飼っている犬や猫が年をとり、いよいよ介護が必要な状況になると色々な問題が発生してきます。
特に一人では菜食、排泄などが困難な寝たきりの場合、長時間に家を留守にするのは非常に難しくなってきます。
とは言いつつも、自分自身にもやらないといけないことはたくさんありますので、半日ほど家を空けないといけない状況もあると思います。
動物病院やペットホテルなどのショートステイを利用するのも手段の一つですが、慣れない場所に年老いた動物を預けるのもなんとなく避けたいところです。
今回はこういった年老いた寝たきりのペットを自宅において留守をする時についてお話したいと思います。
飲水はどうする?
基本的には諦めます。
半日程度の飲水が取れない状態によって、状態がさらに悪化するということは滅多にありません。
できないことは最初から考えないようにした方がいいと思います。
室温の管理はどうする?
これは当然やられていることだと思います。
ここ近年で温暖化が進み、ちょっと前までは考えられないような猛暑を迎えるようになりました。
若くて健康な犬や猫でも気をつけていないとあっという間に熱中症などを引き起こすようにな状況です。
飲水ができないような犬、猫であればなおのこと気を付けないいけません。
エアコンの風が直接当たらないようにしていただきながら温度を下げることをお勧めします。
適温は?とよく聞かれますが、いつもそのご家族の感覚に合わせていただくようにしてもらっています。
皆様が適温と感じるのであれば、長い間同じ時間を過ごしている動物たちもそれに慣れていると思われるからです。
一方で寒い時期は、体温調節能力が劣っているため、すぐに低体温になることが多いので、しっかりと保温をしたあげた方がいいと思います。
直接ヒートマットなどをひいて、その上に寝かせるのが常套手段ですが低温やけどなどには注意が必要です。
経験上、イタグレや2㎏以下の小型犬などの特定の犬種は、温度管理が非常に難しく、特にイタグレのような皮膚の薄い犬種は、低温やけどもなりやすいので、長時間、同じ態勢のまま、同じ場所を保温するのは避けた方がいいでしょう。
行動制限はするべき?
動物は寝たきりになっても、場合によっては器用にずりずり動き回ることもできます。
帰宅後にタンスの隅に挟まれているとか、ベッドの下に潜り込んでいたなどあり、思わぬ怪我のもとになります。
できることであればケージの中に入れるか、バリケードなどを作って、行動範囲を狭めた方がいいと思います。
マズルの長い犬では、柵と柵の間に鼻を突っ込み鼻の部分がすれてしまったりするので、柵の下の方にはタオルをスマキにして当てておくのがいいと思います。
オムツ
個人的にはオムツはあまりお勧めはしていません。
留守中に排泄などをすると、オムツの中でむれてしまい、皮膚炎などを起こすからです。
メスであればお尻あたりにペットシーツをひいておき、排泄物で汚れたら洗うのがいいと思います。
オスは尿が広範囲に腹部につく場合もあるので、市販のマナーベルトをしておくといいと思います。
監視カメラ
最近ではネット経由で使用できる監視カメラが簡単に手に入るようになりましたがお勧めしていません。
年老いた動物は呼吸が非常にゆっくりで深いので、解像度の良い監視カメラでもなかなか目立たないうえ、画面を表示するのは大抵スマートフォンなので余計にわかりません。
あまりにも呼吸が目立たないのでかえって心配になってしまう飼い主様を多く知っているので、やめた方が良いのでは?と個人的には思っています。
まとめ
年老いたペットを家に残すのは大変に後ろ髪がひかれる思いだと思いますが、ぼくが思うに、ペットを介護する際に一番気をつけないといけないことは、決して無理をしないことだと思います。
ぼくの経験則では、ご自身の用事などを優先にすることが最終的には一番よい状態の看護ができることが多いと思います。
なぜなら飼い主様のストレスはダイレクトにペットに移るからです。
一人で家に置いておくことに罪悪感など感じることなく用事を済ませて欲しいなと、飼い主様にはいつもお話しています。