セカンドセレクトでは何かしら疾患を持っている、年齢が高齢でワクチンを接種するのが心配といったような飼い主様が多く通院していらっしゃいます。
実際に混合ワクチンは、1年に1回の接種を行うとはワクチンの取り扱い説明書にも書かれてはいません。
その用法については、「4週齢の犬に3~4週間隔で2回の接種」としか書かれておらず、翌年以降のワクチン接種に関しては全く記載がありません。
混合ワクチンの注意事項には、妊娠犬には接種しないことという注意書のほか、接種に関しては以下のようにも書かれています。
「対象動物が次のいずれかに該当すると認められる場合には、健康状態および体質などを考慮し、注射の適否の判断を慎重に行うこと」
- 発熱、下痢、重度の皮膚疾患などの異常がみられるもの
- 疾病の治療を継続中もしくは治癒からまもないもの
- 以前の予防注射で異常が見られたもの
- 寄生虫の感染があるもの
- 発情中または授乳中のもの
- 明らかな栄養障害があるもの
- 高齢もの
- 他の薬剤の投与後間もないもの
- 導入または移動後間もないもの
- 飼い主の静止により鎮静化が認められず、極度の興奮状態にあるもの
- 1年以内にてんかん様発作を起こしたもの
これがすべて制限がかかるのであれば、ほとんどの犬や猫にワクチンをうつことが難しいことになりそうです・・・。
実際にワクチンは薬事法としては劇薬扱いであり、接種後の副反応には思いもよらないものが多いことが知られています。
そのため世界的な風潮としては、できるだけワクチン接種の機会を減らしていくという考え方が一般的になりつつあります。
それでも混合ワクチンで予防できる病気の中では、日常的に感染を引き起こす可能性があるウイルスもあるうえ、外見上からは免疫力があるのかどうなのかを判断することはできません。
ワクチチェック
セカンドセレクトではそういった背景から、ワクチン接種を迷われている飼い主様に、ワクチンの抗体価の計測をご案内しています。
抗体価とはどれくらい免疫力があるのかを客観的にみる検査方法です。
以前であれば、検査の方法は煩雑でかつ料金的にも高額になることが多かったのですが、最近では簡易的なキットが流通するようになり、院内で簡単に計測できるようになりました。
ただし残念ながら、今のところ犬のみが可能であり、猫の抗体検査についてはまだ旧来通りの方法しかないため、あまり一般的にはなっていません。
ちなみにセカンドセレクトでは5000円で検査を行っています。
外来の混雑状況にもよりますが、おおよそ30分程度で結果が判明します。
もし十分な抗体価があれば感染を防ぐ十分な免疫力があるということになるので、最低でも1年間はワクチンを接種する必要はありません。
セカンドセレクトでは今まで多くの犬の抗体検査を実施していました。
あくまでも感覚的なものにはなりますが、10歳以下の犬であれば8割程度の犬で十分な抗体価を保有しているのではと思います。
高齢ななるとそれなりに抗体価が低下していることが多いのですが、それでも半分程度の犬で十分な抗体価があるように思えます。
つまり半分以上の犬が無駄とまでは言わないまでも、その年では不要なワクチン接種を行っていることになります。
もしワクチン接種を悩まれている飼い主様がいらっしゃいましたら、検査はいつでも可能ですので、お気軽にお声をかけてください。