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2020-11-12

体は様々な細胞で構成されていますが、どの細胞も腫瘍に変化する可能性を持っています。

年齢を重ねればその確率は増えていくので、中高齢以降に腫瘍の発生率が高くなるのは自然の道理かもしれません。

腫瘍は発生する場所によって見つけやすいものもあれば、見つけにくいものもあり、特に体の表面にできる腫瘍は飼い主様が異変に気付くこともよくあります。

今回はそんなある意味気づきやすい腫瘍の一つ、甲状腺の腫瘍についてご説明したいと思います。

甲状腺腫瘍はどんな腫瘍?

甲状腺は首にある内分泌器官で、主に甲状腺ホルモンを合成、分泌しています。

正常な甲状腺はほとんど触知することはできなく、硬い気管支の突起のみ触ることができます。

甲状腺が腫瘍化するとほとんどの場合は片側性に腫大するため、左右どちら側が気管支よりもやや柔らかめのしこりが喉の中央やや上寄りで触れるようになります。

ちなみにあまり正確な話ではないのですが、悪性の甲状腺腫瘍の場合、しこりは気管支にへばりつくように固着していることが多く、反対にしこりがぐりぐり動くような場合にはあまり悪性度が高くない、もしくは良性の腫瘍のケースが多いと思います。

触ると明らかなしこりが感じ取れるので、ほとんど場合は飼い主様がそれに気づき来院されることがほとんどだと思います。

甲状腺腫瘍は悪性の場合、非常に強い増殖性と転移性を持っているため、動物病院に来院した際にはすでに甲状腺周囲の組織に腫瘍の組織が入り込んだり、肺や肝臓などに転移をしていることが多いと思います。

ただこういったケースでも犬の場合はほとんど自覚症状がなく、元気や食欲にも影響が出ていないことがほとんどです。

逆に猫の場合は、甲状腺腫瘍による甲状腺機能が過剰に活発化するため、甲状腺機能亢進症様の症状を起こしていることがほとんどです。

【甲状腺機能亢進症】老猫に多い病気。食べてもやせる。嘔吐も多い。治療法は?

治療法と予後について

リンパ腫や白血病などの血液の癌以外の腫瘍の治療法の第一選択は外科手術による切除であり、それは甲状腺腫瘍も同様です。

ただ甲状腺腫瘍の場合は、周りの組織への浸潤性も非常に強いため、多くの場合で完全に摘出が難しいもしくは術後の後遺症が強く出ます。

これは経験則にはなりますが、甲状腺の腫瘍が片側性でかつぐりぐりと容易に動く場合は完全切除しやすいことが多いので、積極的に外科的な介入を検討した方がいいと言われています。

この場合、予後は極めて良く、また術後の影響もあまり残らないことが多いと思います。

問題は周りの組織と固着してあまり動かない場合です。

このケースの場合、頚部にある神経や大きな血管などを大きく巻き込んでいるケースも多いため、外科的な摘出はかなり困難になります。

また転移をしている場合も同様で、手術をしたとしても術後の予後は極めて悪いケースも多く、手術を行ったことのメリットを享受できないことも多いと思います。

セカンドセレクトではそのような場合、分子標的薬であるトセラニブという薬を使用して経過を観察することもお勧めしています。

甲状腺腫瘍のような固定癌は、元来、抗がん剤などの化学療法にはあまり反応がないことが多いのですが、こういった分子標的薬は効能外処方にはなるのですが、効果があるという文献も多く、割と多く動物病院でも使用している薬です。

食欲不振などの副作用が出やすいのですが、手術が困難、もしくは手術を回避すべき状況であれば使用を積極的に考えてもいいと思います。

まとめ

ペットも寿命もどんどん長くなってきているので、人間同様、高齢が故になりやすい病気も多くなってきています。

腫瘍はそういった病気の中の一つのものだと思いますが、セカンドセレクトでは多くの腫瘍の治療を行っていますので、なにかお困りの際にはお気兼ねなくご相談ください。

2020-11-02

犬や猫の病気の中で、最も頻繁に起こる症状の一つとして下痢があげられると思います。

もちろん下痢の原因には様々なものがありますが、その理由の中でも代表的なものは寄生虫の感染です。

動物愛護法が改正され、また都市近郊部では地域猫の清浄化が進んでいるため、回虫や条虫といったいわゆる寄生虫というものはかなり少なくなってきたと思いますが、その一方で原虫と呼ばれるタイプの寄生虫に関しては時折発見されることがあります。

今回はそんな原虫の中でも最も一般的な「ジアルジア」についてご説明したいと思います。

ジアルジアとはどんな寄生虫?

あまり聞きなじみはないかもしれませんが、動物病院では日常的によく見られる寄生虫です。

ジアルジアは原虫と呼ばれる単細胞の寄生虫で、どちらかと言えばゾウリムシやアメーバーに近い存在のため、肉眼的にみるこできとはできないので、その点では同じ消化管の寄生虫である回虫や条虫などとは大きく異なると思います。

日本でよく見られる消化管内の寄生虫はそのほとんどが病原性に乏しく、ジアルジアも含めて感染をしていてもあまり症状が出ないもしくは軽度の下痢便程度で収まってしまうことが多いと思います。

ただ、感染した犬や猫の免疫力によって、回復までの期間はその個体によってかなり異ります。

この点がジアルジアの治療を困難にしている一つの原因になっています。

検査方法と治療について

基本的には検便によってジアルジアを検出しますが、検査で見つからないケースも多くあります。

ジアルジアは形態的に2種類に分かれており、通常発見できるのは栄養体と呼ばれる形態です。

栄養体は他の細菌よりも大きく、顕微鏡の視野の中をくるくる移動して回るので、実際に見ればとても目立つのですが、新鮮な便の中にしか生息していないため、検査までの時間がかかった場合は発見が非常に難しくなります。

そのため教科書的には硫酸亜鉛遠心浮遊法といった特殊な工程を行い、もう一つの形態であるシスト型と呼ばれる形態を見つけることを推奨しています。

ですが、一般的な動物病院では工程がやや煩雑なためほとんどやられていません。

またジアルジアの抗原検査を行うこともありますが、いずれも感度は低く、結局のところどの方法でもジアルジアを完璧に見つけることはできません。

したがって感染の疑いがあるようであれば、ジアルジアが見つからなくても治療を開始することが多いと思います。

ただその治療も効果的に働かないこともよくあります。

理由としてはジアルジアを駆虫する薬を使用しても、虫体の個数を減らすことはできても完全に死滅させることができないからです。

最終的には感染した犬や猫自身の免疫によって完全に排菌されるまで待つしかないため、治療には長い時間がかかることも多くあります。

特に仔犬や仔猫の場合には腸内の環境が成熟していないため、長期間にわたり感染が見られることもあります。

セカンドセレクトではそういった長期感染を起こしているような個体には腸内の免疫力を高めるため、食事内容の改善のほか、ビタミンEやAといった栄養を補充したり、サプリメントを使用したりします。

難治性の症例でも、併発疾患がなければ重篤化することはほぼないため、あせらずゆっくり治療することが大切だと思います。

まとめ

ジアルジアは以前は下痢をしている仔犬や仔猫からは頻繁に発見されていたのですが、動物愛護法のおかげか、確かにその機会は大幅に減ってきたと思います。

ただまだたまに見かけることも事実なので、特に仔犬や仔猫で下痢が中々治らないときにはお気兼ねなくご相談いただければと思います。

2020-10-21

おなかが減って低血糖になってイライラするという話を聞いたことがあるかもしれませんが、元来血糖値はちょっと食べなかったぐらいで急激に下がることはありません。

実際、体の中で低血糖にならないようなシステムはいくつもあり、病的な要因がない場合には数日食べてなくても血糖値は下がらないようになっています。

血糖値を急速に下げることができる唯一の体のシステムはインスリンによる血糖値のコントロールのみになります。

インスリンが過剰に分泌された場合、急激な血糖値の低下が起こるため、様々な症状が出てきます。

今回はこの過剰なインスリン分泌が起こる病気、インスリノーマについてご説明したいと思います。

インスリンの働きは?

ご存じの方も多いかもしれませんが、インスリンは血糖値をコントロールする重要なホルモンで、膵臓から分泌されます。

インスリンは血中にある糖を細胞内に取り込ませ、血糖値を下げる役目をしているほか、肝臓で糖を貯蔵させるように働き、脂肪組織の分解を抑制し、糖から脂肪を合成するなどの役目があります。

ちなみにいまはやりの糖質制限ダイエットはこういったインスリンの分泌を抑制することで体重をコントロールするダイエット法です。

インスリノーマの症状

インスリノーマの原因は膵臓にあるインスリンを分泌する細胞が腫瘍化した悪性の腫瘍であり、腫瘍から分泌される過剰なインスリンによって様々な症状が発現します。

インスリノーマは初期段階ではほとんど気が付かないことが多いと思います。

実際に動物病院に来院される場合にはかなり症状が進んだ時に連れてこられることがほとんどです。

理由としては動物は低血糖に対してはかなり耐性が強いため、血糖値がかなり低下していても症状がほとんど出ないことが多いからです。

持続的な低血糖が起こってくると、ちょっと元気がなくなったり、ボーとしてる感じが増えてきたりします。

またインスリンの脂肪合成作用により、初期段階では体重が異常に増加している場合も見られます。

症状が進むにつれ足腰のもつれが目立つようになったり、完全に意識が混濁しているような時間が長くなったりしていきます。

ただ症状が進んでいたとしても外見上の変化はあまりなく、まれに顔面神経などの麻痺が見られることもありますが、ほとんどの場合はただただ元気がないといった感じが多いと思います。

いよいよ病状がかなり進んだ場合には強い痙攣をおこすこともあり、痙攣と昏睡を繰り返しながら突然死を起こすこともあります。

また病状の終末期には肺や周辺のリンパ節に転移をすることも多く、動物の状態をさらに押し下げることになります。

検査や治療法

インスリノーマは低血糖であることを確認することから始まります。

低血糖になる病気はそれほど多くはないのですが、そのほかの病気の原因を排除し診断を進めていきます。

実際にはエコー検査やレントゲンなどで膵臓の腫瘍の存在を確認できれば診断はつきやすいのですが、膵臓自体は画像上の変化を見つけることが難しく、CT検査などの画像診断を必要とします。

CT検査には全身麻酔が必要なことも多く、特にフェレットの場合には画像上の診断は非常に困難なため、一般的には血液検査から推測していきます。

そのため、低血糖及び、インスリンの血中濃度を確認することで診断していくのですが、時間帯によっても数値のばらつきが多かったり、個体差もあるため完全に判断することが難しいこともあります。

インスリノーマと判断された場合、よほどの高齢であったり、転移がなければ癌に侵されている膵臓部分の切除をすることが望ましいとされています。

手術により完全に低血糖の状態が消失する場合もあれば、症状の緩和につながるケースもあるため、治療法の一つとして積極的な視野に入れていてもいいとは思いますが、その反面、膵炎や糖尿病などの術後の合併症も起こりやすく、手術の内容としてはリスクの高いものとなります。

また術前より低血糖状態を改善しておかなければならないため、集中管理が必要なケースも多く、セカンドセレクトを含めた一般的な動物病院では手術を安全に執り行うことは困難だと思います。

そのため、飼い主様によっては手術自体を望まない方もいらっしゃいます。

手術後や、手術ができない状態の場合、もしくは手術自体を希望しない場合は内科的な治療を行う形になります。

急激な血糖値の上昇により過剰なインスリンが分泌されることを防ぐため、食事は少量頻回で行うことが望ましいと思います。

特に血糖値が上がりやすい炭水化物と脂肪は極力抑えた方がいいので、鶏肉のささ身や胸肉などの高たんぱく低脂肪、低炭水化物の食事がお勧めです。

食事管理だけでは低血糖による症状が改善しない場合はステロイドを継続して服用します。

本来、ステロイドは抗炎症作用のある薬として使用するのですが、副次的に血糖値を挙げる作用もあるので、低血糖時には有用です。

ただ長期的な使用による大きな副作用も出てくるため、多くの飼い主様を悩ますようなこともあります。

その他の薬も多くあるのですが、効能や費用などの面からあまり実際には行われないことが多いと思います。

まとめ

インスリノーマを患った動物の予後は一般的にはあまりよくないことが多いため、最終的に安楽死を検討する飼い主様もいらっしゃいます。

セカンドセレクトでは病気になった動物だけでなく、飼い主様の精神的なケアが行えるようカウンセリングも行っております。

何かお困りごとがありましたらいつでもご相談ください。

2020-10-09

人間に比べると犬や猫の目の病気は比較的多く、特に目の表面の角膜に見られる病気は動物病院でも日常的に診られます。

一説には角膜の表面に出ている神経が、犬や猫は人間と比較してかなり少ないからとも言われています。

そう思うと、犬や猫は目の中に大きな糸くずなどが入っていても全く気にしないのは不思議ではないかもしれません。

角膜の病気の中には慢性的な疾患も多く、多くの場合飼い主様も日常的なケアが必要な病気がほとんどです。

今回はそんな角膜に起こる病気の中の代表的な病気、乾性角結膜炎をご説明したいと思います。

乾性角結膜炎とは?

乾性角結膜炎はいわゆるドライアイと呼ばれる症状で、何らかの理由で涙の分泌量が減少し起こる疾患です。

通常、涙は液性の涙と油性の涙が混合しています。

正常な涙層では眼の表面である角膜の上に油性の涙が土台を作り、その上に液性の涙が保持されることで形成され、角膜を保護する役目をしています。

乾性角結膜炎は涙の成分のうち液性の涙が分泌されなくなることで起こります。

ちなみに油性の涙が出なくなると出る病気としては涙やけがあげられます。

【涙やけ】犬や猫の目頭がガビガビに変色。目薬をつけても治らない?原因やケアなど。

液性の涙は瞬膜と呼ばれる眼の内側にある膜や眼瞼周囲にある分泌腺から分泌されるのですが、涙液生成機能の低下はこれらの分泌腺が局所的な免疫異常を起こすためと考えられていますが、今のところ分かっていません。

乾性角結膜炎になった動物の目の表面は常時乾いたような感じになるため、角膜全体が濁ったような外観になります。

涙液の中には抗菌、抗炎症作用を有するたんぱく質が含まれているのですが、これも分泌されなくなるため、常に角膜の表面は刺激、感染を起こし、結膜炎が継続的に診られるようになります。

また油性の涙が目の表面にへばりつくため、ドロッとした目やにが目の表面に付着し、また感染を起こすと色のついたガビガビとした目やにが目の周囲に固着するようになります。

ケアの方法は?

乾性角結膜炎は基本的には根治しない病気のため、目の異常に気付いたら早めの段階からケアをしていくことが大切だと思います。

初期段階では見た目からは乾性角結膜炎はわかりにくいことも多く、シルマー試験と言われる涙量を計測するための試験紙で確認します。

涙量が低下していることが判明した場合、ヒアルロン酸などが含まれている点眼液や眼軟膏を使用していきますが、症状が進んでいる場合は細菌の2次感染を起こしていることも多く、抗生剤を使用していきます。

割と多くの場合、乾性角結膜炎は免疫異常からくるため、免疫抑制剤を含んだ眼軟膏などを使用します。

こういった治療により反応が良好な症例でも、点眼を中断すると再発するケースも多いため、結局のところは飼い主様の毎日のケアによって維持をしていくことになります。

まとめ

どんな病気でも慢性的な疾患は飼い主様が管理していくことになるため、負担もかなり多くなると思います。

セカンドセレクトではできる限り飼い主様のご負担を軽減するような治療を行っていますので、お気兼ねなくご相談いただければと思っております。

2020-09-29

動物病院ではよく緊急手術があります。

当然緊急手術なので、前もって手術予定がたっていないことがほとんどですが、そういった手術の中で最も動物病院で行われているのが帝王切開です。

もちろんある程度は予測はつくのですが、そのタイミングなどについては多くのお問い合わせがあります。

今回はその帝王切開についてご説明したいと思います。

まず犬や猫の妊娠、出産は?

ご存じの飼い主様も多いかもしれませんが、犬や猫の性周期は人間とは大きく異なります。

犬は季節繁殖動物と言い、春と秋にのみ年2回排卵が起こり、交配が可能になります。

また排卵された卵子は子宮内での生存期間が1週間程度と長いため、正確な交配時期を推測することが難しいことが多くあります。

ちなみに発情期に陰部からの出血は見られるのですが、月経による出血とは異なります。

また受胎しなかったメス犬はそのまま発情休止期に入り、犬によっては強い偽妊娠の兆候が見られることがあります。

一方で猫の場合は、交尾排卵動物と呼ばれ、明確な交配時期はなく、交配して初めて排卵が起こります。

また排卵には交尾による刺激が数回必要と言われており、同腹子でも父猫が異なる場合もあります。

犬、猫ともども妊娠期間は60日から65日程度とされていますが、種類によっても大きく異なるほか、人間と同様、個体によって日にちは数日ずれることはざらにあります。

この辺りが帝王切開を行うべきかどうか判断する際に、非常に迷うところになります。

帝王切開のタイミングは?

先に行ってしまうと、帝王切開を行わなければならないベストなタイミングは誰にもわかりません。

妊娠から出産までの期間は個体差が数日から1週間ほどあるため、正確な出産日を推測することは非常に困難です。

犬の場合は一般的には出産直前の動物は体温が35℃から36℃まで低下し、それが見られてから半日以内には出産が始まるとされています。

猫の場合には、出産前日あたりから食欲が絶廃になるため、こちらが出産日の予測になります。

犬の場合も猫の場合もこういった出産兆候が始まってから24時間程度で陣痛が始まりますが、1日たってもそのような出産行動に入らなければ帝王切開を検討する必要が出てきます。

また陣痛のようなそぶりがあっても胎児が出てこない場合どれくらい待てばいいのか?とよくご質問を受けるのですが、こちらに関しても個体差が大きいため正確な返答は困難です。

こちらも一般的な話にはなりますが、出産行動が始まって12時間以上たっても1頭目が出てこなければ、帝王切開を検討するタイミングになります。

また1頭目は無事に出産されても、2頭目が速やかに出産されない場合もよくあり、3時間以上も間が開くようであればやはり帝王切開を検討する形になります。

まれにあるのですのですが、激しい陣痛が続いても出産されないケースは早めに対応した方がいいとされています。

いずれにしてもこれらのタイミングは絶対ではなく、あくまでも目安になるので、最終的な判断は常に相談しながらという形になります。

帝王切開は簡単?

帝王切開は術式としては簡単なのですが、通常の手術とは異なることが多くあります。

一番の違う点は、とにかく可能な限り胎児が取り出されるまでの時間を短縮し、麻酔が胎児に与える影響を最小にするところです。

場合によっては通常よりも浅い麻酔で手術を行うこともあり、ある程度の熟練度は必要だと思います。

また取り出された胎児がいつ目覚めるかどうかは誰もわかないので、10分~1時間程度、蘇生に時間がかかっても、その後順調に発育していくこともあるため、蘇生処置をいつ終わりにするかも判断が非常に難しいと思います。

まとめ

セカンドセレクトでも帝王切開はご対応しており、小型犬であれば全体的なご費用は10万円程度になります。

ただ自然に分娩するのが一番リスクが低いので、ぎりぎりまで帝王切開は行わないようにお勧めしています。

2020-09-17

腫瘍と一言で言っても色々な腫瘍があります。

見た目で判断できるようなものもあれば、外見上からは全くわからないものあるし、聞いたこともないような名前の腫瘍も多く存在しています。

そんな外見からも判断できず、またなじみもないような腫瘍の場合には、しばしば診断までに時間がかかることもあります。

今回はそんな腫瘍の中のひとつ、多発性骨髄腫という病気をご紹介します。

多発性骨髄腫とは?

多発性骨髄腫は体を守る免疫担当細胞の一つのBリンパ球が骨髄内で腫瘍化したものです。

抗体を産生するBリンパ球は形質細胞とも呼ばれるため、骨髄の中で起こった形質細胞の腫瘍である形質細胞腫が骨髄で発生して起こることもあります。

人間では高齢の男性に多いと言われていますが、犬の場合は雌雄差はなく中高齢にみられる腫瘍ですが、猫の場合はかなりまれと言われています。

骨髄に起こる腫瘍性病変の影響のため、レントゲン上では骨が破壊されているような画像が得られ、血液検査上では高カルシウム血症が見られるほか、腫瘍にかかった動物たちも体のいたるところで痛みを感じることがあります。

また多くの場合は貧血などからくる食欲不振が見られ、そのほか腎不全などにより多飲多尿が見られることも多くあります。

検査方法は?

Bリンパ球は抗体と呼ばれるたんぱく質を主成分とした免疫物質を放出するのですが、腫瘍化したBリンパ球によって異常に産生された抗体のため、血液中のたんぱく質含有量が非常に高くなります。

ほとんどの多発性骨髄腫を疑う症例では、この高たんぱく血症を見て獣医師は病気を疑うことになります。

血液中に含まれるたんぱく質にはいくつか種類があるのですが、多発性骨髄腫を患った動物の血液はモノクローナルガンマパシーと呼ばれる特徴的なたんぱく質の変化があります。

これらは外部の検査を依頼することで判明するため、こういった所見が見られた動物の場合はすぐに検査を勧める必要があります。

実際にはこのモノクローナルガンマパシーのみで判断することができないため、レントゲンで骨が異常な所見があるかどうか、もしくは尿中に腫瘍化したBリンパ球から産生されたたんぱく質が検出されるかどうかなどで判断していきます。

これらの検査でも診断がつかない場合、最終的には骨髄の生検になりますが、状態の悪い中での全身麻酔による検査のため、リスクを回避することが困難になります。

治療法について

診断がついた場合、治療は早期に開始していきます。

基本的には抗がん剤を使用していくのですが、他の血液の癌であるリンパ腫などに比べると、使用する抗がん剤は経口投与になるため自宅で行え、薬価もかなり安いと思います。

犬の場合は比較的予後はよいとされているので、治療はある程度積極的に行ってもいいと思います。

猫の場合は残念ながら予後はとても悪く、抗がん剤の効果も出にくいとされています。

まとめ

セカンドセレクトでは様々な腫瘍の治療も行っています。

もし何かご不安なことがありましたら、いつでもご相談ください。

2020-09-07

予測できないことというのは、特に医療の分野ではよくよく見られます。

そこに人為的なミスがなかったとしても、突如として思いもよらない生体反応が起こった経験は、医師、獣医師問わず、ほぼ皆が経験していることだと思います。

そういった予測不可能な生体反応の一つとして「血栓」というものがあります。

血栓はその名の通り血管内にできた血餅によって血管が詰らしてしまうことがあり、詰まってしまった血管によって様々な症状が出てきます。

今回は犬でまれにみられる全身性血栓塞栓症についてご説明したいと思います。

そもそも血栓ってなんでできる?

血栓はいきなりできるわけではなく、ほとんどの場合は基礎疾患となる病気がもとになり、たまたまできてしまうと考えられています。

代表的な病気としては心疾患、腎臓病、甲状腺機能低下症や多くの消化器疾患などで見られると言われています。

また人間と同様に高コレステロール血症などが原因による動脈血管の内皮構造が変化して起こる可能性なども挙げられていますが、実際のところ原因を特定できることは多くはなく、一見は特に何も病気がないような犬でも突如として血栓が発生することが多いと思います。

またよくあるケースとしては、大きな外科手術、とくに大きな腫瘍の摘出をした後に発生することもあり、術後の急変の要因としては常に気にしないことの一つに挙げられます。

一度発生した血栓が血管を詰まらしてしまう「血栓塞栓症」は大動脈や心臓、肺動脈などで見られるのですが、それによってみられる症状は血栓の大きさ、塞栓部位などによって異なり、無症状の場合もあれば致死的なこともあり、血栓が原因で死亡したとしてもそれが解明できないこともあります。

血栓塞栓症の症状は?

動物病院で見られる犬の血栓塞栓症は多くの場合、腹大動脈と呼ばれる血管で起こり、主な症状は後肢の麻痺が見れられることになります。

ほとんどの場合は突発的に起こり、後ろ足はダランとして力が入らないような状態になり、触ると少し冷たく感じます。

犬自体はおなかを触ると痛がるようなしぐさを見せることもあります。

よくあるのが、散歩の途中から突然歩けなくなったというケースが多く、運動によって必要な血液量が増加しているのにもかかわらず、後肢の血管に血栓が詰まって細くなっているため、血流不足を引き起こしているからだと推測されています。

検査方法と治療法は?

腹大動脈に起こった血栓塞栓症は基本的にはエコー検査で描写できることが多いと思います。

その他、血栓ができやすい状況なのかどうか、血液検査でも判断することができるため、支持診断として検査を行います。

また全身性の疾患を伴っていないかどうか、スクリーニング検査が必要となるため、結局のところ一通りの検査を行う必要があります。

とくに血栓は心臓内でできることも多いため、心臓内のエコー検査にて血栓の有無を確認すること、また不整脈が頻発していることもあるため心電図など、心臓の精密検査は必須となります。

基本的には基礎疾患となっているものを治療することが理想なのですが、先にも述べた通り、こういった検査でも本来の原因が見つからないケースも多くあるため、治療は基本的に支持療法となります。

以前は血栓を溶かす薬を点滴にて投与していたのですが、有効性に乏しいため最近ではあまり行われないと思います。

猫に比べると犬の血管は太いため、徐々に血流は回復してくることが多いので、新たな血栓ができないよう抗血栓薬を服用しながら長期間観察していくことがほとんどです。

ただし、血栓は肺動脈や腎動脈にも発生することがあるため、各主要な臓器に血栓塞栓症が見られた場合には、甚急性かつ致死的な症状が出ることもあるため注意が必要です。

まとめ

後肢が動かなくなる病気の代表的な疾患としては椎間板ヘルニアがあげられますが、好発犬種以外で突如後肢の麻痺がおこった場合は、血栓塞栓症の疑いがあります。

急激な症状ではなく、間欠的に後肢の麻痺がおこり、安静にしていると治癒するという症状を慢性的に繰り返すこともあるので、もし後肢の動きをみて不安を覚えるようなことがあればお気兼ねなくご相談ください。

2020-08-29

人間もそうだとは思いますが、ある程度の年齢になると多くの犬で突発的な発咳が見られるようになります。

こういった咳の中でも、ちょっと厄介なものが慢性気管支炎だと思います。

特定の原因がみつからないことが多いため、治療は対症療法にとどまり、継続的に治療をしていかないといけないからです。

今回はこの慢性気管支炎をご説明したいと思います。

慢性気管支炎とは?

慢性気管支炎は先ほども述べた通り、発咳を起こすような病的な理由が見つからないのにもかかわらず、長期間にわたり発咳が見られる疾患です。

猫よりも犬で圧倒的に診られることが多く、7歳あたりを超えてから目立つようになることが多いと思います。

ちなみに猫では喘息性の咳が多くみられるのが特徴です。

【猫喘息】猫の咳で一番多い理由。治療法は?予後は?

トイプードルやヨーキー、ポメラアン、などの小型犬に多いのですが、比較的よくなく犬でも見られると思います。

また幼少時代に重度のケンネルコフやアレルギー性気管支炎などを起こした犬が中高齢になった時に見られることもあり、基本的には全犬種でふつうにみられる病気です。

【ケンネルコフ】犬の咳でみられる伝染性気管支炎。治療は必要?予後は?

発咳は明け方に多く見られるのですが、症状の進行とともに日中も見られるようになります。

特に体位を入れ替えた時や動き出しなどに突発的に起こることが多く、発咳は数秒から数分続きます。

検査方法は?

慢性気管支炎の場合、特定の原因がないため、検査上は特別な異常は見つからいことがほとんどです。

ただし、心臓病や機関虚脱のような似たような症状を出す他の病気も多くあるため、一通りの検査は必要だと思います。

検査はレントゲン、血液検査などを行うのですが、慢性気管支炎の合併症として肺高血圧症がよく見られるため、心臓のエコー検査は必須だと思います。

【肺高血圧症】気づいたら犬や猫の息が荒い・・・。意外と多い犬の肺の病気。

治療法はどんなものがある?

慢性気管支炎の治療法は基本的には投薬になります。

心臓やそのほかの慢性疾患で使用される薬と異なり、決まった時間に継続的に使用するというよりは頓服として使用できることも多く、副作用の問題もあまりありません。

ただし、薬の内容としては気管支拡張剤や鎮咳薬、去痰剤などが代表的なものになりますが、気管支炎に使用する薬のほとんどはとても苦いため、投薬には意外と苦労することおも多いと思います。

セカンドセレクトでは内服を錠剤だけでなく、粉末やシロップにして処方することも多いのですが、それでも投薬が困難なこともあるので、色々な方法をご相談しながら行っています。

またネブライザーと言って薬剤を霧状にして吸入させることもあります。

ネブライザーの機械自体は簡単にインターネットで購入できるため、投薬が困難などのケースの場合はこちらもお勧めしています。

まとめ

慢性の疾患はどんな病気であれ、動物だけでなく飼い主様にも大きな負担となることが多いと思います。

セカンドセレクトでは双方の負担を軽減できるような治療を心がけておりますので、何かお困りの際はいつでもお気兼ねなくご相談ください。

2020-08-18

動物の免疫システムは外からやってくる細菌やウイルスから身を守るだけでなく、体の中で偶発的に発生する腫瘍を抑える役目もあります。

こういった免疫システムの能力は年齢とともに段々と失われていくため、年を重ねると感染症などの病気になりやすいだけでなく、腫瘍もできやすくなります。

また腫瘍細胞は全身どこの臓器からも発生するのですが、動物病院で遭遇する腫瘍なかでも乳腺や生殖器から発生する腫瘍がよく診らるため、腫瘍が原因での来院率はオスよりもメスの方が多いと思います。

今回は年齢をかさねたメスの犬でよく見られる良性の腫瘍、膣ポリープについてご説明したいと思います。

膣ポリープとは?

膣ポリープは未避妊の高齢のメス犬ではよくみられる腫瘍です。

なぜなら一般的に生殖器から発生する何らかの腫瘍は、性ホルモンに大きく影響されるからです。

通常は膣内から発生しますが、できた当初は膣内にあるため、外見上からもわからないですし、症状もありません。

ポリープはドーム状というよりは、ひょうたんや売りのような形をしているので、ポリープが大きくなるとその先端が陰部から露出されます。

多くの場合、この時点で飼い主様が気づき動物病院に連れてくるのですが、この時点でもあまり症状はありません。

たまに直接地面に擦れたり、犬自体が気にして噛んだりして傷ついたりすることもありますが、それ以上の症状が出ることはないと思います。

治療法は?

治療法はもっぱら外科手術になります。

腫瘍の発生は性ホルモンとの関連性があるため、手術と同時に避妊手術を行うことがよいとされています。

またポリープの根が膣の奥に入り込んでいるため、陰部を切開する必要もあります。

ただし、こういった処置は全身麻酔を使用し行うのですが、ポリープを発見した時には全身麻酔を使用するのにためらう年齢であることが多いのが問題となります。

放っておいても一般状態を低下させることはあまりないのですが、ポリープ自体が傷つき潰瘍を起こしてしまうこともあるため、何かしらの処置が必要になります。

そういった場合、セカンドセレクトでは簡易的にポリープを結紮し切除することをお勧めしています。

簡易的に切除した場合、たまに再発することもあるのと、出血しやすい箇所になるためあまり大きく太いポリープには不向きであるのですが、全身麻酔を使用せず切除できるメリットは大きいと思います。

処置時間は5分程度、5000円程度の処置量になります。

まとめ

年齢を重ねるとイボのような、あまり健康には関係のないものが多く発生しますが、発生した場所によってはなんでもないものでも、結構生活の質を落とす原因になることもあります。

ちょっとしたことなんだけど、何とかならないかなぁという些細なことでも構いませんので、何かありましたらお気兼ねなくご相談ください。

2020-08-06

以前に比べると増えてきたとはいえ、ウサギの診察が可能な動物病院は犬猫に比べるとまだ少ないと思います。

セカンドセレクトはそんな数少ないウサギの診察も可能な動物病院のため、近隣からも割と多くのウサギが受診されています。

ウサギがなる病気はウサギ特有の病気が多く、あらためて犬や猫とは違うので大変だなぁと思うことはよくあります。

今回はそんなウサギ特有の病気、ウサギの不正咬合について今回はご説明したいと思います。

ウサギの不正咬合って?

ウサギは常生歯といって、他の哺乳類と異なり、歯は生涯伸び続けます。

1週間で平均3㎜ほど伸びていくため、健康的なウサギの場合は採食の際に伸びた歯の分だけ摩耗しいきます。

ただし、もともと飼育されているウサギはペレットや野菜など軟らかい食事を与えられているため、野生のウサギよりも歯が摩耗するスピードが遅いうえ、中高齢になるとさらに歯は摩耗しずらくなっていくため、過度な歯の伸長がよく見られるようになります。

噛み合わせによっては、過度に伸びた臼歯はとげのようにとがった形になり、舌や口の中の粘膜を傷つけ、炎症や細菌感染を起こしたりします。

不正咬合の症状は?

初期段階としてよく見られる症状は、食欲はあるのだけどうまく食べれない、口の中のものをよくこぼすということがあります。

症状が進むにつれて口の周りがよだれで汚れやすくなったり、歯ぎしりなどが多くなることもあります。

さらに症状が進むと、柔らかいものしか食べなくなり、最終的には食欲自体が低下していきます。

治療法は?

過度に伸びてしまった臼歯は削って適切な形に治すしかないのですが、一部の動物病院を除いては全身麻酔をかけたうえでの処置になります。

セカンドセレクトでも同様に基本的には全身麻酔を使用することになりますが、ウサギの全身麻酔に関しては麻酔事故が多く、リスクの少ない処置ではないと思います。

ウサギの臼歯は専用の鋏で簡易的に短くする方法もあるのですが、ウサギの臼歯は他の動物と異なり小さな歯が直線的に並ぶことによって一つの臼歯を形成しているような性質を持っています。

したがって処置後に微細な段差や噛み合わせの悪さが残ると、食欲が中々回復しないとか、かえって食欲が低下することもあります。

セカンドセレクトではこういった処置後の不具合を防ぐために、専用の電動ローラーですべての臼歯を均一の高さに整えるようにしています。

こういった意味でも全身麻酔は不可欠になってきます。

ちなみに料金は預かり(ICUにての管理)料や抗生剤などの注射費用を含めて20000円となります。

まとめ

動物病院にくる動物の中でもウサギはダントツで繊細な動物のため、たとえ適切な治療を行ったとしても予想通りの治癒経過をたどらないこともあるため、難儀することも多い動物だと思います。

セカンドセレクトではうさぎの臼歯処置のほか、子宮疾患を含めた避妊手術なども行っていますので、何かご心配事がありましたらお気兼ねなくご相談ください。

2020-07-25

ストレスの多い現代社会。

ストレス性〇〇という名前の付いた病気は結構多いと思います。

ペットの病気でもストレス性〇〇と思われるようなものはいくつかありますが、ペットの場合は何かしらのストレスを感じると自虐と言って自分の体に対し攻撃的になることが多いかもしれません。

今回はそんな自虐行動のひとつ、猫の心因性皮膚炎についてご説明したいと思います。

そもそも猫のストレスのもとって?

ほとんどの猫の飼い主様が感じていらっしゃると思いますが、猫はとにかく警戒心が強く、とても繊細な生き物です。

動物病院に連れていこうとしたら、前日から姿を見せなくなることはしょっちゅうです。

そんな猫の生態もあり、ストレスの原因を探ろうとするのは時に困難な場合もあると思います。

またストレスと思われるものを取り除いたとしても、猫に限らず動物の自虐行為はそのままルーチンとして残ることもあり、猫以外でも犬などは趾間皮膚炎として残ることもあります。

【趾間皮膚炎】犬が足先を舐めるのが止まらないときは?

猫の心因性の脱毛は?

猫の皮膚炎としてよくあるのはアレルギー性皮膚炎や真菌症と呼ばれるものです。

アレルギー性皮膚炎の病変部は顔面周囲や耳の根元、下腹部に発赤をともなう湿疹が出ることが多いのですが、アレルギー性皮膚炎の場合はひどい掻痒感が伴います。

【猫のアレルギー性皮膚炎】突然顔周りが傷だらけ。赤くて痒そう・・・。こんな時の治療法は?

真菌症は同様に顔回りや足先などにガビガビした皮膚炎を作りますが、あまりかゆがる様子は見られません。

【皮膚糸状菌症】ペットだけでなく人間にも移る厄介な皮膚病。猫の飼い主様は要注意!?

一方で心因性皮膚炎の場合は被毛が猫のざらざらとした舌でなめとられて脱毛を起こすため、湿疹もなく毛は途中から千切れるような感じになっています。

湿疹が見られることはほとんどなく、猫がなめやすい箇所に起こります。

大腿部の外側や下腹部に脱毛が起こることが多いのですが、皮膚自体にはこれといった病変はありません。

治療法は?

猫の心因性のものに対する薬というものはあまりありません。

先ほども書いた通り、ストレスのものになるものが除去されたとしても癖のように残ってしまうことも多くあります。

セカンドセレクトではその中でも猫に効果があるようなサプリメントをお勧めしています。

一つはジルケーンと言われるGABAに作用するものです。

GABA受容体は精神を落ち着かせる作用があるため、人間でも様々な形態のサプリメントが存在します。

また従来からあるフェリウエイと呼ばれる猫のフェロモンに類似したものもあります。

電源コンセントに差し込み、その成分を噴霧することにより、猫のイライラ感を和らげます。

これらの試みであまり変化がないようであれば投薬を行うこともありますが、たいていの飼い主様はそこまでご希望されることはないため、あとはうまく付き合っていくようなことが多いと思います。

まとめ

セカンドセレクトでは一般的な動物病院ではないような様々なお薬も常備しております。

ただ最終的に使用するかしないかは飼い主様との相談の上になります。

これってどうなんだろう?と思うようなことがあればいつでもお気兼ねなくご相談ください。

2020-07-17

よく腫瘍を患った犬や猫の飼い主様の心配事として、「痛みは出ますか?」というものがあります。

人間も同様に、腫瘍の種類によっては痛みを伴うものもあります。

そういった疼痛を訴えやすい腫瘍の中に、腎臓の悪性腫瘍である腎癌というものがあります。

今回はこの病気についてご説明したいと思います。

腎臓にできる腫瘍は?

腎臓には色々な細胞の種類があり、どの細胞からも腫瘍が発生する可能性はあります。

腎臓の腫瘍自体の発生頻度はそれほど多くはないのですが、その大部分は腎臓の中を走る尿細管と呼ばれる管を構成する細胞からの発生が多いと言われています。

転移性の腎癌と異なり、原発性の場合は通常片側の腎臓が病巣に侵されています。

ちなみに腎臓に転移しやすい癌は膀胱癌、大腸癌、乳腺腫瘍があげられます。

一方で猫での腎臓腫瘍の場合はリンパ腫が多く、いわゆる腎臓癌の発生はほとんどありません。

【悪性リンパ腫】犬や猫で最もよくみられる血液の癌。抗がん剤は実際のところどうですか?

症状は?

腎臓癌に侵されたとしても、見た目の尿にはあまり変化がないことが多いと思います。

片側の腎臓は正常に働いているので、血液検査上で腎臓の数値には変化がないことがほとんどですが、たまに腎臓から分泌されるホルモンの影響で、赤血球数が非常に多くなっていることもあります。

診断はレントゲンやエコー検査により簡単に見つけることができますが、腎臓癌については特定の症状はないため発見はしばしば遅れることがあります。

経験的に腹部を痛がる症状は数多くの犬で見られます。

このため食欲不振や活動性の低下がよく見られます。

また、腎臓はもともと血管の豊富な臓器のため、転移が多く見られます。

先ほども述べたように症状が進行した段階で発見されることが多く、見つけた時点で肺に転移していることが多いと言われています。

治療法は?

腎臓癌は抗がん剤などの化学療法の効果がほとんど期待できないため、治療法は外科的に癌に侵されている腎臓を摘出することになります。

腎臓癌は転移をしていることが多いこと、また発見時には非常に肥大化しているため周囲の血管を巻き込んでいるケースが多いため、セカンドセレクトでは事前にCT検査を行うことをお勧めしています。

転移もなく、主要な血管を巻き込んでいることがなければ外科手術を積極的に検討してもいいと思います。

手術自体は左側に発生した腎臓癌よりも右側に発生したものの方が難易度が高く、大きな血管を巻き込みやすいと言われています。

個人的にも右側の腎臓摘出はつねに緊張します。

どちらにせよ腎臓を摘出するためには、周囲の臓器や筋膜との癒着を剥離し、腎臓と大血管を結ぶ動脈と静脈を丁寧に結紮する必要があるため、難易度は少々高くなります。

術後は転移がないかどうか定期的に胸部のレントゲン検査を行うこと、片側の腎臓のケアをお勧めしています。

予後は文献によってまちまちですが、平均的な余命は1年程度と言われています。

あくまでも平均です。

まとめ

ペットの高齢化に伴い、セカンドセレクトでも様々な腫瘍についての治療を行う機会が増えてきました。

何かお困りのことがありましたら、いつでもお気兼ねなくご相談ください。

2020-07-06

人間では年に1回の人間ドックというのは割と普通になってきました。

ペットの世界でも定期的な健康診断は一般的なものになり、ほとんどの病院でも様々な検査パックを提供していると思います。

主な検査内容は血液検査、レントゲンやエコー検査になるのですが、健康だと思っていても何かしらに引っかかるのは人間と同じかもしれません。

そういった検査でよく異常が見られる項目としては、肝臓に関する値が上昇していることが多いと思います。

多くの場合はあまり症状もなく、さしたる原因も見つからない場合も多く、結果として慢性肝炎という診断になることがよくあります。

今回は特に犬の慢性肝炎についてご説明したいと思います。

肝臓を調べる検査とは?

肝臓の評価はたいていの場合は血液検査で行われることが多いと思います。

特にアラニントランスアミラーゼと言われる肝酵素が代表的なもので、検査結果の表ではALTとかGPTであらわされることが多いと思います。

他に肝酵素でよく評価される値としてはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(ASTとかGOTと表記されることが多い)も使われますが、ALT(GPT)の方が肝臓の障害をよく反映するため、こちらの方を主に重要視します。

また、アルカリフォスファターゼ(ALP)やγグルタミルトランスフェラーゼ(γGTPとかGGTなどと表記されることが多い)は肝臓だけでなく、肝臓と連結している胆嚢の評価にも使用されます。

肝臓に関する最も一般的な血液検査項目は、以上の4つの項目になるのですが、重要なのはこういった項目に異常が見られた時に、果たして肝臓自体が問題なのか、肝臓以外が問題で数値に異常が見られるのかを調べる必要があります。

というのも肝臓は全ての腸管の消化産物や毒素を受け取り、また体内で発生するほとんどの生理活性物質の影響を受けるため、他の器官の疾患の影響を受け受けやすいからです。

このため肝臓は無害な傍観者などと呼ばれており、血液検査で肝臓に関する値に異常値が見られた場合は、レントゲンやエコー検査など、そのほかの臓器もチェックする必要があります。

他の臓器にも異常がなく、また薬物や感染症など肝臓を直接影響するような要因がない場合は、特発性慢性肝炎と呼ばれることになります。

慢性肝炎は治療が必要か?

慢性肝炎の多くの場合、外見上の異常は全く見当たらないことがほとんどで、たいていの場合は結果を見てびっくり!となることがほとんどです。

治療が必要かどうかに関して言えば、飼い主様のご意見や、担当した獣医師の経験則などが反映するため、例えば腎不全のようなスタンダードな治療指針は存在しません。

セカンドセレクトでは、慢性肝炎を患っている犬においては、定期的に検査を行い、みられた異常が進行していくようであれば投薬治療を行い、進行がほとんど見られなければ経過観察にすることが多いと思います。

いくつかの肝庇護剤と呼ばれるものや利胆剤と呼ばれる薬が主に肝臓の治療薬として使用されています。

種類はいくつかあるのですが、正直な話、どこの動物病院でも処方はほとんど変わりません。

また慢性肝炎の中には免疫介在性の肝炎が含まれていることもあり、ステロイドや免疫抑制剤などを使用することもあるのですが、個人的にはあまり推奨はしていません。

食生活は変更する必要はある?

極論から言えば、いわゆる肝臓用の処方食にする必要はないと思っています。

以前は肝機能の低下から主にたんぱく質の分解、解毒機能が低下しアンモニアなどの有毒な物質が発生しやすくなるため、たんぱく質を制限した食事が必要と考えられていましたが、現在のところ、たんぱく源を制御した食事は必要以上の制限になってしまう恐れがあるため、食事の制限は行わないというのがスタンダードな考え方になりました。

もし処方食を利用するとしたら、肝臓疾患用の食事はたんぱく質の含有量が少し抑えられているため、むしろ乳製品や大豆などのタンパク質を足してあげた方がいいと思います。

その他、ビタミンEなどは肝臓の炎症を抑える期待ができるため、食品やサプリメントから積極的にとってもいいと思います。

まとめ

慢性の肝炎はシニアの犬にはよく見られるものです。

セカンドセレクトでも、動物ドックやフィラリアなどでの健康診断で多くの犬に異常が見られています。

治療はするにせよ、しないにせよ現状把握はしておいた方がいいと思いますので、定期的な健康診断だけはどのような犬にもお勧めしています。

2020-06-25

セカンドセレクトでは色々な腫瘍の診察を行うことがありますが、良性のいぼのようなものから悪性度の高いものまで様々あります。

悪性度の高いものとして代表的なものにはリンパ腫や乳腺腫瘍などがありますが、そのほか珍しい腫瘍の診察も行うことがあります。

そういった「たまに」見かける腫瘍なのかで、悪性度も高く、かつ飼い主様も気づかないことが多い腫瘍として、今回はアポクリン腺癌という腫瘍をご説明したいと思います。

アポクリン腺とは?

アポクリン腺は体の体表にある分泌腺の分類法の一つになります。

人間では汗腺の種類の一つで、エクリン腺と呼ばれる無臭の汗を出すのに対し、アポクリン腺は脂質やたんぱく質を含んだ汗を出すため、しばしば体臭のもとになる汗腺として知られています。

基本的にはアポクリン腺は汗腺だけでなく、体表の色々なところに存在し、乳腺や今回の記事にある肛門腺もアポクリン腺と呼ばれています。

動物でのアポクリン腺癌は基本的には肛門腺の癌として知られており、犬ではたまに見かけますが、猫ではまれです。

アポクリン腺癌はどうやってみつかる?

多くの場合、肛門のわきがやや腫れてきたことに気づいて動物病院に連れてくることが多いのですが、中には腫瘍が大きくなり排便障害を起こすまで気づかずにいることもあります。

また、たまにあるのですが肛門腺しぼりに来た時にたまたま発見されたりすることもあります。

その他にもまれなケースとしては、アポクリン腺癌は血液中のカルシウムの濃度が上昇していることが多く、血液検査でカルシウムの値に異常が見つかって発見に至るということもあります。

いずれにしても腫瘍が発見された場合は、入念に直腸検査を行い、そのほかのリンパ節などに転移がないかどうか調べる必要があります。

それだけアポクリン腺癌は悪性度が高いからです。

治療法は?

アポクリン腺癌は腫瘍の中でも悪性度が高く、発見された時点で転移を起こしていることもよく見られますが、可能であれば外科手術は積極的に検討してもいいと思います。

腫瘍の進行度にかかわらず、アポクリン腺癌は重度の排便障害や疼痛を引き起こすため、著しく動物の生活の質を低下させるからです。

肛門腺は肛門付近の直腸に隣接しているため、腫瘍が腸まで浸潤していなければ切除は可能です。

ただし、非常に神経や血管が入り組んでいる場所にあるため、術後に肛門の麻痺やまれに排尿の麻痺がおこることがあります。

また近位のリンパ節に転移していた場合、そのリンパ節を切除することはほぼ不可能なため、目に見える病巣のみを切除することになります。

ここまでしても手術は必要なのかという話にもなりそうなのですが、腫瘍の進行による排便麻痺はかなり悲惨な状況になるため、手術に耐えられるような状況であれば積極的に検討していただいた方がいいと思います。

術後の抗ガン治療はあまり効果がないため行われることはありません。

その代わりに分子標的薬という薬が、効能外処方ではあるのですが使用されることもあります。

セカンドセレクトでも、分子標的薬を用いたメトロノーム療法と呼ばれる投薬を行うことが多く、できる限り穏やかな生活が続けられるように努力しています。

まとめ

悪性の腫瘍だとしても、その発生場所によって予後はかなり異なると思います。

予後が違えば、それに対しての対処法も異なってきます。

飼い主様としてどういった方法をとるのがいいのか迷われることも多くあると思いますので、そういった際にはお気兼ねなくご相談していただければと思います。

2020-06-15

正確な統計が取れているわけではないのですが、飼育されているほとんどの猫と大半の犬は避妊手術が一般的に行われています。

そのため、自然発生的な子宮や卵巣の病気の数はかなり抑えられていると思うのですが、何かの理由で避妊手術を受けていない犬や猫が、中高齢になって生殖器系の病気にかかってしまうところに遭遇するのは比較的多いと思います。

未避妊の雌で起こりやすい病気と言えば子宮蓄膿症です。

【子宮蓄膿症】未避妊のメスがよくなる病気。本当に手術が必要?料金は?

また乳腺腫瘍も未避妊の雌には比較的多く見られます。

【乳腺腫瘍】犬や猫で多い腫瘍。手術したほうがいい?

今回はそんな未避妊の雌で割とよく見かけるそのほかの病気、卵巣の腫瘍ついてご説明します。

卵巣はふつうどんな感じ?

犬や猫の子宮は双角子宮といってVの字の形をしています。

卵巣はその先端にくっついていて、猫や小型犬で5㎜程度、大型犬でも1㎝弱しかない小さな器官になります。

卵巣自体は固く充実したもので、犬などではよく脂肪に埋もれているため、正常な卵巣であればエコーなどで描写することはかなり難しいと思います。

卵巣が腫瘍化すると

腫瘍化した卵巣はほとんどの場合が嚢胞腺腫と呼ばれる良性の腫瘍です。

人間でも卵巣嚢胞とも呼ばれ、充実した卵巣に水疱が見られるようになり、サイズも少し大きくなります。

腫瘍化した卵巣は異常なホルモン分泌を引き起こし、通常にない発情行動を引き起こすほか、子宮や乳腺に働きかけ、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍などを併発させる場合もあります。

まれに過剰な雌性のホルモン分泌により、皮膚病や貧血を起こすこともあります。

卵巣自体は非常に大きくなることもあり、場合によっては拳程度の大きさになることもあります。

悪性の場合のこともあり、腹腔内に転移を起こすこともあります。

・・・ですが本当にまれで、ぼく自身は悪性の卵巣がんは見たことはありません。

治療法は?

治療法は外科的な切除が唯一の方法です。

高齢でかつ全くの無症状であれば積極的な治療を考えなくてもいいかもしれませんが、たいていの場合は子宮蓄膿症などの併発疾患があることが多く、手術をせざる得ないことも多いと思います。

卵巣は悪性だったとしても転移がなければ切除すれば完治するため、抗がん剤などの追加治療は必要ありません。

ただし転移を起こしていた場合は、有効な治療法は存在しないため、緩和療法が中心となります。

予防法としては、2回目の発情前に避妊手術を行うことをお勧めしています。

通常の避妊手術であれば傷口もそれほど大きくなく、回復も早いと思います。

まとめ

動物医療では避妊手術が定着しているため、こういった未避妊が故の病気に遭遇する機会はかなり減っていると思います。

もちろん避妊手術を行うデメリットも数多くありますので、よくご検討していただければ幸いです。

もしどうしようかお悩みの場合は、お気兼ねなくご相談ください。