若い時にはあまり感じなかったのですが、最近になってマッサージの重要性を感じるようになりました。
無理をしているつもりはなくても、ちょっと意識すると腰や肩などがはっている感覚があるような時が多くなってきました。
そんな時には念入りに筋肉をもみほぐすと気持ちがいいだけでなく、関節の可動域も広げることが出来ます。
これは犬や猫でも同じことが言えます。
年齢を重ねると筋量の低下よりも先に、関節の衰えが始まります。
関節の衰えを補おうとして、本来は使用しない場所の筋肉を無理して使うことで筋肉のコリが始まります。
そのコリをほぐしてあげると、一時的ですが動きがよくなることはよく見られます。
特に猫よりも犬の方がこういったマッサージの効果は出やすいので、セカンドセレクトでも老犬のリハビリマッサージはよくご依頼を受けます。
ただマッサージの効果は永遠と続くものではないので、ご自宅でも頻繁に行っていただくのが理想だと言われています。
ただ闇雲にやっていても効果があるかどうかわからないと悩まれている飼い主様も多くいらっしゃるのも事実。
今回はそんな飼い主様のご参考になればと思い、代表的な犬のマッサージのやり方をお教えししたいと思います。
肩甲骨のほぐし
老犬の衰えはたいてい後ろ足からやってきます。
立っているだけでも後ろ足が震えるなどの症状から始まり、後ろ足が躓くことや伏せの状態からうまく立ち上がれないなどの症状がみられるようになります。
こういった場合、後ろ足のリハビリも必要なのですが、後ろ足をかばって常に前足にもいつも以上の負担がかかっていることがよくあります。
ですので上半身にも予想以上の負担がかかるため、まずはできる限り前足の筋肉の緊張をほぐしてあげることが必要です。
特に肩甲骨の筋肉には大きな負担がかかるため、筋肉が凝り固まっていることもよくあります。
肩甲骨のほぐしは犬の横に立ち、肩甲骨の後ろに親指をあてがえほぐしてみるのが有効だと思います。
また肘のあたりをつかんで、前足を前方に伸ばしてみるのもいいと思います。
床の上で行ってもいいのですが、机の上で行った方が犬はおとなしくなることが多いですし、床で屈みながら行うと飼い主様の腰に負担がかかることもあるので注意ししてください。
腰のほぐし
犬は後ろ足の自由が利かなくなると、前足だけでなく、腰でも重心を取ろうとします。
そのため腰のあたりの筋肉が異常に緊張し、背伸びをするような動きを嫌ったり、頭が上にあげずらくなったりします。
いつも下を向いているような高齢犬は特に腰の筋肉が緊張していることが多く、腰のほぐしはより重要になってきます。
腰のほぐしは背骨に沿って筋肉があるので、体の中央から尾に向かって背骨を指で挟むようにほぐしていきます。
また足の付け根より小型犬であれば3㎝程前に左右に腰骨が出っ張っているところがあります。
この周辺を念入りによくほぐすようにしてください。
凝り固まっている犬の場合、最初はこのあたりを揉みこむと痛みからか腰が落ちてくるようになります。
また触られることをかなり嫌がる犬もいますので、最初のうちはあまり力を入れず、少しづつ刺激を加えるようにしてください。
股関節のほぐし
股関節は大きな筋肉でつながっているわけではなく、多数の小さな筋肉で連結されています。
これらの筋肉は大きな筋肉と異なり、少しづつ拘縮して小さく固まりやすくなってしまいます。
これらの小さな筋肉を運動で鍛え上げるのはかなり難しいため、股関節が固まらないように後ろ足のストレッチが股関節のほぐしに役立ちます。
片手で腰骨の出っ張りを抑えながら、膝あたりを保持して後ろに引っ張るような動きをさせます。
特に老犬の場合は後肢の筋量全体が衰えているため、股関節にかかる負担も大きく、長時間の歩行などを不可能にすることもあります。
こういったストレッチは股関節の可動域を維持するだけでなく、筋量の維持にも大きく貢献しますので、可能な限り行っていただくといいと思います。
まとめ
こういったマッサージの頻度は?とよく聞かれますが、実は20分程度のマッサージの効果は3分程度しかもたないと言われています。
ですのでまとめて時間をとって1日1回というよりは、手が空いている時間があったら2,3分を頻回の方が効果が出やすいと言われています。
本読みながら、テレビを見ながらなどの「ながら」で構いませんので、ぜひとも愛犬にマッサージをしてあげてください。