ミニチュアダックスを飼ってらっしゃる飼い主様にとって、病気に関しての心配事として一番にあげられるのは椎間板ヘルニアではないでしょうか?
ミニチュアダックスをはじめとする「軟骨異栄養性犬種」と呼ばれる特徴的な体型をしている犬種は、もともと関節の病気も多く、特に活動性のあるダックスに関しては、椎間板ヘルニアとは切っても切れない関係にあります。
今回はヘルニアそのものの病気のご説明ではなく、「セカンド セレクト」で行っている椎間板ヘルニアを患ったミニチュアダックスの往診風景をご紹介したいと思います。
椎間板ヘルニアの簡単なご説明
今更のようですが、椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板が神経を圧迫することで症状が出ます。
ダックスのような胴長な犬種がなるのではなく、あくまでも遺伝的に軟骨が変形をきたしやすい犬種がなるため、ダックスがヘルニアになるのは遺伝的に避けることはできません。
とくにダックスは他の犬種に比べると、椎間板が急速にそして重度に神経を圧迫することが多いので、多くの場合、突然症状が発症します。
最近では、都心であれば簡単にMRIが撮影が行えますので、椎間板ヘルニアの診断を下すところまでは容易にできます。
その結果、椎間板ヘルニアの症例は以前であれば専門病院や大学病院に紹介されていたのですが、都内のほとんどの病院で、内科治療から手術まで対応できるようになりました。
個人的な意見で言えば、椎間板ヘルニア程度であればいつでも対応できるような動物病院でないと、この激しい競争社会では生き残れないと思います。
往診でできること
今回はセカンド セレクトで行った往診で、椎間板ヘルニアの治療を行った記事をご紹介します。
ぼく自身は椎間板ヘルニアの執刀はかなりの件数の経験があるので、普通の往診専門の動物病院に比べれば、手術をしたほうがいいのかどうかなど含めて色々な相談が、しっかりとした経験則からお話しできると思います。
実際、今回お伺いしているミニチュアダックスは、ぼく自身が以前に手術を行い、その後高齢になってからも色々なご相談をさせていただいていた患者様です。
ぼく達が往診診療できる椎間板ヘルニアの治療は、通常の内科治療の他、針治療も行うことが出来ますし、アシスタントの看護師はドッグマッサージの資格認定を持っているほか、アロマテラピーやリハビリの資格もあるので、ご自宅でできるリハビリケアのお手伝いがいろいろできると思います。
実際にかかるご費用
今回お伺いさせていただいている飼い主様は、以前はぼくが勤めている動物病院に通われていたのですが、少し遠方に引っ越された方です。
ミニチュアダックスの椎間板ヘルニアは再発が多く、一度手術したからと言ってその後全く症状が出ないわけではありません。
このミニチュアダックスも、2週間ほど前から激しい疼痛の症状があったのですが、他院で治療してもよくならず、遠方のため通院もできず、結果としてぼくが往診医として改めて担当させていただけることになりました。
口ではうまく言えないのですが、このような老齢性のミニチュアダックスが激しい疼痛をともなう椎間板ヘルニアを患った場合、経験上ステロイドに加え、ある程度の作用を持った鎮痛剤が必要であることがほとんどです。
今回は初期段階では注射による治療を行い、十分な鎮痛が得られてから内服に変更しました。
注射料金は抗生剤、ステロイドの他、胃炎を抑える薬、ビタミン剤、そして鎮痛剤をいれて4000円です。
内服は状況によりけりですが、上記の薬剤を内服として1週間処方した場合、3000円程度になります。
今回のミニチュアダックスは注射を2回行い、内服を2週間程度飲んでいただいて終了となっています。
往診の回数は計3回程度となりました。
以降は状態のチェックと定期的な鍼治療で往診をご利用される予定です。
ちなみにセカンド セレクトで行う鍼治療は鍼灸電針機器を使用し、ツボに刺した鍼に微量な電気を流してツボを刺激します。
1回の治療で10分から15分程度で3000円です。
まとめ
ミニチュアダックスの椎間板ヘルニアは避けられないものだと思います。
シニアになったミニチュアダックスは調べると90%は椎間板ヘルニアを患っていると言われています。
症状として出るか出ないか、出た症状が重いか軽いかは結局のところ運次第と言えるところもあるので、椎間板ヘルニアの症状が出た時に色々考えるしかありません。
もしご自宅で飼われているミニチュアダックスに椎間板ヘルニアが見つかった時には、必ずお力になれることもあると思うので、お気兼ねなくご相談ください。