よく「当たり所が悪かった」という言葉を使うことがあります。

人間でも特にお年寄りなどは、ちょっとした段差やつまづきで大惨事になることも多く、時には致死的なけがを覆うこともあります。

犬は元来、激しい動きをしますが、最近はやっているような超小型犬種を見ていると、少しひやひやします。

特に2㎏に満たないような犬種では、当たり所が悪くなくても、簡単に骨折をしてしまうからです。

昔は骨折と言えば、ほとんどが交通事故だったのですが、最近では超小型犬、もしくはイタリアングレイハウンドがちょっとしたことで骨折するケースがほとんどです。

これらの犬種で特に折れやすいのは、前足の手首より上の位置にある骨です。

医学的には橈尺骨の骨折と言われ、多くの獣医師がその整復に頭を悩ますことがあります。

今回の記事ではそういった小型犬の前足の骨折についてご説明したいと思います。

そもそもなぜ折れる?

力学的という言葉を使うと読む気が失せそうですが、簡単に言えば、体幹から遠い関節の方が力がかかりやすく負担がかかります。

肩関節よりは肘関節、肘関節よりは手首の関節の方が痛めやすいのが一般的です。

もしご自宅で飼われている犬が前足をびっこ引き出したら、手首の関節を痛めている可能性が一番高いと思います。

また、骨は短い骨よりも長い骨の方が折れやすいので、結果として長い骨で体幹から一番遠い場所が一番力がかかるために骨折しやすい場所になります。

まさにその場所が橈尺骨と呼ばれる骨の手首に近いところであり、そのほかの場所がもし折れるとしたら、高いところからの落下や打撲などの外傷がほとんどです。

一方で橈尺骨は力学的な理由から、ほんの数㎝の段差を踏み外しただけで骨折をしてしまいます。

手術は絶対必要?

人間が骨折をした場合、真っ先に思いつく治療法と言えばギブスによる固定だと思います。

ギブスは簡易的でかつ短時間で終わる処置なので、それで治るにこしたことはないのですが、ギブスで治るような骨折は、基本的には人間のような大型の動物の太い骨もしくはヒビ程度で済んだものです。

骨折した骨が治るためには、骨折した骨の断端がずれずに安定した状態で固定されていることが必要です。

学術的には骨の直径に対し、固定した骨折した断端に生じるズレが、一定以上の割合になると、骨は癒合されないとされています。

ギブスで得られる安定性は意外と低いのですが、太い骨であればその直径と比較した骨折断端に生じるずれとの割合はそれほど大きくはなりません。

小型犬の橈尺骨は太さ1㎝にも満たないことが多く、太い骨と同じぐらいのずれを生じたとしても、骨の直径に対する割合はかなり大きいものになります。

したがって、細い骨を安定した状態に保つためには、より強固な固定方が必要となり、それは必然的にインプラントによる固定、すなわち手術となります。

以前は色々な手術の方法があったのですが、最近ではほとんどがプレートによる固定が一般的です。

以前のプレートでは、プレート設置の不具合やそれそのものの性質から再骨折などが多く、手術に使用するのを敬遠する獣医師もいました。

近年は獣医師が行う手術でも新しいプレートが導入されるようになり、プレートそのもののリスクがかなり低減され、その治癒率も格段に向上しています。

残念ながらセカンドセレクトではそのプレートを用いた手術に対応していないため、専門病院などにご紹介させていただく形になります。

一般的な手術、入院費用は都内であれば25~30万円程度かと思います。

セカンドセレクトでご紹介する病院もそれくらいのご料金でご案内させていただいています。

治癒期間はどれくらい必要?

通常骨折の治癒は3か月程度は必要とされますが、超小型犬の場合はそれよりも伸びることもよくあります。

セカンドセレクトでは、術後のリハビリを含めた治療はかなり得意としている分野の一つです。

ご自宅でも簡単にできる方法もご紹介していますので、お気兼ねなくご相談ください。

小型犬が骨折→手術した。自宅でできるリハビリ法について、往診医がアドバイスいたします。

まとめ

骨折はまさしく突然の事故で、いきなり起こります。

動物病院に連れて行くと当然のように手術の話をされますが、小型犬は致しかたがないことかと思います。

手術自体を行うことはできませんが、できる限りのお手伝いはしたいと思いますので、少しでも不安を感じるようなことがあれば、お気兼ねなくご連絡ください。

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