こんにちは、セカンドセレクト獣医師の斉藤です。

細菌やウイルスに感染を起こした場合、出てくる症状は感染した部位によって異なります。

腎臓に感染を起こせば腎不全、肺に感染を起こせば肺炎、皮膚に感染を起こせば皮膚炎など、名称も変わってきます。

細菌は状況によってはどこにでも侵入することができるので、見た目で感染を起こしていることが容易にわかるケースもあれば、わからないこともよくあります。

特に体の深部で感染を起こしている場合は、検査を行い診断をつけていくのですが、しばしば診断が難しいケースもあります。

今回はそんな体の深部で感染を起こす病気、椎体炎についてご説明したいと思います。

椎体とは?

一般的に背骨は頚椎、胸椎、腰椎で分かれています。

椎骨の数はそれぞれ頚椎が7個、胸椎は13個、腰椎は7個あります。

椎体とは一言で言えば背骨の一部分の名称で、主に椎骨の下側の部分になります。

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椎体は前後の椎骨と強い靭帯で結ばれており、背骨を安定化させる役目を担っています。

椎体炎とは?

椎体炎は椎体に何らかの原因で最近の感染がおこることによって発生します。

感染経路を調べることはできないことが多いのですが、尿路感染やほかの場所で感染を起こしたものが拡大して起こるとされています。

椎体炎の症状としては、特に若い大型犬で起こることが多く、活動性が落ち、散歩に行くのを嫌がるとか、背中を触られるのを嫌がる、熱っぽくなるというのがその症状としてあげられます。

その他食欲が低下するなどありますが、顕著な症状はないことが多く、しばしば診断に迷うことが多いと思います。

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検査の方法

レントゲンなどを撮って確定診断できることはあまりありません。

背中を押すと嫌がるような症状があり、血液検査などで炎症反応が強まっていれば椎体炎を疑うっていきます。

詳しく調べるのであれば、MRIを撮ることによって椎体の炎症を確かめることになりますが、感染を起こしているのがあくまでも体の深部なので、そこから細菌を分離することは非常に難しいと思います。

個人的には基本的な検査は実施しますが、犬種と年齢と症状で試験的に治療をすすめていくことがほとんどです。

治療について

治療は抗生剤を2か月程度服用し、炎症反応が落ちつくまで確認します。

治療に対する反応性は割といいとは思いますが、中には再発を繰り返したり、炎症が広がり神経症状が出た場合には後肢に後遺症が残るケースもあるので、早めの治療の開始が必要だと思います。

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まとめ

小型犬の背中の痛みと大型犬の痛みは、原因が違うことが多いと思います。

大型犬の場合、安易にステロイドなどを使用すると思わぬ弊害を引き起こします。

飼っている大型犬が少し動きが悪いかもと思ったら・・・一度ご相談ください。