春先のこの時期は何かと変化が多い時期です。
お引っ越しなどでご自宅の環境が変わったとか、仕事や学校が変わったなど様々な変化があると思いますが、動物病院として多くみられる飼い主様の変化としては、新しい仔をご自宅に迎い入れる方がこの時期は特に増加します。
計画的に迎い入れた方や、衝動的にとか、引っ越ししたタイミングでなど、その理由はいろいろあると思いますが、今回はそういった新しいペットを迎い入れた時に、どのようなことに注意が必要かをご説明したいと思います。
来たばかりのペットは調子を崩しやすいもの
人間でもそうなのですが、環境の変化は体調の変化をよく引き起こします。
ましてや、まだまだ未熟な犬や猫はなおさら体調を崩しやすくなります。
仔犬や仔猫は好奇心が旺盛で、自宅に来て1日程度で動きが活発になり、色々なものに興味を持ち始めます。
ただ、体の準備はまだまだできていないので、必要以上に触れたり、また人間の生活のサイクルに合わせて生活させていると十分な睡眠がとれないため、最初の1週間はケージなどに入れて安静にしておいた方がいいと思います。

仔犬であれば、咳や鼻水、もしくは下痢、仔猫であればくしゃみもしくは下痢が体調を崩した時にはよく見られます。
食欲が安定していればさほど問題になることはありませんが、食欲がなくなると一気に体調の悪化が見られます。
また食べているように見えても、体重の増加が見られないようであれば何らかの問題があります。
家に来て最初の1カ月は、できるだけまめに体重を測定することをお勧めします。
食欲がなくなった、もしくは体重が減少した際はすぐに獣医師と相談する方がいいと思います。
予防はしっかり行いましょう
ワクチン接種は迎い入れた新しい犬や猫には必須な予防となります。
特に仔犬や仔猫は免疫力が弱いため、空気感染を起こすようなタイプの伝染病にはすぐに感染します。
ワクチン接種はできれば自宅に来て1週間ほど安静にしておいたあとに接種するのが理想だと思います。
ちなみに初年度のワクチン接種回数ですが、獣医師やブリーダーによって意見がかなり分かれます。
個人的な意見ですが、もし初回のワクチンが生後2カ月以内に接種しているのであれば、初年度は3回接種したほうが理想だと思います。
逆に4カ月以上の仔犬や仔猫、成犬であれば接種回数は2回で十分です。

また、たまにあるのですが、冬の時期に生後3カ月程度仔犬を迎い入れた場合、12月や1月であったとしてもフィラリアの予防薬を1回は飲ませた方がいいと思います。
生まれた時には8月なので蚊にさされ、フィラリアに感染する可能性が十分にあるので、初回の予防が翌年の5月や6月に開始しようとすると、感染したフィラリアがすでに成虫になってしまっているからです。
まとめ
体調を崩した時や、ワクチン接種もそうですが、まだ小さく免疫力が弱い個体を、色々な動物がいる病院に連れて行くのは、余計な負担や感染を起こす可能性があるので、往診の活用を積極的に検討していただいた方がいいと思います。
移動の負担やほかの動物との接触を考えなくていいからです。
こういった場合に往診を依頼した時の料金は、さほど通常の動物病院に連れて行ったときとさほど変わりはないと思います。
もしこの記事を読んで、往診の動物病院にちょっと興味を持ったら・・・お気兼ねなくご相談して頂ければと思います。

