犬を含めた四つ足の動物が年をとると、たいていの場合は前肢よりは後肢の衰えの方が早く出ます。

よく相談を受けるのですが、できるだけ衰える筋量を補おうためにリハビリを自宅でおこなおうと努力する飼い主様も多くいらっしゃいます。

最近では動画サイトでも多くのリハビリ方があげられていますが、参考する際に大抵の場合一つの問題が・・・。

「真似してやってみても、全くうまくいかない!」という方は多くいらっしゃると思います。

特にバランスボールやディスクといったようなリハビリの器具を使用した場合は、その難易度は格段と上がります。

最初はやるぞと大きく意気込んではみても、あまりにも大変なので途中であきらめてしまう飼い主様も多くいらっしゃいます。

今回は往診医として、そんな飼い主様からのご相談を受けた際、いつもお教えしている誰でもできる簡単なリハビリ方法をご説明したいと思います。

大前提として・・・

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当たり前の話なのですが、基本的に犬は自分のリハビリには非協力的です。

後ろ足が立てなくても家の中であれば、不自由なく幸せに生きれるからです。

そして、たいていの場合は飼い主様のやる気に反比例してリハビリを嫌がるようになります。

老犬のリハビリは長期的になることがほとんどなので、飼い主様がストレスを感じながらリハビリを行うのはできるだけ避け、できないことは最初からやらないというのが1番のポイントです。

とにかく真剣にやりすぎないことをお勧めします。

体をなでてみよう!

体の表面にはリンパが流れています。

このリンパの流れに沿ってマッサージを行うのがリンパマッサージと言われるものです。

リンパマッサージ基本的に、頭からお尻に向けて、また足のつけ根からつま先に向けてマッサージを行います。

この時に強くマッサージせず、優しくなでるような感じで行うのがコツです。

色々なリハビリをやる前の準備としてリンパマッサージを取り入れるのがいいと思います。

詳しくやり方を知りたい方は下の記事を参照してください。

犬にマッサージをしてあげたい!でも実際どうするの?

ツボを押してみよう!

犬のツボってどこにあるのか?とよく聞かれます。

もちろん専門的な知識を持っていなければ難しい場所のツボもありますが、いくつかの場所は誰でも簡単にリハビリの一環として刺激することが出来ます。

一つは後ろ足の指と指の間にあります。

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写真の様に綿棒などを使ってぐっと刺激すると効果があります。

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また膝の裏にも後ろ足のリハビリになるツボがあるのでそこも刺激してあげるといいと思います。

また、肛門の周りはツボのゴールデン地帯と言われており、肛門周囲はどこを押してもツボが刺激されます。

犬が嫌がらなければ綿棒などで押してあげると、効果的だと思います。

犬座姿勢をとらせる

高齢犬は座るときに足を投げ出して座るような恰好をとりたがります。

見た目非常に楽そうなのですが、こういった座り方をしていると筋肉が衰えやすくなります。

特に足腰が立たなくなった犬は横向きで寝たきりになることが多く、筋肉衰えは急速に進みます。

足腰が弱っている高齢犬の歩行訓練は非常に難しく、また飼い主様も腰を痛めるケースが非常に多いと思います。

こういった場合には犬座姿勢と言って後ろ足を折り曲げ、伏せをさせるような態勢をとらせます。

犬座姿勢をとっていると、左右にバランスをとろうとして後ろ足を意識して動かすようになりますし、場合によっては何かのタイミングで腰をあげようとすることもあります。

こういった運動は後ろ足の筋肉を萎えさせないようにするのには有効な姿勢なので、立たせるのがなかなか大変な場合は,まず犬座姿勢をとらせるようにしましょう。

とにかく長時間たたせる

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立たせる時間をできる限り作るのも大切なリハビリとなります。

特にご飯を食べる時などは本人もある程度やる気が出ているので、できる限り起立させておくことがいいと思います。

長時間立つことが困難な場合はお腹の下にタオルを丸めたものや段ボールなどをいれて支えを作るといいと思います。

結局のところ、最終的に歩くか歩かないかは犬の意志次第です。

立たせた後には最初の一歩を踏み出せるように飼い主様が犬の気分をのせるしかないと思います。

まとめ

最初からなにもかも飼い主様おひとりでやろうとすると、うまくいかないことも多いと思います。

セカンドセレクトではこういったリハビリの指導を病院でも往診でもご指導しております。

また鍼治療などの補助治療も行うこともできます。

最近後ろ足がちょっとおぼつかないなぁと思ったら。往診をしている病院にお気兼ねなくご相談してみてはどうでしょうか?

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