ある調査では動物病院に来院される理由の中で、皮膚病はその理由の中でダントツに多いものだという結果があります。

実際、1日を通して診察をしていても、ワクチンなどのついでに皮膚の調子を見てほしいなどという飼い主様も含めれば、かなりの件数に上ると思います。

皮膚病の厄介なところは、原因の特定、根本からの治療が極めて困難である上に、命にかかわることはないにせよ、それを管理する飼い主様の負担は非常に大きいものになります。

そんな皮膚病の原因の中でも、一番多いものはアレルギー性、アトピー性のものだと思います。

今回は飼っている犬や猫がアレルギー性の皮膚炎を起こしたら何をするべきかをご説明したいと思います。

犬のアレルギー性皮膚炎

犬のアレルギー性皮膚炎は、全身的な掻痒感とともに起こることが一般的です。

特にわきの下や内股は好発部位で、それに加え四肢やその先端などをよく舐めだします。

最初は発赤から始まるのですが、時間がたつと皮膚は黒ずみ始め、さらにそこに雑菌が絡むと茶黄色のベトっとしたカスが皮膚に多量に付着するようになります。

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犬のアレルギー性の皮膚炎では、たいていの場合は背中側に単独の皮膚炎が見られることはあまりありません。

背中側の皮膚炎にはアレルギー性の問題があったとしても、そのほかの問題も絡んでいることもあるので、より慎重に経過を見ていく必要があります。

猫のアレルギー

猫のアレルギーはほとんどの場合、顔の周りに出ることが多くあります。

特に耳の根元と目の上、それとあごの下はかなりよくかきむしる場所で、気づくいたときには皮膚が血だらけなんてこともよくあります。

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また下腹や前腕にかゆみの場所がでることもあり、その場所をひたすら舐めるようになります。。

犬と違い猫の舌は凹凸に富み、またざらつきが強いため、皮膚炎が赤くただれるような感じで起こります。

また、猫のアレルギー性皮膚炎は真菌症と併発して起こるケースもあるので、犬よりも病態の把握が難しいことがあります。

アレルギー検査は必要?

超個人的な意見ですが、アレルギー検査は特別必要でないと考えています。

アレルギー検査を行い、完全に原因を追究することは不可能であることがほとんどなのと、原因が判明したところでそれを除去することは非常に困難だからです。

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また食事性のアレルギーの場合は、一般的なアレルギー検査の正誤性もあまり高くありません。

アレルギー性皮膚炎の治療においてアレルギー検査が必要なケースはまれで、たいていの場合は減感作療法を治療に取り入れる時ぐらいだと思います。

アレルギー用の食事は必要?

これも超個人的な意見ですが、アレルギー用の処方食はそれほど重要ではないと思います。

中には、食事のみで改善するケースもあるのですが、かなりまれなケースだと思います。

2,3か月は一度試してみてもいいとは思いますが、大きな変化がなければやめてしまっても構わないと思います。

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逆に食事の保管方法にはこだわった方がいいと思います。

劣化したドッグフードは非常に皮膚にダメージを与えるので、特に小型犬や猫を飼われている方は、要注意が必要だと思います。

治療は?

以前はアレルギー性皮膚炎の治療はステロイドを主体とした内服薬が主流でした。

効能も強く、効果も即効性があるのですが、特に犬でよく副作用が出やすく、定期的な検査を行いながら投薬を続けるのが一般的でした。

最近では分子標的薬という新しい薬が販売されるようになりました。

副作用も少なく、かゆみを抑える効果も非常に強いため、この薬の登場でがらりと皮膚病の治療が変化しました。

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あまりいいことではないのですが、「とりあえずこれ飲んでみて」みたいな軽い使用ができるため、今やどのような獣医師にとっても必需品となりました。

難点としては値段が高く、治療コストが従来の治療よりも高額になりやすいところだと思います。

ただし、たいていの場合、しばらくすると値段は少しづつ落ち着いていくと思うので、今よりもずっと価格は下がると思います。

まとめ

これらの治療は往診でも受診が可能です。

病院に連れいていくのに何かしらストレスを感じていそう・・・などと思った時には、お気兼ねなくご連絡ください。

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