当たり前の話ですが、人間も犬も猫も平等に年をとっていきます。
年をとってくると、身体能力も衰え始め、また体の内面的な点でも機能が低下していくため、若い時以上に体のケアが必要となります。
それは人間だけでなく、犬も同様のことです。
ただ、自分の体ではないということもあり、高齢犬のどんなところを気をつければいいのかなどを、よくご相談される飼い主様もいらっしゃいます。
今回は高齢になった犬を自宅でケアする場合、どんなところに気をつければいいのかをご説明したいと思います。
食事の内容
よくご質問を頂くのですが、「いつごろからシニア用の食事に切り替えればいいのか?」とお悩みになる飼い主様も多くいらっしゃると思います。
まずいつからがシニアなのか?というところからですが、犬種ごとにも異なりますし、個体差があるため年齢で区切ることはできないと思います。
いつごろがシニアかと言えば、いつもぼく自身は飼い主様に「目の周りや口の周りに白い毛が目立つようになったらシニアと考えましょう。」とお伝えしています。
ただし、超個人的な意見を言えば、それほど食事の変更はこだわらなくてもいいと思います。
もっと、極端な話をするのであれば、しっかりとした食欲があって体重の変動がないのであれば、成犬用の食事を継続して与えてもいいと思います。
もちろん一般的な意見では、シニアになったら、タンパク質の含有量を10%程度減らし、炭水化物をその分接種したほうがいいと言われています。
しかし、ぼく個人の経験では、実際にはその犬の活動量によっては栄養不足になることもあるので、何かしらの疾患がない限りは無理に栄養素を制限する必要はないと思います。
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散歩を含めた運動など
人間と同様に、運動器のおとろえは筋肉よりも関節の方がはやく目立つようになり、それは意外と思った以上に若い年齢から現れます。
特に犬の場合はその動きや体の構造上、後ろ足のひざの関節に負担が多く出ることが多く、4,5歳を超えると膝の靭帯を損傷することがよくあります。
ただし、残念なことに犬自身の動こうとする意識はかなり高齢にならないと萎えることはなく、その動きを制御することはしばしば困難であることも多いと思います。
したがってまず、念頭においていただきたいのは、犬の行動を抑えるのではなく、散歩や運動の後は十分に休息をとらせるように心がけることをいつもお話しています。
小型犬などが後ろ足でぴょんぴょん跳ねて仕方がないと嘆く飼い主様もいらっしゃいますが、犬はそういうものなので過剰に心配しても仕方がないかなと個人的には思います。
サプリメントは?
人間と同様、足りない栄養素をサプリメントで補充するのは必要だと思います。
特に宣伝しているわけではありませんが、ダイレクトに商品名を言えば、老犬用のサプリメントとしては「アンチノール」が抜群の効果を発揮します。
よくあるコンドロイチン、グルコサミン、ヒアルロン酸、コーラーゲンなどなどとは確実に一線を画する効能があると思います。
またちょっと値段は高いのですが、ビガープラスも効能が高く、使用していて違いがすぐに出るサプリメントだと思います。
ワクチン、フィラリアなどの予防薬は?
混合ワクチンに関しては、老犬でも接種したほうが基本的にはいいと思いますが、散歩にはもう行かず、ほかの犬と接触もないような飼育環境であれば接種する必要はありません。
狂犬病は賛否両論はありますが、法律で接種が義務付けられているので、問答無用で接種するしかありません。
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一方、フィラリアは積極的に予防を続けた方がいいと思います。
感染する機会は室内だけでの飼育だとしても「0」ではなく、それに対しての予防はリスクが「0」だからです。
病気の予防として
もちろん定期的な健康診断はしておいた方がいいと思います。
フィラリアの時期などを利用しての検診もお勧めします。
まとめ
犬も人も高齢になると色々なところに気をはらわねばならなくなります。
こういったケアのお手伝いも、往診医相談して頂ければ、上記のことに加え自宅の環境なども直接ご相談することも可能だと思います。
通院の患わさもないので、一度ご検討していただいてはいかがでしょうか?