犬や猫は元来よく吐く動物です。

人間と違い、気持ちが悪いから吐くというのではなく、胃の中の調子を整えるためにわざと吐ける動物だからです。

特に猫は、グルーミングの際に被毛を飲み込み、胃の中で塊になってしまうため、それを吐こうとしてかなりの頻度で嘔吐が見られるケースもあります。

そんな時でも猫自体の体調には何ら変化はありません。

ただ、いくら生理的にとはいいつつも、自分の飼っている猫が吐く姿を見るのは気持ちがいいものではないと思います。

今回はそんな猫の嘔吐の管理について、往診医からいくつかのご提案をしたいと思います。

食事の内容を変えてみる

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猫でよくあるのが、食事を変えたとたんに吐く回数が増えることがあります。

原因は定かではありませんが、アレルギー性の問題や添加物、臭い、味など色々な要因が絡んでいると思います。

嘔吐が多い時には、キャットフードを作っているメーカーを変更するだけで嘔吐の回数が落ち着くこともよくあるので、一度試してみるのもいいかもしれません。

また、ドライフードから缶詰に変える、もしくはその逆を試してみるのもいいと思います。

本格的にやるのであれば、アレルギー用のキャットフードでもいいかもしれませんが、嗜好性がおちるのであまりお勧めはしません。

毛玉のコントロールをしてみる

初めに言っておきますが、猫の毛玉のコントロールは非常に難しいと思います。

理論的にはヘアーボールコントロール系の食事やその他の経口の毛玉用のサプリメントはあまり効果が期待できません。

できることであれば、ブラッシングをまめにしていただくこと、ストレスを軽減することが毛玉のコントロールにつながります。

ブラッシングを嫌がるような猫は、埃取りのお掃除用品などでなでてあげると、割と取れますので工夫してみてください。

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簡単な胃薬を飲んでみる

よくある胃の粘膜保護剤などを使用してみるのも一つの手だと思います。

そもそも論として、猫の投薬は割と困難な場合も多いのですが、最近多いなと思ったら、頓服のように使用してい見るのもいいと思います。

ただし、意味なく長期投与していると、リバウンドも結構あるので、明らかな症状の改善がなければお勧めの方法ではありません。

検査をしてみる

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いよいよ原因を知りたいということであれば、血液検査をしてみるのがお勧めです。

実施する項目としては腎臓系の検査、肝臓系の検査、甲状腺のホルモンの濃度、そして膵炎の検査です。

これは、潜在的にあったとしても不顕性と言って、見た目の症状に出てこないこともあり、健康診断もかねて行ってみるのも手だと思います。

病的な嘔吐とは?

生理的ではなく病的な嘔吐の場合は、食欲があったとしてもどんどん痩せてくることが多いと思います。

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また飲水量も増加したり、毛並みがぼさっとまとめて床に落ちることも多くなるのが、初期段階のサインです。

いよいよ食欲がなくなったという場合は、割と症状が進んでいるケースも多いので、こういった初期段階のサインで何らかの手を打つことをお勧めします。

まとめ

猫を動物病院に連れて行くのは割と大変なケースも多いと思います。

まず捕まらないという飼い主様も多くいらっしゃるので、動物病院にも再診に行けないというお電話を頂くこともよくあります。

往診では逆に獣医が自宅にお伺いするので、もし病気っぽくないんだけどなんか嘔吐が気になるなぁと思ったら、お気兼ねなくご相談して頂ければと思います。

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