こんにちは、セカンドセレクト獣医師の斉藤です。

オス犬やオス猫を飼われている飼い主様の中で、去勢手術をするかどうか悩まれた飼い主様も多くいらっしゃると思います。

ネットではよくしつけがしやすくなるという点と、将来的な病気のリスクを抑えるというメリットがのべられている一方で、体重のコントロールが難しくなったり、毛質が変化したりなど色々なデメリットがあると言われています。

去勢手術をする・しないの問題は飼い主様にとっては時に大問題になるのだとは思いますが、個人的な意見としては、病気のことでということよりは一緒に生活する上で、去勢手術をした方が生活しやすいのでは?と思っています。

さてそんな去勢についてですが、たまに睾丸が正常な位置にない場合があり、手術を行う時にいつもとちょっと違う過程になることがあります。

陰睾丸とか停留睾丸などと言われ、発育過程における一種の奇形です。

奇形と言っても、本人に与える影響はあまりなく、正常な位置にないのですが通常の睾丸と同じようにホルモンの分泌はするので、発情行動などは通常通り起こります。

ただよく言われるのですが、そのままにしておくと将来的な腫瘍化のリスクが通常の睾丸よりも高くなるとされています。

今回はそんな陰睾丸についてご説明したいと思います。

陰睾丸はなぜ起こる?

睾丸は通常、陰茎の根元の陰嚢内にあります。

睾丸のようなデリケートな臓器が、なぜあんな目立つところにあるのか、個人的にはたまに不思議に思うのですが、精子を作る際には、体温が1から2度ほど低くないと良好な精子を作れないからだそうです。

もともと睾丸は、胎児のときには腹腔内にありそれがだんだんと所定の位置に移動していきます。

睾丸は精索とよばれる硬いロープのようなもので体とつながれているのですが、この精索が段々と伸びていくことで、おなかの中から陰嚢の位置まで移動していきます。

陰睾丸はこの精索が成長とともに伸びないために、陰嚢まで睾丸がたどり着かずになってしまっている状態です。

なぜ精索が伸びないかはよくわかっていませんが、遺伝的な背景があるといわれています。

陰睾丸は通常、内股の鼠径部と呼ばれる場所か腹腔内にあるのですが、陰嚢よりも暖かい場所にあり、正常な体温下での発育が出来ないため腫瘍化を起こしやすいと言われています。

正常の位置に戻すことはできない?

人間の場合、精索をのばして、睾丸を陰嚢内に固定するという手術方法があります。

犬や猫の場合はあまり一般的でなく、睾丸を摘出することがほとんどです。

まれに両側が陰睾丸の犬で、かつ子孫を残したいという目的があった場合は固定手術を行うこともあるそうですが、精巣が正常に発育しないこともあったり、固定してもまた睾丸が体内に入ってしまうこともあります。

手術は大変?

陰睾丸を摘出する手術は基本的には難しくありません。

陰睾丸は通常、内股の鼠径部もしくは腹腔内になりますが、どちらの場合でもあまり難しい手術ではありません。

どちらの場合でも普通の睾丸と同様に血管と精管を結紮して切除するだけです。

ただ僕も経験したことがあるのですが、陰睾丸と思っていたら、精巣自体がなかったことが何回かあります。

物事はなんでもそうなのですが、ないことを確かめるというのは意外と大変で、ありとあらゆる場所を探していくのでともて大変だった記憶があります。

また、猫の陰睾丸はほとんどの場合で鼠経部にあるのですが、猫の内股は脂肪が厚く、睾丸を探すのはたまに大変な時があります。

過去にどうしても見つからず、CT撮影を行って場所を特定したこともありました。

とはいいつつも、こういったことはまれなケースですので、手術を受ける際にはそれほど心配はしなくてもいいと思います。

まとめ

100人獣医師がいたら99人は去勢はした方がいいと言うと思います。

陰睾丸だった場合はなおさらです。

セカンドセレクトでは陰睾丸が鼠経の部分であれば通常の去勢料金に加えて5000円程度のご費用になります。

陰睾丸が腹腔内にあった場合は、通常の料金に加えて2万円程度かかります。

手術自体はいつでも行えますので、気になることがあったらいつでもご連絡ください。