獣医師というのは学生時代にほぼすべての動物の勉強をします。

たいていの飼い主の皆様が出会う獣医師というのは、動物病院の獣医師がほとんどだと思いますが、実際にはそんな獣医師でも、牛や馬、魚、ミツバチなどのいわゆる産業動物も勉強をしています。

ぼくの同じ学校だった獣医師にもこういった動物たちを診る獣医師はたくさんいるのですが、産業動物を診る獣医師のほとんどは自分の診療所を持たない獣医師ばかりです。

なぜならこういった動物たちは往診で診察するのが基本で、手術さえもその現場で行います。

確かに牛や馬などの動物を病院に連れて行くのは一苦労だと思いますが・・。

一方小動物、つまり犬や猫、ウサギ、フェレットなどは飼い主様が動物病院に連れて行くスタイルがほとんどで、往診はほとんどの飼い主様がご利用されことがないと思います。

今回はなぜペットの動物診療において、往診が飼い主様に浸透しないのかをご説明したいと思います。

料金が高いという誤解

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ほとんどの飼い主様の皆様が往診=割高というイメージがあると思います。

実際、深夜に起こった突然の体調不良に往診を活用した場合、注射の治療でだいたい25000円前後かかります。

ただ、ほとんどの場合、この費用の大部分は深夜料金が占めており、通常の夜間診療の動物病院でも20000円前後は費用が発生します。

日中の時間帯で往診を利用した時も、別途で発生するのは往診費用程度なので、通常の動物病院と同じ処置を行ったとするのであれば、2000円~5000円程度の料金が通常の料金に比べてかかります。

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こういう見方をすると、動物を病院に連れて行く往復の手間と輸送代を考えるのであれば、コストパフォーマンスはあまり悪いものではないと思います。

応急処置しかできないという誤解

最近では医療機器の小型化が随分と進み、ポータブルの医療機器も非常に多く、割と院内と同様の処置が往診でもできるようになりました。

また血液検査や尿検査、糞便検査なども外部の検査センターが昔に比べると非常に数が多くなったので、その場でできないような検査も可能になっています。

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ただレントゲンなどの大掛かりな装置が必要な検査はさすがにできませんが、往診医の中には必要に応じてレントゲンの撮影をほかの動物病院に依頼する獣医師もいます。

その他、去勢などの簡単な麻酔処置も行うケースもあり、かなりのレベルで院内の処置、検査と同じレベルの診察がご自宅で行うことができます。

自宅に来るという抵抗感

自宅という究極のプライベート空間に、獣医師と言えども見ず知らずの人間が入ってくる抵抗感はあると思います。

動物の種類や要件にもよるのですが、自宅の駐車場で診察をしたり、マンションなどのパブリックスペースを利用したりして診察をすることも可能です。

往診だから必ず自宅で対応というのは決まったものではなく、臨機応変に十分対応が可能だと思います。

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まとめ

人は誰しも、あまりなじみのない方法は取りたくないものです。

とりわけ、自分の愛する家族へのものであればなおさらだと思います。

獣医医療は日進月歩で進んでいると思いますが、それと同時に往診の技術も昔に比べると大きく進んでいると思います。

こういったブログが、動物のための新たなスタンダードを作ることができればという期待とともに、診察を日々頑張っていますので、今後ともよろしくお願いします。

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