よく聞く話ですが、ペットの高齢化も急激に進んでいます。
犬や猫も高齢になると、人間と同様な病気をするようになります。
ただ、病気の名前は一緒、原因も一緒、治療法も一緒、だけど実際にやることは人間とは異なるということは、動物の医療ではよくあります。
今回はそういった病気の一つ、白内障についてご説明をしたいと思います。
白内障とは?
だいたいの方が知っていらっしゃるとは思いますが、一般的には目が白くなる病気として知られています。
目のレンズが白く濁っていくため、だんだんと視力が低下していきます。
加齢とともに起こるケースが多いのですが、白内障を引き起こす素因というのもいくつか存在します。
そういった原因を持っているような犬、猫では若齢からでも白内障を発症することも多く、進行も一般的には早いとされています。
治療法とは手術?
人間と同様、白内障の治療として、手術が選択肢の一つとしてあげられます。
ただし、実際の臨床現場で手術までご希望される飼い主様はあまり多くありません。
一つの理由は、もともとの犬、猫の寿命が人間に比べると圧倒的に短いことが挙げられます。
特に高齢になってから白内障により視力が低下して板としても、手術が可能な年齢でないことも多くあります。
また、人間に比べるともともとの視力がかなり弱いため、白内障だけ改善したとしても、視力の回復という点だけ見れば、あまり犬、猫の生活の質を上げることができないと考えられているからです。
もちろん、視力だけが問題となるわけではなく、白内障から引き起こされる別の目の病気もあるため、そういった病気の予防のためには、手術は有効だと思います。
手術をしない場合のご自宅での対応法
白内障を患った犬、猫と一緒に暮らす時に、一番気をつけないといけないことが、視力の低下によるけがを防ぐことです。
当たり前のように聞こえますが、これが結構難しく、白内障を患ったからといって、その他の体は問題がないことが多いので、それなりに部屋の中を自由に動き回ります。
特に完全に視力を失った犬や猫よりも、視力がまだうっすら残っている仔たちのほうが、けがをすることがよくあります。
昼間や明るいところでは残っている視力が、夕方薄暗くなったり、電気の明かりが届きにくい場所では一気に視力が消えてしまうからだと言われています。
いきなりの明暗の落差に勘が働かず、階段から落ちたり、戸棚などから踏み外したりする落下の事故がよくあります。
こういった動物たちのために、家具の配置はできるだけ変えない、段差のあるところにはバリケードなどを設置する、夕方以降はできるだけ光源を確保するなどが必要だと思います。
ちなみに白内障用の目薬などもありますが、効果としては?な印象です。
まとめ
通常な動物病院と違い、往診の大きなメリットとしては、こういったご自宅での環境のアドバイスもできるということです。
また、視力の低下した動物は、慣れない環境に対し強いストレスを感じるため、ご自宅で治療を行えるのは、動物の負担を軽減することができます。
こういった様々なメリットがあるため、白内障のケアに往診を利用してみることは検討してみてはどうでしょうか?