犬が西向きゃ尾は東なんて言葉がありますが、犬にとって自分の尾は絶好の遊び道具になります。

犬種にもよりけりだとは思いますが、自分の尾を追ってくるくる回る姿は犬でよくみられる行動です。

ただ、たまにその行動が過剰になり、自分の尾を噛み始めるような自虐行為が見られることがまれにあります。

今回の記事では「尾かじり」と呼ばれる自虐行為についてご説明したいと思います。

なぜ尾かじりする?

尾かじりはたいていの場合、何かしらの原因に精神的な要素が加わって起こると考えられています。

何かしらの原因には、病的な要因もあれば、病的な要因でないこともあります。

病的な要因の例としては、会陰ヘルニアなどの排便障害や、下痢などによる頻便などがあると、犬は肛門周囲をひどく気にし始めます。

その延長線上に尾があるので、きになる「ついで」に尾を噛み始めることもあります。

また分離不安などの精神的な要因は病的な要因ではないにせよ、自虐行動を助長させるため、一度尾を噛む行為が始まるとなかなかやめることはありません。

ぼく自身の経験上、犬が尾かじりをする本当の原因がわかることはほとんどなく、たいていの場合は対症的に対応していくしかないかと思います。

治療法は?

最も一般的な治療法は、物理的に尾を噛ませないようにするため、エリザベスカラーをすることだと思います。

ただ、エリザベスカラーの着用は犬にとって大きなストレスになるので、尾以外への自虐行為に発展する可能性もあります。

尾に包帯を巻いて咬ませないようにするのも手なのですが、尾に付けた包帯は取れやすく頻繁に交換をしないといけないので、飼い主様の負担も大きいものとなります。

あまりにもメンタル的な要因が多そうな犬には、安定剤のようなものを併用することもあります。

いずれにしても、犬の尾かじりをすぐに治すことのできる特効薬のようなものはなく、ひたすら本人が尾を噛まなくなるのを待つしかないと思います。

セカンドセレクトでは、噛まれてダメージのある尾にコラーゲン療法を併用しています。

皮膚の安定化までの時間は幾分短縮できると考えられており、写真のように壊死寸前までいった尾が、使用して1か月ほどで毛が少しずつ生えてきています。

最悪の場合・・

尾を噛む行為をやめさせれうこともできず、また出血などを伴うような場合や、あまりにも尾の皮膚が挫滅してしまい、壊死が始まっているような尾に対しては外科的に断尾を行うこともあります。

もちろん尾がなくなれば尾を噛む行為はなくなるので、唯一の根治治療とも言えなくはないのですが、外見上の大きな変化を伴うので、よほどの状況のみ行うことがほとんどです。

犬の尾はトレードマークなので、できる限り温存する方向で考えていきたいと思っています。

まとめ

尾かじりは大きな病気ではないのですが、一度なるとかなり厄介です。

初期段階では飼い主様と犬とのコミュニケーションで何とか乗り切れることもあるので、もし尾噛みがきになるようであれば、お気軽にご相談ください。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう