人間の子供もそうですが、幼い個体は大人の個体よりワクチンの重要性がより高いものになります。

ただ免疫力が低く、か弱い個体を色々な病原菌のいる病院に連れて行ってワクチンを接種するというのも、少し考えてみるとかなり相反するものになります。

仔犬の飼い始めに気を付けるひとつのアドバイスとして、散歩はワクチン接種が終わってからというのはよく聞かれることなのですが、散歩はだめで動物病院に行くのはいいの?なんて、獣医師という立場にいながら少し矛盾を感じてしまいます。

今回はそんな矛盾を解決する方法として、仔犬のワクチン接種はぜひ往診でというのが今回の記事のテーマになります。

実際にご自宅にお伺いしたお宅での流れを例に、セカンドセレクトのワクチンプログラムをご紹介したいと思います。

【実際の往診風景】初年度のワクチン接種こそ往診でうけよう!セカンドセレクトからペットを飼い始めた飼い主様へ提案。

結局混合ワクチンは何種がいいの?

一般的な犬の混合ワクチンの場合、コアワクチンと言われる3種ワクチンが必須のワクチンと言われています。

コアワクチンに他の病原体のワクチンも混合したものを使用するのが一般的な動物病院で、5種、6種、8種、9種など混合されているワクチンの種類は各ワクチンメーカーから色々出ています。

どのワクチンを使用するのかというのは、飼育されている地域によっても異なるのですが、セカンドセレクトがある関東近郊で話すのであれば、5種で基本的には十分だと考えています。

ぼくが獣医師になりたての頃は、5種ではなくコロナウイルスも予防できる6種が主流だったのですが、ワクチンの予防効果が実証されなかったため、数年前からコロナウイルスのワクチンを抜いたものが推奨されています。

8種や9種の混合ワクチンに入っているレプトスピラという病気については、関東近郊ではまず感染する可能性はほぼないため、地方に出かける前、特にレプトスピラの発生が報告されているような都道府県でキャンプなどをする前に、レプトスピラのみのワクチンを接種することをお勧めしています。

診察の流れとご料金について

セカンドセレクトで往診をご依頼される場合は、まずメールかお電話にてご予約をいただくことから始まります。

基本的には12:30~15:30、もしくは18:30~が往診のご対応時間となります。

特にワクチン接種の場合はお昼の時間帯に摂取することをお勧めしていますので、12:30~15:30の時間帯で候補日をいくつか伝えていただくととても助かります。

自宅に到着後、体重測定と検温、そして検診をさせていただいたのちにワクチンを接種します。

所要時間はおおよそ5分ぐらいです。

ちなみに往診料は練馬区東大泉から車で30分程度までは無料となります。

初診登録料は3000円になります。

5種のワクチン接種は5000円、レプトスピラ単味のワクチンは3000円になります。

詳しくは当院の料金表のページをご参考にしてください。

診療料金

ワクチンプログラムの実際

初年度のワクチン接種は2回がいいのか、3回がいいのか、これもいろいろ悩まれるところだと思います。

ぼく自身は実際に動物用ワクチンの臨床試験にもかかわっていたこともあり、わりとこのあたりの知識は普通の獣医師よりも長けて、個人的な意見も多々あります。

話すと長くなるので結論だけのせておくと、初回のワクチンが生後2か月で摂取した場合は3回、生後3か月以降で初回のワクチンを接種するのであれば2回で十分だと思います。

またその後は、獣医師によって1年に1回とは言う人もいれば、3年に1回でもいいと言う人もいます。

確かにワクチンの使用説明書には1年とも3年とも明記されておらず、実際には獣医師に判断ということになります。

一言だけ言えるのは、ワクチンの有効期間は3年というのは保証されているものではなく、通常はワクチンの抗体価がしっかりあるかどうかを検査してワクチンの接種時期を決めるのが理想です。

以前に比べるとワクチンの抗体価を調べる検査はかなり簡易的にできるのですが、それでもやや時間がかかることもあるので、結局のところ慣例通り1年に1回ワクチンを接種する飼い主様が最も多いと思います。

ワクチン接種ぐらいでそれほど煩雑にしたくないというのが大多数の意見だと思います。

セカンドセレクトでは何かしらの疾患を患っていたり、高齢でかなり食欲も減退し、あまり外にも連れていかなくなったような場合にはワクチン接種を積極的にはお勧めしていません。

もしそれでもワクチン接種をせざる得ない状況の場合は、上記のワクチンの抗体価を調べることをお勧めしています。

ご自宅でワクチン接種をするべきかどうかお悩みの時にはぜひご相談ください。

まとめ

大げさな話かもしれませんが、初年度のワクチン接種はその犬の健康状態を大きく左右するものだと思います。

逆に言えば最も感染を引き起こしやすい状況でもあるので、ご自宅にてワクチンを接種することが最も理にかなった方法だと思います。

今回の記事を読んでいただいた飼い主様の中で、ちょっと興味がわいたという方は、いつでもお気軽にご連絡ください。

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