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2017-02-18

寒い冬も終わり、春先は何かとやることは多くなりますが、それは犬も同じことです。

この時期にやらないといけないと言えば、混合ワクチン接種に加え、フィラリアの予防薬や狂犬病のワクチンなどやることはたくさんあります。

この30年でフィラリアの予防は劇的に変化し、予防が簡単に安価で行えるようになったため、フィラリアに感染した犬は特に都心部ではかなり少なくなりました。

フィラリアの予防薬は1か月に1回飲ませたり、背中に塗布したり、注射したりなど色々な形態がありますが、共通していえるのは、投薬開始前に事前の検査が必要ということです。

今回はフィラリアシーズンに先立ち、フィラリアの予防薬の検診の際に行いたい健康チェックについてご説明したいと思います。

フィラリアの抗体検査

ほとんどの飼い主様が、フィラリアの予防薬を投薬する前に行うと思います。

血液をごく少量採血して行います。

5分程度で終わる簡単な検査ですし、検査料金も安価ですので、できればやってほしい検査です。

一般的な血液検査

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フィラリアの検査と同時に行って欲しい検査の一つとして、一般的な健康診断を兼ねた血液検査をお勧めします。

検査できる項目は、ほぼ人間と同等で、血糖値や肝臓、腎臓の機能だけでなく、コレステロール、中性脂肪、タンパクの値など、生活習慣にかかわるようなところも計測できます。

この時期に1年に1回は検査しておくと安心だと思います。

ワクチンの抗体価の検査

ワクチンを接種すると、免疫力がつき抗体と呼ばれる物質が体の中で作られます。

抗体価とはこの血液中に含まれる抗体の量のことで、量が多ければ多いほど免疫力がついているということを意味します。

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ここ10数年で、ワクチンは数年に1回でいいという考え方が浸透してきましたが、少し不足した情報だと思います。

確かにワクチンを1年に1回接種しないといけないというのは慣例のようなもので、制作会社が作っているワクチンの使用添付書にも摂取する期間は明記されていません。

ですが、あまりにも長期的にワクチンを接種していないと、一度得た免疫力が下がってしまい、感染源に暴露されたときには身を守るすべはありません。

ただ、ワクチンの副反応に対する関心も高まりつつあり、できるだけワクチンの接種回数を減らしたいという飼い主様も増えているのが現状です。

そういった方には以前までワクチンの抗体価検査をお勧めしていたのですが、検査代も高く、検査に数日要するため、あまり一般的な検査ではありませんでした。

ただつい最近になって、簡易的な検査キットが販売されるようになり、30分程度でワクチンの抗体価を調べることができるようになりました。

ごく少量の血液で検査が可能なので、フィラリアの検査と含めて行い、十分な免疫が得られているようであれば、その年は予防接種を行わないようにするのが、動物にとって最も負担のないケアだと思います。

U.S. Army Staff Sgt. Travis Lausier, right, and Spc. Jason Hayes, both from the Japan District Veterinary Command, Misawa Branch, draw blood from Lago, while his handler, Tim Dinges, comforts his partner. Dinges and Lago are attached to the Fairfax County Fire and Rescue Department, Virginia Task Force 1 and arrived at Misawa Air Base to take part in search-and-rescue efforts in Sendai, Japan. The vets will run a fluorescent antibody viral neutralization test to determine the dog's rabies antibody titer so they can verify the dog is in compliance with the government of Japan's strict regulations for entry into the country.

まとめ

これら上記のことは、往診で行うことができます。

春先にわざわざ混雑している病院に行かなくても、往診であればほぼ予約診療のようなものなので、待ち時間のわずらわしさもほとんどありません。

春先のルーチンなことだからなおさら、往診という選択肢を選んでみてはどうでしょか?

2017-02-12

犬や猫を飼われている大多数の飼い主様が去勢、避妊手術を考えると思います。

一方で少数派ではありますが、ブリーダーではなくても、自分の愛犬、愛猫の子供を残したいと考え、自宅で出産をさせる飼い主様もいらっしゃいます。

獣医師をしているとよく思うのですが、交配、受精、妊娠に関しては、医療(人)の手が入る余地はほとんどありません。

ただ、生まれてきた新生児は、場合によってはちゃんと管理してあげないといけない非常に弱い個体なので、ある程度飼い主様の努力も必要になります。

今回は自宅で仔犬、仔猫が生まれた場合、特に気をつけてほしいことについてご説明したいと思います。

産後の簡単な流れ

基本的な仔犬、仔猫の成長はほとんど違いはありません。

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生まれてすぐは開いていない目もおおよそ生後10日頃には開くようになります。

生後20日頃にはしっかりと食事もとれるようになるため、離乳を考えてもいい時期になります。

また、このころにはすでに自発的な排便と排尿ができるようになりますので、この時期までが一山と言えると思います。

生まれてすぐ行うチェック

基本的に必要なことは形態的な異常、奇形があるかどうかが大きなポイントです。

それほど頻度は高いわけではありませんが、鎖肛と言って肛門が閉鎖していることがあります。

尾をあげれば簡単に確認できます。

また口蓋裂といって頭蓋骨が正常に癒合せず、口の上あごに隙間ができてしまうことがあります。

口を大きく開けると、明らかな異常としてわかるので、初めて見る方でもすぐにわかります。

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同じように頭蓋骨の正常な癒合ができないために起こる異常として、頭のてっぺんにある泉門が大きく触れることもありますが、あまり重要なことではありません。

鎖肛と口蓋裂の2つの異常は、今後の成長の上で、非常に重大な障害となりますので、異変に感じたらすぐに獣医師に相談した方がいいと思います。

また、それほど重要ではありませんが、鼠径ヘルニアや臍ヘルニアと呼ばれる奇形もありますが、この時期は気にする必要はありません。

成長が順調であるかのチェック

成長の一番のバロメーターになるのは何といっても体重です。

生まれてすぐ、生後1カ月までは毎日計測してもいいと思います。

1日1日体重が増加するのが普通であり、体重の増加が同腹子の兄弟よりも明らかに少ないとか、体重が減少している場合は非常に注意が必要です。

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食欲のあるなしは、個体によって多少異なりますが、体重の増減は個体によってそれほど変わりません。

食欲や元気さよりも客観性のあるバロメーターだと思いますので、注意して観察してさい。

獣医師が必要なケースとは?

上記の奇形があったり、体重の減少があったりした場合は、すぐに獣医師に相談したほうがいいと思いますが、特に犬の場合は断尾をするならば、早めに依頼をしたほうがいいと思います。

特定の犬種では断尾は必須となりますので、生後3日以内には行うといいと思います。

まとめ

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当然のことながら、新生児は抵抗力も弱く移動には不向きなうえ、ワクチンも摂取していないので、本来ならば動物病院に出向くのはあまり得策ではありません。

上記の注意事項は断尾も含めて、往診での診察で十分対応が可能ですので、もし一度診察をと考えているのであれば一度往診医に相談してみてはいかがでしょうか?

2017-02-08

人間でもそうですが、冬から春にかけての季節の変化は体調が崩れやすくなるものです。

この時期に1年に1回の健康診断を行う方も多く、人間ドックのような検査を受けられる方も多いと思います。

それは動物でも同じことが言えます。

ただ、人間と違うのは、春先の動物病院は、ちょうど犬のフィラリア、狂犬病ワクチン接種の時期の重なるため、非常に混みあうということです。

今回は、この時期に飼ってらっしゃるペットに検診を受けたい、ただ動物病院に連れて待つのも嫌だと思っていらっしゃる方に、往診でできる健康診断についてご説明したいと思います。

往診で行う健康診断のメリット

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往診のメリットはたくさんありますが、健康診断を行う際の最大のメリットは、ペットが落ち着いた状態で検査が出来るということです。

血糖値やある種のホルモン検査の場合、ストレスの影響を非常に受けやすいため、その結果が大きく崩れて見えてしまうこともよくあります。

自宅で検査を行うことができるということは、このような要因を極力排除することができるので、より正確な結果を得ることができます。

また、動物にとって検査を行うことは、状況によっては非常に負荷がかかるのですが、いつもの慣れた環境で行うことができるので、負担を軽減することもできます。

往診で行える検査の内容

血液検査は通常の動物病院と同じ内容を行うことができます。

腎臓や肝臓の機能を調べたり、ホルモン検査、糖尿病の検査やアレルギー検査など、調べられる項目は非常に多くあります。

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また、尿検査や糞便検査も行うことができます。

尿検査は尿結石など犬猫に多い疾患を見つけるだけでなく、特に腎臓や内分泌の疾患を特定するためにも非常に有効なため、定期的に検査を行うことをお勧めします。

ただし、レントゲンやエコー検査などの画像診断は往診では対応できないため、心臓病などの検診には向いていません。

おおよその料金は?

往診だからといって、検査代が高くなることはほとんどありません。

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通常の動物病院の診療価格に往診料がプラスされる形がほとんどです。

おおよそ平均3000円ぐらいの往診料を考えておけばいいと思います。

基本的な検査代は行う検査によりけりですが、健康な若い動物であれば10000円~15000円程度、シニアであれば、30000円前後の料金で十分な検査が出来るととは思います。

もちろん検査項目を増やせばさらに高額にはなりますが、本人の体調に合わせて決めていただくのがよいと思います。

まとめ

健康診断の大切さは人間、ペット問わず誰もが感じていることだと思います。

それが物言わぬ動物であればなおさらです。

ただ、見た目が元気なのにも関わらず動物病院に連れて行くのはちょっと気が引ける方も多いのではないでしょうか?

そんな時は往診をうまく活用していただくといいと思います。

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2017-01-31

人間でも多くの人が悩んでいるアレルギー。

飼い主の皆様はご存知の通り、犬でもアレルギー性の病気はいっぱいあります。

皮膚が赤くなったり、ただれたり、下痢嘔吐があったりと、症状も人間と同様の症状が出てきます。

アレルギーの原因物質のことをアレルゲンといいいます。

アレルゲンの中でも、埃や花粉などの環境性のアレルゲンは回避することは困難ですが、食事性のアレルゲンは、食材に入れなければよいので、避けることは意外と簡単です。

ただ、販売されているドッグフードには何が入っているかわからないと不安になっている飼い主様の中には、自宅で手作りのフードを食べさせたいと思っている方もいらっしゃいます。

今回はアレルギー食を自宅で作るときのアドバイスを、今回は行いたいと思います。

ドッグフードの問題点

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ドッグフードの問題点を1つあげるのであれば、添加物の問題は非常に大きいと思います。

獣医師専用の療法食のようなものでも、一定の添加物は含有しています。

無論それが生体に直接影響を及ぼすことはあまりないとは思いますが、正直な話、影響は不明であると言ったほうが正確かもしれません。

人間の食品でも同じかもしれませんが・・・。

ただ、ドッグフードの最大の問題点は、過酸化脂質にあると思います。

過酸化脂質とは、ドッグフードに含まれている脂肪分が、開封してから日がたつと、酸化させれ生成されます。

過酸化脂質の影響は、人間よりもペットの方が影響を受けやすいと言われており、厚い皮下脂肪組織に過酸化脂質が溜まることで、色々な皮膚病を悪化させる要因になるからです。

アレルギーだからと言って、アレルギー食を食べさせていても、症状の緩和が全く見られない時などの一つの要因になっている可能性は高いと思います。

鶏肉を抜いてみる

アレルゲンになりやすいと言われている鶏肉を除去するのが常套手段です。

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アレルゲンになりやすい成分は、主としてたんぱく質ですが、比較的鶏肉はどんな犬でもアレルゲンになりやすい食材だと思います。

ササミなどは高タンパク低脂肪で、栄養としては非常に優れているのですが、アレルギーが出やすい食材なので、豚肉などの赤身に切り替えるのがよいと思います。

炭水化物を抜いてみる

タンパク質の他にもアレルゲンの代表格は小麦、米などに代表される炭水化物です。

最近、これらの食材に含まれているグルテンが体に有害であるという報告があり、グルテンフリーという食材が非常に出回るようになりました。

やや過剰な気もしますが、アレルギー用の食材を考えるのであれば、炭水化物、特に小麦由来の炭水化物は控えた方がいいと思います。

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特に大型犬などで、すぐに色の薄い軟便が出るようなタイプは炭水化物の含有量を積極的に控えた方がいいと思います。

もっと本格的に行うならば・・・。

基本的にはアレルギー検査を行うべきなのですが、食事のアレルギーに関してはあまりアレルギー検査の意義は高くないと言われています。

食事性のアレルゲンの特定にはリンパ球刺激試験という検査が感度がよいとされ、最近、国内でも検査を行えるようになりました。

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血液検査になりますので、往診でも可能です。

一度獣医師と相談してみてはどうでしょうか?

まとめ

人間の子供もそうですが、アレルギー体質の犬の食事には非常に悩まされることが多いと思います。

個人的な意見としては、コストはかかりますが、まず検査ありきで行った方が、あとあと楽なのでは?と思っています。

検査は簡易的に行えるので、一度試してみる価値はありますので、是非お勧めです。

2017-01-24

当たり前の話なのですが、ペットというものは大抵、人間よりも早いスピードで年を重ねます。

シニアの世代になると、健康状況が問題なくても、若い時には見られなかった問題が、個々の動物によって見られるようになります。

とりわけ、猫はその傾向が強いのでは?個人的には思っています。

今回は、そんな健康に年をとった老猫にやったあげた方が良い日常ケアのお話をしたいと思います。

体重の測定を定期的に行う

高齢の動物は気づくと体重が減っていることがよくあります。

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健康な老猫でも食べている量はあまり変わらないのにもかかわらず、体重が減少していくのですが、何かしらの疾患を抱えると、体重の減少は著しく早くなります。

腎不全などは、初期の段階ではあまり気づくこともないのですが、体重を減少させる老猫の疾患の代表格です。

老猫を獣医師に診せるのも、意外と負担がかかって躊躇されることもあるとは思いますが、体重測定なら、ご自宅でも簡単にできます。

できれば週に1回ぐらいは測っておくのが理想です。

1か月で体重の1割が減るようであれば、問題がある可能性もあるので、獣医師に相談したほうがいいと思います。

爪切り

若い猫は自分で盛んに爪をといでいるので、伸びすぎて問題になることはありません。

ただ、老猫の場合爪をとぐことも段々としなくなるため、爪が過度に伸びてきます。

猫の爪は先が丸まっており、爪が長くなると肉球に刺さって化膿することもあります。

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前足の爪は後ろ足に比べ丸みを帯びており、特に狼爪と呼ばれる親指にあたる部分の爪は特に伸びやすく、肉球に刺さる怪我が多発する部分です。

老猫においては、爪切りは1か月に一度はやっておいた方がいいケアになります。

大人しい猫であればご自宅の爪切りでも簡単に切ることができますので、先を少し切るだけでもいいので、できる限り爪を切ってあげてください。

ブラッシング

猫はグルーミングをよくしますが、やはり老化とともにグルーミングも怠りがちになってきます。

特に背中の中央の部分は、体の横側に比べグルーミーンぐを圧倒的にしなくなりますから、日本猫のような短毛種でも、毛が束になって毛玉のように固まってきます。

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スリッカーやコームと呼ばれる専用の櫛がありますので、そういったものを活用していただくといいと思います。

直接地肌に櫛の先を当てずに、毛並みに沿ってブラッシングをするのが理想です。

猫によってはブラッシングを嫌がる猫もいますので、猫の性格を考えて行うようにしてください。

https://www.secondselect.vet/1038

排便の管理

高齢にになると、猫の便秘症はつきものの話になります。

腎不全を起こしているとなおさら便秘症はひどくなります。

昔は下剤を飲ませるのが主な治療法でしたが、最近では便秘用の療法食が出ているので、食事管理だけでもかなり改善が期待できます。

それでもいきんだり、嘔吐、食欲不振が伴うようであれば、摘便や浣腸などを定期的に行う必要があります。

高齢な猫の便秘症。何とか自宅で管理できないものか?

慣れた方であれば、自宅で腹部をマッサージして便を出すこともできますが、大抵は獣医師の介助が必要となります。

また、ヘソのした2㎝程度のところに、排便を促すツボがるのでそこの周囲をマッサージしたり、腹部を大きく時計回りでマッサージするのも効果があるので、日常的に行うのがよいと思います。

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まとめ

若い時には一度も動物病院に行ったことがないような猫でも、年をとると残念ながら色々問題が出てきます。

ただ、特に老猫は、動物病院に連れて行く負担も大きく、ちょっとしたケアで、病院に連れて行くのはためらうのではないかと思います。

こういう時には、往診などを活用していただくといいと思いますので、往診の動物病院をかかりつけの1つとして持っておくと、便利だと思います。

2017-01-16

猫はよく毛づくろいをする動物です。

一説には猫のような肉食動物の唾液には、被毛への殺菌成分とトリートメント効果が含まれているので、基本的にシャンプーなどはする必要がないと言われています。

ただ、チンチラなどの長毛種は猫自身が毛づくろいを行っていたとしても、すぐに毛玉ができてしまうため、常に飼い主様がブラッシングをする必要があります。

一度できてしまった毛玉は放置していると、さらに巨大な毛玉になってしまい、どうすることもできなくなってしまいます。

今回は、できてしまった毛玉をどのように取ればいいのか、往診医としてご説明したいと思います。

ご自宅で毛玉を取る際の注意点

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ご自宅で毛玉を取る際に、たいていの飼い主様がハサミを使って、毛玉の根下を切ろうとします。

猫の皮膚は非常に伸びるため、毛玉を引っぱる時に皮膚も引っぱり上げられるため、ハサミで皮膚も同時に切ってしまう事故がよく起こります。

薄皮一枚で済むことが多いのですが、場合によってはかなり深く切ってしまう方もいらっしゃいますので注意が必要です。

また、バリカンで毛玉を刈るときに、バリカンの刃が長いものを使用すると、皮膚が巻き込まれてしまうので同様に注意が必要です。

特に高齢の猫の場合は、皮膚が特に薄く、ハサミやバリカンの刃に巻き込まれやすいので、慎重に行うべきです。

興奮して暴れる猫の場合

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ご自宅で毛玉を取ろうとすると暴れてどうにも手が付けられない猫も多くいます。

普段は大人しくてもいざやろうとすると豹変というのは、特に長毛種のでは多いと思います。

こういった猫の場合、無理して1人でやろうとすると、猫だけでなく飼い主様も思わね怪我を負う場合もあるため、初めから1人でやるのは避けた方がいいと思います。

猫の取り扱いは、チームプレイが基本です。

理想は3人一組になって、片方が毛玉をとる役、片方が猫をおさえる役をやります。

そのうえで猫にはエリザベスカラーを装着し、抑える人はバスタオルで猫を包み、前足を肩口からしっかりと両手で押さえます。

後肢はどうしてもフリーになってしまいますので、必要とあらばもう一人が後肢を抑えるのがよいと思います。

そして猫を横倒しにして、毛玉を取る役の人が毛玉を取ります。

この時気をつけないといけないことは、決して毛玉を引っ張らないことです。

引っぱると皮膚がケガする確率が格段と増えますので、焦らず、一日で終わらせようと思わず少しづつ行ってください。

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とにかく、興奮している猫を強引に押さえつけて何かをすることは困難ですので、決して無理をしないのが、最大のコツです。

どうしても触れない猫の場合

中には触ることすら許されない猫もいます。

さすがにこういった場合は獣医師の出番だと思います。

ただ、獣医師だからと言って、猫を十分に抑えられるかというと、そうではない時もよくあるので、どうしてもの場合は鎮静薬を使用します。

鎮静薬とは言いつつも全身麻酔薬に相当するものなので、事前の準備は手術と同様のことを行います。

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麻酔薬のリスクはありつつも、かえって麻酔薬を使用したほうが、安全に行える場合も猫の場合は多いので、このような時はよく獣医師と相談されるといいと思います。

まとめ

猫の毛玉は飼い主様にとっては厄介極まりないものだと思いますが・・・。

たまに全身鎧のように毛玉に覆われている猫の診察をすることがありますが、できればそうなる前には処置をしたあげたいものだと思います。

2017-01-10

犬は人間に比べて、椎間板ヘルニアを代表とする脊髄神経がおかされる病気の発生頻度、症状の重大さは非常に大きいものだと思います。

実際に動物病院で相談する内容でも、後躯麻痺についての相談は非常に多く、今となっては脊髄の手術はかなり一般化されたものとなっています。

ただ、残念ながらこの手の病気は、治療だけでなく、その後のリハビリが非常に重要となってきます。

特に老化をともなう疾患の場合には、リハビリの重要性がさらに増すため、多くの飼い主様が自宅でリハビリを頑張っています。

今回はそんなリハビリ中、もしくは今後リハビリが必要かもと思っていらっしゃる飼い主様に、往診医として自宅で行うリハビリについてご説明したいと思います。

後躯麻痺は犬にとってそれほどハンデにはならない!

これ言うと元も子もないのですが、犬にとって後ろ足が立たないということは、それほどハンデにはなりません。

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野生で暮らす動物ならまだしも、家の中で生活する飼い犬にとって前足だけでの生活のリスクはそれほど高いものにはなりません。

実際、前足だけでも器用に移動できますし、信頼できる飼い主様がそばにいるのであれば、あまりストレスにも思っていないようにも感じられます。

ですので、飼い主様が無理をしてあれもこれもと取り入れていくのは、ぼくの個人的な意見としてはあまりいいものではないと思います。

大前提として、犬はリハビリに対してあまり積極的に行ってくれないので、とても飼い主様にとってもフラストレーションが溜まってきます。

ですので、「犬は前足だけでもお気楽極楽に暮らしていける!」という意識を持ちながら、リハビリに励んでいただくようにお勧めします。

起立訓練をしてみる

リハビリの第一歩は起立訓練です。

犬の後肢が麻痺した場合、圧倒的に多いのが突っ張って麻痺をしていることが多いと思います。

こういった力が常に入っているような麻痺の場合は、四つ足で立たせ、かつ地面に足の裏がちゃんとつくように立たせます。

食事をさせる時なども後ろ足を支えながら立たせて食べさせるようにします。

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時間はかかりますが、多くの犬が、最終的に支えがなくても自分でバランスをとるところまで行けますので、ここまでこれればリハビリはほぼ終了したようなものです。

あとは一歩を踏み出すかどうかは本人次第なので、気長に待ちましょう。

とにかく寝ている時間を短くする

高齢の犬や、事故などにあった場合に多いのですが、前述のように突っ張った麻痺ではなく、だらんと垂れて、ふにゃふにゃに麻痺を起こすこともあります。

このような場合は、起立訓練は基本的には難しいので、伏せの状態を作らせます。

食事の時などを中心に、一日のほとんどの時間を伏せをさせて過ごさせます。

そのまま寝かせていると、筋量は加速度的に委縮していきますので、まず伏せでバランスをとれるように訓練していきます。

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またバランスボールを使うのもいいリハビリになります。

バランスボールの上に腹ばいにさせ、四つ足は地面に付着させておきます。

はじめはうまくバランスをとることはできませんが、根気よく続けると自分でバランスをとるようになります。

こうすると、ある程度の補助が必要ではありますが、飼い主様がハーネスや介護用コルセットで散歩に行かせるのも可能となります。

マッサージをしてみる

マッサージは思ってらっしゃるほど特別な技術はいりません。

肩から尾のつけ根までの背骨に沿って、背骨の脇をなぞるように親指で押しながら、頭の方から尾に向かってなでてあげてください。

また、足先の指の股あたりをつねったり、指で刺激してください。

もちろん、難しい理論はあるのですが、マッサージはこの2種類だけで十分です。

往診でできること

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上記のことに加え、往診では鍼治療、レーザー治療などができます。

これらはご自宅でのリハビリの効果を押し上げるのに大変役立つと思います。

無論投薬なども行いますが、状況に応じて持続可能な、負担の少ない治療を選択するのが理想だと思います。

まとめ

とにかくリハビリは無理しないのが一番重要です。

ご家族全員の協力も必要ですが、とにかく人に強要しながら行ったり、自分一人で無理するのは厳禁です。

飼い主様のストレスはそのまま犬のストレスになりますから、とにかくこれは余裕をもってできるであろうなということだけやるのが、リハビリの基本です。

2016-12-28

腎不全という病気は、人間でも犬でも猫でもよく見かける病気ですが、特に猫の発生頻度はほかの動物と比べても、非常に高いと思います。

ただ腎不全の発生頻度は異なっても、動物の種類によって治療の根本が大きく変わることはありません。

腎臓は一度障害を受けると、機能が回復することはないので、治療というのは治すというよりは、温存、緩和に尽きるからです。

今回はそういった腎臓の治療において、よく飼い主様が勘違いをしていることをご説明したいと思います。

食事療法は常に必要というわけではない

腎臓用の食事というのは基本的にはたんぱく質、塩分を制限した食事です。

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特にたんぱく質が多い食事は、腎臓にそのタンパクの残骸が付着し、さらなる腎不全を悪化するので、タンパクを制限した食事は腎不全の進行を抑える意味では有効です。

ただし、これはあくまでも食欲が落ちていないペットに限ります。

もし腎不全が進行して食欲が落ちている状況や、選り好みをしてしまって全く食べないような仔に腎臓用の処方食を使用していると、食べる全体量が減るために、より多く摂取するたんぱく質が制限されてしまいます。

過剰なたんぱく質の制限は、逆に腎不全の悪化を引き起こす他、貧血も悪化させるので、もし食欲がないようであれば、処方食はさけ、食べるものを食べさせた方が、状態を崩さずにいることができます。

不適切な処方食の給仕は病態を悪化させますので、処方食に固執するのはやめた方がいいと思います。

補液治療は常に必要というわけではない

皮下点滴は腎不全の動物での一般的な治療法になります。

自宅で皮下点滴を行うときに気をつけたい5つのこと【往診動物病院からのアドバイス】

ですが、腎不全を起こしたからといって、すぐに補液治療が必要かと言えばそうでもありません。

補液治療は腎不全により引き起こされる脱水を改善し、循環している血液の量を増やし、過剰にたまっている老廃物を体の外に排泄しやすくするためのものです。

腎不全の初期段階では、脱水もあまり進んでいることもなく、自ら飲水もできるようであれば、特に必要ありません。

逆に治療行為によって、ペットのストレスがたまることで腎不全が悪化することもありますので、過剰な治療行為は避けた方がいいと思います。

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血液検査の値はそれほど正確ではない

腎不全を起こした際に腎臓の機能を調べるために、血液検査を頻繁に行うのが一般的だと思います。

尿素窒素、クレアチニンというのが一般的によく使われる検査項目ですが、必ずしも腎臓そのものの機能を表しているわけではありません。

腎臓に関する血液検査の項目は、基本的には本来排泄されるべき老廃物の量を計測し、簡易的に腎臓の機能を推測するものです。

これらの検査は採血の時間や、その他の腎臓以外の要因によってかなり変動幅がある上、体調そのものを反映しないことも多く、これらの値だけで、腎不全の先行具合を予想するのは一概には正しいとは言えません。

一方で正確な腎臓の機能を計測するためには、かなり煩雑な検査が必要となるため、あまり一般的な検査ではありません。

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臨床現場では、血液検査の値よりは、動物そのものの体調を最重要視することが多く、検査結果は参考程度にしかしません。

まとめ

腎臓病は一度なると二度と治らないため、必死になって色々な方法を模索する方が多いと思います。

実際の臨床現場にいて、腎不全の症例に出あうことは非常に多いのですが、飼い主様にまず、「無理しないでくださいね」とお伝えするようにしています。

色々な情報が簡単に手に入る時代だからこそ、正しい知識で慢性疾患と付き合ってもらいたいので、この記事が一つの参考になれば幸いです。

2016-12-19

猫は元来よく吐く動物です。

人間の嘔吐と違い、胃内の環境を整える意味で意図的に吐くことができる動物なので、週1回吐くような猫はざらにいます。

特に健康に問題がなくても、毛玉などを定期的に吐くことによって胃内の環境を整えていくのです。

ただ、高齢になってくると若い時の嘔吐と違い、だらだらメリハリがなく吐くことも多く、食欲はあるのにもかかわらず、気づいたら毎食毎に吐いていることもあります。

そこには必ず原因があるわけですが、動物病院に行って色々検査するのも負担がかかるのが心配でどうしようかと悩んでいる方も多いと思います。

今回はこういった、ちょっとした高齢猫の嘔吐についてご説明したいと思います。

嘔吐の原因

嘔吐の原因は様々ありますが、高齢猫の場合で気になる疾患と言えば腎不全と甲状腺機能亢進症です。

これらの病気は、食欲はあるけれど吐くという症状の他に、体重の減少が著しいので、もし持った感じ軽くなったかな?と思ったら疑ってもいいかもしれません。

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また、食欲があるのに吐くというケースで割と多いのが、食事の内容があっていないことがあります。

ちょっとしたアレルギー性の反応や、給餌量などの問題が原因としてあげられます。

あとは、ただ単に加齢による胃腸運動の低下などもあり、必ずしも原因が判明するとは限りません。

もちろん、腫瘍などの重篤な原因も考えられられなくはないですが、このような場合大体が食事量も落ちているので、今回の内容からは割愛します。

飼っている猫の嘔吐が止まらない!往診専門の動物病院を呼んでみよう。

対処法

腎不全や甲状腺機能亢進症があった場合、その原因を取り除くしかないのですが、これらの2つの病気は維持療法のみとなり根治はありません。

https://www.secondselect.vet/665

【シニア(老)猫】慢性腎不全の治療こそ往診が一番な4つの理由

原因疾患のフォローアップを行っても、吐き気があるような場合は、胃薬などの対処薬を使用していくしかありません。

食事が原因の場合、食事を変更すればいいのですが、これがまたなかなか難しいことが多くあります。

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なぜなら猫、特に老猫は食事を変えるとめっきり食べなくなるケースも多く、食事の変更が引き金になって老いていくスピードが加速することがあるからです。

いきなり変えるのでなく、少しずつ変更してください。

それでも嘔吐が止まらない、もしくは食事を食べないのであれば、対処薬で様子を見ていくしかないと思います。

加齢による原因不明の嘔吐も同様で、対処薬で対応するしかありません。

結局のところ、根治というよりはそれなりに付き合っていくような形になっていくのがほとんどです。

それでも止めたい場合は?

こういった猫の場合、ステロイド薬の試験投与をすることがあります。

ステロイドには吐き気を抑える効果はありませんが、服用していると調子が上がることは多くあります。

ほかの動物に比べて副作用は極めて稀なので、積極的に使用する獣医師もいますので、もう一手何か手段を打ちたいのであれば、なくはない手だと思います。

まとめ

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老猫の吐き気というものは、割と頻繁に出てくる症状なのですが、個人的な意見を言えば、食欲があり、体重の減少もあまりないのであれば、何もしないのも一つの手です。

自宅で猫に投薬を行うのは、人、猫の双方のストレスが非常にたまるからです。

特に高齢の猫の場合は、ストレスを回避するのが一番重要なので、今回述べたような方法は、十分余裕がある状況でなら取り入れていただく方がいいと思います。

2016-12-12

犬の思わぬ事故で一番多いのが、異物を飲み込んでしまう事故だと思います。

普段は飲み込まないのにとか、飲み込むとは思っていなかったのに・・・という飼い主さまが多いのですが、残念ながら犬は大抵のものは飲み込みこむことはできます。

おもちゃや衣服などを飲み込んだ場合はそれをどうするかは判断に迷うことは多々あります。

今回は身の周りにある「もの」が飲み込まれた場合の対処法をご説明したいと思います。

https://www.secondselect.vet/867

おもちゃを飲み込んだ

飲み込んだんおもちゃの大きさによって対応法は当然違います。

5kg程度の犬であっても、ビー玉大程度のおもちゃの部品などは便とともに出てきます。

積極的にアプローチするのであれば、催吐処置がいいと思います。

ただし直径がビー玉台でも、筒状の形をしているもの、例えばネズミのぬいぐるみや子供の積み木などは、腸内で閉塞を起こす可能性が高いと思われるので、動物病院での対応が必要だと思います。

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一方で、かなりにも大きいものを飲み込んだ、例えばぬいぐるみそのものや、ゴム製のボールなどはかえって大きすぎて胃から移動できないので、症状としては滅多に出ません。

無論、摘出をしないといけないとは思いますが・・・。

洋服の一部を飲み込んだ

洋服の一部を食べられてしまうというのも意外と多い事故です。

特に多いのが、ベルト通しのわっかとファスナー部分、襟元のファーの部分などだと思います。

犬にとっては咬み心地の良いものかどうかはわかりませんが、たいていの場合はこれらの物は便とともに出てくるので、よほどのことがない限りは心配しなくて大丈夫だと思います。

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たまに、大型犬で下着1枚まるまる食べられてしまった飼い主様もいらっしゃいましたが、ある程度のまとまった衣服であれば、催吐処置で対応が可能です。

ひも状のものを飲み込んだ

ネットでも色々な情報がありますが、ひも状の異物は場合によては広範囲に腸を壊死させますので、異物の中では危険度の高いものと思っていただいて結構です。

ただ、わりとその情報だけが先行し、縫い糸や、5㎝程度の紐でも慌てて相談にいらっしゃる方がいますが、この程度では閉塞は起こしません。

実際にひも状の異物が問題になるのは、30㎝程度の長い場合であり、縫い糸のような細い糸や長さが短いものはほぼ問題にはなりません。

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ただし、一度閉塞を起こせば大手術が必至なため、危険な異物である認識はしておいた方がいいと思います。

ビニールを飲み込んだ

これも多く相談を受けますが、基本的には無処置で構いません。

問題になることはほとんどなく、便として出てくるまで待っていたほうが得策です。

果物の種を飲み込んだ

犬は散歩中に色々なものを飲み込みますが、植物の種は意外と侮れません。

銀杏、柿などの種は、柴犬クラスでも十分閉塞を起こす異物ですから、食べられたと思ったらできるだけ早めに催吐処置を行う必要があります。

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自宅の中であれば、モモの種、プラムの種などが多いので、これらの果物は食べたらすぐに手の届かないところに捨ててしまうようにしてください。

まとめ

身の周りのもを食べられてしまう事故は、誰しもが一回は経験することかもしれません。

実際に問題になることは多くはないと思いますが、それでも十分注意をしたほうがいいと思います。

2016-12-06

どんな時でも、出血しているところをみるとドキッとする方は多いのではないでしょうか?

特に、飼っているペットの口から出血がでていると、かなり慌ててしまいます。

ただ、一口に出血と言っても、緊急に対応しないといけない場合もあれば、あまり気にしなくても良いこともあります。

今回は口から出血があった場合、どのように対応したほうがいいのか、状況別に分けてご説明したいと思います。

吐いたら鮮やかな出血が混じっている

犬や猫が吐血するパターンで、一番多いものだと思います。

鮮やかな血が出る場合、出血する場所は大抵は口の中か喉の奥などが吐瀉物が通過するときに傷つけることが多く、時間がたてば何もしなくても出血は止まります。

ただし、嘔吐するという症状自体は、治療の必要性があることもあるので、嘔吐後に食欲が低下したり、元気がなくなるようであれば治療を受けた方がいいと思います。

犬で口が閉まってプスプスとした呼吸とともに薄い出血が混じる

高齢犬で多くみられるものですが、結論から言えば重度の心不全からくる肺からの出血の可能性が非常に高いと思います。

犬は加齢により、心臓の中にある弁に障害が起きやすくなり、心臓が機能的に働かなくなることが多くあります。

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代表的な疾患は、僧房弁閉鎖不全症という病気があげられますが、犬の心臓病の多くは、心臓自体の問題よりも肺の機能障害が問題になるので、より症状が深刻になると、肺のダメージも非常に大きくなります。

特に症状が深刻な場合は、肺の血管が損傷し、結果として出血が起こるので、こういった理由で口の周りに出血があとがついていた場合は、緊急的な治療が必要となってきます。

興奮した後に出血がたらりと出る

犬は興奮すると我を忘れて色々な異常行動を起こします。

時には自分の牙で舌を傷つけてしまい、出血を起こすことがあります。

舌のような組織は、血管が豊富になるため、ちょっとの傷でも見た目の出血はかなり派手になります。

特に興奮中は血圧も上がっているので、さらに出血の量も多くなりますし、それが大型犬であればなおさら出血は多くなります。

ただ、見た目の出血は多いと思っていても、実際の量はそれほどでもないため、さほど心配はいりません。

安静にしていれば時期に出血は治まりますし、特に治療も必要ありません。

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夜間、病院が開いていない時間などで起こった場合、不安が非常に募るとは思いますが、出血が万が一止まらなかったとしても、翌日に動物病院に受診していただければ大丈夫です。

まとめ

出血という現象は慣れていないと結構慌ててしまうものです。

それがモノを言わぬ動物であれば、状況が切迫しているのかどうかもわからないことが多いと思います。

今回は代表的なものだけをご説明させていただきましたが、皆さまの参考になれば非常にうれしく思います。

2016-11-23

医食同源などの言葉があるように、毎日の食事は健康のかなめです。

ただ、自分の食事のことでさえ、何を食べるのが一番体にとって良いのかわからないのに、犬の、ましてや高齢になった時の食事なんて思いつかない・・・という飼い主様は多いのではないでしょうか?

ぼく自身も診察をしている時には、食事の相談をよく受けることがあります。

今回は、そんな臨床獣医師として、経験則に元ずく高齢犬の食事のあり方についてご説明したいと思います。

あまり細かく考えない

高齢の犬の健康を考えてなんて言うと、かなり細かく気にされる方も多いと思います。

カロリーは取りすぎない方が良いとか、カルシウムが多い方がいいとか、炭水化物は控えるとか、色々な意見があって、もうどうしていいかわからないという飼い主様は結構いらっしゃいます。

元も子もないことを言うのであれば、高齢犬の食事は重篤な腎不全と心疾患がない限りは何を食べても結果はそう変わりません。

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もちろん個人的な意見ですが・・・。

ぼくが思うに、高齢犬の健康とは、本来の寿命が人間よりも圧倒的に短いので、10年20年先の健康を考えるのでなく、せいぜい5年6年、場合によっては1年後の健康を考えればことが足ります。

したがって、何が一番いい食事かと言えば、喜んで食べてくれるのならば何でもいいといつも答えています。

高齢犬の一番避けたい状況は、食べないということなので、もし食べてくれないのであれば普段あげないようなものでも構いません。

老犬の理想的な食事はまずしっかりと食べてくれるものという風に考えてください。

ドッグフードが1番よいという固定概念をやめる

ドッグフードは安価で非常に便利ですので、そういった意味ではドッグフードを食べてくれるのであればそれがいいと思います。

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ただ、ドッグフードが一番栄養のバランスなどがいいかといえば、決してそういうわけでもないので、何が何でもドッグフードを与えないといけないという考え方はやめたほうがいいと思います。

添加物などを気にする方もいらっしゃいますが、高齢犬にそれほど多大な影響が出るとは思えないので、それに関しては気にする必要はないのではないでしょうか?

細かい話で言えば・・・

栄養学のセオリーでいうのであれば、若い個体よりもたんぱくの含有量は抑えて、炭水化物の量を増やすほうがいいといわれています。

具体的に言うのであれば、タンパク質と炭水化物の重量は5:3程度。

残りはビタミンなどを含んだ繊維質を摂取するのが理想だといわれています。

市販のドッグフード、特に老犬用のドッグフードはタンパク質の量がかえって不足気味になるので、ある程度のタンパク質、例えば豚肉などを湯がいたものを足したほうが栄養的にはバランスが取れます。

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足しておきたい栄養素

特に市販のドッグフード、または手作りで食事をつくている方でも、足したほうがいい栄養素として、ω3といわれる必須脂肪酸と善玉カルシウムといわれるものです。

ω3は関節の痛み、炎症を抑えるほか、細胞が劣化するのを防いでくれる栄養素ですが、一般的な食事では不足がちになります。

亜麻仁油やサーモン油によく含まれているので、いつもの食事に小さじ1杯程度加えておくのがよいと思います。

善玉カルシウムとは、普通のカルシウムよりも吸収が穏やかなため、骨や歯に沈着しやすいといわれています。

貝化石ソマチット、少し聞きなれないですが、ネットなどで簡単に手に入るサプリメントで補うことができます。

通常のサプリメントよりは効果が保てると、個人的には思います。

まとめ

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いろいろ書きましたが、結局のところ食べてくれなければ意味がないので、食べてくれるものを食べさせるのがいいと思います。

まったく食べなくなった場合の対処法もありますので、このブログを参考にしていただくといいと思います。

2016-11-21

猫も高齢になると色々な症状が出てきます。

以前のブログでもご紹介しましたが、腎不全、便秘、口内炎など、通常の生活に影響を与えるものも多く、老猫を飼われている飼い主様にとっては非常に心苦しい問題となります。

いくつかある症状の中でも、見た目の「派手」さでは、やはり痙攣を起こされるというのが飼い主様にとっては一番インパクトが大きいのではないでしょうか?

意識をなくし横たわり四肢を硬直させ激しく痙攣するだけでなく、舌をかんで口の中から出血したり、失禁や脱糞を起こすなど、見た目の症状は非常に深刻なものだと思います。

こういった痙攣は高齢猫にはよく起こる症状の一つです。

今回は高齢猫のそんな痙攣についてお話ししたいと思います。

痙攣の原因は?

高齢猫の発作の原因にはいくつかあります。

腎不全は原因の1つとしてよくあります。

腎不全の猫は体の老廃物が体外に排泄できないため、神経症状を引き起こすようなものも体の中に蓄積され、結果痙攣を引き起こします。

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基本的には腎不全の中期から末期にかけて割と起こるので、体重の減少が著しいとか食欲不振が起こるなどの症状が同時に起こる場合は、腎不全を疑います。

また、腫瘍も大きな原因の一つとなります。

経験上、脳内の腫瘍というよりは鼻の奥にできた腫瘍が、最終的に脳を圧迫して痙攣を起こすことが多いと思います。

出血混じりの鼻水が出たり、目が腫れていたりしていたら要注意です。

いわゆるてんかん性の発作は最も一般的な発作の原因だと思います。

突発的になるので、普段は何の兆候もありませんし、検査をしても異常は見つかりません。

https://www.secondselect.vet/447

痙攣を起こした時の対応法

基本的には何もしないのが一番です。

さすったりする方や、舌をつまらせないように口の中に手を入れたりする方もいらっしゃいますが、けがのもとになるのでやめた方がいいと思います。

まず発作がどれくらいの時間で終わるのか、冷静に観察してください。

また周りのものをどかして、発作中に猫がけがをしないように気をつけるのがいいと思います。

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よく発作を抑える座薬などを処方する場合もありますが、ほとんど役に立ったか立たないか、よくわからない感じで終わってしまいます。

治療はするべき?

一般的には発作に対しては無治療でいいと思います。

無論、発作を起こすような腎不全などの原因があるのでれば、それを治療していきますが発作そのものには治療を行いません。

長時間止まらない発作が続く(10分以上)、短い発作が連続して起こり止まらない、発作が頻繁に起こるなどあって初めて治療が開始されます。

なぜなら、発作の治療薬とは予防薬であり、常に飲み続け発作を予防する薬になります。

副作用や毎日投薬するデメリットを考えると、軽い発作ならば治療する意義があまりないと個人的には思います。

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ちなみに発作がない時に獣医師のところに行っても、基本的にはやることはありません。

経過観察のみになりますので、発作が起こった日にちなどをメモしておき、頻繁に起こるようであれば初めて相談に行ったほうがいいと思います。

まとめ

非常に心無い言い方かもしれませんが、発作の一番の処方箋は飼い主様が発作になれることだと思います。

長時間止まらないような重積状態と呼ばれる状態にならなければ、発作が与える影響はかなり軽微なものだからです。

ストレスや肉体的な負担をかけるとかえって発作の頻度が上がりますから、負担のない往診などを利用し、ご自宅の環境整備から獣医師と相談されるといいと思います。

 

2016-11-19

飼っている犬や猫が年をとり、いよいよ介護が必要な状況になると色々な問題が発生してきます。

特に一人では菜食、排泄などが困難な寝たきりの場合、長時間に家を留守にするのは非常に難しくなってきます。

とは言いつつも、自分自身にもやらないといけないことはたくさんありますので、半日ほど家を空けないといけない状況もあると思います。

動物病院やペットホテルなどのショートステイを利用するのも手段の一つですが、慣れない場所に年老いた動物を預けるのもなんとなく避けたいところです。

今回はこういった年老いた寝たきりのペットを自宅において留守をする時についてお話したいと思います。

飲水はどうする?

基本的には諦めます。

半日程度の飲水が取れない状態によって、状態がさらに悪化するということは滅多にありません。

できないことは最初から考えないようにした方がいいと思います。

室温の管理はどうする?

これは当然やられていることだと思います。

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ここ近年で温暖化が進み、ちょっと前までは考えられないような猛暑を迎えるようになりました。

若くて健康な犬や猫でも気をつけていないとあっという間に熱中症などを引き起こすようにな状況です。

飲水ができないような犬、猫であればなおのこと気を付けないいけません。

エアコンの風が直接当たらないようにしていただきながら温度を下げることをお勧めします。

適温は?とよく聞かれますが、いつもそのご家族の感覚に合わせていただくようにしてもらっています。

皆様が適温と感じるのであれば、長い間同じ時間を過ごしている動物たちもそれに慣れていると思われるからです。

一方で寒い時期は、体温調節能力が劣っているため、すぐに低体温になることが多いので、しっかりと保温をしたあげた方がいいと思います。

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直接ヒートマットなどをひいて、その上に寝かせるのが常套手段ですが低温やけどなどには注意が必要です。

経験上、イタグレや2㎏以下の小型犬などの特定の犬種は、温度管理が非常に難しく、特にイタグレのような皮膚の薄い犬種は、低温やけどもなりやすいので、長時間、同じ態勢のまま、同じ場所を保温するのは避けた方がいいでしょう。

行動制限はするべき?

動物は寝たきりになっても、場合によっては器用にずりずり動き回ることもできます。

帰宅後にタンスの隅に挟まれているとか、ベッドの下に潜り込んでいたなどあり、思わぬ怪我のもとになります。

できることであればケージの中に入れるか、バリケードなどを作って、行動範囲を狭めた方がいいと思います。

マズルの長い犬では、柵と柵の間に鼻を突っ込み鼻の部分がすれてしまったりするので、柵の下の方にはタオルをスマキにして当てておくのがいいと思います。

オムツ

個人的にはオムツはあまりお勧めはしていません。

留守中に排泄などをすると、オムツの中でむれてしまい、皮膚炎などを起こすからです。

メスであればお尻あたりにペットシーツをひいておき、排泄物で汚れたら洗うのがいいと思います。

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オスは尿が広範囲に腹部につく場合もあるので、市販のマナーベルトをしておくといいと思います。

監視カメラ

最近ではネット経由で使用できる監視カメラが簡単に手に入るようになりましたがお勧めしていません。

年老いた動物は呼吸が非常にゆっくりで深いので、解像度の良い監視カメラでもなかなか目立たないうえ、画面を表示するのは大抵スマートフォンなので余計にわかりません。

あまりにも呼吸が目立たないのでかえって心配になってしまう飼い主様を多く知っているので、やめた方が良いのでは?と個人的には思っています。

まとめ

年老いたペットを家に残すのは大変に後ろ髪がひかれる思いだと思いますが、ぼくが思うに、ペットを介護する際に一番気をつけないといけないことは、決して無理をしないことだと思います。

ぼくの経験則では、ご自身の用事などを優先にすることが最終的には一番よい状態の看護ができることが多いと思います。

なぜなら飼い主様のストレスはダイレクトにペットに移るからです。

一人で家に置いておくことに罪悪感など感じることなく用事を済ませて欲しいなと、飼い主様にはいつもお話しています。

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2016-11-16

最近になってペット可のマンションが増えてきたとは言いつつも、築年数の多いマンションや、公営住宅などでは、まだペット不可のマンションが主流だと思います。

あまり大きな声では言えませんが、そんなペット不可のマンションでも、色々な理由で「こっそり」ペットを飼われている飼い主様は多くいらっしゃいます。

できれば人目につかないように飼いたいとは思っていても、そこは動物なので全く病気などしないペットはいません。

人目を避けて獣医師に診せようとした時、どうすれば無用なトラブルを回避できるのか、今回はそんなお話をしたいと思います。

もちろんルールを破るのは決して褒められることではないのは誰でもわかっていることなので、ペット不可マンションでそもそもペットを飼っていいのかという話は省略いたします。

ボストンバッグなどの普通のバッグに入れていく

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古典的な方法ですが、大き目なバッグに入れて動物病院に連れて行くという方法があります。

猫の場合は隙間から逃げてしまうこともあるので、洗濯ネットに入れるのが常套手段です。

基本的に小型犬や猫であれば、誰も中に動物が入っているなど想像はしないでしょうから、特に問題なく通院できると思います。

ただ、慣れない環境に入れると、不安で鳴き声をあげるケースもあるので、そういった場合はエレベーターなどを使用せず、できるだけ周りの住民と接触しないような経路を使用するしかないでしょう。

堂々と連れて行く

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ペット禁止のマンションなのにもかかわらず、堂々と連れて行く方も中にはいらっしゃいます。

ペットを飼うのが半ば公認とされているマンションでは多いのですが、そういった状況を知らずに入居してきた新しい住人とのいざこざはたまに聞く話です。

あまり関係のない話ですが、ペット禁止のマンションでも、管理費などを余分に払うことでペット可のマンションになるケースもあるので、自治会もしくは管理組合に提案してみるのもいいとは思います。

往診を利用する

一番安全かつ動物に負担をかけない方法だと思います。

特に獣医師が私服などに着替えて柔軟に対応してくれることも多いので、人目につかないという点では最善の方法だと思います。

往診ならではのデメリットもありますし、手術が必要なケースでは対応できませんが、人目を気にして診察を受けないというよりはいいとは思います。

https://www.secondselect.vet/30

まとめ

hozon

ペット不可のマンションでペットを飼ってらっしゃる飼い主様の悩みは、他人から見れば冷ややかな対応になると思います。

それでも、そんなこととは関係なく、ペットはいつかは病気にはなります。

いつか来るかもしれない場合に備えて、往診専門の動物病院をかかりつけの1つにしておくのをお勧めします。