動物病院において、往診診療はどちらかと言えば、夜間で、緊急で、そして高額でというのがそのイメージだと思います。
往診医の立場からお話しするのであればなおさらなのかもしれませんが、時間外の緊急事態でなくても、純粋に往診の診療を活用したほうが絶対に得だろうなと思うようなペットをお持ちの飼い主様もいっぱいいらっしゃいます。
今回は往診の方が絶対にいいだろうと思う飼い主様とペットについてご説明したいと思います。
ほかの犬や猫もしくは人間がダメ
よくいるのですが、見知らぬものに対し強い警戒感をもつ仔達も多いと思います。
委縮しすぎてしばらく動かなくなるとか、逆に吠えたり威嚇したりして過剰に興奮をするというペットたちは、動物病院の待合室では安心して待つことが出来ません。
診察の順番が回ってくるまで我慢して待つか、車や外でぎりぎりまで待機しているのがその方法になりますが、気候や、動物病院の駐車場の状況では難しい場合もあります。
当然な話なのですが、往診では待ち時間は安心できるご自宅で待機することになります。
ほかの動物や人間がダメなペットでも全く問題がないのが往診のメリットの一つです。
動物病院に来ると粗相をしてしまう
動物病院の移動途中で、もしくは待ち時間の間に、あまりにもの緊張のせいでおしっこを漏らしたり、脱糞をしたりするペットも多くいます。
これも過度な緊張を回避するために、ぎりぎりまで安心できる場所で待機していたいのですが、残念ながら、自宅以外にはそのような場所はないと思います。
先ほども書きましたが、往診ではご自宅が待合室、そして診察室になります。
ペットにとって一番安心できる場所ですべてを済ますことが出来ますので、ペットの緊張を最小限にすることが可能だと思います。
多頭飼育している
多頭飼育をしている飼い主様にとって、大きな問題が家を留守にできなかったり、全員を一度で移動することが困難であることだと思います。
ペットが小型犬や猫だったとしても、その苦労は大変なものです。
それが大型犬だったとしたら物理的に移動はさらに困難になると思います。
往診は獣医師が移動しますので、飼い主様に移動の負担を強いることはほとんどありません。
また往診料も1頭分にまとめることも多いので、料金的にも思ったよりも安いと思います。
子供が小さくてペットを動物病院に連れて行けない
小さな子供を連れてどこかに外出するのはとても大変なことだと思います。
ましてやそこに動物を連れてとなると、想像しただけでも溜息が出てきてしまいます。
また、待合室で小さな子供はじっとしていることが出来ないので、ペットだけでなく自分の子供も目を離せないので、気が休まることがありません。
往診では自宅で行われるので、いつものご自宅の環境とそう変わりがない状態ですべてが終わります。
もちろんそれで、小さなお子様をお持ちの飼い主様の負担がなくなるわけではありませんが、動物病院に連れてくるよりは、ぐっと楽になるはずだと思います。
タクシーを利用している
純粋にタクシーを利用する場合、往復の運賃がかかります。
それが毎回のことになるとその費用はバカにならない他、タクシーを手配する時間も日や時間帯によってはかなりかかることもあると思います。
往診を依頼すれば当然往診料がかかりますが、タクシーをご利用されているのであればその費用はむしろ安く済むほか、タクシーを探す時間も省けます。
特にお手入れや予防ケアなどでタクシーを使って動物病院に行くのであれば、往診を頼まれた方がぜったいにお得だと思います。
まとめ
個人的な意見としては、動物病院に限って言えば、色々な意味で往診は適している診療方法だと思います。
特に飼い主様によっては往診で得られるメリットは、通常の動物病院に行くよりもかなり大きくなることもあります。
今日では往診はまだスタンダードなスタイルではないのですが、一度試してみるときっとその良さがわかるはずだと思います、