ビール腹、三段腹。

ぼくもそうですが、中年になるとおなかの脂肪が気になりだします。

一度ついてしまったおなかの脂肪はなかなか落とすことはできないので、厄介極まりないものです。

一方で人間と同様、犬もお腹が張りだしてくることがありますが人とはちょっと原因が違うことが多いと思います。

単なる食べ過ぎだけでお腹が出てくることはあまりありません。

当然、そこには何らかの原因があるのですが、その原因によっても対応法は違ってきます。

今回は飼ってらっしゃる犬のお腹が気になった方に、ちょっとしたお話をしたいと思います。

避妊手術・去勢手術を行ったから

避妊手術や去勢手術を行った後の犬は、一般的に太りやすいと言われています。

確固たる原因はわかっていないのですが、手術を受けた犬の約30%に体重の増加が見られることは確固とした事実としてあります。

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体重増加は主に腹腔内の脂肪によることが多いのですが、全体的に「むちっ」とした体形になることが多いと思います。

避妊・去勢手術で起こった体の変化をもとに戻すのは、経験上不可能に近いと思います。

したがって解決法と呼べるものはほとんどなく、手術後の食生活に十分注意していただくのが一番だと思います。

予防こそ唯一の治療です。

ある種のホルモン性疾患

糖尿病や副腎皮質機能亢進症といった代表的な疾患は、非常に脂肪が堆積しやくなります。

特に腹腔内に脂肪がついやすい一方で、四肢の筋肉は多委縮していくので、より太鼓腹が目立つようになります。

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こういった体型の犬は水を飲む量がかなり多く、また排尿の量も異常に多いことがあります。

こういった病気による体形の変化は、その原因疾患を根本から取り除くことは不可能なため、うまく病状をコントロールできている状態でも、元の体型に戻ることはありません。

ただこういったホルモン性疾患は、体調そのものに影響することが多いので、水を多く飲むようになったなと思ったら、すぐに相談して頂いた方がいいと思います。

薬の副作用

ステロイド薬に代表されるホルモン剤もこういったお腹が張りだすような体型にさせる要因になります。

こういった薬は不必要なのにもかかわらず服用することはまずないので、なかなかやめるというわけにはいきません。

できる限り薬の投薬量を減らす努力をするしかないと思います。

脾臓、肝臓が腫れている場合

脾臓や肝臓といった血液が豊富に含まれている臓器は、循環機能の低下とともに主題する傾向があります。

単なる年齢による変化から、心臓や腎臓などと言った循環をつかさどる臓器の低下により起こる場合もあります。

こういった原因の場合、呼吸が荒いとか食欲が落ちているとか、何らかの体調の異常があることが多いと思います。

もし食欲がないのにもかかわらず、お腹がせり出してきた場合は、獣医師と相談して頂いた方がいいと思います。

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腹水が溜まっている

腹水は色々な原因で腹腔内に液体が溜まる状態をいいます。

原因は大きく分けて3つあり、循環不全をおこしているか、貧血もしくは低たんぱく症による血液成分の希薄化もしくは癌性腹水になります。

どれもいい原因ではないので、至急獣医師に受診された方がいいと思います。

大体は食欲不振の他、下痢なども併発していることが多いので、下痢している犬でお腹が目立つようになったら要注意です。

腫瘍が原因

子宮や卵巣、腸のリンパ節、脾臓や腎臓など、腫瘍が巨大化した場合にはお腹が張りだしてくるのが目でもわかります。

不思議なことに意外とそれほど大きな腫瘍を抱えていても、ほとんど体調に変化が出ることはなく、ちょっとおかしいなと思って受診した時には、かなりの大きさの腫瘍があることが多いと思います。

腫瘍の種類に応じて対応法は違ってくるのですが、基本的な治療方針は外科的な摘出をしたうえで、抗がん剤の治療に入ります。

無論治療の負担も大きくなりますので、状況に応じた治療の選択が必要だとは思います。

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まとめ

原因は軽いものから、重篤なものまでいろいろありますが、お腹が大きくなったなと思ったら、とりあえず受診されるのがいいと思います。

それでもちょっと動物病院に連れて行けないなぁという時は、往診でも十分に対応できると思いますので、お気兼ねなくご相談して頂ければと思います。

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