一口に犬と言っても色々な品種がありますが、獣医師として犬の品種を覚えるのは結構重要なことです。

その一つの理由として、犬の品種によってなりやすい病気があるからです。

経験のある獣医師であれば、原因がわからないのにもかかわらず犬の調子がすぐれないときには、その品種によって好発する病気を疑い、検査治療を開始することが多いと思います。

そんな数ある病気の中から今回ご紹介させていただく病気は悪性組織球種というものです。

普通の犬種を飼っている飼い主様にはあまりなじみのない腫瘍の名前かもしれませんが、バーニーズマウンテンロックという超大型犬を飼っている飼い主様であれば、切っても切り離せない名前かもしれません。

もしバーニーズをこれから飼う、もしくは飼っている飼い主様がいらっしゃいましたら、参考にしてみてください。

悪性組織球種とは?

その名の通り、組織球という血液の細胞が悪性化した腫瘍です。

血液の細胞と言っても他の細胞と少し違い、血管の外での感染防御を担っている細胞です。

腫瘍が発生する場所は、脾臓や肝臓などと言った内臓諸臓器以外にも肺や皮膚、神経などにも発生します。

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治療法、予後

悪性組織球腫は極めて予後が悪いものです。

進行も非常に早く、また体のいたる場所でも発生するため、腫瘍のために引き起こされる2次的な症状は様々なものがあります。

神経に起きれば四肢の麻痺が起きますし、肺に発生した場合は呼吸困難を伴います。

レントゲンやエコー検査により簡単にわかる場合もありますが、バーニーズはもともと体格も大きく、一般の院内で行える検査でははっきりとわからないケースもあるため、CT検査を実施する場合もあります。

ただしこの場合は全身麻酔を使用するため、リスクを伴うこともあり、しばしば飼い主様を悩ますことになります。

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外科的に摘出できる場合は摘出したのち抗がん剤を使用するのが一般的ですが、先にもご説明した通りその予後はとても悪く、あまり有効な治療にならないことがほとんどです。

セカンドセレクトではどうするの?

悪性組織球種と診断がついたのち、セカンドセレクトではいくつかの方法を飼い主様にご提示いたします。

ぼく自身はあまりお勧めはしないのですが、一般的な化学療法、つまり抗がん剤が一つの方法です。

ただし大型犬の場合は様々な副作用が小型犬よりもついて回る問題なので、場合によっては専門病院をご紹介させていただくこともあります。

別の方法としては免疫療法として、いくつかの薬剤を使用します。

一般的には代替療法と呼ばれるものに近いのですが、漢方というよりは薬剤を使用していきます。

効果の判断は難しいところなのですが、副作用があまり出ないため、気軽に進められる治療ではあります

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また個人的によくご提示する方法としては、分子標的薬を使用する方法です。

分子標的薬のみで行うケースもあれば、マイルドなタイプの抗がん剤を低用量で併用することもあります。

こちらも決して確実なエビデンスを得られているわけではありませんが、一定の効果を得られることもあります。

しかし、攻撃的な抗がん剤にに比べても目に見える副作用がでるため、途中で投薬をやめざるを得ない飼い主様も多くいらっしゃいます。

特にバーニーズは体格の割には食べが悪い場合も多く、分子標的薬の副作用の一つである食欲不振が目に見えて出るので、他の犬種に比べると副作用が早めに出ることが多いと思います。

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またこれらの治療は大型犬のため、薬剤代が小型犬に比べ非常に高価なため、費用対効果でみるといまいちなのかもしれません。

もちろんお金がすべてではないと思いますが・・・・。

まとめ

どんな方法をとったとしても、割と早い段階で状態を崩すことがほとんどです。

歩けなくなった、立てなくなった大型犬の通院や自宅での介護はかなりの労力を要します。

セカンドセレクトでは往診も行うことが出来ますので、できる限り飼い主様のご負担が軽減し、癌を患った犬たちに寄り添った利用ができると思っています。

この記事を読んで少し気になった方は、ご相談だけでも構いませんのでいつでもご連絡ください。

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