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2016-10-04

人間と同じようにペットフードでもナチュラル安全志向が定着していますが、残念ながらいくら高価なドッグフードでも、その製造過程では何らかの添加物が使われています。

実際、今の世の中で、食の安全を徹底するのは非常に難しいのですが、できるだけ安全なドッグフードを与えたいと思うのであれば、手間とコストはかかりますが手作り食が一番だと思います。

今回は、そんな手作りのフードについてご説明したいと思います。

ペットフードの利点、欠点

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ドッグフードは加工品である以上、何らかの過程を経由して添加物が含まれています。

日本の社会では、食料や薬品に対しての表示の義務が非常にゆるく、故意ではないにせよ、すべてがしっかりと明記されていることはほぼないと思っていたほうがいいと思います。

動物用の食材ならなおさらであり、その添加物により引き起こされる疾患はかなりあると考えられています。

その代わりペットフードは安価で手間をかけずに与えることができます。

動物用手作り食での栄養の概念

人間は雑食ですが、犬は準肉食、猫は純肉食動物です。

したがって、腸の構造から、要求する栄養素もかなり変わってきます。

エネルギー源を接種するためには、人間は主に炭水化物を分解して生成していきますが、犬猫、特に猫は炭水化物をエネルギー源としては使用せず、すべて蓄積されてしまいます。

炭水化物の含有量は意図的に避けた方がいいとされています。

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実際には犬や猫の主な栄養源はたんぱく質であり、犬は人の4倍、猫は5~6倍のたんぱく質を要求します。

腎臓などに問題がないのであれば、たんぱく質はかなり多めにとるといいと思います。

たんぱく質の他に重要な栄養素と言えば、必須脂肪酸があげられます。

必須脂肪酸はω3とω6と分けられ、その比率は1:4が一番いい比率だと言われています。

ただ残念ながら必須脂肪酸は普段の食生活では過剰に摂取してしまう傾向にあるので、それらの働きを抑えるようなビタミンC、Eやβカロテンを接種するのが理想です。

お勧めの食材

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栄養素の話だけ見ると非常に難しそうですが、基本的にはものすごくシンプルな食生活で構いません。

メインの食材である蛋白源は割合で言えば仔犬は8割、成犬7割、老犬6割、猫はその1割増しにしておきます。

肉類は大抵のものであれば大丈夫ですが、鶏肉は割とアレルギーを持つような犬猫が多く、下痢などするようであれば他の肉に変えた方がいいと思います。

魚であればできるだけ旬のものを使用するのがいいと思いますが、安価で手に入りやすく、栄養価も高いものであれば、サバ缶がお勧めです。

こういった蛋白源にプラスして、仔犬であれば1割の野菜と1割の炭水化物、成犬ならば2割の野菜と1割の炭水化物、シニア期の犬であれば2割の野菜と2割の炭水化物です。

野菜は基本的には旬のものを使用したほうが栄養価が高いため良いとされています。

炭水化物は穀類やサツマイモ、カボチャなどを使用します。

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これらのものは加熱し、細かく切るのがいいのですが、ビタミンは熱に弱いため生野菜を使用したい場合は、よく洗って農薬を洗い流すことをお勧めします。

猫も割合としては同じような形でいいのですが、シニア期に入ると腎不全が発症しやすくなるため、老猫の食事の管理は少し特殊になります。

老猫についてはまた後日お話させてください。

まとめ

手作り食は、手間とコストがかかります。

安全をとるか、利便性をとるかは非常に難しいところだと思いますが、一つの知識として持っておくといいと思います。

実際には犬や猫の状態を獣医師に見てもらってから、食事についてのアドバイスをもらったほうがいいと思いますので、往診などを利用して定期的な健康診断を実施していきましょう。

2016-10-02

動物病院に勤務しいてる時には、多くの飼い主様が飼っている犬の皮膚にしこりが見つかったと、心配になってご相談に来ることもよくあります。

正直な話、よくこんな小さいしこりを見つけるなぁと思うこともよくあります。

飼い主様の注意力というのはどんな名医よりも優れているなとよく思いました。

一口にしこりと言っても、本当のイボのようなものから、腫瘍の可能性も否定できないものまでいろいろありますが、基本的にこれらのものをどうにかするのであれば、切除するしかありません。

今回は、こういった体表にできた小さなしこりの対応法について、ご説明させていただきます。

同じ体表のしこりでも、いわゆる乳腺腫瘍に関しては、こちらを参考にしてください。

【乳腺腫瘍を往診動物病院で受診】手術ができない老齢のメス猫・犬

放っておく

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体表にできたしこりの中には、放っておいても何ら影響がないものものあります。

ご自宅で処置をしなくてもいいものかどうか、簡易的に見分ける方法はしこりをつかんでみるといいと思います。

もししこりが皮膚と一緒に持ち上がったり、簡単に移動できたりする場合や、皮膚の下にあったとしてもそれがころころと移動するようであれば、問題になるようなしこりであることは滅多にありません。

このようなしこりは実害がなければ放置するのも手だと思います。

反対に、しこりが下の筋層とくっついている場合は、あまりいいものではないことがありますので、往診なので定期的に大きさなどをチェックしていく方がいいと思います。

切除する

先に書いたように、簡単に動くようなしこりの場合は、局所麻酔で摘出することも可能です。

もちろん大きさにもよりますが、往診にてご自宅で摘出することも可能です。

簡単に摘出できないケースとしては、顔周りにしこりがある、よく動く猫、心臓などが悪い動物などは、局所麻酔での処置はあまり適応とはなりません。

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局所麻酔ですので動物が動いてしまったり、興奮して心臓などの症状が悪化するケースがあるからです。

以前には、大型犬から30㎝大のしこりを局所麻酔で摘出したこともありますが、動物自体がじっとしていてくれれば、かなりの大きさでも局所麻酔で対応することは可能です。

縛って様子を見る

このやり方は個人的にはあまりお勧めではないのですが、念のため対処法としてはあるので書いておきます。

しこりを上に引っ張って根元を糸でしっかりと縛り、しこりが干からびて壊死してくるのを待つ方法です。

炎症や痛みが起こるケースや、最悪、感染を引き起こすケースもあるので、簡易的な方法ではありますが、十分注意が必要です。

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まとめ

しこり=すぐ悪いものというわけではありませんし、通常の動物病院でなければ対応ができないのかというと、そういうことでもありません。

特に犬の高齢期にはこういったしこりがよくできますので、慌てずに往診などを活用し、検診を行った方がいいと思います。

 

 

 

2016-09-29

犬や猫を飼われてから、初めてと言ってもいい大きなイベント。

それは去勢手術です。

何となくやらないといけないのは解ってはいるのだけれど、大切な我が子を動物病院に入院させるのはなんとなく嫌だ・・・と思っている飼い主様も多くいらっしゃると思います。

ぼくも何回か経験があるのですが、「自宅で手術ができないか?」と何回か尋ねられたことがあります。

結論から言えば可能であるのですが、今回はご自宅で去勢手術を行うをテーマにお話をさせていただければと思います。

去勢手術とは?

去勢手術とはオスの動物に行う手術で、基本的には精巣を摘出します。

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メスの避妊手術に比べると、非常に簡易的に、そして短時間で終わります。

熟練した獣医師であれば、2,3分で手術は終了するでしょう。

また通常の動物病院でも長期的な入院はあまり必要としないため、場合によっては日帰りでも可能だと思います。

ただし、いくら簡単な手術といえども全身麻酔を必要とします。

したがって、通常の手術と同様に麻酔の負担は常に考えなければいけません。

可能な動物は?

先ほども書きましたが、入院期間は本当に短期間で済むので、ご自宅で手術が対象となるような動物は非常に限られていると思ってください。

まずは健康体であること、これは必要最低限です。

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去勢手術は麻酔を使用しますので、動物自身が健康でなかった場合は、麻酔のリスクが格段に跳ね上がります。

場合に酔っては思わぬ事故も引き起こす可能性があるので、事前に健康診断をしっかり受け、検査などにも異常がないことが必須だと思います。

そういった健康な犬や猫でも、家の外に出ると過剰に、病的に緊張、興奮するというのが、ご自宅で去勢手術をする動物の対象となります。

ただし、大型犬の場合は、かなり深い深度の麻酔が必要なことが多いので、基本的にはお勧めできません。

上記のような条件を満たした猫、小型犬であれば、ご自宅での去勢手術が可能だと思います。

リスクは?

獣医師にとって、手術はその手術の手技よりも麻酔の管理に気を使うことがほとんです。

自宅で去勢手術を行った場合のリスクとして、術後の管理がどうしても不十分になるということが挙げられます。

基本的に去勢で使用するような麻酔は、3,4時間もすればほとんどが代謝され、動物は見た目通常の状態を取り戻します。

ただし体の内部の麻酔の影響が完全に取り切れるまで、半日以上はかかりますので、その間の状態の変化は、飼い主様の観察にゆだねるしかありません。

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また、ほぼないと思っていただいて結構ですが、想定外のことが起こった場合、院内でなければ緊急的な対応が不可能となります。

これが自宅で去勢を行った場合の、最大のデメリットとなります。

まとめ

手術はどんな簡単なものでも手術は手術です。

そこにはらんでいるリスクは、どんな場合でも少なからず考えておくべきだと思います。

それでも自分の家族が手術という大変な経験をしているときにずっとそばにいてあげたいという思いは、往診であれば可能であると思います。

あまりないケースですが、往診診療の一つの可能性として考えていただければと思います。

 

 

2016-09-27

猫が高齢になるとなりやすい病気がいくつかあります。

まずは腎不全。

そして便秘、歯周病。

これらの病気は、猫の一般状態も落ちることが多いため、飼い主様も気づきやすく、わりと動物病院に連れいていく機会も多いと思います。

その一方、老猫の病気の代表格である甲状腺機能亢進症は、あまり見た目に病気的な症状が出にくいため、それに気がつく飼い主様は多くはありません。

今回はそんな甲状腺機能亢進症についてご説明いたします。

甲状腺機能亢進症とは?

甲状腺とは首ののどぼとけの近くにある分泌腺で、いくつかのホルモンを分泌します。

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甲状腺ホルモンは全身の代謝をつかさどるホルモンです。

猫は高齢になると甲状腺が過剰に働くようになり、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるようになります。

過剰な甲状腺ホルモンは、過剰な代謝の亢進を引き起こすため、見た目とても元気で活発な老猫になります。

ここがとても問題で、病気だからこそものすごく元気な状態を、健康状態が全く問題がないと認識してしまうため、初期段階で受診されることはありません。

過剰に代謝が促される状態が常時続くようになると、食欲の異常亢進に反比例するような体重の減少、被毛の状態がパサパサになる、内臓面では肝臓や心臓といった臓器に影響が出てきます。

治療法について

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過剰な甲状腺の機能を抑える薬を投薬するのが基本的な治療法になります。

薬自体の副作用はあまりないのですが、代謝が普通の老猫になるので、飼い主様によってはかえって不健康になったと思ってしまう方もいらっしゃいます。

また代謝がいいので体中の循環も非常に良い状態となり、投薬が循環能力が落ちるため、隠れた腎不全が出てくることもあります。

こういった副作用は投薬を中止するとすぐに改善されますので、食欲や活動性を見ながら薬の量は調整していきます。

手術で過剰な甲状腺を切除するという方法もありますが、あまり一般的ではありません。

手術のリスクが高いうえ、甲状腺の機能が過剰に抑えられてしまった場合、甲状腺機能低下症という病気になってしまうからです。

また最近では、甲状腺機能亢進症をある程度コントロールできる処方食もあるため、初期段階で発見できた場合は、投薬ではなく食事療法を積極的に行うケースもあります。

往診動物病院を活用しよう!

先ほど書いた通り、甲状腺機能亢進症は初期段階では気づくことがほとんどないため、シニアになったら定期的に検査をすることをお勧めします。

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検査は血液検査になりますので、往診での検診でも簡単に判明します。

また、実際に甲状腺機能亢進症を患っている猫の大部分は、動物病院に行くのがかなり苦手であり、移動のストレスも非常に強くかかります。

甲状腺機能亢進症は薬を飲んで治すのではなく、病気をコントロールするのが治療法であるため、長期的な検診、定期的な検査が必要です。

そういった意味では、往診で甲状腺機能亢進症を管理するのは、非常に理がかなっていると思います。

まとめ

往診に適している病気や利用法は色々ありますが、こういった老齢性の疾患のほとんどは、通常の動物病院よりも往診で行った方が色々なメリットを享受することができます。

飼われているペットがシニアになった時、往診の動物病院をかかりつけの1つにするのも悪くないと思います。

 

2016-09-25

猫は毛づくろいをよくする動物です。

一説では、毛づくろいする際につく自分の唾液が、被毛の殺菌効果に役立つうえ、トリートメント効果もあるので、シャンプーなどする必要はないと言われています。

本当かどうかは不明ですが、長毛の猫の場合は話が異なります。

毛づくろいをしていても、毛玉ができやすく、飼い主様がまめにブラッシングをしておかないと、すぐ毛玉ができてしまいます。

ただし、長毛種の猫に限って、ブラッシングをひどく嫌がることが多いので、定期的にトリミングショップや動物病院に毛玉を処理するために通うしかありませんが、猫にとっては大きな負担となります。

今回は、こういった猫で、動物病院やトリミングショップに連れて行くことができない猫に、毛玉ができた場合のお話をさせて頂きます。

どういった猫が自宅で行った方が適切なのか

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自宅では大人しい猫に限って、外に出ると手の付けられないような状態になることがよくあり、こういった猫の場合は自宅で毛玉処理を行ったほうがいいと思います。

逆に言えば、自宅ではかなり興奮しやすく、外に出ると固まってなんでもさせてくるような猫は動物病院やトリミングショップにて行った方が結果としていいでしょう。

本当に猫は雰囲気を読むのが難しい生き物ですので、どちらにせよ試してみるしかありません。

また、移動が負担なるような老猫、状態が落ちている猫なども対応になるでしょう。

移動のストレス、慣れない場所での負担は、肉体的な疲労を増長させますので、特に猫のような繊細な動物は考慮に入れていただいた方がいいと思います。

毛玉処理を自宅で行う際の注意点

結論から言えば、数人で行うのがいいと思います。

いくら大人しい猫とはいえ、柳のように体がしなる猫を一人で押さえるのは非常に困難です。

また状態の落ちている猫は、力ずくで押さえるとさらなる状態の悪化が見られます。

ご家族だけで行おうとせず、往診の動物病院を利用するのがお勧めです。

鎮静薬を使用する際の注意点

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自宅では非常に興奮しやすく抑えきることのできない猫でも、どうしても連れて行くことが困難な場合は、鎮静剤を使用するしかないでしょう。

こういった場合は、もちろん往診の獣医師が鎮静薬を使用するべきですが、鎮静薬と言っても麻酔薬に相当するものです。

しっかりとした準備が必要だと思います。

場合によっては手術をするのと変わらないレベルの術前の検査などが必要となりますので、慎重に獣医師と相談していきましょう。

ケアの方法

毛玉を処理した後、2度と毛玉ができないというわけではないので、その後も毛玉のケアが必要です。

ケアとはいっても、そもそもブラッシングができないからこそ毛玉ができるので、定期的に往診などを利用していただき、グルーミングを行うのがいいと思います。

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まとめ

猫は自由気ままな生き物。

人の希望通りには動いてはくれません。

ただ、それを理由に日常のケアを怠ってしまうと、あとあと大変なことになります。

今回は毛玉についてでしたが、毛玉に限らず爪や耳掃除なども、もしご自宅で行いたいというご希望があるであれば、ぜひ往診をご利用していただければと思います。

 

2016-09-22

一般的に終末医療という言葉の中には、色々な治療が含まれています。

特に動物の医療では、終わりを迎えようとしている動物に対し、積極的な治療を行うケースもあれば、自宅でただ看取ってあげるという飼い主様もいらっしゃいいます。

往診を行っているセカンドセレクトでは、ご自宅で色々なご家庭でのご相談を受けることも多くあるのですが、どんな方法でも飼っているペットには無理をしてほしくないというのがほとんどの飼い主様の願いだと思います。

今回はそんな治療法の選択肢の中で、自宅での皮下点滴を行うという選択をした飼い主様への、ちょっとした注意点をご説明しようと思います。

浮腫がないかどうか

心臓病や腎臓病、腫瘍などの疾患でよくあるのですが、四肢の末端などがむくんでいる場合があります。

こういった場合は、循環不全を起こしていることが多く、皮下点滴を行った後に、過剰に循環血液量が増えてしまうため、思わぬ状態の悪化を招くことがあります。

自宅で補液する際に、最も気を付けないといけないポイントです。

呼吸は安定しているか

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皮下点滴により過剰な循環量になると、肺に負担がかかってくることが多くあります。

特に心臓病や、腎臓病では血圧自体が上がっていることが多く、肺への負担をかけやすいやめ注意が必要です。

動物が寝ているときの呼吸の回数をまめに測ることが良いとされ、1分間で30回以上の呼吸の回数であれば、獣医師と相談したほうがいいでしょう。

吸収は十分か

動物の一般状態が落ちていると、皮下点滴を吸収する力も落ちてしまいます。

結果として、背中に入れた皮下点滴の薬剤が、胸のあたりや前足のほうに垂れ下がり、むくんだような状態になります。

皮下点滴を行ったあとにまだ薬剤が、こういった皮下に残っている場合は、追加の点滴を行うのはやめ、吸収しきったら行うようにしてください。

食事を取らせているか

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自宅で行う皮下点滴の場合は、水分を取らせることはできますが、その他の栄養源を補給することはできません。

特に猫のような肉食動物は、経口的にたんぱく質を摂取しておく必要があるため、嘔吐などがなく給餌ができるような状態であれば、積極的に行うようにしてください。

個人的な意見で言えば、経口食のほうが皮下点滴を行うよりも適切に水分などが取れるため、給餌ができる限りはそちらのほうに労力を費やした方がいいと思います。

過度にストレスになっていないか

一番気をつけないといけいないことは、皮下点滴が動物にとって過度なストレスになっていないかどうかです。

自宅での皮下点滴の最大のメリットは、通院の負担やストレスを軽減させることです。

もし動物が過度なストレスを感じているようであれば、皮下点滴による治療は破たんしていると考えたほうが良く、別の方法を取るべきだと思います。

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まとめ

以上の注意点以外にも、皮下点滴をする際の注意点は色々あります。

ただしそれはあくまでも獣医師レベルの話なので、往診などを利用し適切に皮下点滴が行えているかどうか、定期的にチェックをしたほうがいいと思います。

【実際の往診でのこと】飼い主様自身が自宅で行う皮下補液。セカンドセレクトがサポートするとこうなった。

自宅で治療するからこそ、プロの目線をたまに入れておくのが、最終的には動物の負担を軽減することにつながるのではないでしょうか?

 

2016-09-20

癌という言葉はもはや人間だけのものではなく、ペットたちにも当たり前のように使っていくような言葉になりました。

ペットの寿命が延び、高齢になってから患う病気も増えているためだと思います。

一方で人よりも高齢になった際の癌の手術のリスクというのは、体が小さい動物のほうがより大きいものがあります。

ぼく自身も実際に手術したくてもできないような犬、猫たちを今までもよく見てきました。

今回はそんな腫瘍の中でももっとも一般的なものの一つ、乳腺腫瘍についてご説明したいと思います。

乳腺腫瘍とは

乳腺腫瘍とはその名の通り乳腺に発生する腫瘍で、おそらく動物病院に来院される腫瘍の飼い主様の中では1番多いのではないかと思います。

一般的には未避妊の中高齢のメスに多いとされ、猫はほぼ悪性、犬は犬種によってですが50%程度が悪性と言われています。

術前の病理診断の評価が非常に難しく、基本的には摘出できるようであれば、見つけ次第手術してしまったほうがいいのは間違いありません。

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ただし、乳腺腫瘍は手術のリスクが高い部類の腫瘍で、ぼくも何回か意図せず悔しい経験をしたことがあります。

また、通常の乳腺腫瘍は、皮膚にくっついているようなボール状のものですが、たまに直下の筋層に張り付くような扁平上のものもあります。

この形態をしている乳腺腫瘍は、手術をすると術後にろくなことがないので、あまり手術はおすすめではありません。

高齢になってからの手術

上に書いてある通り、乳腺腫瘍の手術は術式自体は簡単なのですが、腫瘍からでる化学物質に影響され、術後に血栓ができるケースが多く、術後に急変を起こすリスクがあります。

また、疼痛管理もしっかりと行わなければならないため、高齢もしくは一般状態が落ちている犬、猫ではあまりお勧めはしません。

一般的には直径3㎝に満たない乳腺腫瘍は、健康状態に影響を与えることはほとんどないことが知られています。

高齢での手術は3cmという大きさを一つの目安にして、手術をするしないを決めていただくのがよいと思います。

手術をしないリスク

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小さい乳腺腫瘍はあまり影響はないのですが、腫瘍の増大するスピードがが速いと、かなり早期の段階で腫瘍がソフトボール大までになります。

大きくなった腫瘍は脆くなり、何らかの物理的な刺激により一部が自壊して、腫瘍からの分泌物で家が汚れる、何とも言えない悪臭などが発生しますが、本人の状況はあまり変わらないことが多いと思います。

つまり、たいていの場合、リスクというのは、動物側よりも人間の生活に影響することが多いと思います。

まとめ

大きくなって自壊したような腫瘍を、飼い主様だけでケアすることはとても大変だと思います。

特に中型犬以上の大きさであれば、消毒ひとつ、包帯ひとつでもかなりの負担になると思います。

多くの飼い主様は、おおよそ1週間から2週間おきに包帯の交換と抗生剤の投与に来院されます。

また飼い主様の中には、こういった状況の動物をたびたび病院に連れて行くことも困難な方もいらっしゃいます。

セカンドセレクトでは往診も行っていますので、できるだけいい状況で可能な限り負担なく動物たちを暮らしをさせるお手伝いをさせて頂ければと思っています。

2016-09-18

飼っているペットがいきなり病気やケガをしてしまうと、だれしも慌ててしまうものです。

思いがけない症状に慌ててセカンドセレクトに電話をかけてくる飼い主様がも多くいらっしゃいます。

ただ、そのほとんどが様子を見て問題ないのないものでした。

今回は、ぼくの経験上よくあったことで、特に慌てなくてもいい症状についてご説明したいと思います。

便に出血が混じっている

実は便に出血が混じることはよくあることです。

特にいつもとほぼ変わらない便に出血がついてる場合は、肛門付近の軽く粘膜が切れているだけなのでそれほど問題はありません。

下痢とともに出てくる出血もあまり問題にはなりません。

ただし、排便時にとてもいきんだり、出血でもタール状のチョコレート色をしている場合は、早め受診したほうがいいと思います。

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便が数日でない

普段と様子が変わらないが便が出ないというだけであれば、自然と排便があるまで待っていても大丈夫です。

食欲がない時、下痢便の後の回復期にも見かけ上の便秘になりますので、心配しなくても大丈夫です。

ただし、排便時にいきんでも全く便が出ず、嘔吐や食欲不振が見られる場合は、病的なものですので、早めに受診するようにしてください。

鮮やかな血を吐いた

鮮やかな血を吐いた場合、嘔吐するときに食道もしくは口の中の粘膜を傷ついてるだけなので、出血自体は問題ないと思います。

ただし、チョコレート色の血を何べんも吐く、もしくは薄い血が鼻からも垂れてくるような場合は緊急の対応が必要です。

鼻がなって苦しそう

大体の場合は逆くしゃみと呼ばれるような生理現象です。

今のところなぜ起こるのか解明されてはいませんが、治療法もなく、治療する必要自体もないと言われている症状です。

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言葉では表現しにくいのですが、動画サイトなどで逆くしゃみと検索していただければ、多分すぐわかる思います。

とにかく様子を見ていてもかまいません。

お菓子の乾燥材を食べた

お菓子に入っているシリカゲルは基本的には体には無害です。

処置も特にいりませんので、ご自宅で様子を見ていただいて構いません。

チョコレートを食べた

量の問題もあるのですが、少量であれば基本的には問題がないので、ほとんどの場合は治療は必要ありません。

特に多くの場合は、チョコレートケーキやビスケットなので、よほどでなければ心配しなくても大丈夫です。

鳥の骨を食べた

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鳥の骨も意外と問題がないことが多く、理由はちゃんと消化するからです。

KFCなどのから揚げチキンは特に消化しやすく、レントゲンに映るような骨も、翌日には映らなくなっています。

手術が必要なこともほとんどありません。

まとめ

もちろん過信はいけないとは思いますが、経験則で言えば、上記のようなものはあまり問題になることはなく、取り越し苦労になることが多いと思います。

2016-09-15

今のこの世の中で、なにかものを探すとなったら、真っ先に使うのはインターネットではないでしょうか?

インターネットは便利で、色々な情報が載っている反面、一方向のみの情報であることが多いので、それが本当なのかどうなのか調べる方法はありません。

往診ができる動物病院を探そうとした時に使うのも、やはりインターネットであると思います。

実際に情報を得ようとした時のとっかかりとしてはインターネットは最適だと思いますが、重要なのはそのあと。

今回はネットなどで見つけた往診の動物病院が、果たして本当にいい病院かどうなのか、確かめるポイントを獣医師の目線でご説明したいと思います。

電話の対応がよいかどうか

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電話の対応はすべてのビジネスにおいて基本中の基本だと思います。

ただ、残念ながら、動物病院では一般的な企業のような電話研修などをするところはあまりなく、結構雑な受け答えをしてしまうスタッフも多くいます。

動物病院にかかってくる電話の問い合わせは、結構電話だけで解決してしまう悩みも多くあり、このような場合の相談も横柄な感じで終わることもあります。

特に往診の病院では電話というのはかなり重要なツールであり、通話中に他の飼い主様からの問い合わせがあることも多いので、電話だけで解決してしまうような相談は早めに切りたいというのが本音です。

お勧めなのは、このような電話相談でも、しっかり時間をとって対応してくれるところがいいと思います。

最初にざっとの料金を聞く前に教えてくれるかどうか

え?と思うかもしれませんが、経験のある獣医師ならば、動物を診察しなくてもかなり正確な病気の診断、治療法を提案することができます。

動物の種類、性別、症状、季節などの情報は獣医医療にとって大きな情報源になるからです。

診断がつけば、おおよその費用もわりと正確に予想することができるので、事前にこれくらいかかるでしょうと告げてくれる病院も多くあります。

往診は、診察料以外に往診料もかかりますから、そのあたりのところを聞かれなくても伝えてくれるところはお勧めだと思います。

白衣や制服が清潔かどうか

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個人的な意見にもなりますが、往診動物病院はそれほど初期投資なく始められる病院です。

したがって白衣やその他もろもろの医療器具以外のところにはあまりお金をかけていない獣医師も多くいます。

そこがすべてではないですが、一つのポイントにあると思います。

時間通りに到着できなさそうなときに、事前に電話があるかどうか

重視医としての経験とかそういう問題ではなく、人としての常識があるかどうかだとは思いますが、意外とこういった常識的なところにかける獣医師が多いと思います。

時間通りに到着するのは勿論ですが、遅れそうなときの前もっての連絡は結構なポイントだと思います。

医療処置の手際がいいかどうか

往診のデメリットとして、自宅の中では犬や猫は結構強気になることが多く、処置そのものに時間をかけられないことも多くあります。

注射、消毒、グルーミングなど短時間で、そして飼い主様から見てもスムーズに流れるように進められるかどうかは、獣医師の力量を見測る重要なポイントです。

往診の獣医師が外科手術の経験が豊富かどうか

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往診ではもちろん手術は行いませんが、経験があるのかないのかで、診察にかなりの差が出てきます。

ぼくが思うに、外科手術の経験が豊富な内科医が最強の獣医師だと思うので、外科の経験は非常に重要なところだと思います。

まとめ

これだけ書きましたが、最終的には獣医師との相性だと思います。

今日読んでいただいたことは一つのポイントだと思って、あとは診察を受けた際のフィーリングで決めるのが一番でしょう。

2016-09-13

よく聞く話ですが、ペットの高齢化も急激に進んでいます。

犬や猫も高齢になると、人間と同様な病気をするようになります。

ただ、病気の名前は一緒、原因も一緒、治療法も一緒、だけど実際にやることは人間とは異なるということは、動物の医療ではよくあります。

今回はそういった病気の一つ、白内障についてご説明をしたいと思います。

白内障とは?

だいたいの方が知っていらっしゃるとは思いますが、一般的には目が白くなる病気として知られています。

目のレンズが白く濁っていくため、だんだんと視力が低下していきます。

加齢とともに起こるケースが多いのですが、白内障を引き起こす素因というのもいくつか存在します。

そういった原因を持っているような犬、猫では若齢からでも白内障を発症することも多く、進行も一般的には早いとされています。

治療法とは手術?

人間と同様、白内障の治療として、手術が選択肢の一つとしてあげられます。

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ただし、実際の臨床現場で手術までご希望される飼い主様はあまり多くありません。

一つの理由は、もともとの犬、猫の寿命が人間に比べると圧倒的に短いことが挙げられます。

特に高齢になってから白内障により視力が低下して板としても、手術が可能な年齢でないことも多くあります。

また、人間に比べるともともとの視力がかなり弱いため、白内障だけ改善したとしても、視力の回復という点だけ見れば、あまり犬、猫の生活の質を上げることができないと考えられているからです。

もちろん、視力だけが問題となるわけではなく、白内障から引き起こされる別の目の病気もあるため、そういった病気の予防のためには、手術は有効だと思います。

手術をしない場合のご自宅での対応法

白内障を患った犬、猫と一緒に暮らす時に、一番気をつけないといけないことが、視力の低下によるけがを防ぐことです。

当たり前のように聞こえますが、これが結構難しく、白内障を患ったからといって、その他の体は問題がないことが多いので、それなりに部屋の中を自由に動き回ります。

特に完全に視力を失った犬や猫よりも、視力がまだうっすら残っている仔たちのほうが、けがをすることがよくあります。

昼間や明るいところでは残っている視力が、夕方薄暗くなったり、電気の明かりが届きにくい場所では一気に視力が消えてしまうからだと言われています。

いきなりの明暗の落差に勘が働かず、階段から落ちたり、戸棚などから踏み外したりする落下の事故がよくあります。

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こういった動物たちのために、家具の配置はできるだけ変えない、段差のあるところにはバリケードなどを設置する、夕方以降はできるだけ光源を確保するなどが必要だと思います。

ちなみに白内障用の目薬などもありますが、効果としては?な印象です。

まとめ

通常な動物病院と違い、往診の大きなメリットとしては、こういったご自宅での環境のアドバイスもできるということです。

また、視力の低下した動物は、慣れない環境に対し強いストレスを感じるため、ご自宅で治療を行えるのは、動物の負担を軽減することができます。

こういった様々なメリットがあるため、白内障のケアに往診を利用してみることは検討してみてはどうでしょうか?

2016-09-11

若いうちは門外がなくても、高齢になるとなってしまう病気というものは、人間でも犬でも色々あります。

今回ご説明しようとする「会陰ヘルニア」もその一つです。

猫では滅多にならないのですが、オス犬ではよくなる病気で、未去勢の中高齢犬ではよく発症します。

手術が根治治療にはなるのですが、高齢がゆえに手術できない犬も多く、そういった場合には色々なケアが必要となってきます。

今回は手術が出来ない犬がもし会陰ヘルニアを患った時に、ご自宅でできるケアについていくつかご説明したいと思います。

会陰ヘルニアとは?

会陰ヘルニアとは、太ももの外側から肛門の間(会陰部)の筋肉が、年齢などの影響により衰え委縮することで、筋肉と筋肉の隙間が広がり、そこに主に腹腔内の臓器が嵌入する病気です。

去勢をしていないオス犬に多く起こることから、雄性ホルモンによって引き起こされると考えられています。

逸脱してきた臓器によって症状はことなり、筋肉の隙間に直腸が逸脱してしまった場合、排便障害が起こります。

イキミがひどく、食欲不振、嘔吐などが起こることもあります。

また、隙間が広く広がると、膀胱なども逸脱することもあり、排尿障害からくる腎不全を引き起こすこともあり、症例によっては緊急の対応が必要な場合もあります。

詳しくは下記の記事を参考にしてください。

【会陰ヘルニア】未去勢のオス犬に多い病気。便が細い、出にくい!!治療には手術が必要?

温存療法・ケアの方法

先ほど書いた通り、根治的な治療法はその隙間を埋めるための外科的な手術しかありません。

ただ、筋肉が衰えていくような年齢で起こることが多いので、一般状態もあまりよくなく、手術が可能ではないこともよくあります。

高齢、もしくは健康状態が芳しくなく、手術を回避した犬の場合は日常的な介護に近いケアによって維持する必要があります。

直腸が逸脱している場合は、便を柔らかくするような下剤などを服用し、逸脱した腸の部分に便がたまらないようにします。

最近では、下剤だけではなく、便が粘膜に富む膜に包まれるように排泄させるサプリメントもあるので、そういったものを使用している方も多くいらっしゃいます。

便通がよくなったという飼い主様もいらっしゃるので、一度試してみてもいいと思います。

また、排便の際、便だまりが肛門の脇が膨隆してくるので、それを肛門側に指で押してあげると排便しやすくなります。

ヘルニアの部分に膀胱が逸脱しまった場合は、自覚症状がない場合は特別な処置は必要ありません。

尿がたらたらと少量しか出なくなった場合や万が一尿道閉塞を起こした場合は、尿道カテーテルを設置しておく必要があります。

カテーテルを陰茎を包む包皮もしくは陰部に縫い付けるのですが、犬が噛み千切らないようにエリザベスカラーなどを装着する必要があります。

カテーテルから、定期的に1日2回から3回ほどシリンジなどで尿を吸引します。

しっかりとしたケアをしていたとしても、古い尿を排泄しきれないこともあり、膀胱炎を引き起こすため、抗生剤などが必要なこともあります。

また、カテーテルは定期的に交換をしていないと感染を起こす可能性があるため、2~3週間に一度は交換することをお勧めしています。

まとめ

会陰ヘルニアのケアは、ほぼ介護のようなものであり、その飼い主様がご負担する苦労は相当なものだと思います。

セカンドセレクトでは様々な理由で手術を回避した犬のご相談も数多く受けいています。

手術をした方がいいということはわかってはいるけれど、年齢などの問題でなかなか踏み込めないという飼い主様がいらっしゃいましたら、いつでもお気兼ねなくご相談ください。

2016-09-08

獣医師としてどんな病気も必ず治してあげたい気持ちはあるのですが、現実はそんなに甘くはないことを常々痛感させられています。

獣医医療はもともと寿命が短い動物たちを相手にしていますので、その終わりに直面することは多々あります。

終末医療へのアプローチは、飼い主様の主観的な感覚、担当した獣医師のポリシーに大きく依存するので、決まった形はありません。

今回は往診医として、どんな形で弱ってしまった動物たちと接していくのかご説明したいと思います。

ターミナルケアとは?

ターミナルケアは、一般的には不治の病に陥った患者の苦痛やストレスを取り払い、病気を患いながらでも、できる限りの喜びを感じられるようにサポートしていく治療になります。

こと、動物の医療では、回復の見込みのない状態に陥ったときには、人のそれよりもターミナルケアを選択するタイミングはかなり早いと思います。

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選択される内容としては、鎮痛剤や抗痙攣薬、抗炎症剤などを使用し、病気の原因を治していくというよりは、見かけ上の症状を緩和してあげることに努めます。

ものを食べることができなくなったり、水さえも飲めなくなった場合は、定期的に補液注射などを行います。

飼い主様によっては、鼻カテーテルや胃ろうを通して栄養を供給させる方もいらっしゃいます。

実際のところ、何をもってしてターミナルケアというかは、飼い主様の判断になることがほとんどです。

どのような状況になったら必要か?

犬の場合多いのが、高齢になって腫瘍などを患い、歩けなくなったような状況で治療を開始することがほとんどです。

猫の場合でも、商用などの理由も多いのですが、やはり高齢になってからの腎不全のケアが一番多いのではないかと思います。

【シニア(老)猫】慢性腎不全の治療こそ往診が一番な4つの理由

また、犬と違い、母子感染で起こるような、エイズ、白血病に由来する状態の悪化や、猫伝染性腹膜炎のような重大な感染症を突然発症することもあり、このような場合は比較的若いうちからターミナルケアを開始することもあります。

いずれにしても、治療するリスクとベネフィットを比べ、動物にとってあまりにも有益でない治療の選択しかない場合に、ターミナルケアを希望される方がほとんどです。

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通常の動物病院VS往診の動物病院

こういったターミナルケアをご希望される飼い主様のほとんどの方は、入院をご希望されることは滅多にありません。

人間と違い、最後は家で看取ってあげたいというのが、ほとんどの飼い主様の思ってらっしゃることなのだろうと思います。

そういった意味では、往診でターミナルケアを実施するメリットは非常に大きく、また動物にとっても飼い主様にとっても、移動がない分、負担が非常に軽減されます。

動物病院に弱った動物を連れて行くと、余計に弱ってしまい、連れて行きたくないとおっしゃる飼い主様もいらっしゃいますので、往診を選択される飼い主様も非常に多くいらるのが実情です。

まとめ

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負担ない治療というのが、往診での治療の根本にあります。

考えたくはないでしょうけれど、どんな動物もいつかは終わりはやってきます。

そういった終末をどう幸せに過ごさせてあげられるか、往診医としてできる限りのお手伝いをさせて頂きたいと思っています。

2016-09-06

ペットを飼っていらっしゃる飼い主様であれば、ほとんどの方が知っていらっしゃるとは思いますが、犬や猫には肛門嚢というものが肛門のわきにあります。

そこに肛門腺と呼ばれる分泌腺がたまるため、定期的に肛門腺を絞るのが、定期的に行うお手入れとしてよく知られています。

ところが、この肛門嚢はたまに炎症を起こし、化膿するケースがあります。

年齢、性別問わず犬、猫で発生するのですが、経験則でお話しするのであれば、アレルギー性の皮膚炎を持っている犬や、高齢の猫に多く発生すると思います。

今回は、肛門嚢炎を皆様にご説明したいと思います。

肛門嚢とは?

肛門嚢とは正確には肛門傍洞と言います。

肛門嚢の内側には分泌腺があり、独特の匂いのする分泌物をため込み、排便などの際や興奮した時などに分泌れます。

肛門嚢が特に発達したのがスカンクで、外敵から身を守るためにスプレーのようにまき散らしますが、飼ってらっしゃる犬や猫たちにとっては無用の長物です。

肛門嚢炎とは?

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肛門嚢炎はその名の通り、肛門嚢に起こる炎症です。

ひどい場合には化膿を伴い、肛門のわきの皮膚に孔があいて、大量の膿が出てくることもあります。

原因はいろいろなことが言われてはいますが、実際にはわかっていません。

人でも似たような症状が起こることがあり、「痔ろう」と呼ばれています。

人の場合は、大腸の免疫疾患に絡んだ病気として取り扱われており、一種の膠原病としてとらえられることもあります。

個人的な意見で言えば、肛門嚢炎は再発を繰り返し、またアレルギー犬種に多いので、犬の肛門嚢炎も免疫が絡んだ疾患だと思っています。

治療法

先に結論を言うのであれば、外科的に肛門嚢を切除するのが再発を防ぐ意味では一番効果的な方法です。

先ほども言った通り、肛門嚢自体は不要な器官なので摘出しても不具合はありません。

ただし、この病気を患っている多くの場合、老齢の場合が多いので、全身麻酔を必要とする外科手術は常に可能というわけにはいきません。

そういった場合、手術以外の方法を取るのであれば、往診で見てもらうのも手かもしれません。

肛門嚢を洗浄しながらステロイド系の内服を飲ませながら経過を診ていくのが常套手段です。

最近では、外用薬で非常に効能が高いものが発売されるようになり、肛門嚢に注入すると、かなり長い間再発を防ぐことが可能になりました。

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こういった処置を定期的にすることで、根治は難しいかもしれませんが、自覚症状がないように維持することは可能だと思います。

予防法

確実な予防方法はないのですが、肛門腺を定期的に絞るのは昔から言われている予防法の一つです。

また肛門周囲を清潔にするのも予防法にはなると思います。

実際のところ、このような処置が飼い主様が定期的にできるかと言えば、特に肛門腺絞りはやることができないことが多く、動物病院やトリミングで行う方がほとんどです。

まとめ

肛門嚢炎は一度患うと長引くことも多く、またその予防も動物病院などに連れて行って処置を行う形になります。

移動のストレスなどが多くかかるような仔には、往診がお勧めかもしれませんね。

 

2016-09-04

医療は絶対でないとよく言われますが、確かに間違いではないと思います。

しっかりと治ると思った犬や猫が、突然状態を崩すなんてことはあまり多くはないのですが、思った通りに治療がいかなかったことは今までにも何回も経験したことがあります。

飼っていらっしゃるペットの治療がうまくいなかない時、ふと頭をよぎるのがセカンドオピニオンという言葉。

今回は往診の獣医師にセカンドオピニオンを求める時のお話をしたいと思います。

セカンドオピニオンとは?

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今までのぼく自身の経験では、本当の意味のセカンドオピニオンを求めらたことはあまりありません。

もちろん「前の病院で診てもらっていたがよくならないので来ました。」という飼い主様のご相談はよく受けますが、ぼくが思うにこういったものは本当の意味のセカンドオピニオンではないのだと思います。

本当の意味でのセカンドオピニオンとは、前の病院の先生と、異なった視野から物事が考えられる2件目の先生が協力しあって、難しい状態の患者を診ることです。

とくに往診というスタイルをとる診察方法は、獣医師の目線からご自宅の環境、ペットの様子などを見ることができるので、通常の動物病院の獣医師では得ることのできない情報を手に入れることができます。

こういった情報を、今まで診察していた先生と密に連絡を取り合い、協力してペットの治療にあたるのが、往診医としてのセカンドオピニオンの役目だと思います。

用意しておくもの

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今までの血液検査やレントゲンなどのデータがあると非常に参考になります。

特に時系列に整理されていると、その理解はぐっと高まることができます。

先ほどもお話した通り、今までの動物病院と連絡を取り合う形になると思うので、病院の名前、電話番号などもわかると大変助かります。

治療の履歴などは、飼い主様から聞くよりも、もちろん医療の専門家である獣医師から直接聞いた方がいいと思うので、治療の履歴はざっとな感じでいいと思います。

受診後の注意点

往診での治療は、ほぼ通常の動物病院と同レベルの治療を行うことが可能ですが、レントゲンやエコー検査などの画像診断は行うことが難しいため、通常の動物病院の検査機器で行うことになります。

したがって往診で行った検査なども、その後も診療するであろう動物病院に提供することになりますので、必ずしも往診ですべてが治療が成り立つというわけではありません。

ペット自身の状態やストレスなどを勘案に入れて、自宅で往診にて治療するのがいいのかどうか、よくご相談しながら治療を進めていく形になると思います。

まとめ

This job isn't always easy

「後医は名医」という言葉があります。

2人目のお医者さんは、1人目のお医者さんの失敗を含めてすでに多くの情報を得ていますので、誰でも簡単に名医になるということです。

ただ、患者にとって、ぼく達の場合はペットですが、いくら名医でも、ちゃんと病気がなおならなければ意味がありません。

一番治る確率が高い方法を取るのであれば、やはり色々な獣医師が協力して治療にあたるのが一番いいのでは?と常々思っています。

「三人寄れば文殊の知恵」という言葉もありますが、自分のプライド、しがらみなど捨てて、できる限り動物たちのために尽くしてあげたいと思っています。

 

2016-09-01

飼っているペットを動物病院に連れいてこうと思っても・・・物理的に難しい時って結構あると思います。

動物病院で勤めているときにも、「動物病院に連れて行けないんです」という問い合わせを多くいただきました。

連れて行けない理由はいろいろあるのですが、そのなかでも飼っていらっしゃる犬が歩けなくなって、飼い主様だけでは連れて行くのが不可能だという方が多くいらっしゃいました。

特に大型犬の飼い主様にとっては切実な悩みだと思います。

今回はそんな動物病院に連れて行きたくてもいけない大型犬の飼い主様が、どのようなことを往診で依頼されているのかご紹介したいと思います。

定期的な健康診断

犬が年をとればとるほど、日ごろからの健康診断は必要になってきます。

もちろん、ご自宅でも飼い主様ご自身でできるチェックもあります。

大型犬であれば少し難しいかもしれませんが、体重などはこまめに測れるといいと思います。

何かしらの疾患があった場合は食欲が落ちていなくても、体重が落ちているケースもあります。

また飲水量も隠れた病気を見つける上では、大きな指標になります。

大型犬でも1日で3~4L以上飲むようであれば注意が必要です。

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こういった日ごろのチェックに加え、1カ月に一度程度、獣医師による触診、視診、聴診でもかなりの状態は把握できますし、血液検査なども3カ月~1年に1回程度行えれば、非常に良いと思います。

往診をご利用いただければ、高齢の大型犬を移動する苦労もないため、利用価値は非常に高いと思います。

褥瘡の管理

体重の重い犬が、寝たきりになった場合、一番厄介なのが床ずれ、褥瘡の管理になります。

小型犬であればそれほど問題にならないのですが、大型犬は体位を変えるだけでも一苦労ですし、衛生的に保つのも大変な労力が必要です。

一人では解決できないような問題でも、獣医師がご自宅まで伺い、犬を衛生的な状態にするために、シャンプーや消毒、場合によってはレーザー治療器などを用いた温庵療法を行うことも可能です。

こういった治療を、飼い主様によっては週2回程ご依頼されるかたもいらっしゃいます。

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補液などの治療

いよいよ食欲などがなくなった場合、定期的な皮下補液などを行うこともよくあります。

皮下補液とは直接血管へ点滴を施すのではなく、皮下注射により水分やビタミン剤、強肝剤などを投与する治療です。

主に口から食事や水が取れない動物にはよく実施する方法なのですが、治療というよりはケアに近いものであり、カロリーが十分とれるわけではないので、定期的に行ったとしていても徐々に衰えては行きます。

飼い主様によっては、延命治療のような印象を持つため、あまり好まない方も実際にはいらっしゃいます。

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ただ、個人的な意見としては、皮下補液を実施した後は、幾分犬本人も楽そうな表情になり、多少動きもよくなるので、特に脱水を起こしているような老犬には非常に適した治療だと思います。

こちらも往診をご希望される理由として、よくあるものです。

鍼治療、マッサージなどのリハビリ

足腰の立たなくなった大型犬をご家族だけでリハビリを行うのはかなり困難だと思います。

リハビリ専門の病院もありますが、やはり通院が基本ですので、リハビリが必要な大型犬をそもそも連れて行くのは非常に苦労されると思います。

リハビリ自体は、道具があればご自宅でも本格的に行うことができますので、往診で飼い主様とリハビリをしっかり行うこともあります。

鍼なども定期的に行うのは、筋量を維持するのに非常に適していますので、週1回程度の頻度で続けていただくのが理想だと思います。

まとめ

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大型犬が介護となった場合、その苦労は人のそれとあまり変わらないのだと思います。

そんな苦労を、往診医として飼い主様の負担を少しでも減らしてあげることできればと常々思っています。