獣医師をやっているとよく思うことがあるのですが、ペットは一番最悪のタイミングで病気になることがよくあります。
人間の子供もそうかもしれないのですが、仕事で手が離せない時、旅行中、その他家庭の用事などなど、病院に連れて行けないようなタイミングで病気になります。
そういうタイミングが悪い時でも、よっぽど状態が悪いのであればすぐさま病院に連れて行くのですが、ちょっとした下痢程度であれば、かわいそうと思いつつ家に置いておくこともあるかもしれません。
そんな時、せめて自宅でできることはないのか?こんな問い合わせがよく病院にはかかってきます。
今回はちょっとした下痢をペットがした・・・でも病院に連れて行けない・・・こんな時に飼い主様がご自宅でできることを説明したいと思います。
そもそも原因によるのですが・・
下痢をした時の対応として、真っ先に思いつくのは絶食にしてみるということです。
単純な下痢であればそれなりの効果があるのですが、症状が重いもしくは慢性的な下痢をしている場合は絶食してもあまり改善が見られないことが普通で、より衰弱を招く可能性もあるので、安易な絶食はやめた方がいいと思います。
また3か月、4か月の幼弱な個体やかなりの恒例の場合、絶食にすることによる弊害もあります。
結論を言えば、下痢をした時に絶食させるのが効果的なのは、若い個体の下痢で、かつ食欲が十分あるときと頭の中に入れていただくといいかと思います。
嘔吐がある場合、ない場合
下痢を治療するうえで嘔吐があるかどうかは大きなポイントになると思います。
もし嘔吐が多数回あった場合は、基本的に自宅でできることはあまりないので、可能な限り早く受信するべきだと思います。
絶食をさせても衰弱は進みますし、食べさせても結局嘔吐するので、脱水がさらに進むことになります。
せめてできることは、部屋の温度などを整える程度しかできないかと思います。
嘔吐がない場合は半日程度の絶食ののち、通常量の3割程度の食事をとらせるといいと思います。
水は多少制限してもいいと思いますが、5㎏程度のいぬであれば缶ジュースの半分から2/3程度の飲水量にとどめておくほうがよいと思います。
幼弱もしくは高齢の場合
かなり若い個体、もしくは高齢な場合は基本的に絶食はあまりお勧めしません。
少し下痢があったとしても、食事を少量頻回に分けて与えるべきだと思います。
もし食欲がないのであれば、様子を見るべきではないので、なんとか受診する機会を早急に作っていただくのがいいと思います。
往診を活用しよう!
どうしても動物病院に連れていけない時、そんなときは往診を活用するのもいいと思います。
予定が合えばピンポイントの時間で自宅で治療を受けられることもあります。
動物病院に連れいていきたいけど連れていけない・・・そんな状況はどんな飼い主様でも一度は経験したことはあると思います。
そんな時こそ、選択肢の一つとして往診の動物病院をぜひ考えてみてください。