こんにちは、セカンドセレクト獣医師の斉藤です。

人間の社会ではアレルギー性の疾患はかなり深刻です。

子供の食事のアレルギーは代表的なもので、小麦や乳製品に気を使われている親御様も多いかと思います。

アレルギーを持つ子供は食材の制限があり、食べられるもの、食べられないものあり大変かわいそうなのですが、食事のアレルギーに関しては原因となる食材を除去することがまだ可能なので、なんとかコントロールできる病気だと思います。

一方で同じアレルギー性の病気でもアレルギー牲の気管支炎は、その原因を避けることがかなり困難になります。

吸入から侵入してくるアレルギーの原因物質は多様なものがあり、それを完全に日常生活から排除するのは不可能に近いと思います。

アレルギー性の気管支炎は程度がひどい場合を喘息とも呼ぶのですが、動物の世界でも猫では頻繁にみられる疾患です。

猫喘息は人間同様、アレルギーの原因物質を完全に避けることは難しく、時には重篤な症状を引き起こします。

今回はそんな猫喘息についてご説明したいと思います。

猫喘息の症状は?

人間の喘息と同様に猫喘息の主な症状は呼吸が荒いとか、咳が出るといった呼吸器系の症状が出ます。

猫はもともと呼吸器の症状は目立たないため、何かしらの症状が出ているときには病状はある程度進行していることが多いと思います。

特に長毛種や若い猫で多いのですが、興奮した後に口を開けて呼吸するような生理的な呼吸の乱れではなく、安静時でも呼吸が速くなることがよく見られます。

断続的に発咳もみられ、最後に痰を吐くようなしぐさが多くみられます。

咳は日中よりは夜から朝方にかけて多くなる傾向があり、明け方は連続的に起こる発咳がなかなか治まらないことも多くみられます。

また、症状がさらに進むと、夜寝ているときも呼吸の回数は著しく上昇していきます。

通常であれば1分間で20回もいかないことが多いのですが、何かしらの異変を肺や気管に抱えている場合は30回、40回と越えるようになります。

呼吸の仕方も胸が膨らんで呼吸をしているというよりは、お腹が膨らむ腹式呼吸が見られるようになります。

このころになると、猫自身の食欲や一般状態も著しく低下するので、可能な限り早急な対応が必要になります。

猫喘息の検査方法は?

一般的には猫喘息の確定診断をつける検査方法はありません。

アレルギー検査を行うこともできますが、喘息であることを証明することはできないため、基本的にはその他の疾患が内かどうかを検査していく除去診断という方法を用います。

同じような呼吸器の症状がでる疾患はいくつかあるので、レントゲンとエコー検査で全体的に調べていきます。

また、腎臓などに異常が見られている場合や、貧血を起こしている場合なども呼吸器の症状がみられることもあるので、血液検査も同時に行った方がいいと思います。

甲状腺機能亢進症も猫の代表的な病気の一つですが、同様の症状を引き起こす一つの原因にもなりうるので、同時に検査を行うことをお勧めしています。

他にみられる疾患がなく、レントゲン上で気管支に炎症像が見られた場合、猫喘息と仮診断を行い治療をすすめていきます。

治療法は?

軽症の場合は様子を見ていくこともあります。

この場合、セカンドセレクトでは飼い主様に睡眠時の呼吸の回数を自宅で計測するようにお願いしています。

睡眠時の呼吸の回数が30回後半を上回るかどうかが、治療開始のひとつの目安になるからです。

いよいよ治療が開始された場合、主にステロイドの投薬が基本的な治療法になります。

猫の場合、ステロイドの副作用はほとんど出ないと言われているため、症状の改善がみられるまで割と高容量で使用していくケースも多くあります。

ただし、ステロイドの治療は完治が目的ではなく、症状の緩和が治療の目的のため、投薬は長期的に、ほとんどの猫で生涯にわたり治療が継続していきます。

問題なのは猫に投薬を毎日行うのがかなり難しいというところです。

セカンドセレクトでは錠剤を粉末にしたり、シロップにする等、形状を変えて処方して、できるだけ飼い主様の投薬の苦労を軽減するように努めています。

また最近では、嗜好性の高い投薬用のペーストも販売されるようになっているので、そういったものを使用される飼い主様もいらっしゃいます。

ステロイドは他の形状として吸入などもあるのですが、あくまでも補助治療であるので、内服を投薬することからは離脱することは困難だと思います。

まれに症状が投薬だけでは緩和できないケースもあります。

そういった場合には飼い主様に酸素吸入器をレンタルしていただき、自宅で簡易ICUを設置します。

高酸素化であれば呼吸器の症状もある程度改善するのですが、非常に制限のある生活となるため、猫や飼い主様のご負担はかなり大きくなります。

まとめ

どんな病気もそうなのですが、慢性的な病気というのは猫も飼い主様も苦労が絶えないと思います。

セカンドセレクトではできる限り負担をかけないような治療をすすめていいくように努力してまいりますので、何か気になることがあればいつでもご連絡ください。