個人的な感想ですが、ネットの普及とともに、生まれてきた仔犬の里親を探す方法が格段に改善しているためか、自宅で出産させるケースが非常に増えたかと思います。

ただ、どんなにそういった便利なツールができたとしても、やはり何かしらの疾患があるとなかなか里親はみつかりません。

自宅で生まれた仔犬が本当に健康かどうか、ご自身たちで判断ができない場合も多く、やはり獣医師の意見は必要だと思います。

今回はこういった新生児の健康診断について、ご説明をしたいと思います。

検診を受ける時期

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可能であれば、出産当日もしくは翌日に1回は診察を受けた方がいいとは思います。

断尾もしくは狼爪の切除を必要とする犬種であれば、この検診に合わせて処置を行うことをお勧めします。

成長がすすんでからの断尾は、出血も多くなる上、全身麻酔が必要になるケースもあるからです。

通常の動物病院であれば、ワクチンもうっていないような若齢の個体を頻繁に連れて行くことはおすすめではありませんが、往診であればその心配もないため、生後1か月程度までは週に1回の検診をお勧めします。

チェックのポイント

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獣医師の目線から初回で見るべきポイントは、当然ながら四肢、躯体ともに通常の形をしているかどうかになります。

またよくある新生児の奇形も確認をします。

まず、口の中の構造がしっかりしているかどうかです。

口蓋裂という奇形が、特に頭の大きい犬種では起こりがちなので、特に短頭種やチワワなどの場合は特に注意が必要です。

もし口蓋裂があった場合は、授乳がままならず衰弱や誤嚥を引き起こすからです。

稀に鎖肛といって肛門がないケースもあり、そういった先天的な奇形がないかどうかがチェックのポイントになります。

また、生後2週から3週目に見るポイントとしては、齊ヘルニアもしくは鼠径ヘルニアの確認です。

頭部にある泉門とよばれる頭蓋骨の陥没や、膝や肘や股関節などの関節は最低でも4もしくは5カ月以降でないと評価の対象とはなりませんので、関節の疾患を過剰に心配する必要はありません。

自宅でやるべきこと

獣医師として、飼い主様の皆様にお勧めしたいのは、まめに体重を測定することです。

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特に生後間もない仔犬は、毎日に体重を測るべきだと思います。

ほかの兄弟よりも明らかに体重の増加が少ない、もしくは体重が減少しているなどの場合、なんらかの不具合が出ていることがほとんどです。

犬はたいていの場合多産なため、ご自宅で各仔犬ごとの授乳量などを計測するのは不可能に近いと思います。

体重の変化が仔犬にとっての一番のバロメーターになりますし、体重測定は誰でもできる簡単なチェックですので、是非とも実施してください。

里親に出す前に

基本的には健康状態に問題がない状態で、1回目のワクチンを接種してからの譲渡が理想だと思います。

重要なのはワクチン接種後すぐに譲渡はしないほうがいいと思います。

少なくとも接種後1週間は開けるべきです。

なぜなら、初回ワクチン後は急激な体調の変化があることが多く、無用なトラブルを回避するためです。

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また可能であれば検便検査は実施しておいたほうがいいでしょう。

フィラリア検査は必要ありません。

まとめ

犬は安産の神様とはいいますが、実際のところ、命が生まれるというのは、そんなに簡単にはいきません。

今回は仔犬にスポットを当ててご説明しましたが、まずは無事の出産ができるように環境を整えておきたいのと、出産前から、往診などの検診を受けられることをお勧めします。

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