猫は元来、繊細な生き物ですから、なかなか動物病院に連れいていくのが困難ことが多いのではないでしょうか?
ぼくが勤務している動物病院でも、猫を動物病院に連れてくる際のご相談事をよく受けます。
「病院に連れて行こうとすると、姿が見えなくなって捕まらない。」とか「病院に連れてくるとストレスを受けてぐったりする。」などの悩みが多いようです。
そんな時こそ往診を僕はおすすめしたいと思います。
往診であれば、そもそも動物病院に連れてくることが必要ありませんので、この手の悩みは出ないと思いますが、それでも相手は猫。
上手に診察が受けられるようないくつかのアドバイスを、今日はさせていただきたいと思います。
事前に猫を捕まえる
猫は初見の人間に対しては、非常に強い警戒心を持ちます。
何度も僕も経験したことがあるのですが、往診にてワクチンを打つだけという診察に2時間かかったことがあります。
理由は、ぼくがくる前は非常に大人しかった猫が、ぼくが来た途端にパニックになり、家中を走り回ってしまい、捕まえるのに苦労をしたからです。
基本的には見知らぬ人間の手で、本気になった猫を捕まえるのは100%不可能に近いので、せめて事前に1部屋に閉じ込めておく必要があります。
場合によっては、洗濯ネットなどに入れておいたほうが、スムーズに診察もしやすく、猫自身の負担も少なくて済みます。
家から移動しなくてもいいという利点はありますが、事前に捕まえないといけないという点では、往診も通常の動物病院もあまり変わらないと思います。
顔周囲に手を出さない
診察中の猫は、基本的に違う猫だと思っていてください。
動物病院の中で診察するよりは大分とマシなのですが、それでも緊張のボルテージが最高に達すると、猫は見境がなくなります。
よく診察中に飼い主様が手をかまれるという事故がありますので、特に緊張している猫の顔をなでたり、あやかしたりするのはやめた方がいいと思います。
リビングではなくできるだけ小さな部屋で
普段はそういうそぶりは見せないかもしれませんが、見知らぬ人間などが一緒にいる環境下では、猫はやや狭く、閉鎖された空間のほうが安心すると言われています。
したがって往診を受ける際は、リビングのような広々とした空間ではなく、できれば書斎や子供部屋など、わりと小さ目なお部屋をご用意していただくと良いと思います。
終わった後は少し放っておく
診察が終わった猫は、それこそ脱兎のごとく姿を隠します。
その時はそのままそおっとしておきましょう。
本人が安全を確認したらすぐに出てきますので、声をかけたりもしないでください。
隠れている猫は、飼い主様の声もシャットアウトしてじっとしています。
皆さまが普段の生活をしていたほうが、早く戻ってくれるでしょう。
まとめ
治療行為と言う面では、猫にストレスを与えない方法はありません。
ですが、安心できるご自宅での診察は、猫にとっても大分とストレス回避になるので、もし病院に連れて行くのを躊躇されるようであれば、一度往診医にご相談して頂いてはどうでしょうか?