こんにちは、セカンドセレクト獣医師の斉藤です。

医療の進歩とともに獣医医療の進歩もめざましいものがあります。

以前はなかなか治癒できなかったような疾患も、そういった進歩のおかげで簡単に治るようなことも多くなりました。

その一方で、ここ20年以上もの間、治療法の改善がほとんどないような病気もあります。

そういった病気の中で、しばしば飼い主だけでなく、獣医師も悩ます病気の一つとして、猫の口内炎があげられます。

猫の口内炎は犬の口内炎と異なり、その疼痛の強さから食欲が激しく減退していきます。

また猫特有の投薬の困難さから、治療がうまくいかないケースも多々あります。

今回の記事では猫の口内炎についてご説明しますが、申し訳がないぐらい新しい情報はありませんのでご了承ください。

猫の口内炎の原因

猫の口内炎の原因とされるのは、歯周病菌によるものからウイルス感染や自己免疫など様々な原因があると言われています。

犬に比べ、歯周病が進んでいないのにもかかわらず、歯肉の赤みが強く存在するケースもあるため、免疫不全などの要素が非常に強いと思われます。

特に幼猫時にヘルペスウイルスや猫エイズウイルスなどに感染した猫は、口内炎になる確率が格段に増えます。

これらのウイルスは口腔内粘膜の局所免疫力を著しく衰えさせるため、細菌や食渣などに過剰に反応し歯肉炎を増悪させます。

歯肉炎が強く起こした猫は非常に口の中を痛がり、食事を食べる時などでも痛い方の口側に顔を傾け、鳴き声を上げながら食べたり、食べ終わった後に前足の手で口の中を引っ掻いたりするしぐさがよく見られます。

治療方法は?

猫の口内炎に関しては昔から全く変わりません。

基本的には鎮痛・抗炎症をえるために長期的な内服によるステロイド治療を行います。

ステロイドは人や犬にとっては副作用が強く出る薬にはなりますが、猫に対しては副作用はまれです。

ただし、口腔内に強い疼痛を感じている猫に薬を与えるのは非常にむずかしいため、ステロイドの治療を断念せざる得ない飼い主い様も中にはいらっしゃいます。

この場合、長期的に作用するステロイドが注射薬としてあるので、それを使用することもありますが、体内にへの残存期間が長いため、割と猫でも副作用が見られます。

また、内服によるステロイド療法も根治治療ではなく緩和治療になるため、ステロイドからの離脱が難しいため、念のため副作用が発現していないかどうか、定期的に血液検査を行う必要はあります。

また、抜歯も以前からある治療法なのですが、全身麻酔を使用します。

高齢な猫にはリスクがあるのと、歯を抜歯することへの飼い主様の抵抗感もあるので、最初から行う治療ではないかもしれませんが、場合によっては完治もしくはステロイドを減薬することが期待できます。

全身麻酔を使用できる状況であるのであれば、積極的に検討したほうがいいと思います。

なぜ治癒しない?

猫の口内炎はウイルス感染から免疫異常を引き起こし悪化することが多いと言われています。

ウイルスの中でもヘルペスウイルスなどは診察していてもよく見られるウイルスです。

エイズウイルスもそうですが、これらの感染症は一度感染が成立すると完全に排菌するのは不可能だと考えられています。

こういった持続感染を起こすようなウイルスから始まる免疫異常もまた、持続的に炎症が続くため、猫の口内炎は難治性であることが多いと言われています。

ただし、詳細はいまだわかってはいません。

いずれにしても、猫の口内炎は現時点の獣医医療でも完全に根治が出来る病気でないだけに、持続的な治療が必要となるのです。

まとめ

口内炎を患った猫は、食欲も落ち、体重もかなり減少していきます。

他の疾患と異なり、ケアの一環として強制給餌などを行おうとしても、口の疼痛のためにうまくいかないことも多くあります。

セカンドセレクトではそういった症状を患った猫と飼い主様のサポートのために、色々とご協力したいと思っています。

もし飼っている猫の食べている姿にちょっと違和感を感じるようであれば、お気兼ねなくご相談ください。