ペットの世界も高齢化が進んでいるとよく言われていますが、人間と同じように高齢化になるがゆえになる病気も多くなります。

その一つが腫瘍。

腫瘍は体のほとんどの細胞に発生し、動物病院でも腫瘍についてのご相談をよく受けます。

体の表面にできている腫瘍は飼い主様でも気づくことが多いのですが、体の内部にできるものは検査をしないとわからないものも多くあります。

今回はそんな体の中にできてしまう腫瘍のうち、小腸で発生する腫瘍についてご説明したいと思います。

小腸の腫瘍とは?

腸管に腫瘍が発生する場合、小腸に発生するか、大腸に発生するかで症状は異なります。

大腸に発生する腫瘍の場合は排便障害を伴う症状が多くみられるのですが、小腸の場合は特定の症状はあまりなく、診断に苦慮するケースもよくあります。

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一般的には犬よりも猫の方が小腸に腫瘍が発生しやすいと言われており、チョコレート色のタール便が見られたり、貧血や低タンパク血漿が見られたりすることもあります。

また小腸は栄養素を吸収する場所でもあるため、腫瘍の範囲によっては大腸の腫瘍に比べ著しい体重減少が見られることもあります。

以下に小腸に発生する代表的ないくつかの腫瘍の例を挙げておきます。

リンパ腫

犬や猫で最も一般的な小腸の腫瘍になります。

外科的な介入はほとんど意味をなさないため、抗がん剤の適用症例になります。

よくあるのが炎症性腸疾患と呼ばれる原因の一つとして発見されることもあり、検査方法はほぼ内視鏡による生検になります。

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セカンドセレクトでも内視鏡による生検は可能ですので、もしもの時にはいつでもご相談ください。

腺癌

腺癌は小腸に存在する消化液などの分泌腺が腫瘍化したものになります。

診察時に触診で腸管に腫瘤を発見することもあれば、エコー検査でリンパ節が晴れているなどの所見から判明することもあります。

治療法は外科手術によるところが多く、リンパ腫と異なり抗がん剤の効果はほとんど期待ができません。

腺癌はとても周りの組織に腫瘍が伝搬することが多く、外科手術をした際には約8割前後の腫瘍が、腸管の最外側である漿膜面から腫瘍の細胞が飛び出していると言われており、手術をする際には周りの臓器への腫瘍の浸潤がないかどうかを肉眼的に見ることが必要です。

手術自体は腫瘍を切除し、正常な腸同士をつなぎ合わせる端々吻合と呼ばれる手術が必要ですが、合併症として腸管は癒合不全を起こしやすい臓器であるため、手術後数日して腸管が裂開し、腹膜炎などの重篤な症状が出る可能性があります。

また広範囲に腸を摘出した際には、その後の消化吸収不良を起こすこともあり、慢性的な軟便から下痢が見られることもあります。

術後の予後は様々で、見た限りの転移がなければ1年以上生存することもできますが、すでに転移を起こした場合はそれほど長い期間生存することはできません。

平滑筋肉腫

腸管に存在する筋肉組織から発生する腫瘍です。

腺癌と同様、エコー検査などで発見されることが多く、治療法は手術が一般的です。

ただ腺癌よりも術後の予後はいいことが多く、周術期の合併症を乗り切ることができれば、本来の寿命を全うすることもできます。

まとめ

消化管の腫瘍は初期段階としてはあまり自覚症状もなく、健康診断などで偶発的に発見されることもあります。

セカンドセレクトでは動物ドックなどの検査もリーズナブルに行っていますので、何かしらの不安がある方はいつでもご相談いただければと思います。

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