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2016-08-30

個人的な感想ですが、ネットの普及とともに、生まれてきた仔犬の里親を探す方法が格段に改善しているためか、自宅で出産させるケースが非常に増えたかと思います。

ただ、どんなにそういった便利なツールができたとしても、やはり何かしらの疾患があるとなかなか里親はみつかりません。

自宅で生まれた仔犬が本当に健康かどうか、ご自身たちで判断ができない場合も多く、やはり獣医師の意見は必要だと思います。

今回はこういった新生児の健康診断について、ご説明をしたいと思います。

検診を受ける時期

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可能であれば、出産当日もしくは翌日に1回は診察を受けた方がいいとは思います。

断尾もしくは狼爪の切除を必要とする犬種であれば、この検診に合わせて処置を行うことをお勧めします。

成長がすすんでからの断尾は、出血も多くなる上、全身麻酔が必要になるケースもあるからです。

通常の動物病院であれば、ワクチンもうっていないような若齢の個体を頻繁に連れて行くことはおすすめではありませんが、往診であればその心配もないため、生後1か月程度までは週に1回の検診をお勧めします。

チェックのポイント

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獣医師の目線から初回で見るべきポイントは、当然ながら四肢、躯体ともに通常の形をしているかどうかになります。

またよくある新生児の奇形も確認をします。

まず、口の中の構造がしっかりしているかどうかです。

口蓋裂という奇形が、特に頭の大きい犬種では起こりがちなので、特に短頭種やチワワなどの場合は特に注意が必要です。

もし口蓋裂があった場合は、授乳がままならず衰弱や誤嚥を引き起こすからです。

稀に鎖肛といって肛門がないケースもあり、そういった先天的な奇形がないかどうかがチェックのポイントになります。

また、生後2週から3週目に見るポイントとしては、齊ヘルニアもしくは鼠径ヘルニアの確認です。

頭部にある泉門とよばれる頭蓋骨の陥没や、膝や肘や股関節などの関節は最低でも4もしくは5カ月以降でないと評価の対象とはなりませんので、関節の疾患を過剰に心配する必要はありません。

自宅でやるべきこと

獣医師として、飼い主様の皆様にお勧めしたいのは、まめに体重を測定することです。

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特に生後間もない仔犬は、毎日に体重を測るべきだと思います。

ほかの兄弟よりも明らかに体重の増加が少ない、もしくは体重が減少しているなどの場合、なんらかの不具合が出ていることがほとんどです。

犬はたいていの場合多産なため、ご自宅で各仔犬ごとの授乳量などを計測するのは不可能に近いと思います。

体重の変化が仔犬にとっての一番のバロメーターになりますし、体重測定は誰でもできる簡単なチェックですので、是非とも実施してください。

里親に出す前に

基本的には健康状態に問題がない状態で、1回目のワクチンを接種してからの譲渡が理想だと思います。

重要なのはワクチン接種後すぐに譲渡はしないほうがいいと思います。

少なくとも接種後1週間は開けるべきです。

なぜなら、初回ワクチン後は急激な体調の変化があることが多く、無用なトラブルを回避するためです。

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また可能であれば検便検査は実施しておいたほうがいいでしょう。

フィラリア検査は必要ありません。

まとめ

犬は安産の神様とはいいますが、実際のところ、命が生まれるというのは、そんなに簡単にはいきません。

今回は仔犬にスポットを当ててご説明しましたが、まずは無事の出産ができるように環境を整えておきたいのと、出産前から、往診などの検診を受けられることをお勧めします。

2016-08-28

誰しもが病気にはかかりたくないもの。

特に慢性的な疾患は、終わりがなく、それに費やす時間的な労力と費用は、大きなものになります。

ぼくも診察でよく経験するのですが、比較的若くて一見健康状態に全く問題がなさそうな猫でも、健康診断で血液検査などを行うと、意外と肝臓などの値が高い時があります。

経験上、若いうちからの肝障害は、治療しても反応がうすいことが多く、長期的な経過を観察する必要があります。

今回は往診医として、こういった猫の肝障害にどのような対応をしていくのがいいのかご説明したいと思います。

猫の肝障害の原因

猫の肝障害の原因のほとんどは肝臓に原因がないことが多く、ほかに原因があって、2次的に肝臓が悪化しているケースがほとんどです。

比較的若い年齢の場合、その原因は一過性もしくは持続的な胃腸の炎症が、胆嚢という臓器に波及して起こります。

肝臓と胆嚢は胆管という細い管でつながっているため、胆嚢の炎症が肝臓に影響するからです。

血液検査上、値が非常に高かったとしても、外見上は普通の猫と変わらず、何かしらのついでで行った検査で、初めて発見されるケースがほとんどです。

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一方で、年齢が進み、ある程度の年齢になると、猫の肝障害の多くの原因は甲状腺機能亢進症という病気が関係してくることがあります。

甲状腺はホルモンを分泌腺でのどぼとけのあたりの機関に張り付いている臓器です。

ここから分泌されるホルモンが過剰になると、全身の代謝が過剰に反応するため、全身の細胞が疲弊していきます。

結果として肝障害も起こるのですが、かえって食欲や元気は普通の猫よりもあることが多く、見た目は病気なのかどうか微妙な感じです。

こういった原因から、肝臓の障害が著しく悪化し、肝硬変を起こすケースもあれば、腫瘍などができるケースもあり、こういったケースでは猫の一般状態は著しく低下しています。

検査方法

基本的な検査として、血液検査、レントゲン、エコー検査などがありますが、腫瘍などが疑わしいケースは、細胞を採取して病理診断を行います。

特に血液検査は、肝臓の状態を定期的に観測するには非常に有効な検査になるので、一度肝障害の診断がついた場合は、定期的な検査を行ったほうがいいと思います。

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肝臓以外の場所にも異常があった場合、その病気に合わせたモニタリングが必要になりますが、どちらにせよ慢性的な疾患となりますので、継続的な検査が必要となります。

治療法

大体のケースでは内服による投薬治療と食事療法になります。

外科治療が必要なケースはほとんどありません。

問題なのは、猫に定期的に薬を飲ませるのは大変な労力を要することもあり、飼い主様が投薬ができないため、なくなく治療せず経過観察のみということになるケースもあります。

食事などは、処方食などもあるのですが、こちらも食べてくれないケースもあり、猫の食事療法はかなり難しい場合が多いと思います。

特に猫は、食事の代謝がとても特殊で、絶食時間が長期的に続くと、肝障害がすすむこともあり、食事は食べられるものを食べさせた方が、結果としていい状態を維持できることも多くあります。

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まとめ

こういった猫の慢性的な疾患は、いくつかこのブログでも紹介しましたが、往診がより適しています。

ストレスが少ない、検査など通常の動物病院と同等のものができるなど、メリットは非常に多くあります。

もし慢性的な疾患を患ってしまったのであれば、往診は一つの選択肢として、頭の中に入れていただければと思います。

 

2016-08-25

往診動物病院の最大の利点は、獣医師がしっかりとした準備を整えて自宅まで訪問することです。

犬猫のストレスを軽減するうえ、飼い主様の移動のご負担を軽減することができます。

ただ、獣医師が自宅というもろプライベート空間に来るために、飼い主様によって少し気が引ける方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回はそのようなお悩みに対し、往診医がどのような対応が取れるのか、ご説明させていただきます。

玄関先、庭で行う

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基本的に往診は光源が確保できればどこでも行うことは可能です。

屋外でも同様で、日中であれば特に問題はないと思います。

以前、ご自宅の駐車場で診察をしたこともありますが、耳爪肛門腺のお手入れなど、一通り滞りなくすすむことができました。

また、屋外の方がハンドリングをしやすいことも多く、処置が自宅の中よりも行いやすいこともあります。

ただし、屋外で行う分、逃走などには十分気を付けないといけません

そういった意味では、猫は屋外での診察は不適になりますので、獣医師とご相談されるといいと思います。

マンションの集会場などで行う

自宅以外の屋内で行いたい場合、その場所が確保できればどこでもかまいません。

ペット可のマンションであれば、共用部分である集会所や自由スペース、他の住人の方の邪魔にならないようであれば、エントランスルームやレセプションルームでも行うことは可能です。

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特に猫の診察をご希望されるのであれば、前に書いた通り、逃走を防止するため、密閉された空間の方が適しているため、できればどこかの部屋などがいいと思います。

公園などで行う

以前の診察では、公園でご希望された飼い主様もいらっしゃいました。

「?」という感じかもしれませんが、お友達の犬を呼んで、集団で診察をする形だったので、非常に良かったともいます。

一人では普段思っていないような相談事や悩み事も、お友達がしゃべって聞いているのをみて、そう言えばうちもそうそうということになり、ワイワイしながら診察した記憶もあります。

また、集団でワクチン接種をご希望されたこともあり、ちょっとした狂犬病の集団接種のような雰囲気でした。

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獣医師によってはありますが、そういった場合、個別に往診料をとらず、一括で往診料を設定るすることもあるので、往診のデメリットである、別途往診料が負担というのがかなり格安になることもあります。

まとめ

往診はまだ浸透していない分、これだと言った決まりきったやり方もありません。

飼い主様のニーズに合わせて、フレキシブルに対応できるのもまた往診の大きなメリットなので、ぜひとも検討してみてください。

2016-08-23

飼っているペットの怪我で一番先に思いつくものは、なにになりますか?

骨折?脱臼?捻挫?打撲?

ぼくの場合、動物病院で診察をしていて一番多いなと感じるものは爪の損傷です。

犬、猫の爪は人以上に発達している組織。

ちょっとの怪我でも太い動脈が入っているので、引いてしまうぐらい出血が目立ちます。

今回はそんな爪の損傷について往診医としてご説明いたします。

原因

爪を損傷する原因はおおよそ2つあります。

一つ目は飼い主様が爪を切っていて切りすぎてしまったという理由。

圧倒的に小型犬で多い症例です。

特に黒い爪の場合は、血管の位置が目で見ることができず、しかもちょこちょこ動くので、手先がミリ単位で狂っても、結構な出血がでてきます。

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また別の原因としては、動物が自分自身でひっかけてしまって爪が折れてしまうというもの。

この場合は猫、もしくはぼちぼちな体型の犬が散歩中におれてしまうケースがほとんどです。

外傷性に爪が折れるため、爪の基部から神経を巻き込んでおれていることが多く、強い疼痛を伴っていることがよくあります。

治療法

爪を切りすぎてしまって出血してしまった場合、時間がたてばほぼ止まります。

健康な仔であればティッシュなどでおさえていると、しだいに出血は少なくなり1時間ほどで完全に止血されると思います。

出血多量になって死んでしまうケースにはならないので慌てず様子を見ていただいていいと思います。

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外傷によって爪が根元から折れてしまっている場合には、出血が止まっていても治療が必要となります。

なぜなら、爪の怪我は化膿しやすく、また炎症が起こっているため、動物が過剰に患部を舐めより炎症を引き起こすからです。

スタンダードな治療法は、折れた場所よりもさらに根元から爪を切り落として、消毒を念入りに行い、包帯を巻きます。

場合によっては抗生剤やエリザベスカラーが必要なケースもあります。

根元から切除した爪は、通常であれば元通りになりますが、たまに猫では爪が変な形でのびてしまい、後々爪の周囲の皮膚を刺激して膿んだりすることがあります。

そのような場合には、しっかりとした麻酔をかけ、爪が発生している指の骨ごと切り落とします。

そうした処置を行うと、爪は2度と生えてこなくなりますが、歩行などに影響が出ることは決してありません。

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予防法

とにかく爪をまめに切ることです。

特に犬であれば狼爪、猫であれば高齢猫は爪が自然にけずれることがほぼないので、定期的に爪切りが必要です。

まとめ

爪切りなどのお手入れを定期的に行うついでに、簡単な健康診断をするのは理想的だと思います。

問題は、動物病院に連れいていかないといけないので、ストレスが大きくかかるということです。

そんな心配も往診ならば最小限に抑えることができます。

万が一の怪我をした時だけでなく、爪切りなどの定期的な処置でも往診を利用していただければと思います。

2016-08-21

飼い主の皆さまは往診の動物病院というとどんなイメージを持っていらっしゃいますか?

夜間に頼むもの、緊急な時に、どうしても動物病院には連れて行けない時になどなど、どちらかと言えば、必要に迫られて往診を頼むというイメージではないでしょうか?

ぼくが獣医になるよりも少し前、飼っている犬猫を動物病院に連れて行くなんてバカバカしいという世の中の雰囲気から、ペットも家族の一員として、定期的に当たり前のように動物病院に連れていく時代になりました。

ただ、ペットを実際に動物病院に連れて行くとわかるのですが、簡単な検診だけでも、犬や猫はげんなりしてしまうし、定期的に連れて行くのも結構大変だったりします。

最近はそういった飼い主様とペットたちのために、往診の動物病院の数が増えてきています。

今回は実際にお手入れを往診で頼むとどんな感じになるのか、ご説明したいと思います。

まず、予約を取る

往診は当然予約制です。

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電話かもしくはネットでの予約で行いますが、店舗に出向くのではなく、往診医が自宅まで来るので、直前の診察の場所、交通状況によって時間が必ずしも正確にはなりません。

時間に余裕を持って予約していただくとよろしいかと思います。

往診医が来て検診する

往診とは言えども、診察はほぼ通常の動物病院と同じレベルのものが可能です。

健康面に問題があれば、簡単な診察だけでなく、それ相応の検査も可能ですので、何かご不安な点があれば、その時にしっかり伝えていただければと思います。

お手入れ行う

基本的なお手入れはすべてその場で行います。

また往診医の状況によっては、マッサージや鍼、アロマテラピーなど、お手入れに合わせてプラスのお手入れも可能となります。

実際に往診をご依頼された飼い主様のほとんどは、こういったケアを中心に定期的な検診を兼ねたものが多く、診察時間も5分少々のものから1時間程度のものまでまちまちです。

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会計を済ませる

会計は基本的にはクレジットカードでも対応はできますが、事前に確認をしておいたほうが無難だと思います。

料金は通常の動物病院の処置料に往診料がプラスされる程度です。

飼い主様の中で、往診の診療費がものすごく高いというイメージを持たれているのであれば、おそらくは夜間に緊急的に往診を頼んだ場合だと思います。

なぜならそれらは夜間診療の料金を含んでいるからです。

まとめ

往診のメリットは、とにかく自分のペットを動物病院に連れて行かなくて済むということです。

人間側の負担も、動物側の負担も非常に軽減されますので、お手入れでもでななく、お手入れだからこそ往診を検討してはいかがでしょうか?

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2016-08-18

猫好きの飼い主様から見ると、当たり前なのかもしれませんが、猫の顔というのはとても愛らしい表情をしています。

その顔にできた湿疹がちょっとしたものだったとしても、結構目立ったものになることもしばしばです。

実は猫は顔に湿疹が発生するケースは多く、多くの場合強いかゆみを伴います。

特に人で言う眉毛のあたりと、耳の外側は痒がりやすく、自分の爪で引掻いてしまい、余計にひどくさせてしまうこともあります。

このような皮膚炎に猫がなってしまった場合、どのように対応するべきか、往診医の観点からご説明させていただきます。

皮膚炎になる原因

こういった猫の皮膚炎の原因は、ほとんどの場合、アレルギー性の皮膚炎、真菌症、ダニ、蚊のアレルギーのいずれかになります。

ダニや蚊のアレルギーは、皮膚の検査や飼い主様からの稟告で容易に推測ができます。

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アレルギー性皮膚炎、真菌症はその違いがあまりはっきりとせず、原因追及もしばしば難しいものとなります。

経験則から言って、猫のアレルギー症状が出ている場合、腹部の毛も薄くなり、時に赤みが出ていることも多くあるので、そのあたりを目安にいつも診察しています。

治療法

原因がダニであれば駆虫をすれば治癒しますし、蚊であれば最初こそ治療が必要ですが、寒くなれば当然蚊もいなくなるので、治療も必要ではなくなるケースがほとんどです。

問題は、アレルギー性皮膚炎や真菌症の場合、猫自身の体質が問題となりますので、体質が変わらない限りは病状は一向に治まりません。

治療法はステロイドや場合によって抗生剤や抗真菌剤を使用していくのですが、これらの薬は決して体質を変えてくれる薬ではなく、症状を緩和させる薬なので、継続的な(時には永続的な)投薬が必要となります。

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また、猫の性格によっては、かゆみに対して敏感な猫もいますので、最初の導入段階は薬の反応が薄く、エリザベスカラーなどを使用して、強制的に掻くのをやめさせる必要もあります。

予防法

ダニや蚊などの予防は外に行かないことが一番です。

特に夏は紫外線も強く、白毛の多い猫は光線過敏症と言って紫外線によって皮膚炎がさらに悪くなることもありますので、自宅の中でゆっくりさせておくべきだと思います。

また猫の場合は食事による刺激も皮膚炎を出しやすいと言われていますので、そういった専用の処方食を日常的に使用するのも予防法の一つだと思います。

また猫の場合、ストレスが皮膚炎を増悪させる大きな因子となるので、できるだけストレスがないような環境に努めていただくのが重要です。

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まとめ

猫の皮膚炎はたいていの場合、慢性的な疾患であり、長期的な通院を余儀なくされます。

しかし、病院に連れいていったところで、猫の場合はそれほど特殊な検査もなく、視診のみで薬が処方されることもしばしばです。

こういった慢性的な疾患は、やはり猫の場合は往診の方が適していると思います。

猫が通院にストレスを感じていそうなのであれば・・・往診も一つの方法として検討していただくのがいいと思います。

2016-08-16

犬と違い、猫を飼い始める理由の中で、「保護をした」という理由の方は非常に多いのではないでしょうか。

時期にもよりますが、親猫とはぐれて一人でふらふらしている仔猫を見かけることは多く、そういった時にそっと手を差し伸べてあげることは、ひととして自然な行為かもしれません。

セカンドセレクトにも先ほど保護をしたという子猫を連れて来院される方はよくいらっしゃいます。

ただ、今の日本の社会では、こういった保護した動物への行政の援助も多くはなく、基本的には保護した方の責任で、こういった猫のケアをしていかねばなりません。

猫を保護した方の中には、初めて猫と接する方も多く、誰に相談したらいいのか途方に暮れて、動物病院に来院するケースは珍しくないケースです。

今回は、仔猫を保護して自宅に迎え入れる際、どのようなことが必要か、ご説明させていただきます。

まず身体検査

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仔猫を保護して一番最初に見ないといけないことは、性別、生まれたころのおおよその推定、栄養状態、けががないかどうかなど一般的なことは勿論見ていきます。

ただ、一番重要ことの一つとしては、猫のウイルス性鼻気管炎という伝染病にかかっているかどうかをチェックすることです。

この病気は俗に言う「猫風邪」と言われるもので、鼻水、くしゃみ、結膜炎、目ヤニなどが主な症状です。

成猫にも感染しますが、あまり大した症状を出さない一方で、仔猫が感染をしている致死的になる場合もあり、この感染があるかどうか診察するのが重要です。

この病気は外見上から簡単に判断できるため、治療の必要性があればすぐに治療を開始できます。

基本的には点鼻や飲み薬程度で落ち着くことが多いのですが、猫の栄養状態が悪ければ治療は長期にわたることもあります。

ご自宅で介護のような状態が必要なこともあり、保護した猫にまつわる最初に試練となりうる病気です。

寄生虫の駆虫

自宅で保護するにあたり、他の重要な点は寄生虫を駆虫することです。

ここで言う寄生虫とはノミやダニ、シラミのような外部寄生虫と、回虫、条虫と言った消化管の寄生虫です。

これらは仔猫の栄養状態を悪くするだけでなく、人にも感染を起こすため、自宅で猫を引き取った場合はこういった寄生虫の駆虫が必須となります。

見た目ではわからないケースも多いため、保護した初日に駆虫するのが理想だと思います。

駆虫薬は1回投与すればほぼ問題ないので、特に心配はいりません。

ウイルスの検査

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猫エイズウイルス、猫白血病ウイルスは母子感染が主な感染経路で、かつ潜伏期間が長く、治癒することはないウイルス性の疾患です。

このウイルスは、猫の三大性ウイルス疾患の中に含まれており、これが感染しているかどうかでこれからの付き合い方が変わってくる重要な要因です。

特にすでに先住猫がいるような状態では、もしかしたら保護し続けるのも不可能な場合もあるかもしれません。

ただ個人的な意見で言えば、猫のエイズに関して言えば感染力はかなり低いため、ほぼ隔離なしでも同居猫に伝搬する可能性はかなり低いと思います。

血液検査で10分ほどで感染の有無がわかりますので、早急に検査を行ったほうがいいと思います。

まとめ

保護した子猫の容態が落ち着いてきたらワクチン接種、また生後半年程度では避妊手術や去勢手術を行うことになります。

保護した時には無我夢中で、実際動物病院に連れて来たらどうしていいかわからなくなる方も多いと思います。

セカンドセレクトでは保護された方にもできる限り負担がないような形でお手伝いさせていただいていますので、いつでもお気兼ねなくご相談ください。

2016-08-14

てんかんという病気は誰もが知っているのではないかと思います。

残念ながら、てんかんに絡んだ悲しい事故のニュースもたまに見かけます。

ペットの世界でも、てんかんは結構ありふれた病気であまり珍しい症状ではありません。

今回は、往診医としててんかんについてのご説明をしたいと思います。

てんかんとは

てんかんとは一般的には意識を失ったり、痙攣を起こす病気として知られています。

大脳の神経細胞に流れる電気的刺激が過剰に起こり、様々な症状を引き起こします。

横に寝た状態で手足を一定のリズムでクルクル回し始めたり、手足を硬直させガタガタと文字通り痙攣したり、ボーと意識があるのかどうなのかわからないような状態が続いたり、顔の筋肉の一部がぴくぴく動いたりなどが代表的な症状です。

てんかんの検査・治療法

獣医医療では、てんかんそのものを検査する方法はありません。

したがって、検査の方法は除去診断といって、何かほかの臓器などに根本的な問題があって2次的にてんかんの症状が出ているかどうかを調べるのが検査の方法となります。

血液検査、レントゲン、心電図がその検査法になります。

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脳の病変を診るのであれば、MRIを実施したいところなのですが、全身麻酔を必要とするため、MRIまで望まれる飼い主様は、それほど多くないというのが実情です。

治療に関しては、ある程度のガイドラインがあるのですが、治療しないケースの方が圧倒的に多いと思います。

なぜならてんかんの発作の大部分は、動物の健康を脅かすものではないからです。

またてんかんそのものを治す方法もなく、てんかんを予防する薬を毎日を飲ませないといけないため、いろいろなご負担がかかるというのもその理由です。

逆にどういう状態になったら治療を開始するかと言えば、てんかんの発作が月で2,3回以上起こるようになったというのが一つのラインだと思います。

てんかんの治療はてんかんの重積と言って、30分以上の終わらないような発作、痙攣をふせぐのが目的であり、ある一定以上の頻度のてんかん発作は、この重積発作を引き起こす可能性があるからです。

てんかんが起こったら・・・往診医としてのアドバイス

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まず慌てないことが一番です。

先ほども述べましたが、発作自体で命を落とすことはほぼありません。

逆に何かをしようとして刺激をさせるとさらに発作が止まりにくくなるので、けがをさせないように周りのものをどかして静観するべきです。

発作がない状態では治療は基本的にはする必要がありませんので、発作が落ち着いていれば動物病院に行く必要もありません。

発作が30分以上止まらないような重積の状態であれば対応が必要と思われますが、てんかんをおこしている動物を移動するのはかなり困難だと思います。

またストレスがかかるような環境はてんかんの症状をさらに強くする可能性があるので、極力往診を活用したほうがいいと思います。

てんかんの治療の定期的な検診も同様で、できるだけご自宅での環境下で行うことをお勧めします。

まとめ

てんかんのようないわば「激しい」症状は、飼い主様にとってもかなりストレスになると思います。

獣医師としての経験論として、飼い主様が過度にストレスを感じていたり、過剰な心配をしていると、飼っていらっしゃるペットの発作が不思議と出やすくなります。

できるだけ往診医として飼い主様の心配事が取り除けるように、ご協力したいと常々考えています。

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2016-08-04

犬にとって歯はシンボルマーク。

人間だけでなく、犬だってちゃんと歯のケアは必要です。

ただし、いざ歯のケアをやろうとすると、予想外の抵抗にあって、なかなか思うようにいかず諦めてしまい、気づいたときには愛犬の口の中がすごいことになっていた・・・こんな飼い主様をよく見かけます。

一度ついた歯石は、人間と同じようにスケーラーという機械を用いて歯石除去を行うのですが、犬の場合は基本的には全身麻酔を使用するため、飼い主様にとっては意外とハードルが高いことがあります

実際、歯石を取るだけで全身麻酔は避けたいと思っていらっしゃる飼い主様からのご相もを多く受けます。

今回は、そんな飼い主様に往診医としていくつかのご提案をしたいと思います。

実際には麻酔を使用しなくても除去はできる

実際にぼく自身はよく行うのですが、無麻酔でも歯石除去は基本的には可能です。

もちろんちょっとしたコツがあるのですが、基本的には動物を抑える保定者の熟練度があれば、可能な場合が圧倒的に多いと思います。

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ただし、非常に興奮しやすい、心肺に何らかの疾患がある、または首もしくは腰にヘルニアがあるなどの犬は残念ながら歯石を取ることができないこともあります。

また、歯の裏側は盲目的に行うことが多いため、しっかりととることはできませんし、研磨をかけたりすることも難しいとは思います。

歯石はまたつくので3か月おきに歯石除去を行う

それでは無麻酔で歯石を取るメリットは何だ?ということであれば、もちろん麻酔を使用しないために頻繁に行うことができるということです。

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全身麻酔をかけてしっかり歯石を取ったところで、結局のところそのあとにデンタルケアをしっかり行わなければ、すぐに歯石が付着していきます。

だからと言って、すぐに全身麻酔をまたかけて歯石を取るというのも、体の負担を考えれるのであれば、避けたいところだと思います。

無麻酔で行うのであれば、定期的に歯石除去を行うことが可能です。

お勧めはおおよそ3か月おきに歯石除去を行うのがいいと思います。

今までかなり強い口臭がした犬でも、数回行えばかなり防げると思いますので、ぜひとも検討してください。

普段のデンタルケア

往診で歯石を取る最大のメリットは、取るだけでなく、ご家族の方々にデンタルケアのやり方をお教えすることができるということです。

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実はこの手のケアは、行う人よりも、犬を抑える人の方が役割として重要なことが多く、そのコツを実際に家の環境の中でお伝えすることが結構重要なことだと思っています

なぜなら、病院で教わっても、犬は意外と緊張で動かないことが多く、あまり参考にならないことが多いからです。

まとめ

獣医師の考え方として、犬は歯がなくてもよい、問題が起こった歯は基本的には抜けばいいというのがおおよその意見です。

確かに論理的かつ実務的な考え方なのですが、残しておけるのであれば残しておきたいもの。

もしよろしければ、そういった歯石除去や普段のデンタルケアのご相談を含めて、お気軽に往診医にしていただければと思います。

2016-08-02

犬も日本の社会と同じように高齢化が急速に進んでいます。

高齢化が進むということは、それだけ医療が発達している証ということなので、全体的に見れば決して悪いことではないと思います。

ただ、個々の問題をみれば、そこには介護の問題が絡んでくるため、色々な問題が発生します。

今回は、高齢になった犬が認知症になった場合、獣医師としてどういったことをお手伝いできるのか、ご説明したいと思います。

犬の認知症は?

年をとって、認知症になった犬は独特な行動をとります。

一番典型的なのは、部屋の隅を同じ方向に回って徘徊するようになります。

回る様子は円を描くのではなく、壁を横にして部屋の隅から隅へと直線的な動きで徘徊をします。

障害物にも気づかず、あたって初めて障害物を迂回するような行動になります。

また、多食傾向になり、通常よりも多くの食事を食べますが、体重はどんどん減少していき、最終的には衰弱していきます。

飼い主様にとって問題となるのは、こういったことではなく、排泄がきっちりできなくなるので、そのお世話が非常に大変になるのと、常時、遠吠えをするため、その鳴き声がしばしば問題となります。

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獣医師としてお手伝いができること

認知症は病気ではないため、それを治療することは残念ながらできません。

認知症になってしまった高齢犬の起こす何らかの問題行動に対し、主に投薬療法を講じることになります。

特に夜鳴きに対しては、睡眠導入剤を処方します。

いわゆる睡眠薬ですが、医学的には麻酔・鎮静薬に相当するものなので、強い薬剤を使用すると、一日の大半寝ていることが非常の多くなるので、活動性が著しく低下します。

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また、ω3という脂肪酸を含んだサプリメントなどが、症状の改善に多少役立つことも多いので、獣医師としてそのようなお手伝いが可能かと思います。

往診獣医師としてお手伝いができること

往診では上記の薬剤の提案に加えて、実際にご自宅に伺うことができるため、より飼い主様に寄り添った治療が可能です。

ご自宅での環境や、食事の指導に加え、ご家族だけでは難しい、体の清掃やその他のお手入れ、食欲が落ちているようであれば、栄養剤の注射(補液)を行うことが可能です。

これらの治療は、実際に動物病院に連れていくことになると、大きなストレスを受けることになる上、動物病院に連れていくこと自体が困難なことが多いと思います。

動物だけでなく飼い主様のご負担を少なくすることが、往診では可能だと思っています。

まとめ

往診動物病院はまだあまり普及していないので、依頼をするハードルは少々高いかもしれませんが、一度頼んでみると、意外と色々と汎用性がたかいのではと思います。

このブログがそんなきっかけの一つになれば、幸いです。

2016-07-30

間の悪いことと言うのはどんなことにもあり得ることです。

移動手段がないとか、もう動物病院が開いている時間ではないなどの理由から、かかりつけの病院に通えず、緊急的に往診を頼むことは、ペットを飼ってらっしゃる方ならだれでも経験する可能性があります。

往診のデメリットとして、すぐに駆け付けられないこともあり、待ち時間をどうやって過ごすか、飼い主様にとっては非常に悩ましい問題だと思います。

今回は、ケースに合わせ、往診医が到着するまでの間、どのような応急手当をしたらよいのか、ご説明させていただきます。

下痢、嘔吐でぐったりしている

基本的には下痢・嘔吐をしている場合、ご自宅でできるような処置はあまりありません。

しいて言えば、腹部を圧迫すると非常に痛がるケースもあるので、できるだけ腹部に手をかけないようにしていただいた方がいいと思います。

できることであればケージなどに入れていただき、安静にさせてください。

また、水を飲みたがっていても、何も与えないほうがいいと思います。

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いつから、どんな感じの症状が始まったのか伝えられるように、往診医が来るまでにまとめておくなどの時間に使ったほうがいいと思います。

落下などにより怪我をした

犬でも猫でもたまにあるのですが、自宅で何かの拍子にけがをしてしまう場合もあります。

目に見えての出血がある場合、具体的に言えば爪を折るなどをして出血がある場合は、ティッシュやガーゼなどで出血個所を抑えるのがいいと思います。

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ただし痛がって嫌がる場合は、ケージなどに入れて動かないようにした方がいいでしょう。

見た目のけがもなく出血もなさそうだが、びっこや体を触れると痛がるような場合もケージに入れて安静にしてください。

呼吸が荒い

非常に難しいシチュエーションだと思いますが、もし耳などを触って非常に熱く感じるのであれば、発熱している可能性があるので、氷嚢などを体につけて安静にさせてください。

もし熱中症にまでなっているようであれば、直接水をかけていただくのが良いと思います。

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舌先の色が悪い、心臓が悪いなどの既往歴がある場合、携帯酸素などあればいいのですが、普通準備していることはないと思います。

こうした場合、できることはあまりないのですが、あまり胸部を抑えないようにして、座らせるもしくはタオルなどによりかけるようにして態勢を保持させるのがいいと思います。

止まらない痙攣

たまにいらっしゃるのですが、舌がのどの奥に落ち込んで窒息すると思い、舌を引っ張ろうとする方がいらっしゃいますが、通常そのようなことは起こりません。

また舌をかんで出血してもすぐに止まりますから、慌てないでください。

むしろ咬まれるなどの事故も多いので、できるだけ動物には触らず、けがをさせないように周りのものをどかしたほうがいいと思います。

痙攣が続いていると、体温が急激に上昇するので、体を触って厚いようであれば氷嚢などを当ててあげるのがいいと思います。

ダックスなどで後ろ足がたたない

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これは往診でどうにか対応できるレベルではないかもしれませんが、動かさず、安静にしていただくしかないでしょう。

往診でできることも応急手当でしかありませんから、翌日には動物病院に行くべきかと思います。

まとめ

調子が悪い動物いて、そこには自分しかいない。

普段冷静にしていればなんともないようなことでも、色々と不安になることも多いと思います。

残念ながら自宅にてできることは多くはありませんが、こういった記事が少しでも飼い主様の不安をやわげることができるのであればと思います。

 

2016-07-28

ウサギを飼っていらっしゃる方ならば当然知っていらっしゃることだと思いますが、ウサギはとても繊細な動物です。

ストレスにも弱く、ちょっしたことで動物病院に連れて行くと、それだけで食欲が落ちかねない生き物です。

ウサギの治療はこういったストレスを常に考えないといけないので、ぼくたち獣医師もとても気を使うのですが、あえてぼくはウサギの治療は往診で行うという提案したいと思います。

今回は往診医として、ウサギのかかりやすい病気と往診で行えることをご説明します。

食滞の治療

年齢にもよりますが、ウサギが食欲をなくした時にあげられる代表的な病気としては、まず食滞があげられます。

食滞とは何らかの理由で、ウサギの胃腸の動きが低下し、特に胃の中に食渣が多くたまってしまう病気です。

多くの場合、急に動かなくなり、重度の場合はお腹が外見上からでも張ってくる様子がわかります。

ウサギが急死する代表的な病気です。

食滞は基本的には腸を動かすことが第一の目的となります。

胃腸を動かすような薬を使用するのですが、初期段階では胃腸の動きも悪く、飲み薬は効果が薄いので、注射で投薬するのが有効だと思います。

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また、腹部をマッサージなどで刺激を与えるのも有効だと思います。

これらの治療は往診で十分可能なものだと思います。

斜頸の治療

その他の食欲低下の理由としては、斜頸と呼ばれる病気があげられます。

斜頸の原因ははっきりとはわかっていないのですが、平衡感覚がなくなってしまい、首が傾くだけの場合もあれば、姿勢を保持することができないぐらい重度の場合もあります。

眼振といって、目が左右に振れてしまうような症状が同時に出ていると、たいていの場合は食欲がなくなります。

治療は基本的に高容量のステロイドを使用していきます。

いくつかの文献では、ウサギの脳に寄生する寄生虫を駆虫するのが治療法としてあげられていますが、基本的にステロイドを使用しないと、ウサギの斜頸は回復してくれないことが多いと思います。

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食欲があれば内服でも構いませんが、食欲がないと投薬が困難になるケースも多いため、やはり初期の段階では注射による投薬を選択します。

後遺症として残るケースも多々あるため、治療後のケアも必要な疾患です。

自宅での環境のアドバイスも含めて、こちらも往診での対応が可能な症例です。

臼歯の問題

食欲低下の代表的な疾患としては、ウサギの臼歯が伸びすぎてしまい、口の中の粘膜が傷ついてしまう病気があります。

常生歯といって、歯が一生伸び続けるげっ歯類特有の病気です。

これを治療するためには物理的に臼歯を削るしかありませんが、基本的には全身麻酔が必要なため、往診での対応は難しいと思います。

往診のデメリット

自宅ではウサギは本来の行動をしますので、動物病院の中でフリーズをしてくれません。

以前、往診に行ったときに、ウサギが捕まらなかったことがあります。

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まさしく脱兎のごとくです。

往診では自宅での本来の状態が診れるのがメリットですが、逆に元気すぎるウサギさんは診るのが大変になることもあります。

まとめ

ウサギのような繊細な動物こそ、往診が一番よいのかもしれません。

ウサギを診れる獣医師も多くない中で、ウサギを診察する往診医を探すのは難しいかもしれませんが、選択肢として持っておくと、非常に心強いと思います。

2016-07-26

犬は圧倒的に人より早く年をとります。

ほとんどの飼い主様がその犬の一生に立ち会う中で、若い時には健康で動物病院なんかほぼ行かなかったのに、年をとってきた途端に色々な心配事などが出てきたという飼い主様は非常に多いと思います。

前回は、ご自宅でやってほしい環境の整備と食事与え方について、ちょっとしたアドバイスを書きました。

前回の記事

【往診動物病院が提案】飼っている犬が年をとってきて、後ろ足がおぼつかない時の自宅での普段のケアの仕方。

今回は、もっと色々やってあげたいと思っている飼い主様に役に立てるようなご助言をさせていただきたいと思います。

サプリメントを与えてみる

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コラーゲン、コンドロイチン、グルコサミンなど、人でもおなじみのサプリメントが多数あります。

ただ、いくつかの医学的な論文で、そういったサプリメントの効果に疑問を呈するものがあり、多くの医師、獣医師が否定的な立場をとっています。

そういった状況の中で注目されているのが、ω3という脂肪酸のサプリメントです。

もちろん、効能を積極的に評価するような科学的な論文はありませんが、今のところ獣医医療では経験的に大きな効果がでると考えられています。

実際、ぼくもよく処方しますが、効果があったと実感される飼い主様が多いので、一度はトライしてみてもいいのでは?と思います。

リハビリに挑戦してみる

リハビリとは言ってもそれほど難しいものではなく、ご自宅でも簡単にできるものばかりです。

まず早速実践していただきたいのが、ご飯を食べる時に座って食べさせないで、四足で立たせて食べさせるということです。

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犬は万が一後肢が動かなくなっても器用に、そして不自由なく生活できます。

使わなくなればなるほど、後ろ足はどんどん使われなくいき、後肢の筋量もどんどん落ちていきます。

なかなか犬の筋肉トレーニングというのは自宅では難しいと思いますので、まずは起立させて生活する時間を増やすのが有効だと思います。

腰を上げるような介護用ハーネスもありますので、そういったものを利用していただいてもいいと思います。

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マッサージをしてみる

犬にマッサージ?と思うかもしれませんが、わりと有効な方法です。

漫然と揉むのではなく、人と同じように経絡と呼ばれるツボが多く存在していますので、そういったツボを利用するのがいいと思います。

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特に犬の背骨のわきには多くツボがあります。

体の中央からやや後ろあたりには、後ろ足を活性化させる中心的なツボがあるので、そこおもにもんでいただくのがいいと思います。

また肉球の裏、指の股の水かきの部分、膝の裏、太ももの裏あたりにもツボがあるので、こういったところを刺激しながらもんでいただくといいと思います。

鍼灸をしてみる

飼い主様がご自身でできるわけではありませんが、往診で行うことも可能です。

多くの往診医が、鍼灸の治療を行っていますので、積極的に利用してみてもいいと思います。

まとめ

直接獣医師が自宅に行って、リハビリやマッサージのやり方を教えさせていただくだけでなく、自宅の環境を直接確認できますので、的確なアドバイスがより行えると思います。

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こういった点は、通常の動物病院よりも多くのメリットを持つと思います。

高齢の犬を動物病院に連れいていくのはそれだけでも大きな負担になります。

病気というよりはケアの範囲で往診を利用するのも、年齢にあがらう大きな手段になるのではないでしょうか。

2016-07-23

人もそうですが、犬も年をとってくると足腰が弱ってきます。

老犬は背骨が変形し、背骨の中に入っている脊髄神経の機能が衰えることで、急激に後肢の反応が鈍くなり、筋量がどんどん落ちてきます

最終的には立てなくなり要介護の状況となります。

要介護の犬を自宅で飼育するのは多くの負担を飼い主様に強いることになると思いますが、ほぼこれらの現象は老衰といえるような反応のため、完全に回避することはほぼ不可能に近いと思います。

そういったなかでも、獣医師として、加齢に対し抗うためのいくつかのアドバイスがありますので、今日はその点についてご説明させていただきます。

環境を整える

環境を整えると言っても、いくら愛する家族のためとは言いつつも、自宅をリフォームなどすることは非常に難しいと思います。

できるだけ滑らないようにフローリングにマットをひくとか、スロープを付ける、段差をなくすなどの出来るだけの工夫でも十分だとは思います。

また老犬は、視力が大分と低下しています。

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特に夕方、自宅の電気がついていない時間帯の視力は大分と落ちていることが多いので、早めに電気をつけてあげるとか、階段など落下する恐れがあるところにはいけないようにするなどの工夫もいいと思います。

視力がなくなっても、家具の配置などを記憶して動くことも多く、家具の位置をあまり変えないというのも方法です。

栄養をしっかり取らせる

老犬にはシニア用のドッグフードをというのが、おおよその意見だとは思いますが、個人的には状況によりけりかなと思います。

シニア用のドッグフードは基本的にいくつかの栄養素を制限していることがあります。

年をとってもしっかりと食べてくれる犬ならいいのですが、大抵はだんだんと食欲は落ちてきますので、全体的に取れる栄養も少なくなってきます。

したがって何らかの成分を制限しているような食事は、場合によって摂取する栄養素が不足することもあるので、体重が特に減少しているような犬であれば、食事はシニア用にこだわらず与えた方がいいと思います。

極論を言えば、本人が食べたいものを食べたいだけ食べさせる形でも良いと思います。

また個人的にお勧めなのは、ドッグフードにスーパーで売っているサバの水煮缶などを加えるのもいいと思います。

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サバは安価で、老犬に対しとても良いとされているω3という脂肪酸をふんだんに含んでいるため、非常に良好な栄養素になると思います。

手作りで作られている方も多いと思いますが、基本的にはタンパクの量を積極的に取れるように心掛けていただくといいと思います。

なかなか固形の物を食べてくれないような犬には、人用のよく筋トレした後に飲むプロテインなどを混ぜてみるのもいいかもしれません。

大抵は中に匙が入っていますので、体重10㎏ぐらいなら、匙の半分程度を一回の食事に混ぜていただくのがいいと思います。

腎臓に負担がかからない?という心配をよく飼い主様から頂くのですが、基本的には問題はないと思ってください。

まとめ

今回は治療というよりは、自宅でできる工夫を中心にご説明させていただけました。

次回は、さらに何かしてあげたい飼い主様に、自宅でできる簡単なリハビリなどをご紹介したいと思います。

2016-07-21

春先と初夏の時期には道端に小さな仔猫がふらふらと歩いていることが多いと思います。

おそらく親猫とはぐれたのかもしれませんが、よくみると目ヤニや鼻水で顔がぐしゃぐしゃになり、衰弱していることが多くあります。

今回はこういった猫を保護した時にどうするのがいいのかご説明したいと思います。

まず、症状の原因は?

たいていの場合、こういった症状はよく猫風邪などと言われる伝染病で、正確には猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)と言われています。

猫ヘルペスウイルスというウイルスに侵され、細菌の二次感染の影響を受け、こういった状況に陥っています。

猫ヘルペスウイルスはあまり強い病状を示さないのですが、何らかの原因で免疫力が下がった猫が発症するとどんどん衰弱をしていきます。

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仔猫は時に致死的になることもありますので、やっかいな感染症の一つです。

ちなみに人間には移りませんので、その点についてはご心配しなくても大丈夫です。

治療法は?

一度ウイルスの感染が成立してしまうと、2度と体外へ除去するのは、ヘルペスウイルスの特性上不可能です。

したがって、支持療法がメインとなります。

抗生剤を使用し、必要に応じ補水を促し、栄養をしっかり取らせて、猫の一般状態の改善を促していきます。

仔猫に食欲があればそれほどの治療は必要ありませんが、食欲もなく衰弱が激しいようであれば、徹底した管理が必要です。

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自宅で迎え入れるために

こういった猫を保護した場合でも、行政の援助などは全く期待ができないため、基本的にはご自宅での管理がメインとなります。

ケージなどをご用意していただき、その中で看護していただくことになるのですが、すでにほかの猫を飼われているのであれば、ヘルペスウイルスは伝染力が非常に強いため、部屋を分けていただくなどの隔離が必要となります。

この辺りはどの飼い主様にも、非常に大きな問題になることが多いと思います。

環境が整ったら、あとは猫自身にももろもろ処置をしないといけません。

まず、エイズウイルス、白血病ウイルスの検査、これは血液検査になります。

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また便があれば検便をしたほうがいいでしょう。

また、保護した猫は高い確率で、腸内に寄生虫がいるので、駆虫薬を飲ませるのと、ノミの駆虫も合わせてやるべきだと思います。

これらの処置は、猫の状態にかかわらず行ったほうが無難だと思いますので、治療と同時に行うのがいいと思います。

そのあと・・・。

仔猫が順調に回復した後は、ワクチンを1回接種します。

もし里親に出そうとするのであれば、この時点で一つの目安になります。

もしそのまま飼われるのであれば、2回目のワクチン、去勢、もしくは避妊手術を行います。

まとめ

嫌な言い方にはなりますが、仔猫を保護した時点で、その責任は保護した方に付帯されるのが今の現状です。

往診医としても保護した方にできる限りのサポートをしたいと思っています。

直接ご自宅にて処置を行うので、その際の環境のアドバイスなど、細かな助言ができると思いますので、保護した猫でこういった症状が出たら、一度ご利用してみるのもいいと思います。