今の日本で犬を診ることができない動物病院というのはかなり限られていると思います。
猫専門とかエキゾチック専門などうたっていることがない限り、犬の診察が断られることはないでしょう。
ただ、飼い主様の中には、「本当にうちの犬、診ることができるのかしら?」と心配になって問い合わせてくる方もいらっしゃいます。
たいていの方は何らかの犬側の理由で連れて行けない、もしくは診察困難になることを心配されていることがほとんどです。
往診医としては、そう犬だからこそ、往診で診てみるのはどうでしょうと提案したいと思います。
今回はよくある「うちの犬こんな感じなんですが診てくれますか?」という質問にお答えしたいと思います。
攻撃的な犬
よくある話なのですが、飼い主様の手にも負えないほど、噛みついてくる犬もいます。
そういった犬でも、動物病院に連れてきてしまうと、あまりにも緊張するため、固まってしまって、かえって処置がしやすいという犬も多くいます。
一方で、往診の場合はご自宅で診察するので、その元来持っている性格そのものが出ますから、やんちゃな犬はやんちゃな状態で診察をすることになります。
結論から言えば、中型犬程度までであれば、どんなにやんちゃな犬でも、テクニック次第で何とでもなりますので、心配しないでください。
問題は大型犬以上の犬です。
エリザベスカラーもしくは口輪を装着することが可能であれば、基本的には問題はないのですが、それすら無理な場合は、遠目からの視診のみで治療を行う形になります。
以前どうしても直接触って診察しないといけないような病気を抱えた犬がいたのですが、体重が40㎏以上あり、どうにもこうにも抑えることができませんでした。
結果として、外のガードレールにリードごとぐるぐるに結びつけて、鎮静剤を使用した上で診察したこともあります。
特殊な例ですが、大型犬以上の犬ではそういったこともありうると思ってください。
超大型犬
超大型犬とはおおよそ60㎏以上の犬を言うのですが、特に性格に難がなくても、ただ大きいというだけで、いろいろ治療が困難になってきます。
基本的には診察は通常の犬と同じようにすることはできますが、同じ超大型犬でも犬種によって、血管などが非常に取りにくいケースもあるので、採血などが困難な場合もあります。
セントバナードやバセットハウンドなどがそれにあたります。
また、肥満が重度の場合も、採決が困難になる場合も多いので、特に十分な光源を確保できないようであれば、苦労することも多いと思います。
ご自宅のような診察用の光源のない状態では、しばしば問題になることもありますが、不可能だったということはないので心配はしないでください。
繊細な性格の犬
性格的にナイーブな犬にとって、往診は非常に適していると思います。
通常の動物病院では、連れて行くとストレスになるのを気にして、なかなか連れてこれないという飼い主様も多いのですが、往診であれば問題はないと思います。
特殊な犬種もしくは特殊な環境下にいる犬
基本的には通常の動物病院でも、往診でも変わらない対応になると思います。
本当に最近はめずらいしい犬種を飼っていらっしゃる方も多いので、犬種特有に出てくるような疾患を常に把握するのが、昔以上に必要です。
往診医と言っても獣医師ですので、経験や知識の幅には寄りますが、どんな犬種についても専門的な知識を有していますのでご安心ください。
また出産を終えたばかりとか、ワクチンを接種できないとか、そういった何らかの特殊な状態の犬であればなおさら往診をお勧めしたいと思います。
まとめ
いろいろと書きましたが、犬の往診に関しては、ほぼ病院内で行う診察とかわらない水準で治療ができると思いますのでそれほど心配はしないでください。
往診を頼むとなると少しハードルは高いかもしれませんが、実際にはそれほどでもないので、いつ出もお気軽にお問い合わせください。