猫は毛づくろいをよくする動物です。
一説では、毛づくろいする際につく自分の唾液が、被毛の殺菌効果に役立つうえ、トリートメント効果もあるので、シャンプーなどする必要はないと言われています。
本当かどうかは不明ですが、長毛の猫の場合は話が異なります。
毛づくろいをしていても、毛玉ができやすく、飼い主様がまめにブラッシングをしておかないと、すぐ毛玉ができてしまいます。
ただし、長毛種の猫に限って、ブラッシングをひどく嫌がることが多いので、定期的にトリミングショップや動物病院に毛玉を処理するために通うしかありませんが、猫にとっては大きな負担となります。
今回は、こういった猫で、動物病院やトリミングショップに連れて行くことができない猫に、毛玉ができた場合のお話をさせて頂きます。
どういった猫が自宅で行った方が適切なのか
自宅では大人しい猫に限って、外に出ると手の付けられないような状態になることがよくあり、こういった猫の場合は自宅で毛玉処理を行ったほうがいいと思います。
逆に言えば、自宅ではかなり興奮しやすく、外に出ると固まってなんでもさせてくるような猫は動物病院やトリミングショップにて行った方が結果としていいでしょう。
本当に猫は雰囲気を読むのが難しい生き物ですので、どちらにせよ試してみるしかありません。
また、移動が負担なるような老猫、状態が落ちている猫なども対応になるでしょう。
移動のストレス、慣れない場所での負担は、肉体的な疲労を増長させますので、特に猫のような繊細な動物は考慮に入れていただいた方がいいと思います。
毛玉処理を自宅で行う際の注意点
結論から言えば、数人で行うのがいいと思います。
いくら大人しい猫とはいえ、柳のように体がしなる猫を一人で押さえるのは非常に困難です。
また状態の落ちている猫は、力ずくで押さえるとさらなる状態の悪化が見られます。
ご家族だけで行おうとせず、往診の動物病院を利用するのがお勧めです。
鎮静薬を使用する際の注意点
自宅では非常に興奮しやすく抑えきることのできない猫でも、どうしても連れて行くことが困難な場合は、鎮静剤を使用するしかないでしょう。
こういった場合は、もちろん往診の獣医師が鎮静薬を使用するべきですが、鎮静薬と言っても麻酔薬に相当するものです。
しっかりとした準備が必要だと思います。
場合によっては手術をするのと変わらないレベルの術前の検査などが必要となりますので、慎重に獣医師と相談していきましょう。
ケアの方法
毛玉を処理した後、2度と毛玉ができないというわけではないので、その後も毛玉のケアが必要です。
ケアとはいっても、そもそもブラッシングができないからこそ毛玉ができるので、定期的に往診などを利用していただき、グルーミングを行うのがいいと思います。
まとめ
猫は自由気ままな生き物。
人の希望通りには動いてはくれません。
ただ、それを理由に日常のケアを怠ってしまうと、あとあと大変なことになります。
今回は毛玉についてでしたが、毛玉に限らず爪や耳掃除なども、もしご自宅で行いたいというご希望があるであれば、ぜひ往診をご利用していただければと思います。