そもそも動物というのは自分の体をよく舐めるものです。

一説には、犬や猫のような肉食動物の唾液には非常に多くの殺菌効果があり、それを体の被毛に付着させ雑菌の繁殖を抑えていると言われています。

ただ、何かしらの原因で体を舐める行為が過剰になると、赤みを起こしたり、時には細菌の感染を誘発したりします。

特にその中でも厄介なのが、足先や足の裏を過剰に舐めだした時で、特にこれは犬でよく見られる症状です。

今回はそんな、犬が足先を執拗に舐めだした時にどのような対応をしたほうがいいのか、往診動物病院がご説明します。

足先、足裏の皮膚病が厄介な理由

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足先や足裏を舐める原因は様々あります。

アレルギー的な原因や、寄生虫、真菌など様々ありますが、基本的には単一な理由では病気は成立せず、多かれ少なかれ精神的な要因が絡んでくるケースがほとんどです。

特に柴犬などを代表とする日本犬や、性格的に1つのことに執着するタイプの犬や猫、また、一人の時間が非常に長い犬は、より足先を舐める傾向が非常に強くなります。

したがって、薬などで治療をしたとしても、結果的に癖の様に舐める行為だけが残ってしまう場合も多くあり、しびしば飼い主と獣医師を悩ませる疾患の一つとなります。

やってはいけないこと

精神的な問題が絡み、動物が足先や足裏を舐める行為のことをストレスからの回避行動もしくは添加行動と言い、行動学の中ではよくある行為の一つです。

当の本人たちは、暇つぶしもしくはストレス解消のため足を舐めているので、それをやめさせるために大きな声で叫んだり、強制的にやめさせるとさらに舐める行動はエスカレートしていきます。

これは強化行動と言って、犬のしつけなどでは非常に重要な問題になります。

とりあえず本人の意に反したやめさせ方はできる限り避けるべきです。

治療法その1

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よくある古典的な手がエリザベスカラーをして舐めさせないようにするということです。

舐めなければ足先は悪化しないので、そのうえで外用薬などで治療していきます。

この方法はかなり強制的に舐めさせないようにできるのですが、動物のストレスも多いのでリバウンドが割と起きる治療法です。

個人的にはあまり好きな方法ではありません。

治療法その2

人間の皮膚病の治療ではラップ法と呼ばれている方法で、ステロイドの外用薬や保湿剤をラップの様に患部に包み、治療していく方法です。

動物の場合には、プロドラッグと呼ばれる副作用が理論上ほとんど出ないステロイド外用薬を足先にしっかりと塗り込み、数時間後に薬用シャンプーにて洗浄を行い、その後スキンケアを主体とした薬剤を塗りこみます。

手間は非常にかかるのですが、外用薬で治療する方法ではこの方法が一番効果的です。

1度行うと1週間ほどは効果が持続するので、1回の手間はかかりますが全体的には非常に効率が良い方法です。

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治療法その3

治療法2で効果が出ない場合は、投薬を行います。

以前はステロイド薬や精神安定剤のようなものを処方していたのですが、最近では分子標的薬と言い、舐めたいという気持ちのみを抑えてくれる薬もあります。

この薬と治療法2の方法を併用することでかなり足先を舐める頻度を軽減することが出来ます。

この方法の一番の利点は、副作用がほぼなく治療できるということですが、精神的な安定をもたらすわけでないですし、かつ根治治療をしているわけではないので継続的な治療が必要となるところが欠点です。

まとめ

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今回は足先を舐めるということに焦点を当てましたが、元来ほとんどの皮膚病には根治治療がなく、慢性的に治療を続けてい行く必要があります。

結果として通院にもかなりの時間を費やさざる得ません。

ちなみに今回のような疾患はすべて往診で行うことが出来ます。

無論、往診であれば飼い主様の負担を全て取り払らえるというわけではありませんが、少しでも飼い主様の負担が少ない中で、ペットの病気を治すということにおいては、往診治療は非常に有効だと思います。

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