犬の思わぬ事故で一番多いのが、異物を飲み込んでしまう事故だと思います。
普段は飲み込まないのにとか、飲み込むとは思っていなかったのに・・・という飼い主さまが多いのですが、残念ながら犬は大抵のものは飲み込みこむことはできます。
おもちゃや衣服などを飲み込んだ場合はそれをどうするかは判断に迷うことは多々あります。
今回は身の周りにある「もの」が飲み込まれた場合の対処法をご説明したいと思います。
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おもちゃを飲み込んだ
飲み込んだんおもちゃの大きさによって対応法は当然違います。
5kg程度の犬であっても、ビー玉大程度のおもちゃの部品などは便とともに出てきます。
積極的にアプローチするのであれば、催吐処置がいいと思います。
ただし直径がビー玉台でも、筒状の形をしているもの、例えばネズミのぬいぐるみや子供の積み木などは、腸内で閉塞を起こす可能性が高いと思われるので、動物病院での対応が必要だと思います。
一方で、かなりにも大きいものを飲み込んだ、例えばぬいぐるみそのものや、ゴム製のボールなどはかえって大きすぎて胃から移動できないので、症状としては滅多に出ません。
無論、摘出をしないといけないとは思いますが・・・。
洋服の一部を飲み込んだ
洋服の一部を食べられてしまうというのも意外と多い事故です。
特に多いのが、ベルト通しのわっかとファスナー部分、襟元のファーの部分などだと思います。
犬にとっては咬み心地の良いものかどうかはわかりませんが、たいていの場合はこれらの物は便とともに出てくるので、よほどのことがない限りは心配しなくて大丈夫だと思います。
たまに、大型犬で下着1枚まるまる食べられてしまった飼い主様もいらっしゃいましたが、ある程度のまとまった衣服であれば、催吐処置で対応が可能です。
ひも状のものを飲み込んだ
ネットでも色々な情報がありますが、ひも状の異物は場合によては広範囲に腸を壊死させますので、異物の中では危険度の高いものと思っていただいて結構です。
ただ、わりとその情報だけが先行し、縫い糸や、5㎝程度の紐でも慌てて相談にいらっしゃる方がいますが、この程度では閉塞は起こしません。
実際にひも状の異物が問題になるのは、30㎝程度の長い場合であり、縫い糸のような細い糸や長さが短いものはほぼ問題にはなりません。
ただし、一度閉塞を起こせば大手術が必至なため、危険な異物である認識はしておいた方がいいと思います。
ビニールを飲み込んだ
これも多く相談を受けますが、基本的には無処置で構いません。
問題になることはほとんどなく、便として出てくるまで待っていたほうが得策です。
果物の種を飲み込んだ
犬は散歩中に色々なものを飲み込みますが、植物の種は意外と侮れません。
銀杏、柿などの種は、柴犬クラスでも十分閉塞を起こす異物ですから、食べられたと思ったらできるだけ早めに催吐処置を行う必要があります。
自宅の中であれば、モモの種、プラムの種などが多いので、これらの果物は食べたらすぐに手の届かないところに捨ててしまうようにしてください。
まとめ
身の周りのもを食べられてしまう事故は、誰しもが一回は経験することかもしれません。
実際に問題になることは多くはないと思いますが、それでも十分注意をしたほうがいいと思います。