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2017-06-14

ここ数年で熱中症という言葉は非常に定着したと思います。

インターネットの普及によって、皆さまが得られる情報量が多くなったというのが大きな理由の一つだと思いますが、近年の気温の上昇は熱中症のことを知っていたしても、時には防ぎようのない事故を引き起こす可能性があります。

無論、熱中症は時に致死的な症状を容易に引き起こすので、状況が切迫している時には近隣の動物病院に緊急的に駆け込んだ方がいいと思いますが、これってどうなのか?思う時には、熱い時期に動物を移動させる必要のない往診を選んでもいいとは思います。

今回は、往診医として、そんな熱中症についてご説明したいと思います。

今更ですが、熱中症とは?

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知っていらっしゃる方も多いと思いますが、日射病と熱中症は異なる病気です。

日射病は強い日差しにより過剰な水分の喪失が起こり、脱水症が主な症状となります。

一方、体からの熱放散ができなくなり、高熱が体の中にこもることによって引き起こされるため色々な症状が見られるのが熱中症です。

したがって日射病は直射日光がある場所で、熱中症は室内でも高温多湿な環境であれば起こると言われています。

ところがペットの場合、もともと汗腺がないため、人間に比べると熱が体の中にこもりやすいため、湿気がなくても気温が高い状態であればどんな環境でも熱中症起こりえます。

熱中症の症状

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熱中症は基本的には脱水よりも、高体温による細胞の損傷からくる症状が主となります。

具体的に言うと、初期段階は下痢吐き気が多くの場合でみられます。

また同時に、呼吸の音があひるの鳴き声のようながーがーというものに代わり、舌の色もかなり悪くなります。

また、熱による筋肉の損傷が激しい場合、壊れた筋肉の細胞から不整脈を引き起こす成分が出る他、血栓などができるため、突然死を引き起こすこともあります。

神経にも損傷が出る場合もあり、熱中症により神経的な症状が出た場合はかなり予後は厳しいものとなります。

治療法

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治療法はまず熱を冷ますことから始めます。

水道水を頭からかけたり、場合によっては水をためたバスタブもしくは桶に直接つからせます。

体温が下がると呼吸の粗さが取れてくるので、獣医師に診せる用意をしてください。

熱い外気にさらされれば、症状の悪化がある可能性もあるため、部屋を涼しくして往診医を呼ぶとよいでしょう。

もちろん、ぐったりして動かないとか、呼吸の粗さがすぐまた出てくるようであれば、酸素をかがせたり、静脈点滴をする必要があるため、動物病院に連れて行った方がいいと思います。

まとめ

正直な話、昔に比べると、動物病院に担ぎ込まれてくる熱中症の犬猫は、都内ではほとんど見られなくなりました。

ただし、年々気温が上昇しているので、熱中症になりやすい条件はますます悪化しています。

気をつけていてもなってしまうのが、この手の病気なので、普段からの温度管理などのケアはこれからの時期はより注意したほうがいいと思います。

2017-06-08

日本全国にある動物病院は現在10000件以上あると言われていますが、その中で往診専門の動物病院は非常に少ないと思います。

確かに往診専門の動物病院は現在のところメジャーな業務形態ではないのは事実で、そのほとんどが夜間専門で救急で往診を行っているところがほとんどです。

それでも普通の動物病院の代わりとまではいかないまでも、ご利用されている方は年々増加してきています。

今回は往診をご利用されている方が、どのような理由で往診の動物病院を選んだのかご紹介したいと思います。

病状が重く移動が負担になりそう

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往診をご依頼される飼い主様のペットの中には、高齢もしくは病状がかなり進んでいてほぼ寝たきりの生活をしている仔もいます。

こういったペットに対しての治療行為は、皮下補液を中心とした緩和療法がほとんどで、動物病院でおこなえることは限られています。

言い換えれば、自宅での治療でもほぼ同レベルの処置になるため、移動のストレスなどを考えるとかえって往診の方が良い経過を得ることが出来ます。

週1回など定期的にご利用されている方も多く、往診をご依頼される方の多くの理由がこれになります。

非常に怖がりで通院のストレスが強い

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小型犬や特に猫で多いのですが、とにかく外の環境に敏感で、通院するだけで「げんなり」してしまうようなペットも多くいます。

さすがに手術が必要な状況であればまだしも、ちょっとした体調不良やグルーミング、ワクチンなどで連れて行くのに抵抗を感じる飼い主様のご相談はよく受けます。

往診では自宅での検診が受けられるため、基本的に通院という概念がありません。

また、往診を受けられた方の中には、往診でできる処置の多さに驚かれる方も多くいます。

往診の病院を一次診療としてご使用される方も多くいらっしゃいますので、通院などやや負担になるかなぁと心配される方はお気軽にご連絡いただければと思います。

病院での待ち時間が億劫

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往診は当然のことながら予約制となります。

道路の状況にもよりますが、たいていの場合はご予定される時間に合わせて受診されることが可能です。

動物病院に連れて行って、診察を受けるまで長時間待つことは、ペットだけでなく飼い主様にとっても大きな負担になると思います。

同じ待ち時間があったとしても、ご自宅であればペットは安心して過ごすことが出来ますし、飼い主様もテレビや読書をしながら待っていただくことも可能です。

とにかく待つのが嫌と言う方は、往診をお勧めします。

自宅から連れて行くことが出来ない

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よくいらっしゃるのが、車の運転をすることができないので連れて行くことが出来ないという飼い主様です。

ちょっとした距離ならいいのですが、車で10分程度だったとしても、ペットを連れながら徒歩で通院するのはかなり難儀なことだと思います。

往診では当然獣医師の方がご自宅に来ますので、飼い主様が移動手段について悩まれることはありません。

またタクシーで行くのにも当然ご費用の負担がかかりますが、往診料も3000円ちょっとなので、往復のタクシー代よりも安くなると思います。

移動の手段がない、でも病院に連れてい行きたいと考えてらっしゃる方なら、検討してみてはいかがでしょうか?

まとめ

一度往診をご依頼された方のリピート率はかなり高いと思います。

実施可能な検査、処置の内容も多く、ペットや飼い主様のご負担も少ないので、いわゆるコストパフォーマンスはかなり良いというお話もよく聞きます。

百聞は一見に如かず、ちょっと頼んでみようかなと思った時には、一度お気軽にご相談いただければと思います。

2017-05-30

年は誰しもが取りたくないのですが、老いは誰しもがやってきます。

年をとったとしても最後まで自分一人だけで生きていければいいのですが、誰かの力を借りないと難しいことは人でもよくあります。

人間でない犬の話になれば、もちろん若い個体でさえ食事世話、トイレの世話などが必要なうえ、年をとって寝たきりになると、すべてのお世話を当然ながら飼い主様が行なうことになります。

すべてが飼い主様が労せず行えればいいのですが、なかなかそういうわけにもいきません。

今回は、自宅で老犬を介護している飼い主様が、おひとりではなかなか対応しきれない代表的なケアの中で、往診医としてお手伝いできるものをお話しします。

グルーミングなどのケア

寝たきりになって動けないとは言えども、嫌なことをされたときの力は意外と強いものです。

歩かなくなると爪や足の裏の毛はかなり伸びやすくなるのですが、爪切りは頑としてやらせてくれない老犬はよくいます。

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特に狼爪と呼ばれる親指の部分は、犬種によっては肉球に刺さることもあります。

個人的にはこういったケアをストレスをためて飼い主様が行なうよりも、往診を頼めば2,3分で爪切りは終わりますので、積極的にご依頼していただければいいと思います。

皮下補液

寝たきりになると食事の量が絶対的に低下してきます。

体重は徐々に減っていきますが、体重の減少とともに脱水が進んでいきます。

老犬の場合、この脱水が非常に問題で、体調を著しく落とすうえ、飲水のみで補うことが難しくなってきます。

こういった場合、皮下補液、皮下点滴など言い方は色々あるのですが、背中の皮膚の下に生理食塩水を200㏄から500㏄程度注射していきます。

注射された液体は緩慢に吸収され、脱水の緩和の助けになります。

こういった皮下補液を週に1回から2回程度行うのが理想的です。

夜鳴き

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夜鳴きはかなり深刻な問題です。

認知症が入った場合、夜通しで大きな声をあげるため、飼い主様の体調だけでなく、近隣の住人との関係性にも深刻な影響を与えます。

こういった場合は薬物療法に頼るしかありませんが、一部の動物病院では、犬を実際に連れてこないと処方されないケースも多く、来院が困難ため薬が手に入らないこともあります。

その点往診であれば、その心配はなく、またその都度体調の具合も把握できるので、より適切な量が処方できると思います。

床ずれ

床ずれの管理は実際にできるともうどうにもなりませんが、事前に床ずれができているかどうかを確認するのは困難です。

したがって大抵は床ずれができてからの対応になるのですが、床ずれの治療は非常に困難なこともあります。

往診でまめにケアをしたとしても、進行を緩やかにする程度なのですが、化膿に対する治療や場合によっては縫合が必要なケースもあるので、それでも往診医と協力してケアをしていたほうが状態は良好なケースも多くあります。

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下痢

寝たきりの老犬で頻発する症状が下痢です。

動かなくなる分、消化管の運動能力の低下が主に原因だと思われますが、食事などの工夫だけでは改善しない頑固な下痢が多く、治療が必要なケースがほとんどです。

止瀉薬などの内服よりは注射での治療が効果的なので、往診医に依頼したいケアの上位を占めると思います。

リハビリ

動画サイトなどで色々なリハビリの仕方が紹介されていますが、見るのと実際にやるのとでは大違いなことも多く、やはり熟練した人の手が必要なこともほとんどです。

特に起立訓練などの基本的なものだけでなく、リンパマッサージなどを行うのには、個体別にちょっとした工夫と知識が必要なため、一度は直接指導を受けた方がいいと思います。

また鍼治療などを行うことも可能なので、そういった治療を定期的にご依頼されるといいと思います。

まとめ

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飼った犬は最後まで面倒を見るというのは当たり前と言えば当たり前の話ですが、何もかも一人でやろうとすると、大きなストレスになると思います。

こんなこと頼んでいいのかな?と思ってらっしゃる飼い主様も多く、些細なことだったとしても時には深刻な悩みになります。

老犬の介護で困ったことがあればまずご連絡ください。

ご相談だけでも構いませんので。

2017-05-24

猫にとって泌尿器疾患はつきもの。

尿結石をはじめとする下部尿路疾患と呼ばれる病気は、どんな猫でも多く発生します。

ご存知の方もいますが、排泄が滞るのは生体にとって良くないことです。

特に排尿の異常は時には腎不全を引き起こし、生命を脅かすことにもなりかねません。

ただし、排尿がないのが即異常につながるかというとそういうわけでもないので、今回はそういった排尿異常に関してのお話をしたいと思います。

食欲元気はあるが、排尿もしようともしない

よくある相談なのですが、一日以上おしっこをしないので大丈夫か?というお問い合わせをいただきます。

よく話を聞くと、元気も変わらず、ご飯もよく食べているが、トイレに行きもしないで過ごしているというのですが、この場合、基本的には様子を見ていただいて構わないと思います。

猫は気分屋なので、ちょっとしたタイミングや、物音などで警戒してトイレに行かなくなってしまいます。

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特に環境が変化していなくてもいつもと様子が違うことなど猫の場合はよくあるので、その場合はとにかく待つしかないと思います。

食欲元気はあるが、何回もトイレに行っても少ししか出ない

膀胱炎の症状です。

膀胱炎を起こすと、膀胱、尿道に炎症が起こるため、残尿感があり、結果として尿が出きっているのにもかかわらず、トイレに行ってしゃがみこんでは、何も出ず出てくるのを繰り返します。

とくにメス猫がこのような感じになった時には、ほぼ膀胱炎になったと思っていただいていいと思います。

尿道が太く短いメス猫は非常に膀胱炎になりやすいからです。

治療は抗生剤、消炎剤などを使用しながら経過を診ていきますが、尿検査を行いながら治療経過を確認することが必要です。

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原因としては多岐にわたるのですが、慢性的な膀胱炎を起こす可能性もありますので、獣医師とよくご相談して頂ければと思います。

食欲元気もなく、何回もトイレに行くっても少ししか出ない

この症状が出るのはほぼオス猫だと考えていただいていいと思います。

オス猫の尿道は細く短く、そして湾曲しているため、最近の塊や膀胱の細胞成分、時には砂粒上の尿結石などが尿道を塞ぎ、尿道閉塞という状況を作り出すからです。

何回もトイレに行っては、いきんでも出ないを繰り返すのですが、膀胱炎と異なり尿が物理的に排泄は可能な状態になっているため、腎臓にその影響が出てきます。

尿道閉塞を起こした場合、尿道に詰まった異物をカテーテルを使って開通させるのですが、閉塞を起こしてから時間がたっている場合、開通しただけでは状態が落ち着かないことも多く、腎不全を起こしているため集中的な点滴治療などが必要なケースもあります。

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また、一度開通させても何度も閉塞するケースも多く、そういった場合には尿道を拡張させる手術が必要です。

基本的には尿中に含まれている結石、結晶が原因のため、それを抑えるような食事療法が必要になってきます。

食欲元気もなく、トイレにも行かない(動かない)

状態の落ちた闘病中の猫、老猫に多く、水分の吸収効率があまりにも低下しているため、脱水をおこしているとなりやすくなります。

全身を流れる血液の量が著しく低下するため、腎臓に流れ込む血液量が減り、結果として乏尿と呼ばれる状態を引き起こします。

重度の腎不全を起こしているため、著しく状態が悪化していることも多く、ぐったりとして動かないというのがほとんどの場合です。

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こうなった時にはあまり治療の効果は望めないことが多いのですが、できる限りの治療は考えていただいてもいいと思います。

まとめ

排尿の異常は時には思わぬ状態の悪化を引き起こすため、いつもと様子が異なる場合は獣医師と相談して頂いた方がいいと思います。

ただ猫の場合は、移動のストレスも多くあるため、動物病院に連れて行く前に一度往診獣医師と相談してみてはいかがでしょうか?

2017-05-16

当然ですが、どんな小さな動物でも、時には意外と出血をします。

目に見えるところの出血ならばまだいいのですが、目の見えないところ、例えば鼻からの出血は場所もわからないうえ、意外と止まりずらいこともあるので結構慌ててしまいます。

実際に鼻出血はしばしば獣医師を悩ます疾患です。

なぜならどこから出血したのが調べるのが非常に困難だからです。

人間と異なり、鼻の構造は非常に複雑で、またマズルが長いため、奥まで観察することは不可能です。

またレントゲンによって鼻の異常を鑑別することもほぼ不可能です。

したがって、鼻から出血する理由は経験則からいくつかの場合しかないため、それに対しての対症療法を行うことが多いと思います。

今回はそんなペットから出た鼻血についてご説明したいと思います。

外傷性の鼻出血

ぶつかった衝撃で鼻血が出ることはあまり多くないと思います。

たいていの場合は同居の犬や猫に噛まれたもしくは引掻かれたなどのケースが多くあります。

安静にしていれば出血はいずれは止まりますので、慌てずに安静にしておく方がいいと思います。

出血が止まれば基本的に治療はいりませんので、様子を見ていただいて結構です。

歯根の疾患からの出血

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一番多い理由が、鼻というよりは歯の根っこが化膿したり炎症を起こしたりして起こるケースです。

特に犬歯の根は深く、鼻の粘膜に隣接しているため、犬歯の病気はよく鼻出血をともないます。

口の中をみて歯石が多くついていて、特に犬歯周囲の歯茎が上がっていまっている場合はかなり可能性が高いと思います。

この場合は抜歯をすることが根治につながるのですが、全身麻酔が必要です。

全身麻酔を投与することはしばしば困難な場合も多く、そのため抗生剤や抗炎症剤を使用して炎症を抑えるような治療にとどまることもあり、長期的な投薬になることもあります。

猫の鼻出血

猫で多いのが高血圧からくるケースが多く、腎不全が根底にあるケースが多いと思います。

猫の腎不全はよくある疾患で、高血圧症を引き起こすため、鼻からの出血を引き起こすケースもあります。

また感染症からくる慢性的な鼻炎からも出血があるケースもよくあります。

これらの場合は根治は難しく、また食欲などが落ち、体力もかなり弱っていることがほとんどなので、補助治療も同時に行う方がいいと思います。

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猫の鼻出血はほとんどの場合、高齢猫に見られる疾患で、根治的な治療が不可能であることが多いため、とにかく体力を落とさないようにして経過を診るのが基本的なスタンスとなります。

鼻腔内腫瘍からの出血

犬でも猫でもある程度の年齢になると鼻の中に腫瘍が存在していることもあります。

その場合MRI、CTで診断をつけ、可能であれば抗がん剤、放射線などの治療となりますが、しばしば不可能な場合もあります。

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鼻の腫瘍の場合、その腫瘍が大きくなると脳を圧迫することもあり、痙攣を引き起こすケースもよくあります。

初期段階では外見上からみても判断できないのですが、鼻出血があった場合、同時に目の疾患、出血している鼻と同側側の目が腫れているとか、赤くなってた場合は注意が必要です。

止血異常からくる出血

稀にあるのが止血異常からくる鼻出血です。

止血異常は遺伝的な疾患からくることもあるのですが、それよりも多いのが、血小板が自分の免疫によって減少してしまう病気がほとんどです。

この血小板減少症はどの犬種でも比較的なるのですが、白眼の部分や歯茎の部分に点状の出血が見られたり、内股などに内出血の後があった場合は早めに獣医師に診せた方がいいと思います。

まとめ

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犬猫の鼻血は、人間の子供のように原因がなく特発的になることはあまりなく、たいていの場合は何かしらの疾患のついでに出るケースが多いと思います。

ですので鼻出血が見られた場合はできるだけ早く受診したほうがいいのですが、興奮して出血がさらに強まるようであれば、往診などを利用していただくといいと思います。

2017-05-08

このブログではいままでに往診について色々書いてきました。

往診専門の動物病院は決して特別なものではなく、診察される対象が動物ということを考えるのであれば、往診には様々なメリットがあるので、できればメジャーな診察スタイルになってもいいと思います。

とは言いつつも、まだまだ往診動物病院の認知度も低く、依頼する敷居も高いのが現状ですし、往診料金もばかにはならないので、そう何回も頼めるものでもないかもしれません。

今回はせっかく往診を依頼した時に、メインの用事の他に、ついでに頼んでおきたいこと、もしくは頼まれることが多いことをご説明したいと思います。

お手入れ

割とついでに頼まれることが多いのがお手入れです。

ワクチンやその他の定期検査で頼まれる方は多いのですが、下痢をしたり食欲がない時でも、それほど負担にならなければ一緒に頼まれる方もいらっしゃいます。

もちろんお手入れだけで往診を依頼される方も多くいらっしゃいますが、お手入れだけで・・・と思われる方の方が大多数なので、一緒に行う処置としてはお勧めな処置です。

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マッサージ

特に犬の場合に多いのですが、一緒にマッサージを頼まれる方も多くいらっしゃいます。

基本的に、犬も人と同様、経穴(ツボ)と経脈があるので、その流れに沿ってマッサージを行っていきます。

胃腸障害や食欲不振などにも治療を助ける効果があるほか、緊張感をやわらげたり、もちろんシニア犬のリハビリにも効果はあります。

ペットへのマッサージ自体、依頼する敷居は高い上、それを往診でというとさらに頼みにくくなると思います。

本来の要件に加え、ついでに試してみるというかたも多くいらっしゃいますので、もしご興味があればお気軽に言ってください。

ケージなどの環境、食事などのアドバイス

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動物病院の中で診察をしているとよく思うのですが、食事の量や生活の環境など相談を受けた際、はっきりとしたイメージがつかみにくく、適切なアドバイスをすることはとても難しいことだと思います。

飼い主様の話だけでは、はっきりとしない点も多く、実際に問題があったとしてもその改善案を正確に伝えきれているかもやや不安になります。

往診では直接それらのものをしっかりと見て、具体的に直接伝えることができるので、何かほかの要件で来たときについでに獣医師に聞いてみるのは、とてもいいことだと思います。

その他のお友達の問題などの相談

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ペットのことで悩んでいるお知り合いの方に、一緒に動物病院に行ってみましょうというのは少し言いづらいとは思いますが、今度往診で家に来るのでついでに相談してみたら?と誘ってみるのは簡単だと思います。

診察する方としても、間接的な情報での相談だけよりは、実際に話を聞いた方がいい解決法が見いだせると思うので、お困りな方がいらっしゃれば是非とも誘ってみてください。

基本的には料金は発生しません。

まとめ

「ついでに」という日本語がありますが、往診と言えども診察はペットに負担がかからないわけではないので、まとめてやるのは負担を減らす意味ではいいことだと思います。

往診料金も1回分で済むので、せっかくご依頼されたときにはぜひとも「ついでに」のご依頼をどんどんお願いします。

2017-05-01

猫の飼い主様にとって悩みの種の一つとして、なかなか動物病院に連れて行けないという意見が多いと思います。

猫は警戒心が強い上、ストレスの影響を受けやすく、気安く病院に連れて行ったら、かえって元気がなくなるということも割とあります。

本当に調子が悪いのであれば仕方がないとは思いつつも、ちょっとしたことで病院に連れて行くことはなかなかできないのではないでしょうか?

今回は特に大きな心配事はないが、猫の健康診断を受けるために、往診を頼んでみようかという飼い主様の方に、往診でできる健康診断の内容をご説明したいと思います。

身体検査

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獣医師が診察する際、どんな時でも触診、聴診、視診が基本的な診察の入り口となります。

簡単なボディーチェックとは言いつつも、経験のある獣医師であれば、やみくもに病気を探すことはまずしません。

飼い主様のお話を聞き、生活環境を直接見て、後は猫の品種などからある程度の最重要事項絞り込み、推測していきます。

そのうえで慎重に身体検査を行いますので、検査をせずともかなりの確率で隠れた疾患などを予測することが出来ます。

基本的には検診を行う際には必ず行うのですが、時には検査の値よりも有用な情報を引き出すことが出来るので、何もないだろうとは思っていても、1か月に1回ぐらいは簡単なボディチェックは行った方がいいとは思います。

尿検査

ご存知の方も多いと思いますが猫は泌尿器の病気の多い動物です。

無症状でも意外と尿結石が含まれていることも多く、オス猫にとっては時には死活問題になることもあります。

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また出血が混じっていたりする場合もあるので潜在的な膀胱炎を見つけるのにも有効です。

ただし、それ以上に知っておきたいのが、尿中に含まれるタンパクの量です。

尿中に含まれるたんぱく質の量を測定することによって、かなり早期の段階から腎不全を発見することが可能となります。

他にも糖尿病や肝臓の疾患も発見することもできるので、猫にとっては定期的に抑えておきたい必須の検査だと思います。

検便

ここ最近では、外に行く飼い猫も少なくなり、衛生上も非常に高い状況で飼育されているので、寄生虫などに寄生されることもなくなってはきましたが、たまに行ってあげるといいと思います。

血液検査

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基本的には動物病院内での検査と同様のレベルができます。

血球検査、生化学検査をはじめ、ホルモン測定、薬物動態の検査や伝染病の抗体検査まで幅広く行うことが出来ます。

3から4歳を超えて来たら、一年に一回は行ってあげた方がいいと思います。

ご料金も往診だから高額になることはありませんので、検討していていただくことをお勧めします。

その他の検査は?

残念ながら往診ではレントゲン検査はすることはできません。

また、エコー検査や心電図検査などの検査も、装置が大掛かりになるため、なかなご自宅に運搬することはできないと思います。

こういった場合は、かかりつけの動物病院と連携をとって、必要に応じていっていただくことになります。

まとめ

健康診断は人間だけに限らず、猫にとっても必要なものだと思います。

ただストレスを与えるという点では、検査後に好ましくない状況になることもありますので、上記の検査内容をご希望されるのであれば、往診のご利用をお勧めします。

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2017-04-25

よく言われる、ペットの高齢社会。

それとともに増加する病気は多くありますが、その中の一つとして「腫瘍」があげられると思います。

ペットに対する治療は、人の治療を追随して行うことも多く、ほとんどで人と同じような治療ができるようになりました。

ただし、犬猫のの寿命と人のそれは大きく違いがあるため、より高齢ななった時の治療の選択肢は、必ずしも人間とは同じようにはなりません。

このあたりは飼い主様それぞれで感覚が異なるため、絶対的な正解があるわけではありません。

今回は、ペットの腫瘍のケア、特にステージが進んだ場合に、往診を依頼した時に何ができるのかをご説明したいと思います。

皮下補液療法

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腫瘍ができたとしても最初のうちは食欲も安定はしているのですが、次第に食べる量も減ってきます。

無理やり食べさせようとしても、嫌がってうまく口の中に入れられなかったり、入れても吐き戻してしまうこともよくあります。

そういった時に行うのが皮下補液です。

直接的にカロリー源を注射することはできないのですが、水分とビタミンなどを補給することによって、脱水の改善され、ある程度の元気さと食欲がもとってくることもあります。

皮ふと筋肉の間の皮下に注射をしていく方法で、猫や小型犬でも200㏄程度は入れることが出来ます。

動物の治療としてはスタンダードな治療であり、弱っている動物でも大きな負担にはならいないので、大多数の飼い主様が選択される方法です。

制がん治療

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抗がん剤のような積極的な治療を望まれなかった飼い主様の理由としては、副作用が心配とか、高齢のためとか、ご費用の点で選ばれない方も多くいらっしゃいます。

制がん治療とは、抗がん治療のような強い薬ではなく、がんの増殖を抑えるために、免疫システムに働きかけたり、がんの進行を緩やかにするような治療になります。

効き方もマイルドな分、大きな副作用が出にくいのが特徴です。

よく使用される薬としては、ステロイドやピロキシカムという薬を使用します。

長期投与による副作用は若干頭の中に入れないといけませんが、その効果を十分感じることが出来るケースは多いと思います。

また抗腫瘍ワクチンもよく使用されます。

週に1回程度の頻度で接種していくのですが、個人的には副作用と費用に対する効果は、ぼちぼちだと思います。

疼痛管理

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骨にできる腫瘍や、リンパを巻き込んだり、炎症を引き起こしたりするタイプの腫瘍は、非常に強い疼痛を引き起こすケースもあります。

特に発熱をともなうような疼痛は、動物のバイタルを著しく下げるばかりか、疼痛を訴えるような大きな鳴き声を発するため、そのままにしておくことはなかなかできません。

このような疼痛管理も、飲み薬、注射、塗布薬など様々なタイプがあり、痛みの度合いに合わせ処方することが出来ます。

介護ケア

体の表面にある大きな腫瘍は時に自壊します。

自壊した腫瘍は、中から壊死組織や膿のような分泌物を多量に出すため、それのケアだけでなく、臭いもかなりの問題になります。

飼い主様だけではケアしきれないようなものでも、往診によるケアで緩和することは可能だと思います。

体の表面を洗浄するほか、臭いのもとのとなる雑菌を抑えるような軟膏を使用しケアしていくケースがほとんどです。

安楽死について

安楽死処置については賛否両論ありますが、基本は注射薬により行いますので、往診でも可能です。

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まとめ

どんな病気でも同じかもしれませんが、進行が進んだ場合に負担を強いられるのは当の本人だけでなく、周りの飼い主様の家族も大きな負担になると思います。

家族だからこそ頑張ってやろうとと思っていても、それが毎日になるとかなりつらくなり、飼い主様によっては体をこわされたり、介護ノイローゼになってしまうこともあると思います。

症状だけでなく飼い主様の負担も軽減ができるようながんに対する治療が往診でも可能だとは思うので、一度ご相談してみてはいかがでしょうか?

2017-04-18

今やネット社会。

色々なものが簡単に、そして安く購入できる時代になりました。

インターネットで手に入るものは日用品やグッズなどだけでなく、医薬品も簡単に手に入るような時代になりました。

医薬品の販売に関しては、確立した法整備がないのと、表記やその他のところに若干の不安があるので、何もかもお勧めはしているわけではなりませんが、日本で購入すると非常に高価な薬剤などは病院で購入せず、ネット購入を勧める場合もあります。

今回お話したいのは医薬品ではなく、サプリメントです。

サプリメントは色々と巷にあふれており、どれがいいのかはっきり言ってよくわかりません。

この記事では、実際にぼくが治療する中でお勧めしているサプリメントで、かつ効能が非常に素晴らしく、かつネットで簡単に手に入るものをご紹介したいと思います。

商品名をしっかりと明記するので、後で何かあった場合は削除するかもしれませんので、ご了承下さい。

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貧血になる疾患は犬も猫も意外と多くあります。

年齢が高齢になると自然発生的にも貧血傾向となることもあります。

貧血の治療は、まず原因を追究し、それに対しての治療を行うことですが、飼い主様がご自宅でできることは、栄養を取らせ、とにかく血を作らせるようにすることだと思います。

原因を取り除いても、血を作る材料がなければ貧血は改善しません。

ただ、貧血を起こしている動物はたいていの場合、食欲がなく思うように血となる材料を補給することが難しいことがあります。

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そんなときにはこのサプリメントをよく使用します。

血液を作るために必須の栄養素である鉄分を多く含んでいるサプリメントです。

元来、薬としての鉄剤もあるのですが、副作用も強く、また摂取し吸収する効率が非常に悪いので、あまり使用しません。

このサプリメントは、鉄を効率よく吸収し、また与えやすいので、貧血時にはもってこいのサプリメントです。

過剰な使用はお勧めしませんが、特に老齢性の犬で少し食欲が落ち気味な時には使用してあげるといいと思います。

ミラコート

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昔からあるサプリメントです。

被毛に光沢を与える必須脂肪酸が多く含まれており、亜鉛、ビタミンA、ビオチンなどの皮膚の土台となる成分が効率よく含まれています。

僕の経験上、コリー犬種や毛の色の薄いロングコートの小型犬に与えると、見違えるようにつややかな被毛となります。

特に副作用もない上、とにかく安いと思います。

被毛に潤いを与えるのには最強のコストパフォーマンスがあると思います。

トリペプチドコラーゲン

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お肌の美容にはコラーゲン、関節の強化にもコラーゲンと飼い主様の認識度も高いのですが、最も有名無実なサプリメントだと個人的には思います。

コラーゲンはもともと分子量が非常に大きいので、そのままの形で吸収されることがなく、非常に細かく分解され、最終的にはアミノ酸として吸収されます。

その吸収された栄養素は体内でコラーゲンとして再合成されることはないことが、医学的には認知されています。

ですのでグルコサミンやコンドロイチンは医学的にはほとんど効果が見られません。

トリペプチドコラーゲンは、コラーゲンを加水分解し、コラーゲンとしての分子を保ちながらも吸収可能な大きさにしたものです。

コラーゲンとして吸収されるエビデンスもあるため、効率よく体内にコラーゲンを吸収することが出来ます。

コラーゲンは建物で言えば骨組みになるものなので、他のサプリメントと併用すると相乗的に効果が表れます。

高齢の犬、猫では積極的に使用してもいいとは思います。

アンチノール

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ω3と言われる必須脂肪酸を天然由来でかつ高濃度で含んでいるサプリメントです。

天然由来のω3製剤は色々あるのですが、なぜかこのサプリメントは吸収効率がすさまじく優れており、効能がサプリメントとは思えないぐらい、顕著に、そして早い段階から見られます。

特に老齢性の関節疾患と、神経症状にはかなり著効するため、そういった病気の症例にも積極的に使用するのですが、少し活動性が落ちてきた犬に与えても、目に見えた効果が出てきます。

最近出てきたサプリメントの中では、抜群の有効性を感じることが出来ます。

ただこのサプリメントだけはネットで購入できると言いつつも、専用のHPから病院のIDを打ち込むことになります。

セカンドセレクトも専用IDがありますので、ご希望の飼い主様はお問い合わせください。

ダーム1

人間の化粧品でも入っている「セラミド」が主成分です。

皮膚はもともと層状の構造をしており、層の間に水分を蓄えることで皮膚に保湿を与えます。

セラミドは皮膚の層を構成する柱の主成分であり、セラミドが多く含まれている皮膚ほど、保水効果が高いことが知られています。

このセラミドは多くの慢性的な皮膚病によって保有量が少なくなるだけでなく、日ごろ行うシャンプーでも一時的に少なくなります。

特にシャンプーした後2,3日するとフケが出始めるような犬の場合は、セラミドが不足していることも多く、セラミドを皮膚から浸透させ補ってあげた方が、健康的な皮膚を維持できます。

セラミドを含んだ保湿剤はネットでも色々あるのですが、大きな容器に入っているものがほとんどです。

セラミド自体は脂質でできているため、長期間保存していると酸化して過酸化脂質と呼ばれる物質になります。

これは皮膚にとっても非常に有毒な物質です。

ダーム1はこういったことを防ぐために1本1本非常に小さな容器に入っているため、脂質が酸化せず保管できます。

また毎日使用しなくてもいいのが素晴らしいところで、まずはシャンプー後の保湿として使用していただくと、皮膚の状況は非常によくなります。

人間の洗顔やシャンプーと一緒で、しっかり洗った後は保湿が必要なのですが、シャンプー後の保湿を念入りに行っている飼い主様は少ないところが残念です。

ちなみに人間のセラミド含有の化粧水も、大瓶のものは中の成分が酸化してしまうため、医学的にもあまりお勧めはしません。

ドッグパートナー

先ほどご紹介したトリペプチドコラーゲンと一緒のコラーゲンサプリメントです。

違うところはコラーゲンだけでなく、ビオチンやその他の必須脂肪酸が含まれており、皮膚や関節の補助サプリとしては完充しているところです。

クリーム系の犬種は、色素が濃い犬種よりも皮膚が薄く、乾燥していることが多いので、このサプリメントを与えることで皮膚が正常な厚さに近くなることも多いと思います。

またタブレット型になっているので、粉製剤に比べると保存しやすくなっています。

動物用のサプリメントの中で、低分子コラーゲンを使用している数少ないサプリメントなので、老犬の補助栄養素として使用すると大きな効果が得られると思います。

まとめ

サプリメントと薬の違いは薬事法で認可がとれているかどうかの違いです。

認可が下りているから信用ができるというわけではありませんが、承認がいらない分、サプリメントの効果はかなり眉唾なものがあります。

その中でも今回書いた商品は、自分もよく処方しますし、目に見えての効果があるのでお勧めします。

どれもネットで簡単に購入できるので、試してみてはいかがでしょうか?

2017-04-10

犬も人も高齢になるとかかりやすくなる典型的な病気は幾つもあります。

ペットも高齢化社会と言われ始め、高齢犬になった時になりやすい病気に対する知識を含めた備えというものは、以前に比べてより重要性が増したと思います。

今回は高齢犬が患う病気の中でも、意外と気がつきにくい病気、甲状腺機能低下症についてご説明したいと思います。

甲状腺機能低下症とは?

甲状腺は首ののどぼとけ辺りにある分泌腺です。

副甲状腺

甲状腺ホルモンはその名の通り甲状腺から分泌されます。

甲状腺ホルモンは全身の代謝をつかさどるホルモンですが、このホルモンの分泌される能力が低下していく病気を甲状腺機能低下症と言います。

人間の、特に女性の方でも多い病気で、更年期障害だと思って病院に行ったら実は甲状腺機能低下症だったと診断されるぐらい、典型的な自覚症状はあまりない病気で、別名「橋本病」と言われています。

原因

甲状腺機能低下症の原因は色々なことが言われてはいますが、基本的には膠原病の一種で、自分の免疫系の過剰な働きにより甲状腺が破壊され、機能が低下することによって起こります。

おもに中高齢期に起こりやすく、一度甲状腺の破壊が進むと、その破壊を止める手立てはありません。

症状

典型的な症状はないのですが、一般的には甲状腺ホルモンが低下することで全身の代謝が低下します。

その結果、活動性が低下したり、食欲が減退したり、太りやすくなってきます。

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その他よく表れる症状として、皮膚に湿疹や脱毛が起きたり、高脂血症になるなどの他、腸の運動能力が低下したり、繁殖障害、時には痙攣などを起こすケースも稀にあります。

検査の方法

実は困ったことに、甲状腺機能低下症を確定診断する方法はありません。

甲状腺ホルモンの血中濃度を調べることで甲状腺機能低下症かどうか調べていくのですが、明らかに甲状腺ホルモンの量が少ない場合は診断がつけやすいのですが、個体差が非常に大きく、割とグレーな感じの診断になることが多いと思います。

獣医医療領域では、甲状腺機能低下症は通常、皮膚病をともなうことが基本と考えており、皮膚病の伴わない甲状腺ホルモン量の低下は甲状腺機能低下症と診断されない場合も多くあります。

ですので臨床的には、甲状腺機能低下症と判断された場合、治療を開始してみて、明確な改善があるかどうかで、最終的に甲状腺機能低下症だったのかどうか見ていくのが普通です。

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治療法

繰り返しになりますが、一度失われた甲状腺は回復することはないので、不足している甲状腺ホルモンを内服にて投薬していくのが基本的な治療法です。

そのため、甲状腺機能低下症の治療は投薬が一生涯続きますので、投薬が困難な犬に関しては治療が難航するケースもあります。

ただし、人間に使用する甲状腺ホルモン剤は副作用があり、甲状腺中毒を引き起こす危険性があるのですが、犬の場合はその特性上、副作用はほとんどありません。

もちろん過剰なホルモン剤の投与は心疾患を引き起こす可能性があると言われていますが、非常に稀だと思います。

ぼくの個人的な経験では、慢性疾患の中では割と治療のしやすい病気だとは思います。

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まとめ

甲状腺機能低下症は大型の老犬に多いのですが、とにかく大型犬の通院は骨がおれます。

この病気の治療は基本的に血液検査と投薬のみなので、往診でも十分なレベルの治療を行うことが出来ます。

もし飼っている犬が年齢のせいかもしれないけれど、最近何か元気がなくなってきたな?と不安に思ったら、往診医に相談してみてもいいかもしれません。

2017-04-03

犬はとにかく活発です。

犬種にもよるとは思いますが、猫に比べると常に動き回っているイメージです。

運動能力は優れているにも関わらず、たまにどんくさい動きをして怪我をすることも。

時には手術が必要となるような重大な怪我をすることもあります。

今回は犬がよくなる怪我のうち、前十字靭帯が断裂してしまった時に行う処置についてご説明したいと思います。

前十字靭帯断裂とは?

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膝の関節は多くの靭帯にて支えられ制御されています。

骨の構造含めて、すべての動きが屈伸に特化した関節になっており、そのおかけで非常に優れた跳躍力を生み出すことが出来ます。

十字靭帯も膝の動きを制御するための靭帯の1つで、膝の関節が前後に動くことを防ぐための靭帯です。

前十字靭帯と後十字靭帯の2本の靭帯に分かれており、膝の関節の内部で大腿骨と下腿骨をクロスで結んでいる靭帯です。

主に損傷を受けるのは前十字靭帯であり、部分断裂から完全断裂まで程度は様々です。

びっこの引き方はちょっと特殊で、どちらかというと足を引きずるようなびっこの仕方になります。

前十字靭帯断裂の原因

一般的には過度の運動、加齢、性差、体重などが言われていますが、個人的には前十字靭帯を断裂する犬は、何らかの素因を持っていることがほとんどです。

例えばウエルッシュ・コーギーは好発犬種です。

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フリスビーや様々なアジリティーを行うので、過度な負荷が膝にかかるので断裂しやすいと考えられていますが、実際には関節の形の悪さが大きな原因となります。

つまり、ブリーディングを行い足が短くなっていく中で、膝の形が直線的な正位置よりも内側にクロスに入り、ややエックス脚の傾向になります。

そうすると関節にかかる衝撃をうまく逃がすことが出来ずに、通常の骨格を持つ犬よりも簡単に十字靭帯に損傷を起こすようになります。

こういった骨格の異常の他、リウマチなどの関節疾患や他の関節の疾患による過重負荷が素因となり、ちょっとしたタイミングで靭帯を損傷します。

治療法について

前十字靭帯断裂の診断は割と容易につけることが出来ます。

膝を過伸展することによる疼痛の度合いや、ドロワーサインと呼ばれる膝の不安定さを見ることによって、ある程度経験のある獣医師ならば、触診のみで診断をつけることが出来ます。

獣医師が前十字靭帯断裂の診断をつけた場合、体重によってその治療法は全く異なります。

体重が10㎏以下の犬では基本的には鎮痛剤と安静で治癒していきます。

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若い個体で動きが活発な場合はギブスなどを簡易的に巻くことが多いのですが、経験上ほとんどの症例で内科的なケアで十分治癒することが出来ます。

体重が軽い犬では手術が不要な理由は、前十字靭帯断裂の手術は基本的に切れた靭帯をつなぎ合わせるのではなく、膝関節が動かないように固定するものだからです。

よって、体重が軽い犬では、固定をしなくても体重が軽いので安定しやすく、簡易的なギブス程度で十分固定できます。

また先ほど述べたように、リウマチ性の疾患が原因にあった場合、ステロイドのの投薬により急速に回復していきます。

リウマチ性の疾患かどうかは、なかなか診断つかないことも多いのですが、膝関節の関節液などで簡易的に診断することが出来ます。

体重が重い犬の場合はさすがに外科的な対応となります。

外科的な方法は色々な方法がありますが今回は割愛させていただきます。

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まとめ

小型犬の前十字靭帯断裂は往診の治療で十分対応できます。

こういった靭帯の治療ではいずれにしても安静にしておくことが絶対条件で、動物病院への移動がかえってダメージを与えることになりかねません。

こういった症例の場合でも、往診と言う選択肢を持っておいた方がいいと思います。

2017-03-25

春先になり暖かくなると出てくる病気は色々あります。

この時期に多くなる疾患の代表と言えば、皮膚の炎症やかゆみなどです。

犬種により発生頻度は異なりますが、シーズや柴犬、ゴールデンレトリバーなどの定番犬種から、シュナウザーやフレンチブルドッグなどの最近の人気犬種まで、ほぼ全犬種で何らかの皮膚病は起こります。

今回はそんな皮膚病についてのご説明をさせて頂きたいと思います。

皮膚病の原因は?

皮膚病の原因は様々です。

圧倒的に多いのがアレルギー性の皮膚炎で、通常の皮膚炎の大多数を占めると思います。

アレルギー性皮膚炎は獣医師を悩ます疾患の一つで、季節性や突発的に起こるものあれば、慢性的に常に炎症を起こすタイプのものもあります。

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その他、ノミやダニによる皮膚炎やホルモン異常、栄養性など色々な原因があるのですが、極論をいえば、どんな病気にかかっても、最終的には最も体の外側の皮膚には何らかの影響が出てくると思います。

ですので個人的な意見で言えば、色々検査をしても原因を特定できない場合も多く、また複合的な要因もあるので、もやもやした診察になることもよくあります。

治療法について

よほどのことがない限りは根治治療はないと思っていたほうがいいと思います。

ダニやノミなど外的要因が原因であればそれを除去できれば皮膚炎はおのずと治っていきますが、ほとんどの場合は体質によるものが多く、体質が改善されなければ継続的に治療は続いていきます。

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よく使用される薬としては、抗生剤や抗真菌剤などの抗菌剤や、抗ヒスタミンなどを使用していきます。

かゆみがひどい場合にはステロイドを使用します。

これらの治療は昔からほぼ変わらない治療で、よほどのことがない限りは病院によって大幅に異なることはありません。

何度も書くようですが、体質そのものを変える治療ではなく、対症療法といって目の前にある症状を抑えるのみの治療となります。

したがって薬を使用している間はいいが、使用しなくなるとまた症状が再発するというのを繰り返します。

ただ問題となってくるのは抗菌剤もそうなのですが、特にステロイド系の薬は長期使用により体に影響が大きく出ます。

かゆみや炎症を取る即効性、効果はともに抜群に優れているのですが、体のすべての臓器に作用しやすく、できる限り使用は最小限にとどめておくのが理想です。

したがって、皮膚病の治療の根本は、かなり要約するとどれだけステロイドの量を減らせられるかというのが治療の大きな幹になります。

分子標的薬とは?

最近になって、ステロイドの代わりになる薬が出始めました。

分子標的薬というのは、それぞれの細胞にはその細胞特有の分子があるのですが、平たく言えば、そこを標的(分子)として、そこにのみに作用するため、その影響がかなり限局される薬です。

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分子標的薬はその標的によって、皮膚科領域だけでなく、抗がん剤などの代用として使用されることも多く、新しい治療法として少し前から注目されています。

ステロイドとほぼ同等の赤みやかゆみを抑える効果があるのですが、痒いという反応だけを標的とする薬のため、長期に使用しても副作用がほとんどありません。

現段階では皮膚病の新しい治療薬として定着しつつありますが、やはり根本の治療とはならないため、根治にはいたりません。

まとめ

ここまで書いたことは決して目新しいことではありません。

多少新しい薬が出てきたとは言っても、皮膚病との付き合い方は大幅には変わりません。

あくまでも長期的に、下手をしたら生涯付き合っていかなければならないため、通院の負担などを考えると往診を利用したほうがいいかもしれません。

皮膚科領域での治療であれば、往診でも通常の治療が可能です。

通院が長期的になり、少し犬もストレスを感じているかな?と思ったら往診という手も一つ手段に入れておいた方がいいのではないでしょうか?

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2017-03-15

犬の飼い主様にとってこの時期は何かとやることが多い時期。

フィライリアの予防に加え、混合ワクチンや狂犬病予防のワクチン接種や、ノミダニの予防薬も始めないといけない時期です。

予防できる病気があるということはいいことだと思いますが、飼い主様の中にも「狂犬病は予防するメリットあるの?」と言う方もいらっしゃると思います。

確かにここ数十年、日本において狂犬病の発生は1件もありません。

したがって予防という意味では狂犬病ワクチンは、今の日本では意味はないかもしれません。

それにもかかわらず、犬を飼育した場合、登録の義務とともに狂犬病ワクチンの接種は義務となっています。

確かにおかしな話ですが、今回はこんな少し矛盾している狂犬病のワクチンについてお話したいと思います。

狂犬病とは?

狂犬病がなぜ重要なのかというと当然のごとく人にも感染が可能であり、致死率がとても高い病気だからです。

日本では言葉だけであまりなじみのない病気ですが、途上国ではまだ多くの人(年間550人程度)が亡くなっています。

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狂犬病ウイルスは犬と人だけでなくほとんどすべての哺乳類に感染することが出来ます。

日本では狂犬病に対しては非常に厳しい検疫をかけてはいると言われていますが、実際には犬、猫、キツネ、アライグマ、スカンクのみが対象であり、その他の動物は検疫の対象にはなりません。

したがって、いつ日本に入ってくるかは、実際にはわからないという意見から、今でも狂犬病のワクチンを接種しないといけないという理由になっています。

日本の狂犬病ワクチンのルール

狂犬病ワクチンは、狂犬病予防法と狂犬病予防法施行法にて定めてられています。

その内容を一文で書くのであれば、狂犬病ワクチンは明日死ぬような犬でも1年以内に狂犬病ワクチンを例外なく接種することと言っています。

接種時期については制限はなく、本来は春先に接種する必要は全くありません。

ほとんどの自治体で4月~6月末時に接種しないといけないと指導が入っていますが、実は完全なるローカルルールであり、特に従う必要はありません。

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この辺りに狂犬病ワクチンの最大の問題点があり、狂犬病予防法とその施行法はあまりにも古い法律でかつほとんど見直しもされていないので、誰一人として完全に把握している人はいないと言っても言い過ぎではありません。

もちろん自分も含めた獣医師もです。

ですから、そんなローカルルールが定着してしまったのだと個人的には思っています。

ちなみに練馬区では生活衛生課という部署で取り扱いをしています。

狂犬病ワクチンを接種せずにいると?

接種の義務が法律で定められていることは事実です。

ただ、強制力、罰則などはほぼありません。

未接種であっても伝染病としての観点であればほとんど問題はないのですが、人や他の犬をかんでしまった場合、その後の対応は狂犬病ワクチンが未接種の場合はかなり厄介なことになります。

最悪、裁判沙汰になった時には心象が非常に悪くなるので、不利な判断をされてしまうことが多いと思います。

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また公共施設をはじめ、民間の宿泊施設、ドッグランなどにも立ち入ることが出来ないこともあり、やや不自由になることは多々あると思います。

狂犬病猶予書による申請

そうはいっても、何らかの病気を持っているとか、非常に高齢であるなどの理由で、ワクチン接種自体により体調を悪化させる可能性はあると思います。

狂犬病の発生のない今日では、このような状態のあまりよくない犬に狂犬病ワクチンを接種することは医学的にあまり好ましくありません。

この場合、獣医師が発行する狂犬病猶予書という書類を保健所などに提出する方法があります。

日本全国どこの動物病院でも、もしくは集合注射などでも発行することが可能で、獣医師の判断により1年間のゆうよを定めることが出来ます。

ただし、これは公文書ではなく、私文書であり、獣医師個人が私的に発行しているものになります。

狂犬病猶予書を持っていたとしても、検疫所などでは全く意味のないものであり、場合によっては公営の施設では狂犬病未接種であることを理由に行動が制限されることもあります。

それでも唯一、狂犬病猶予書だけが狂犬病のワクチンを未接種だったとしても、法律的に「飼い主」を守ってくれるものですので、自身の判断で狂犬病ワクチンを接種しないと決めるのではなく、獣医師と相談し狂犬病猶予書を発行してもらったほうがいいと思います。

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まとめ

結局のとこと、狂犬病ワクチンは義務ですので、よほどの理由がない限りは現在の日本では逃れることはできません。

個人的な意見としては、日本に狂犬病が蔓延することはまずないと思いますが、法律が変わらない限りは狂犬病のワクチンを接種しないといけません。

セカンドセレクトとして皆様にご協力できることは、自宅のようなリラックスできる空間で狂犬病ワクチンを接種するとか、相談したうえで狂犬病ゆうよ書を発行することなどが可能です。

飼い主様一人の判断で接種しないと決めるのではなく、お気兼ねなくご相談して頂ければと思います。

2017-03-07

突然、飼っている犬が立てなくなったら、どんな方でも慌ててしまうと思います。

犬が立てなくなる病気というのはいっぱいあるのですが、よく観察していただくと、飼い主様でも立てなくなる理由がなんとなくわかるのではないかと思います。

慌てて救急病院などに連れて行く前に、冷静に観察していただくことは、その後の治療を進めるうえでも重要なヒントになります。

今回は犬が立てなくなる、よろける病気の中で、特に多い前庭疾患についてご説明したいと思います。

前庭疾患とは?

前庭とは耳の奥、鼓膜の向こう側、内耳にある、平衡感覚をつかさどる器官です。

前庭疾患では、この前庭の機能が失われ、平衡感覚がなくなることで起こる病気です。

前庭は両耳の内耳にありますが、通常片側のみの機能が低下します。

症状はどういったもの?

どちら側の前庭の機能が失ったかによって症状は違ってきますが、通常機能を失った前庭側の方によろけて、首をかしげるように斜めにむきます(斜頸)。

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目を見てみると首が傾いているのと逆側に目線が急速に動き、ゆっくりと傾いている側に流れてきます(眼振)。

このような状態では、犬は非常に気持ち悪くなり、食欲不振、嘔吐などが見られるようになります。

ただし、一般的にはこの前庭疾患で急変を起こすことはありませんので、過度の心配は不要かと思います。

原因は?

原因としては外耳炎から発生した雑菌が、鼓膜を超え、中耳、内耳に侵入することによる内耳炎から発生するケースもあります。

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特にコッカースパニエル、パグなどの特定の犬種で起こりやすく、たいていの場合はひどい耳垂れを起こしていることがほとんどです。

一方で、特別な理由なく突然起こるケースもあります。

たいていの場合は、前庭の老齢性の変化として現れることが多く、全犬種でみられるのですが、特に日本犬、柴犬では頻発する病気です。

治療について

前庭そのものを直接外科的に治療することはできません。

したがって、抗生剤、ステロイドが主体となる薬を投薬していきます。

経験上、初期段階では嘔吐がひどいため、内服の使用は非常に困難なため、注射による治療を行います。

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また嘔吐を抑えるために、嘔吐止めも注射薬で使用していきます。

急変するリスクは少ないのですが、たいていの場合老犬に起こるため、食欲不振による体力の低下は非常に顕著に起こります。

そのため、皮下補液剤を使用して脱水を防ぎ、強力な制吐剤により嘔吐を抑え、強制的な給餌を行う必要があります。

治療はおおよそ2週間程度続きます。

完全に治癒する犬もいれば、首の傾きが残る犬もいますが、日常生活にはほぼ影響が出ないレベルまで回復するのがほとんどです。

まとめ

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僕の個人的な意見としては、この前庭疾患は中型犬以上の老齢犬に頻繁に発生します。

したがって、犬を病院に連れて行くことがままならないケースも多々あります。

自力で歩行できるようになればいいのですが、初期段階ではかなり難しいとお思います。

こういった場合は往診の動物病院などを利用していただくと、犬の負担だけでなく、飼い主様の負担も軽減することが出来ると思います。

いざ病院に連れて行こう、でも連れて行けないような状況はいつやってくるかはわかりませんので、かかりつけの病院の一つとして、往診という選択肢を持っていただくことをお勧めします。

2017-02-27

安楽死、尊厳死、色々な言葉はありますが、人間の医療ではいつでも、どこの国でも議論の的になります。

現在の日本の医療では安楽死は認められていません。

一方、動物医療の世界ではと言えば、安楽死は獣医師の裁量として行うことが出来ます。

ただ、安楽死を受け入れるにあたり、明確な基準がなく、あくまでも担当した獣医師と飼い主様の主観的な判断によるところが多く、動物愛護の観点からもしっかりとしたガイドラインが必要であると言われています。

もちろんぼく自身も臨床の現場に長年携わっていますので、多くの安楽死のご相談を飼い主様からお受けすることがあります。

個人的には、安楽死処置に至るまでには様々な要因があり、動物医療の中では必要な処置の一つだと思っています。

今回はそういったペットの安楽死についてご説明したいと思います。

安楽死を希望する理由

安楽死を希望方の理由として、一番多いのがやはり苦痛を伴う不治の病を患っているということです。

ただ調子がわるいだけでなく、痛みやひどい下痢や嘔吐、痙攣などは動物だけでなく飼い主様を苦しめる症状となります。

特に病状の悪化や老衰などにより自宅で寝たきりになっている動物がそのような状況になった場合、飼い主様自身の精神的な圧迫も非常に大きくなりますので、そのようなご家庭では獣医師の方から提案することもあります。

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また、認知症も飼い主様にとっては大きな問題となります。

特に中型犬以上の犬が夜鳴きを始めた場合、近所の住人への騒音問題に発展するため、飼い主様にとっては非常に大きな問題になります。

動物医療の安楽死の理由はほとんどが上記の理由であり、ほとんどの獣医師は飼い主様が都合ばかりを優先するような理由であれば、安楽死を拒むと思います。

自分のペットに安楽死を考える時。往診動物病院での依頼例。

安楽死の方法

基本的には注射麻酔薬を高濃度に血管に入れ、苦痛なく眠りにつかせるのが主流です。

薬剤投薬後、30秒程度で生命反応はすべて消失しますので、獣医師が心拍、瞳孔反射の消失などを確認します。

おおよその平均的な費用は、小型犬、猫で30000円-50000円程度だと思います。

その後の対処

一般的には私営の動物霊園に連絡をし、遺体の処理を行うことが多いと思います。

人と同じような対応ができるところも多いのですが、対応そのほかの対応の質には大きな違いが霊園によってあります。

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また、犬には死亡届が義務付けされており、死亡後30日以内に狂犬病の鑑札とともに死亡届を各自治体に提出しなければなりません。

一方で猫の場合は届出の義務はなく、特に報告することはありません。

まとめ

人間とは完全に条件が一緒ではないのですが、動物の安楽死もまた非常に見解が分かれるものだと思います。

個人的な経験から言えば、最後を看取るのはやはり自宅で看取りたいと思っていらっしゃる飼い主様は非常に多く、安楽死も自宅で行えないのかというご意見は多いと思います。

このブログを最後まで読んでいただいた飼い主様のほとんどが、非常に深く悩まれているのではないでしょうか?

往診での安楽死は可能ではありますが、大切なのは安楽死に至るまでのプロセスだと思いますので、実際にその決断をする前に、経験のある獣医師として苦しんでいる皆様のご相談に是非とものりたいと思っています。

他人に相談するのは少し気が引けるかもしれませんが、いつでもお気兼ねなくご相談ください。