

その代わりに血液検査は普通の動物病院とほぼ変わらない項目が調べることが出きます。

ただし、簡易的な血液検査であればその場での測定も可能ですが、大抵は外注検査という形で依頼するため、結果がわかるまで時間がかかりますので緊急の対応にはやはり適していません。

心電図なのどの検査に関しては、設備を持っている往診医もいますので、事前に確認しおいた方がいいと思います。

尿検査や糞便検査は顕微鏡が必要となりますが、こういった機器に関しては往診医によりけりですので、事前に確認しておいたほうがいいでしょう。

手術ができない

すべての手術ができないというわけではありません。

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一般的な手術の場合は吸入麻酔を使用します。

吸入麻酔は呼吸を人工呼吸器につなげるため、大きな装置が必要です。

また、麻酔のモニターもより慎重に行う必要があるため、そのための機器も必要となります。

往診ではこのような設備を持ち運ぶことはできないため、そのような手術を必要とした場合は、通常の動物病院に行く必要があります。

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ご自宅に入らないといけない

往診はご自宅に伺うため、飼い主様のプライベート空間に入る必要があります。

あまり、ご自宅の様子を他人に見られたくない方は、ある程度の目隠しなどが必要だと思います。

緊急な対応ができないことがある

往診は基本的には予約制となっているうえ、往診のタイミングによっては、獣医師が遠方からやってくることもあります。

ですので、タイミングによってはすぐに診察を受けることができないこともあるので、緊急的な対応は、通常の動物病院に駆け込んだ方がいいでしょう。

動物が大人しくならない

ご自宅の様子と病院の中では、動物はまったく違った行動をとります。

時としてそれは診察にとって有利なこともあれば、不利なこともあります。

特に自分のテリトリー内では強気になる動物も多いため、ご自宅ではその動きを制御できないこともあります

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以前、ぼくが診させていただいた症例で、猫にワクチン接種を依頼され、往診に行ったのですが、猫を捕まえるのに2時間かかったことがあります。

病院ではものすごく大人しい猫だったので、少し後悔しました。

まとめ

何事にもメリット、デメリットがあります。

往診にも適している症例、適していない症例がありますので、そのあたりをきっちり使い分けしていただくことが必要だと思います。

どのようなものが往診に向いているのかは、このブログでもご紹介をさせていただいていますの、よろしければご参考になっていただければと思います。

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