猫は元来よく吐く生き物です。

人間のように気持ち悪くなって吐き気を伴い嘔吐するだけではなく、胃の中にたまった毛玉などを吐き、胃の中の環境を整えるためにわざと吐くこともできるからです。

外見上から見てこの2つの生理的な嘔吐と病的な嘔吐の違いを見つけることは難しく、多くの飼い主様が診察を受けるべきなのかどうなのか、動物病院に問い合わせてきます。

そういった時のたいていの獣医師の答えとしては「一度診せていただけますか?」という返答になると思います。

当然と言えば当然なのですが、大抵の猫は動物病院に連れて行くと大きなストレスを受けるため、動物病院に連れて行くのをためらう飼い主様も多くいらっしゃいます。

こういった時に往診をうまく活用していただくといいのではないでしょうか?

今回は猫に嘔吐があった場合の往診での診察の流れをご説明いたします。

飼い主様の稟告を詳しく聞く

通常の動物病院でも同様ですが、往診では特に飼い主様からの稟告が非常に重要となります。

もちろん何か変なものを食べたかどうかというのは確認しますが、食欲があるのか、体重は減ってきているのか、元気はどうか、水を飲む量、尿の量はどうかなどが、大きなポイントとなります。

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いきなり聞かれると、忘れておくこともあるでしょうから、往診医が到着するまで紙に書いたりまとめておくといいと思います

身体検査を行う

聴診、視診、触診を行います。

熟練した獣医師であれば、飼い主様からの稟告と身体検査のみでも、かなりの確率で病状を把握することが可能だと思います。

検査を行う

猫の病的な嘔吐の原因は、胃腸の障害だけでなく、腎不全や肝障害などの内臓の疾患の他、糖尿病、甲状腺機能亢進症などの内分泌系の疾患でも見られます。

このうち緊急性はなさそうだが、今後の治療の方針を立てる必要があった際は、血液検査を実施することがあります。

血液検査はその場でわかる項目もあるのですが、細かい項目は外注検査に出すため、2,3日かかることがほとんどです。

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検査上から帰ってきた結果をもとに、改めてより適した治療を行っていきます。

治療を行う

往診での治療は、基本的には投薬もしくは注射になります。

嘔吐が激しく、食欲も低下しているようであれば注射をしますが、軽めな嘔吐であれば内服にて様子を見ていただくことになるでしょう。

ただし、検査を行い、慢性的な病気が見つかった場合は、継続的にそちらの治療も行っていくことになります。

往診に適していない症状は?

明らかに異物を飲み込んだケースは動物病院に連れて行った方がいいでしょう。

また、呼吸が明らかに荒いなどの症状があった場合も同様です。

こういったケースの場合は、レントゲンの撮影が必須であり、かつ外科手術の必要性があるため、残念ながら往診ではご対応することが出来ません。

まとめ

猫は移動などのストレスに弱い動物。

動物病院に連れて行くかどうか迷うような症状の時には、ストレスを与えると余計に体調を崩すこともあります。

こういった時に通常の動物病院だけでなく、往診の動物病院という選択肢もあった方が結果的には猫の負担もなくていいと思います。

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