猫のイメージとして、身体能力が非常に優れており、どんな高いところもたやすくのぼり、狭いところも楽々通り抜け、あっという間に目の前から消えてなくなる忍者のようなものだと思います。

ぼくの個人的な意見では、大多数の猫はそういった動きを華麗に行うのですが、一部の猫はわりと「どんくさい」動きをして怪我をしたりします。

特に高齢だったり、肥満傾向な猫はいつの間にか足をびっこしていることが多く、しばしば飼い主様を悩ませる問題となります。

今回は「セカンド セレクト」で行った往診で、猫のびっこについての問い合わせがあったので、実際にどのような診察になるのかご紹介したいと思います。

はじめに注意事項

「セカンド セレクト」は往診動物病院です。

往診動物病院はレントゲン検査が出来ません。

したがって骨折の正確な診断はすることが出来ないので、あくまでも応急手当になると思います。

猫の場合、室内で骨折するとすれば大抵足先の骨折です。

足先の骨折は見た目で判断するのは難しいケースもありますので、もし必要があれば、かかりつけもしくは近隣の病院まで搬送することはできますので、お気兼ねなくご連絡ください。

びっこをひく理由

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猫が突然びっこをひく理由はいくつかあります。

まずは単純に足をくじくケースです。

特に痛めやすいのは前肢の手首の部分で、前肢のびっこが見られたら手首の捻挫を疑います。

後ろ足も同様に足首の部分を痛めることも多いのですが、割と膝の靭帯、特に十字靭帯も損傷することも割と起こります。

また後ろ足のびっこの場合、原因が足ではなく腰を痛めている場合もあります。

たいていの場合、腰から落下して損傷するケースも多いのですが、高齢の猫の場合、腫瘍が背骨の神経を圧迫しているケースもあります。

こういったケースでは、左右の太ももの筋量の差が著しく変わっていることがあるので、足の太さが見た目で違うようであれば、疑ってみた方がいいと思います。

さらに後ろ足がふらつくとか突っ張るようなしぐさがあるときには心臓の病気の疑いもあります。

この時にはかなり呼吸もあらく、状態が非常に低下していることがほとんどです。

こういった場合は、緊急的に受診されることをお勧めします。

今回お伺いしたご自宅の猫は、後ろ足のびっこがあったのですが、骨折や靭帯を損傷している可能性は低く、高齢でやや体重過多があったため、ねんざの診断で治療を開始しています。

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治療法

ねんざのような関節炎でも、十字靭帯を損傷した様なケースでも、基本的には猫は安静にしていれば良化していくことがほとんどです。

たまにスコティッシュフォールドのような、もともと関節が変形してるような猫の場合は、びっこがなかなかひかないこともありますが、通常であれば2週から1か月もすればいつも通りの動きに戻ることがほとんどです。

投薬が可能であれば抗炎症、鎮痛作用のある薬を併用するとなおいいと思います。

以前であれば猫に対し安全に使えるこの手の薬はあまりなかったのですが、最近では副作用がかなり少ないタイプの薬も出ているので、治療はだいぶとしやすくなりました。

今回もまずは1週間処方させていただきました。

1週間分の抗炎症鎮痛剤処方料はは2000円となります。

腰を痛めている場合はステロイドを積極的に使用することがあります。

副作用を心配される方も多いのですが、猫はステロイド副作用がほぼなく、人間や犬に比べると安全性の高い薬ですので心配せず服用してください。

心臓からくる後ろ足の異常は、血栓塞栓症と呼ばれており、基本的には往診での治療は効果がありません。

多少の緩和の治療程度の他は、かかりつけの動物病院に緊急的に搬送するお手伝いするぐらいしかできることはありません。

どうして治らない時には

原因が何であったとしても、思いのほか治癒が遅い場合は、レントゲンなどの評価が必要になります。

その際はかかりつけや近隣の動物病院に搬送させていただきますので、思った以上の効果が得られていないなと思った時にはお気兼ねなくおっしゃってください。

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まとめ

正直にお話しすると、往診という診療方法は、こういった関節や整形外科の診察は不得手な分野だと思います。

実際画像で評価することが出来ないので、診察していてもほわっとした言い方になることも多くあります。

ただし、動物は動物病院のような環境に行くと、痛みなどをかなり我慢し、正確な評価ができないことも多いので、こういった評価には往診はむしろむいている場合もあります。

もし飼っていらっしゃる猫がびっこをひいていたら・・・是非ともご連絡ください。

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