外耳炎は犬の病気の中でもかなりメジャーな病気です。
動物病院で診られる症状のTOP5には入るのではないかと思います。
自宅で耳のケアをやってあげたいけれどうまくできない・・・・。
こんな悩みも多く相談を受けますが、外耳炎は繰り返し起こることが多いので、できれば自宅でのケアをしっかりできるように練習できればいいとは思います。
こういったケアは通常の動物病院ではなかなかうまくいきません。
一方、往診であればご自宅に直接うかがえるので、ご自宅の環境を利用したアドバイスができます。
往診医の意見としては、外耳炎の治療においては、通常の動物病院に行っても、往診でもあまり質が変わらない医療を提供できます。
今回は「セカンド セレクト」でご依頼があった外耳炎の治療についてご説明したいと思います。
外耳炎の治療とは?
外耳炎の治療はおもに洗浄→点耳薬の投与が基本となります。
一般的にはマラセチアもしくはブドウ球菌、緑膿菌といった雑菌が繁殖して起こることが多く、抗生剤を主体とした治療になります。
ただし、大体の外耳炎は強い赤みをともなっておこることがほとんどで、点耳薬にステロイド系の薬が添加されていることがほとんどです。
昔のステロイドと違い、主流になっているものはアンテドラッグといって、理論上は副作用がほぼでないとされています。
また1週間に1回程度の点耳で済むものも最近は使用されているので、以前に比べるとぐっと治療しやすくなりました。
ただ、そういった薬を使用しても治癒しないケースも割とあります。
こういった場合はどの抗生剤があうのか薬剤感受性試験というものを行い、より適切な薬剤の選択を行うことになります。
たまにあるのですが、耳道がポリープもしくは腫瘍などにより塞がれてしまっているものは、往診では緩和治療にとどまらざる得ません。
なぜなら、大幅な改善を目指すのであれば、外科的な介入が必要だからです。
往診にかかる料金
基本的には耳治療の料金として1000円~2000円ほど頂いています。
点耳薬は1500円前後になります。
また飼い主様ができるのであれば、耳の洗浄を頻繁に行ってもらいたいので、そういった洗浄液を処方することがあります。
正直に申し上げると、耳の洗浄液は基本的にネットで購入できるものばかりなので、そちらで購入を勧めています。
薬剤感受性などの試験は15000円ほどかかります。
検査結果が出るまでに2週間程度かかりますが、難治性の場合は早めの段階から行うことをお勧めします。
その他、内服を処方した場合、1週間分で2000円~4000円程度になります。
今回診察させていただいた犬は、点耳薬のみの管理で治癒しました。
通院も3回程度。
大体のご費用が1回3000円程度でした(往診料はキャンペーンをご利用していただきました。詳細はお問い合わせください。)。
うまい往診診療の活用法
今回ご紹介していただいた犬は16歳の老犬です。
自分で歩くことはできますが、あまり長距離は歩くことが出来ません。
かかりつけの病院もあるのですが、待ち時間などが負担になるということで、今回のご依頼になりました。
ところで、この飼い主様はもう一頭犬を飼われています。
その仔は元気なのですが、今回の往診のついでに診察させていただいています。
2頭を一度に動物病院に連れて行くのは大変な苦労だと思いますが、往診であればそれもありません。
本来のご依頼された案件のついでにそういえばこれも・・・みたいな使い方もありだと思います。
こういったところが、獣医師がご自宅にお伺いするメリットの一つだろうと思います。
まとめ
基本的には外耳炎の治療はそれほど手の込んだものではありません。
ただし、慢性的な経過をたどることが多いため、日常のケアが必要になります。
「セカンド セレクト」ではこういった飼い主様だけでは難しいような日常のケアも、家の中の環境を利用して簡単にできるアドバイスも致します。
こういったものも往診治療のメリットになりますので、ぜひとも一度ご相談させていただければと思います。