いやな話ですが誰もが年齢を重ねていくと、調子が日によって変わってくることが多くなってくると思います。
自分であればその日の調子に合わせて生活のリズムを変えることも可能ですが、それがものを言わないペットであれば対応法に困ることが多いと思います。
昨日は元気で食欲もあったのに今日はどうしたことだろう・・。
特に何かしらの持病を持っているようなペットは、明確にどこが悪いというわけでなく、食欲や元気がない日が続くと、それが何かしらの病気からなのか、年齢による衰えからくるものなのか判断に迷うことも多いと思います。
セカンドセレクトではそんな高齢のペットと一緒に生活をするうえでのアドバイスを飼い主様にいくつかさせていただいています。
今回お伺いさせていただいたご自宅の犬も、15歳を超える老犬で、腎不全を患っており、寒くなってから少しづつ調子を崩してきていました。
高齢犬で足腰もだいぶ弱ってきたということだったので、できる限り負担をかけないように初診の時から往診にてご対応させていただいています。
今回はそんな往診風景をご紹介したいと思います。
高齢のペットの難しいところ
当たり前の話なのですが、ペットが高齢になると段々と食欲も少なくなり、元気がないというよりはねている時間が非常に長くなってきます。
特に犬では顕著なのですが、耳が聞こえにくいのか、反応が悪くなってきたのかはわかりませんが、家に帰ってきても出迎えもしてくれないし、呼んでも振り返ってくれないことも多くなります。
そういった時にこれを年齢による通常の衰えなのか、それとも病的なものがあるのか判断に迷うところが高齢のペットの難しいところだと思います。
今回お伺いさせていただいたお宅の犬も15歳を超え、目に見えて段々と衰えてきていることに、飼い主様はとても不安に感じているようでした。
数年前から腎不全を患っているのはわかっており、当時の担当した先生からは皮下補液を定期的に行うように指示されていました。
ただ飼い主様自身、犬の年齢や負担など治療に踏み込めないところもあり、当初はご相談という形でセカンドセレクトをご利用いただくようになりました。
確かに腎不全の治療においては、病状のステージによって推奨される治療というものが存在し、それに基づき治療計画を練ることが多いのですが、ぼくの個人的な意見では、そういった検査結果からえられるところよりも、犬自身の食欲や活動性、飼い主様自身の状況などを最優先に考える方が、腎不全のような完治しない病気では最終的にはいいのではと考えています。
当たり前のような話なのですが、実際に自分の飼っているペットが病気をしているときになにも治療をしないという選択をするのは勇気が要ることだと思います。
特に年齢が高齢になってくると、ただでさえ段々と衰えてくるのが実感として出てくるため、一日でも長く一緒に生活ができるように、あれもこれもと無理をしてしまうケースが多いと思います。
今回の飼い主様には、治療することによるご自身の負担などを勘案し、皮下補液などではなく、無理なくできることだけをやるようにアドバイスさせていただき、できるだけ飼い主様と犬の負担を軽減させるような治療をすすめていました。
どういったことがあったら治療するべきか?
今回はお伺いさせていただいている理由は、いよいよ食欲がまったくなくなり、吐き気もあるということでご利用いただいています。
年老いたペットに対し、どこまで治療の手を入れていくのかはとても悩むところだと思いますが、セカンドセレクトでは下痢や吐き気など具体的な症状が出たときには、負担のない限り積極的に治療をしましょうとお話しさせていただいています。
高齢なペットが、ましてや何かしら基礎疾患をもっている場合に、段々と活動性が落ち食欲が低下していくのは自然なことであり、ある程度は飼い主様にも受け入れていただく準備をしていただくようにいつもお伝えしています。
今回の飼い主様も同様に、腎不全があるとはわかっていたのですが、今回のように何かしらの症状が出るまでは特に治療という治療はせずにいました。
ただ嘔吐が出始めたということもあり、今のところは数日に1回、犬の食欲などを見ながら往診をご利用していただいています。
これも高齢なペットとの付き合い方の一つだと思います。
まとめ
高齢のペットとの付き合い方は飼い主様によってそれぞれお考えは違うかと思います。
セカンドセレクトの特徴として、他の動物病院よりは少し高齢なペットの治療に携わる機会が多いので、そういったデリケートな問題に対応する経験も多いと思っています。
自宅で飼っている犬や猫が年を取り、何かしら健康の不安を感じたときには、いつでもお気兼ねなくご相談ください。