人間もそうだとは思いますが、ある程度の年齢になると多くの犬で突発的な発咳が見られるようになります。
こういった咳の中でも、ちょっと厄介なものが慢性気管支炎だと思います。
特定の原因がみつからないことが多いため、治療は対症療法にとどまり、継続的に治療をしていかないといけないからです。
今回はこの慢性気管支炎をご説明したいと思います。
慢性気管支炎とは?
慢性気管支炎は先ほども述べた通り、発咳を起こすような病的な理由が見つからないのにもかかわらず、長期間にわたり発咳が見られる疾患です。
猫よりも犬で圧倒的に診られることが多く、7歳あたりを超えてから目立つようになることが多いと思います。
ちなみに猫では喘息性の咳が多くみられるのが特徴です。
トイプードルやヨーキー、ポメラアン、などの小型犬に多いのですが、比較的よくなく犬でも見られると思います。
また幼少時代に重度のケンネルコフやアレルギー性気管支炎などを起こした犬が中高齢になった時に見られることもあり、基本的には全犬種でふつうにみられる病気です。
発咳は明け方に多く見られるのですが、症状の進行とともに日中も見られるようになります。
特に体位を入れ替えた時や動き出しなどに突発的に起こることが多く、発咳は数秒から数分続きます。
検査方法は?
慢性気管支炎の場合、特定の原因がないため、検査上は特別な異常は見つからいことがほとんどです。
ただし、心臓病や機関虚脱のような似たような症状を出す他の病気も多くあるため、一通りの検査は必要だと思います。
検査はレントゲン、血液検査などを行うのですが、慢性気管支炎の合併症として肺高血圧症がよく見られるため、心臓のエコー検査は必須だと思います。
治療法はどんなものがある?
慢性気管支炎の治療法は基本的には投薬になります。
心臓やそのほかの慢性疾患で使用される薬と異なり、決まった時間に継続的に使用するというよりは頓服として使用できることも多く、副作用の問題もあまりありません。
ただし、薬の内容としては気管支拡張剤や鎮咳薬、去痰剤などが代表的なものになりますが、気管支炎に使用する薬のほとんどはとても苦いため、投薬には意外と苦労することおも多いと思います。
セカンドセレクトでは内服を錠剤だけでなく、粉末やシロップにして処方することも多いのですが、それでも投薬が困難なこともあるので、色々な方法をご相談しながら行っています。
またネブライザーと言って薬剤を霧状にして吸入させることもあります。
ネブライザーの機械自体は簡単にインターネットで購入できるため、投薬が困難などのケースの場合はこちらもお勧めしています。
まとめ
慢性の疾患はどんな病気であれ、動物だけでなく飼い主様にも大きな負担となることが多いと思います。
セカンドセレクトでは双方の負担を軽減できるような治療を心がけておりますので、何かお困りの際はいつでもお気兼ねなくご相談ください。