当たり前の話なのですが、ペットというものは大抵、人間よりも早いスピードで年を重ねます。
シニアの世代になると、健康状況が問題なくても、若い時には見られなかった問題が、個々の動物によって見られるようになります。
とりわけ、猫はその傾向が強いのでは?個人的には思っています。
今回は、そんな健康に年をとった老猫にやったあげた方が良い日常ケアのお話をしたいと思います。
体重の測定を定期的に行う
高齢の動物は気づくと体重が減っていることがよくあります。
健康な老猫でも食べている量はあまり変わらないのにもかかわらず、体重が減少していくのですが、何かしらの疾患を抱えると、体重の減少は著しく早くなります。
腎不全などは、初期の段階ではあまり気づくこともないのですが、体重を減少させる老猫の疾患の代表格です。
老猫を獣医師に診せるのも、意外と負担がかかって躊躇されることもあるとは思いますが、体重測定なら、ご自宅でも簡単にできます。
できれば週に1回ぐらいは測っておくのが理想です。
1か月で体重の1割が減るようであれば、問題がある可能性もあるので、獣医師に相談したほうがいいと思います。
爪切り
若い猫は自分で盛んに爪をといでいるので、伸びすぎて問題になることはありません。
ただ、老猫の場合爪をとぐことも段々としなくなるため、爪が過度に伸びてきます。
猫の爪は先が丸まっており、爪が長くなると肉球に刺さって化膿することもあります。
前足の爪は後ろ足に比べ丸みを帯びており、特に狼爪と呼ばれる親指にあたる部分の爪は特に伸びやすく、肉球に刺さる怪我が多発する部分です。
老猫においては、爪切りは1か月に一度はやっておいた方がいいケアになります。
大人しい猫であればご自宅の爪切りでも簡単に切ることができますので、先を少し切るだけでもいいので、できる限り爪を切ってあげてください。
ブラッシング
猫はグルーミングをよくしますが、やはり老化とともにグルーミングも怠りがちになってきます。
特に背中の中央の部分は、体の横側に比べグルーミーンぐを圧倒的にしなくなりますから、日本猫のような短毛種でも、毛が束になって毛玉のように固まってきます。
スリッカーやコームと呼ばれる専用の櫛がありますので、そういったものを活用していただくといいと思います。
直接地肌に櫛の先を当てずに、毛並みに沿ってブラッシングをするのが理想です。
猫によってはブラッシングを嫌がる猫もいますので、猫の性格を考えて行うようにしてください。
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排便の管理
高齢にになると、猫の便秘症はつきものの話になります。
腎不全を起こしているとなおさら便秘症はひどくなります。
昔は下剤を飲ませるのが主な治療法でしたが、最近では便秘用の療法食が出ているので、食事管理だけでもかなり改善が期待できます。
それでもいきんだり、嘔吐、食欲不振が伴うようであれば、摘便や浣腸などを定期的に行う必要があります。
慣れた方であれば、自宅で腹部をマッサージして便を出すこともできますが、大抵は獣医師の介助が必要となります。
また、ヘソのした2㎝程度のところに、排便を促すツボがるのでそこの周囲をマッサージしたり、腹部を大きく時計回りでマッサージするのも効果があるので、日常的に行うのがよいと思います。
まとめ
若い時には一度も動物病院に行ったことがないような猫でも、年をとると残念ながら色々問題が出てきます。
ただ、特に老猫は、動物病院に連れて行く負担も大きく、ちょっとしたケアで、病院に連れて行くのはためらうのではないかと思います。
こういう時には、往診などを活用していただくといいと思いますので、往診の動物病院をかかりつけの1つとして持っておくと、便利だと思います。