猫は犬の様にパンティングをすることなどほとんどなく、普段の生活で呼吸が乱れることもあまりありません。

また、猫は肺などの循環器に何らかの異常があったとしてもじっとしていることが多く、呼吸の異常の発見に遅れることもしばしばあります。

実際、動物病院に連れいてこられた猫のうち、じつはある程度進行が進んだ重大な循環器、呼吸器の疾患を持つ猫も多く、病院で検査をして初めて事の重大さに気づく飼い主の方もいらっしゃいます。

こういった重大な疾患の中でも特に多いのが猫の胸水症です。

今回は、往診動物病院「セカンド セレクト」として行った猫の胸水症の治療についてご説明したいと思います。

猫の胸水症とは?

胸水症とはその名の通り、胸腔内に何らかの液体が溜まったことを言います。

透明な液体もあれば、乳びと言ってリンパ液の漏出からくるものありますし、また膿が貯留していることもあります。

多くの場合は根治的な治療が難しいばかりでなく、原因すら特定できない場合もあり、猫の飼い主様にとって非常に耐えがたい疾患の一つだと思います。

http://www.secondselect.vet/854

往診での治療とは?

まず最初にお話ししておかないといけないのが、往診でできる治療は非常に限られます。

往診で胸水の原因を調べることはほとんどできません。

また治療行為もかなり制限された中での治療となりますので、状況を見させていただき、治療の内容をお聞きして、さらに足せる治療があるかどうかをご相談させていただくことになります。

今回往診させたいただいた猫の飼い主様も、他の病院にて検査を行い、原因は判明した状態でのご依頼となりました。

今回は右心不全と診断されており、右肺野にはすでに肺が委縮した状態で、現在は自宅にて酸素室レンタルを利用し、常時ご自宅で酸素室に猫を入れて管理されていました。

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酸素室に入れていても、猫自身の呼吸が荒く、突発的に胸水が溜まり、今までも緊急的に2度ほど救急病院に行かれたという経緯もありました。

ぼく自身は循環器の専門医ではありませんが、他の往診専門の先生に比べても多くの循環器の症例を現在も見ていますので、現在行っている治療が正しい方向なのかどうなのかもお話しながらご説明することもできます。

今回の猫に関しては、治療はほぼ完ぺきだと思われたので、往診医として行えるような処置は残念ながらほとんどないことをお伝えしました。

飼い主様もそれは薄々わかっていらっしゃったようで、そのあたりのご相談以上に、どうなったら病院に連れてい行ったらいいのかわからないので、その基準を聞きたいというのがメインのご相談内容でした。

実際にかかりつけに連絡をしても、当の猫を診ているわけでわないので、話だけで連れてい行くかどうかを判断するのが非常に不安だということでした。

胸水が溜まり、呼吸の状態が著しく悪化している猫を移動させるのは、かなりのリスクがあるため、無用な搬送は避けるのは理想なのですが、通常の動物病院では直接診て判断することはできません。

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したがって、今回の往診の目的のメインは、猫の状態、ご自宅での管理の仕方、病院までのルートなど、細かなところを確認したうえで、割と具体的な指針をお伝えさせていただきました。

ちなみにご相談だけでしたので、ご料金は全体的に2000円、往診料はいただきませんでした。

一番重要なこと

胸水症を患った猫の飼い主様に口を酸っぱくして言うのは、「決して無理して処置をしないこと」です。

胸水を患った猫は通常、数種類の内服が処方されます。

普段から投薬が困難な猫に、さらに状態が落ちている場合の投薬はかなりリスキーなものになります。

実際、今回の往診で、内服を飲ませるお手伝いもしたのですが、ぼく自身が行ってもすべてを飲ませるに至らず、途中でやめてしましました。

ただ猫はそれでいいと思います。

変に刺激を与えたり、無理やりに何かを行おうとすれば、胸水の貯まった猫はかなりの確率で急変をします。

飼い主様としては何かやってあげたい気持ちもあるのだとは思いますが、実際には何もしないのがいいケースも多くあり、この辺りが胸水症の猫を自宅で管理をする場合のキモとなることが多いと思います。

今回の往診でも何回もそれだけは注意事項として飼い主様にお伝えさせていただきました。

まとめ

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最初にも書きましたが、往診で胸水症の猫にできることはあまり多くありません。

緊急的に胸水をご自宅で抜くことは可能ですが、胸水を抜去する行為はリスクが伴うため、できれば万が一のための設備が整った動物病院で行うのがやはりいいと思います。

では、往診を頼むメリットは何かというと、やはり実際にご自宅で猫の状態をみて、具体的な話ができることだと思います。

かかりつけの動物病院と言えども、電話対応のみでは大分と不安が残ると思います。

今回の往診ではほとんどがご自宅で猫の状態を見ながらのご相談となり、たまに薬が飲ませられなかった時のみ、補助となる注射治療を行いました。

注射のご料金はだいたい2000~3000円です。

往診を数回ご依頼されていましたが、排便時に発作を起こしてから状況が悪化し、往診した直後に残念ながら亡くなってしまいました。

ただ飼い主様としては、最後までご自宅で安心して看取ることが出来ましたとのお言葉を頂けたので、往診の治療としては多くはできなかったものの、意味のあるものだったのだと思います。

このブログを読んでいる方の中で、同じような状況の飼い主様もいらっしゃると思います。

実際にご自宅で猫の様子を見て相談したいことがあれば、いつでも「セカンド セレクト」にご連絡ください。

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