犬や猫を飼われてから、初めてと言ってもいい大きなイベント。

それは去勢手術です。

何となくやらないといけないのは解ってはいるのだけれど、大切な我が子を動物病院に入院させるのはなんとなく嫌だ・・・と思っている飼い主様も多くいらっしゃると思います。

ぼくも何回か経験があるのですが、「自宅で手術ができないか?」と何回か尋ねられたことがあります。

結論から言えば可能であるのですが、今回はご自宅で去勢手術を行うをテーマにお話をさせていただければと思います。

去勢手術とは?

去勢手術とはオスの動物に行う手術で、基本的には精巣を摘出します。

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メスの避妊手術に比べると、非常に簡易的に、そして短時間で終わります。

熟練した獣医師であれば、2,3分で手術は終了するでしょう。

また通常の動物病院でも長期的な入院はあまり必要としないため、場合によっては日帰りでも可能だと思います。

ただし、いくら簡単な手術といえども全身麻酔を必要とします。

したがって、通常の手術と同様に麻酔の負担は常に考えなければいけません。

可能な動物は?

先ほども書きましたが、入院期間は本当に短期間で済むので、ご自宅で手術が対象となるような動物は非常に限られていると思ってください。

まずは健康体であること、これは必要最低限です。

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去勢手術は麻酔を使用しますので、動物自身が健康でなかった場合は、麻酔のリスクが格段に跳ね上がります。

場合に酔っては思わぬ事故も引き起こす可能性があるので、事前に健康診断をしっかり受け、検査などにも異常がないことが必須だと思います。

そういった健康な犬や猫でも、家の外に出ると過剰に、病的に緊張、興奮するというのが、ご自宅で去勢手術をする動物の対象となります。

ただし、大型犬の場合は、かなり深い深度の麻酔が必要なことが多いので、基本的にはお勧めできません。

上記のような条件を満たした猫、小型犬であれば、ご自宅での去勢手術が可能だと思います。

リスクは?

獣医師にとって、手術はその手術の手技よりも麻酔の管理に気を使うことがほとんです。

自宅で去勢手術を行った場合のリスクとして、術後の管理がどうしても不十分になるということが挙げられます。

基本的に去勢で使用するような麻酔は、3,4時間もすればほとんどが代謝され、動物は見た目通常の状態を取り戻します。

ただし体の内部の麻酔の影響が完全に取り切れるまで、半日以上はかかりますので、その間の状態の変化は、飼い主様の観察にゆだねるしかありません。

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また、ほぼないと思っていただいて結構ですが、想定外のことが起こった場合、院内でなければ緊急的な対応が不可能となります。

これが自宅で去勢を行った場合の、最大のデメリットとなります。

まとめ

手術はどんな簡単なものでも手術は手術です。

そこにはらんでいるリスクは、どんな場合でも少なからず考えておくべきだと思います。

それでも自分の家族が手術という大変な経験をしているときにずっとそばにいてあげたいという思いは、往診であれば可能であると思います。

あまりないケースですが、往診診療の一つの可能性として考えていただければと思います。

 

 

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