この記事をご覧になっている飼い主の皆様は、動物病院の「往診」ということに関して、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
全ての物事にはもちろんメリットとデメリットがあります。
今回はペットを往診で診察する際のメリットについてご説明したいと思います。
動物の移動がない
これは往診で得られる最大のメリットではいでしょうか?
自分の動物を、動物病院に連れて行かなくてもいいので、まず移動のストレスがなくなります。
特に猫にとって移動のストレスは非常の大きいものであり、来院しただけで食欲が落ちたりすることもあります。
動物を連れてくる移動手段がない方は、獣医師が自宅まで診察しに来るので、車の手配などを考える必要がありません。
また、昨今の温暖化により、特に真夏の昼間の温度は異常な高温になります。
日が落ちても、アスファルトの照り返しなどもあり、夜間でも外の気温はすぐに熱中症などを引き起こすレベルになります。
「動物を移動させたくない」とか「動物を連れて行くのがかわいそうだ」などの話をよく聞くので、動物を移動させることなく診察ができるというのは、非常にメリットがあることだと思います。
ストレスが抑えらた状態で診察ができる
動物病院の中は、動物たちにとって非日常的な環境です。
当たり前と言えば当たり前ですが・・・。
そのため、動物病院の中では普段と違う様子を見せることも多く、なかなか正確な状況が判断できないことも多くあります。
よくある話のなのですが、家でびっこを引いていたのに慌てて来院したのに、病院に来たらびっこをひかなくなったとか、家ではくしゃみなのか咳なのかよくわからないものしていて、獣医師に見せたいのにもかかわらず、病院では全くしないということがよくあります。
非日常的な環境では、動物は自分の調子を隠すことを本能的に知っているので、可能な限り隠し通そうとします。
そういった、動物たちの名演技は、しばしば獣医師にとって非常に不都合なものになるため、自宅での通常下の問題点の観察は、病気を正しく判断する上では非常に役に立ちます。
これも自宅で診察ができる大きなメリットの一つです。
ほかの動物と出会うことがない
犬の鳴き声が嫌い、ほかの動物を見ると委縮してしまう、ほかの犬を見ると吠えるのをやめないなど、ほかの動物たちとの関係をうまく保てない繊細な仔たちにとって、自宅だけですべてが終わるというのは非常にいいことなのではと思います。
また、小さな仔犬や衰弱してきた老犬など、免疫力が低下している動物は、他の動物から伝染するような感染症にであう機会がないため、公衆衛生的なメリットも多くあります。
個人的には、まだワクチンを接種していない仔犬や猫の定期的な検診などは、ほかの個体と出会うわないにこしたことはないので、そういった動物たちの診察には、ぜひとも往診を利用されてはと思います。
まとめ
その他にも、時間の都合がつけやすいとか、ペット禁止のマンションなので他の人に見られたくないなどの方にも往診は非常に適していると思います。
往診でペットを診察すること自体、聞きなれない分、ハードルが高そうですが、実際にはそういうことは全くないので、一度試してみてはいかがでしょうか。