ものもらいという病気は誰もが聞いたことがあると思います。
突然、目のまわりが腫れてただれてしまう病気は人間ではよく見られる病気です。
一方で犬でも目の周りが腫れてしまう病気はあるのですが、人間とはちょっと違う理由で起こることがよくあります。
今回は犬でたまに見られる病気、免疫介在性眼瞼炎についてご説明したいと思います。
眼瞼炎とは?
眼瞼炎はその名の通り、眼のふちにあるまぶたの炎症で犬ではよく見られるのですが、猫ではまれのことが多いと思います。
教科書的には細菌の一次感染やアレルギーによっておこることが多いと言われていますが、意外と自己免疫性疾患に起因したもの多いと思います。
ちなみにものもらいは眼瞼にあるマイボーム腺と呼ばれる場所に細菌が感染を起こすことで起こります。
最初は片目の眼瞼のふちが腫れているところから始まり、多くの場合、数日で両目の上下眼瞼が腫れあがります。
症状が進むと腫れていいた眼瞼が自壊し、目のふちにはかさぶたが常時付着しているような状況になります。
眼瞼のふちはいたたまれないほど腫れあがるのですが、意外と犬自体にはかゆみも痛みもなく、食欲なども低下することはありません。
また同様の症状がそのほかの体の部分に出てくることはほとんどまれで、眼瞼のみに見られる局所的な免疫異常と考えられています。
治療法は?
治療に関してはもっぱら免疫抑制のためにステロイド剤やそのほかの免疫抑制剤を使用します。
これらの成分が入っている眼軟膏にて治癒することもあるのですが、ほとんどの場合には外用薬のみでは治癒に至らないことも多く、内服による投薬を必要とすることも多いと思います。
治癒経過が順調であれば、投薬を開始して2週間ほどでほぼ元の状態に戻りますが、投薬を中止すると再発することもあります。
この場合はステロイドや免疫抑制剤が副作用の出ない程度の維持量で継続する必要があります。
まとめ
眼瞼以外には症状は見られず、犬は普段通りとはいいつつも、眼はとても目立つ場所にあるため、見た目はとても痛々しいものになります。
もしある日、飼っている犬の眼を見たときに、ちょっと腫れているかもと思ったら、いつでもお気兼ねなくご相談ください。