人間と同じようにペットフードでもナチュラル安全志向が定着していますが、残念ながらいくら高価なドッグフードでも、その製造過程では何らかの添加物が使われています。
実際、今の世の中で、食の安全を徹底するのは非常に難しいのですが、できるだけ安全なドッグフードを与えたいと思うのであれば、手間とコストはかかりますが手作り食が一番だと思います。
今回は、そんな手作りのフードについてご説明したいと思います。
ペットフードの利点、欠点
ドッグフードは加工品である以上、何らかの過程を経由して添加物が含まれています。
日本の社会では、食料や薬品に対しての表示の義務が非常にゆるく、故意ではないにせよ、すべてがしっかりと明記されていることはほぼないと思っていたほうがいいと思います。
動物用の食材ならなおさらであり、その添加物により引き起こされる疾患はかなりあると考えられています。
その代わりペットフードは安価で手間をかけずに与えることができます。
動物用手作り食での栄養の概念
人間は雑食ですが、犬は準肉食、猫は純肉食動物です。
したがって、腸の構造から、要求する栄養素もかなり変わってきます。
エネルギー源を接種するためには、人間は主に炭水化物を分解して生成していきますが、犬猫、特に猫は炭水化物をエネルギー源としては使用せず、すべて蓄積されてしまいます。
炭水化物の含有量は意図的に避けた方がいいとされています。
実際には犬や猫の主な栄養源はたんぱく質であり、犬は人の4倍、猫は5~6倍のたんぱく質を要求します。
腎臓などに問題がないのであれば、たんぱく質はかなり多めにとるといいと思います。
たんぱく質の他に重要な栄養素と言えば、必須脂肪酸があげられます。
必須脂肪酸はω3とω6と分けられ、その比率は1:4が一番いい比率だと言われています。
ただ残念ながら必須脂肪酸は普段の食生活では過剰に摂取してしまう傾向にあるので、それらの働きを抑えるようなビタミンC、Eやβカロテンを接種するのが理想です。
お勧めの食材
栄養素の話だけ見ると非常に難しそうですが、基本的にはものすごくシンプルな食生活で構いません。
メインの食材である蛋白源は割合で言えば仔犬は8割、成犬7割、老犬6割、猫はその1割増しにしておきます。
肉類は大抵のものであれば大丈夫ですが、鶏肉は割とアレルギーを持つような犬猫が多く、下痢などするようであれば他の肉に変えた方がいいと思います。
魚であればできるだけ旬のものを使用するのがいいと思いますが、安価で手に入りやすく、栄養価も高いものであれば、サバ缶がお勧めです。
こういった蛋白源にプラスして、仔犬であれば1割の野菜と1割の炭水化物、成犬ならば2割の野菜と1割の炭水化物、シニア期の犬であれば2割の野菜と2割の炭水化物です。
野菜は基本的には旬のものを使用したほうが栄養価が高いため良いとされています。
炭水化物は穀類やサツマイモ、カボチャなどを使用します。
これらのものは加熱し、細かく切るのがいいのですが、ビタミンは熱に弱いため生野菜を使用したい場合は、よく洗って農薬を洗い流すことをお勧めします。
猫も割合としては同じような形でいいのですが、シニア期に入ると腎不全が発症しやすくなるため、老猫の食事の管理は少し特殊になります。
老猫についてはまた後日お話させてください。
まとめ
手作り食は、手間とコストがかかります。
安全をとるか、利便性をとるかは非常に難しいところだと思いますが、一つの知識として持っておくといいと思います。
実際には犬や猫の状態を獣医師に見てもらってから、食事についてのアドバイスをもらったほうがいいと思いますので、往診などを利用して定期的な健康診断を実施していきましょう。