人間と同様にペットも高齢化になるにつれて、腫瘍を患う犬や猫が多くなってきています。

動物医療の基本として、こういった癌に対する多くの治療が、人間の治療を参考にしています。

人間の癌に対するアプローチの方法が多様化しているのと同じように、動物の医療でも癌に対する選択肢が増えてきました。

ただ、今現在でも、癌の治療法として主流になっているのは手術や抗がん剤です。

それらが一番奏効率が高い治療法であるからというのがその理由です。

ただし効果が高いからと言いっても、負担が少ないのかというとそれはまた別の話になります。

飼い主様の中にはそういった負担を小さい体に強いるのを希望されず、別の方法を模索する方も大勢いらっしゃいます。

今回はそういった、あまり主流ではないが、何かしてあげたい飼い主様にいくつかの方法をご説明したいと思います。

抗腫瘍薬

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抗腫瘍薬というのは、癌細胞そのものに効果を発揮するのではなく、体の中にもともと存在する癌細胞を攻撃する細胞の活性化を促すような薬です。

イメージとしては癌に対してのワクチンと思っていただければと思います。

薬事法による認可が下りているものがありますので、一定の効果を望めることはできると思います。

使用法としては注射で行うのが一般的であり、隔日で注射を行うようなものや、1週間に一度注射を行うものなどいくつか選択肢があります。

副作用がほとんどでないので、その点でもやり易い治療だと思います。

分子標的薬

分子標的薬とは、癌細胞にしか発現していない特殊な細胞膜の構造を攻撃する薬です。

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抗がん剤とはことなり、理論上、通常な健康な細胞には全く作用しないため、副作用の少ない理想の制癌剤と言われていました。

ただし、使用症例がふえるにつれて、やはり副作用は出る個体は少なくないということがわかったので、あくまでも一般的な状態が良好なことが条件となります。

また、日本で認可が下りているのは決まった種類のみの癌となっているので、認可外の使用になることが多いのと、犬以外に使用できないため、制限が多い薬ということになるかもしれません。

ただ発現する副作用は、抗がん剤のそれよりも重篤になることはあまりなく、癌治療においては選択肢の一つとして考えていただいていいと思います。

アロマ、漢方その他もろもろ

抗腫瘍薬と同じで、自身の免疫力を高めるのがこれらの治療の役目になります。

効果があるのかないのか、大規模な試験がなされていないのが実情で、はっきりとしないグレーな部分が多いと思います。

手軽に始められるという点では、多くの飼い主様が日常的に取り入れているということもあり、各メーカーから色々なものが販売されています。

参考記事

https://www.secondselect.vet/738

https://www.secondselect.vet/742

与えることに不具合がないのであれば、やってみる価値はあると個人的には思います。

食事療法

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炭水化物が多い食事は腫瘍を悪化させるということが知られており、癌細胞は正常な細胞よりも糖質を20倍程度必要であると言われています。

したがって、小麦、米などの炭水化物を多く含む食材を避けることが、癌の進行を抑えることにつながります。

特に猫は、炭水化物を極限までに抑えることができる動物なので、鶏肉、豚肉や魚などの食材のみで生活させるのも可能であると思われます。

まとめ

自分が癌になることを想像した時でさえ、実際どの方法をとるかは全く考えられません。

行政の援助や他のもろもろの保証がある人間でさえそうなのですから、ペットの癌治療の選択肢は非常に困難が付きまとうものだと思います。

今回上げたのは、あまり一般的な治療でないものも含んでいますが、選択肢の一つとして検討してみてください。

ちなみにすべて往診でも可能な治療です。

juuisi

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